遊戯王カードWiki - 《ヴァレルロード・Ｓ・ドラゴン》

《ヴァレルロード・Ｓ(サベージ)・ドラゴン/Borreload Savage Dragon》 †

シンクロ・効果モンスター
星８/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
チューナー＋チューナー以外のモンスター１体以上
このカード名の(3)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードがＳ召喚に成功した場合に発動できる。
自分の墓地からリンクモンスター１体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備し、
そのリンクマーカーの数だけこのカードにヴァレルカウンターを置く。
(2)：このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力の半分アップする。
(3)：相手の効果が発動した時、このカードのヴァレルカウンターを１つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にする。

　SAVAGE STRIKEで登場した闇属性・ドラゴン族のシンクロモンスター。
　シンクロ召喚に成功した場合に墓地のリンクモンスターを装備してそのリンクマーカーの数だけヴァレルカウンターを置く誘発効果、装備したリンクモンスターの攻撃力の半分だけ自己強化する永続効果、ヴァレルカウンターをコストに相手の効果の発動を無効にできる誘発即時効果を持つ。

　(1)は墓地からリンクモンスターを装備カードとし、そのリンク数だけヴァレルカウンターを置く効果。
　この効果を使わなければ(2)(3)の効果が意味を成さないので、運用にはリンクモンスターが墓地に必須となる。
　なお、装備するリンクモンスターは効果処理時に選択するので、墓地に複数のリンクモンスターが存在するなら《Ｄ.Ｄ.クロウ》での妨害を最小限に抑える事ができる。

　(2)は装備カードの攻撃力の半分だけ自身を強化する効果。
　元々の攻撃力も高いため、概ね攻撃力3500以上にはなると思っていいだろう。
　リンクモンスターの攻撃力の最大値は《Ｌ・Ｇ・Ｄ》の5000であり、《轟雷帝ザボルグ》や《おろかな重葬》等で墓地へ送り装備させれば攻撃力は5500に達する。

　(3)はヴァレルカウンターをコストとする無効化効果。
　１ターンに１度しか使えないが、あらゆる効果の発動に対応する。
　また、発動を無効にするのでダメージステップにも発動でき、(2)の攻撃力と合わせて高い制圧力を期待できる。
　ただし、(1)の効果を適用できなければ使えないので、シンクロ召喚成功時などの隙もある。

　高攻撃力・高リンクのリンクモンスターを装備するほど性能は向上する。
　だが、これほど制圧力の高いモンスターは相手も優先して処理を試みる事が予想される。
　相手に処理されるにせよ、このカードの制圧力を活かしてその前に勝利するにせよ、長いターンを維持する事は考えにくい。
　攻撃力に関しても同様で、3000より上と言うだけで十分であり、必要以上に高い攻撃力を狙ってもリターンは小さい。
　そのため、無理に高攻撃力・高リンクのリンクモンスターの装備を狙う必要はなく、それらをリンク召喚するための繋ぎとして出したリンクモンスターを装備するだけでも十分な性能を得られる。
　もちろん、デュエル後半など、高攻撃力・高リンクのリンクモンスターの装備を無理なく狙える状況なら、それに越した事はない。
　また、装備カードの状態で効果を発揮する《聖魔の乙女アルテミス》を装備カードにするのも有効。
　【マギストス】はレベル４中心なのでシンクロ召喚もしやすい。
　【スネークアイ】では装備カードをスネークアイのコストに流用できるので相性が良い。

　他のレベル８シンクロモンスターと比較しても制圧力は抜きん出ている。
　しかし、シンクロ召喚する前にリンクモンスターを用意する必要がある点は劣る。
　《ゲール・ドグラ》や《おろかな重葬》などでエクストラデッキから直接リンクモンスターを墓地へ送る事もできるが、ディスアドバンテージを考えるとあまり有用とは言えない。
　連続リンク召喚後にさらにシンクロ召喚を狙えるような、展開力の高いデッキでの使用が望ましいだろう。
　《幻獣機アウローラドン》なら展開した３体の幻獣機トークンの内１体と自身をリリースして《幻獣機オライオン》をリクルートすることでシンクロ素材と装備カードとするリンクモンスターを準備できる。

