「時」と「場合」/"When" and "If"

公式ルールブック解説

 カード効果テキストでは、そのカードの効果使用できるタイミングや条件等を説明するために、「〜時」と「〜場合」という表現が使われていますが、これには違いがあります。
 「〜時」は、その処理や条件が満たされたその直後のみ使用できる事を表しています。
 そのため、何らかの効果チェーンの処理等の途中でその処理や条件を満たしていたとしてもそのカードの効果使用できない事があります。
 「〜場合」はその処理や条件が満たされる事で使用できる事を表しています。
 「〜時」とは違い、何らかの効果チェーンの処理等の途中でその処理や条件を満たされている場合であればそれらの処理が終わった後でそのカードの効果使用する事ができます。

 (公式ルールブック 新マスタールール対応 バージョン 1.0 より引用)

説明

 「破壊された」や「墓地へ送られた」など、特定の処理をトリガー発動できるカードならびにカードの効果は数多く存在する。
 そのうち、発動するかどうかをプレイヤーが選ぶことができる任意効果は、発動条件が「〜した」か、あるいは「〜した場合」かによって処理の方法が異なる。

 「〜した」が発動条件任意効果は、その条件を満たした直後にしか発動できない。
 このため、発動条件を満たした後に別の処理が行われた場合、タイミングを逃したとしてその効果発動できなくなってしまう。
 「〜した場合」が発動条件効果は原則としてタイミングを逃さない。

 「〜した」の任意効果発動できなくなる具体的な状況は「タイミングを逃す」のページを参照。

 この二つを区別するために、「時の任意効果」と「場合の任意効果」とそれぞれ呼ぶこともある。
 これに「強制効果」をくわえて、以下のように考えておくとよい。

  1. 時の任意効果」はタイミングを逃す可能性がある。
  2. 場合の任意効果」と「強制効果」はタイミングを逃さない。
  • 「時の任意効果
    主に「〜した時、〜できる」「〜された時、〜できる」というテキストを持つ。
    第5期以前のほとんどのカードはこちらである。
    また、魔法・罠カードは第5期以降もほとんどがこちらである。
  • 「場合の任意効果
    主に「〜した場合、〜できる」「〜された場合、〜できる」というテキストを持つ。
    任意効果ではあるが、発動条件を満たした後に何らかの処理が挟まってもタイミングを逃さず、強制効果と同じように処理を行う。
    第5期から本格的に登場をはじめ、現在はモンスター誘発効果に限れば「時」と「場合」が半々程度の割合で登場している。
  • 「場合の任意効果はタイミングを逃さない」旨は少なくとも2008年のLIGHT OF DESTRUCTION以降の全てのカードに適用されているが、ルールブックに掲載されるのは非常に遅かった。
    上記の「時」と「場合」についての文章がルールブックに掲載されたのは2013年版のスターターデッキからであり、実に5年もの歳月を費やしている。
    恐らくは「時と場合」の使い分けが行われる以前のカードの再販によるエラッタを待っていたものと思われる。
    なお、マスターガイド3(2011年)のルールQ&Aにある「タイミングを逃す?逃さない?」の項では、「〜場合」の効果はタイミングを逃さないと解説されている。

具体的な事例

その他の「時」と「場合」の違いについて

 カードの発動効果の発動に対して発動する効果の場合、そのテキストが「時」か「場合」かによって扱いが違う。
 「時」の場合はその発動に直接チェーンを組んで発動するのに対して、「場合」の場合はその発動が行われたチェーン上の処理の解決後に発動する。
 ほぼ同じ様な特殊召喚効果に思える《ナチュル・ロック》《オルターガイスト・マルチフェイカー》もこの違いにより実際の運用には大きな違いが出る。

  • 例1:『モンスター効果発動した時』に発動する《幽鬼うさぎ》は、その効果の発動に直接チェーンして発動する誘発即時効果である。
    《幽鬼うさぎ/Ghost Ogre & Snow Rabbit》
    チューナー・効果モンスター
    星3/光属性/サイキック族/攻   0/守1800
    このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
    (1):フィールドのモンスターの効果が発動した時、
    またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、
    手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
    フィールドのそのカードを破壊する。
  • 例2:『魔法・罠カード効果発動した場合』に発動できる《マジシャンズ・ローブ》は、魔法カード効果の発動が行われたチェーン効果処理が終わった後に発動する誘発効果である。
    《マジシャンズ・ローブ/Magician's Robe》
    効果モンスター
    星2/闇属性/魔法使い族/攻 700/守2000
    「マジシャンズ・ローブ」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
    (1):相手ターンに手札から魔法・罠カード1枚を捨てて発動できる。
    デッキから「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。
    (2):このカードが墓地に存在する状態で、
    相手ターンに自分が魔法・罠カードの効果を発動した場合に発動できる。
    このカードを墓地から特殊召喚する。
    この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

備考

  • 原作・アニメにおいて―
    アニメVRAINSの第59話で、遊作と草薙が見ていたニュースサイトのバナーとして載っているデュエル講座のテーマとなっていた。
    因みに解説担当は山本/カエル(アバター名不明)であり、「カエル先輩」として何度か類似した特集を組んだことがあるようだ。

関連リンク

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