王宮(おうきゅう)のお()れ/Royal Decree》

永続罠(準制限カード)
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
このカード以外の罠カードの効果を無効にする。

 BOOSTER5で登場した罠カード効果無効にする永続罠
 魔法カード効果無効にする《王宮の勅命》と対を成す。

 表側表示で存在すれば、自他共にこれ以外の永続罠効果、および、フィールド上で発動した罠、カウンター罠に至るまで全て無効にする。
 スペルスピード2の罠カードチェーンすれば擬似的なカウンター罠として働く。

 その特性から極めて強力なルール介入型の永続罠と言える。
 使用上の注意点は多数ある。
 発動時の無効の仕方と、既に表側表示で存在している時の無効化の仕方の2つに分けて書いてみる。

 まずは《王宮のお触れ》を表側表示にして発動する際の注意点。

  1. 永続効果故に効果解決時フィールドにないと効果を発揮しない。
    例えば通常罠《強欲な瓶》発動などを《サイクロン》無効にしようとする、というのは初心者が犯す典型的なミス。
    しかし、永続罠《王宮のお触れ》の発動チェーンして《サイクロン》破壊した場合、《王宮のお触れ》の効果は発揮できない。
    この違いは通常罠その他と永続罠などの永続効果の違いとしてしっかり理解しておきたい。
  2. 《王宮のお触れ》を表側にしてカードを発動したとき、これにチェーンした罠カード効果無効にできない。
    チェーン処理はチェーンを積んでその逆順のため、《王宮のお触れ》より後に組まれた罠カード効果無効化されないのである。
    特に《サンダー・ブレイク》《砂塵の大竜巻》チェーンされれば効果を適用することなく破壊されてしまう。
  3. 一方で《王宮のお触れ》が破壊されていないなら、より前にチェーンを組んだ罠カード無効化する。
    1:《大嵐》、2:《リビングデッドの呼び声》、3:《王宮のお触れ》
    チェーンを組んだ場合、《王宮のお触れ》は最終的には破壊されるが、チェーン途中の《リビングデッドの呼び声》無効にしてしまう。
  4. カウンター罠発動スペルスピードの遅い《王宮のお触れ》をチェーン発動することは出来ない。
    従って、カウンター罠を警戒するなら、あらかじめに発動しておく必要がある。
    相手セットしたターンには、その罠は発動できないので、エンドフェイズでこのカードを発動することでシャットアウトすることもできる。

 永続効果として表側で存在しているときの注意点。

  1. かつて発動した、フィールド上に既に存在する永続罠効果無効化する。
    《王宮の弾圧》コストを払っても無効化され特殊召喚を防ぐことが出来なくなり、《光の護封壁》など無視して攻撃を行えるようになる。
  2. このカードは「効果無効化する」だけであって罠カード発動は許してしまう。
    カウンター罠発動に成功する」ことが条件の効果モンスターである《豊穣のアルテミス》等は効果を使うことが可能。
    すなわち、このカードは《裁きを下す者−ボルテニス》効果破壊することができるのである。
    【エンジェル・パーミッション】を使うのであれば覚えておきたい。
  3. 既に適用され、かつ既に存在しない罠の効果無効化しない。
    すでに適用された《死のデッキ破壊ウイルス》の残りのターン数を無効化することは出来ない。
    《和睦の使者》発動後、チェーンせずに《王宮のお触れ》を後に表側表示にして発動しても、《和睦の使者》効果無効化されない。
  4. 《王宮のお触れ》の無効効果は、発動した罠カード効果解決時永続効果としてチェーンを組まずに処理。
    罠カード発動チェーンして、《サイクロン》で《王宮のお触れ》を破壊対象に選ぶと、逆順で処理した結果、発動した罠カードは有効となる。
    何らかの処理で「罠カード効果解決時にこのカードが存在しない」ならば、その罠カード効果は有効となるのである。
  5. 罠カード発動後、《非常食》チェーンしてフィールド上で発動し直後に墓地に送っても、効果無効化は適用される。
    《王宮のお触れ》が表側表示時で存在する限り、フィールド上で発動した罠カード効果効果解決時墓地に送られていようと無効化される。
  6. フィールド上以外で発動する罠カード無効化しない。
    墓地に送られてからの効果を持つ《黄金の邪神像》などは有効となる。
    一方で表側表示で存在する《鎖付き爆弾》無効化されているため、破壊され墓地に送られても、破壊効果発動しない点も注意。
  7. 罠の維持コスト無効化されない。
    《銀幕の鏡壁》スタンバイフェイズに支払うコストフィールドに維持する限り必要となる。
  8. 無効化された通常罠カウンター罠は墓地へ、永続罠フィールド上に残る。
    罠モンスター表側表示永続罠としてモンスターカードゾーンから消え、フィールドに残り続ける。
    既に装備済みの通常罠効果無効化し装備カードとしてフィールドに残り続ける。

 その他の注意点。

  1. 永続罠の特性から使い捨てのカウンターとしては使いにくい。
    コストもないことから自発的な《王宮のお触れ》の破壊にはロスが出る。
    自らが使用するデッキ罠カードの比率が高いのなら、罠カード発動の邪魔になる。

 このカードをメインデッキに入れているデッキ【お触れビート】と呼ばれる。
 こちら側はほぼ罠カードを使わず、相手罠カードのみを封じ込め、長い間フィールドに存在することでコントロールする。
 罠カードの多い【ロックバーン】等のコントロールにはかなり優位に立つことができる。
 さらに、《聖なるバリア−ミラーフォース−》《激流葬》等の相手ターン発動するモンスター除去を苦にしない利点がある。
 このカードを入れた【お触れホルス】はそのデッキの代表といえる。
 とはいえ全体除去罠がないためにラッシュに弱くなるという欠点も併せ持つ。

 サイドデッキの常連として定着している、罠対策の基本。
 罠の投入率の高いデッキに対しては2戦目から猛威をふるう。
 メインデッキから投入されることも少なくない。
 デッキの構築上、スロットの圧迫が厳しい場合はこのカードを投入することで罠カードのスロットを削りきってしまえる。
 当然、キーカードとしても有効で、《ホルスの黒炎竜 LV8》《ホルスの黒炎竜 LV6》と併用した【お触れホルス】は有名。

関連カード

―「王宮」シリーズ

収録パック等

FAQ

Q:裏側表示のこのカードが《砂塵の大竜巻》破壊されそうになった時に、このカードを発動して破壊効果を止めることは出来ますか?
A:はい。効果無効になるのでこのカードの破壊を防ぐことができます。

Q:このカードが発動された時、《盗賊の七つ道具》効果破壊する事が出来ますか?
A:はい。このカードの発動チェーンすれば、無効にして破壊することができます。

Q:このカードと相手が先に発動しておいた《人造天使》表側表示で存在しています。
相手カウンター罠《キックバック》などを発動した場合、カウンター罠効果無効になりますが、《人造天使》の「人造天使トークン」は特殊召喚されるのでしょうか?
A:《王宮のお触れ》の効果《人造天使》無効化されているので「人造天使トークン」を特殊召喚できません。

Q:《王宮のお触れ》の発動チェーンして《砂塵の大竜巻》発動し、《王宮のお触れ》を破壊することはできますか?
A:《王宮のお触れ》よりも後にチェーンした《砂塵の大竜巻》効果は《王宮のお触れ》では無効にされないため可能です。