　また、高い制圧能力もあくまでも(1)の効果が適用された後の話であり、それを妨害されると一切の効果が封じられる。
　汎用性の高い手札誘発だけでも《エフェクト・ヴェーラー》や《幽鬼うさぎ》等が存在し、特に後者はこのカードまで失われてしまうので天敵となる。
　相手からすればマストカウンターが見極めやすいとも言えるので、このカードだけで制圧を狙う場合はそのあたりにも気を付けたい。

【レッド・デーモン】における縛りの影響を受けずにシンクロ召喚が可能なモンスターの１体だが、基本的にリンク召喚が縛られるデッキであるため、そちらへの採用は難しい。

《アルティマヤ・ツィオルキン》や《やぶ蛇》で特殊召喚できるが、シンクロ召喚ではないため(1)の効果は使用できずバニラ同然となる。
同様に蘇生・帰還した場合もバニラ同然となる。

装備したモンスターを除去されると攻撃力は元に戻ってしまうが、(3)の効果に必要なのは(1)で置いたヴァレルカウンターだけなので問題なく使用できる。

かつては《水晶機巧－ハリファイバー》で《幻獣機オライオン》をリクルートし、２枚で再び《水晶機巧－ハリファイバー》をリンク召喚して、相手ターンでレベル５のシンクロチューナーと幻獣機トークンでこのカードをシンクロ召喚するコンボがあったが、《水晶機巧－ハリファイバー》が禁止カードになった事で不可能になってしまった。

若干の下準備が必要とは言えども、その制圧能力の高さから登場直後から激戦区レベル８シンクロモンスターの中でも指折りの採用率を誇った。
TCGでは、このカードを採用した【クシャトリラスネークアイ】が活躍。
《六世壊＝パライゾス》で《クシャトリラ・ユニコーン》をサーチし特殊召喚、《クシャトリラ・バース》をサーチすることでスネークアイのコストとなるカードを複数確保できる。
その後、《クシャトリラ・バース》で《クシャトリラ・ユニコーン》を蘇生し、スネークアイで用意した《ジェット・シンクロン》と共に《ヴァレルロード・Ｓ・ドラゴン》のシンクロ素材にするという動きが見られた。
TCGでは《六世壊＝パライゾス》が無制限カードであることや、《クシャトリラ・バース》があると《黒魔女ディアベルスター》をリリースなしで召喚できることも噛み合っていた。
結果、TCGで【スネークアイ】のデッキパワーを落とすために24/04/15に一気に禁止カードに指定された。

カード名の「サベージ」に関しては《サベージ・コロシアム》を参照。
「Ｓ」と略されている事に関しては、テキスト上でシンクロが「Ｓ」と略される事が由来だろう。

原作・アニメにおいて―
アニメVRAINSにて、了見/リボルバーが使用するシンクロモンスター。
初登場は「vsウィンディ」戦で、《アネスヴァレット・ドラゴン》・《スピードローダー・ドラゴン》・《ヴァレット・シンクロン》をシンクロ素材にシンクロ召喚される。
(1)の効果で《ヴァレルロード・ドラゴン》を装備し、攻撃力4500となりヴァレルカウンターを４つ乗せた。
更に《嵐闘機艦(ストームライダーシップ)バハムートボマー》の効果を(3)の効果で無効にし、そのまま戦闘破壊してフィニッシャーとなった。
攻撃名は「迅雷のヴァレルファイア」。

シンクロ召喚の口上は、「雄々しき竜よ。その獰猛なる牙を今、銃弾に変え撃ち抜け！シンクロ召喚！いでよレベル８！《ヴァレルロード・Ｓ・ドラゴン》！」。

シンクロ召喚時は、まず胸部のシリンダー部分が生成され、その後に周囲のドラゴン部分が生成される演出だった。
また、ヴァレルカウンターを乗せる際にはシリンダー部分にカウンターと同じ数の光弾が装着される演出となっている。

アニメVRAINSのデュエルでは初めて登場したシンクロモンスターである。
また、上記デュエルでは「○○・シンクロン」及び「スピード○○」の組み合わせで作中初のシンクロ召喚を行っており、リボルバーとウィンディのやりとりも含めてアニメ5D's第１話の「遊星vs牛尾」（１戦目）における初シンクロ召喚時のオマージュとなっている。