Sin(シン)

デッキの概要

 攻撃力が高く召喚条件の緩いSinを軸としたビートダウンデッキ

 軸とするカードの性質上手札事故を起こしやすいため、デッキ構築やプレイングに工夫が必要である。
 手札事故の回避とフィールド魔法の維持が鍵となる。
 また、Sinに属するモンスターは全て闇属性で、《Sin パラレルギア》《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》を除きドラゴン族である。
 これらの属性種族サポートには強力なカードが多いので必要に応じて採用していきたい。

《Sin World/Malefic World》 
フィールド魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、
自分のドローフェイズ時に通常のドローを行う代わりに発動する事ができる。
自分のデッキから「Sin」と名のついたカード3枚を選択し、
相手はその中からランダムに1枚選択する。
相手が選択したカード1枚を自分の手札に加え、
残りのカードをデッキに戻してシャッフルする。
《Sin パラドクス・ドラゴン/Malefic Paradox Dragon》 
シンクロ・効果モンスター
星10/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
「Sin パラレルギア」+チューナー以外の「Sin」と名のついたモンスター1体
このカードがシンクロ召喚に成功した時、
自分または相手の墓地に存在するシンクロモンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。
「Sin パラドクス・ドラゴン」はフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド上に表側表示で「Sin World」が存在しない場合、このカードを破壊する。
《Sin トゥルース・ドラゴン/Malefic Truth Dragon》
効果モンスター
星12/闇属性/ドラゴン族/攻5000/守5000
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に表側表示で存在する「Sin トゥルース・ドラゴン」以外の
「Sin」と名のついたモンスターが戦闘またはカードの効果によって破壊された場合、
ライフポイントを半分払う事でのみこのカードを手札または墓地から特殊召喚できる。
「Sin」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。
フィールド魔法カードが表側表示で存在しない場合このカードを破壊する。
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、
相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。

デッキ構築に際して

 Sinの高い攻撃力と緩い召喚条件を生かしたハイビートで早期決着を目指すのが基本戦術である。
 《Sin トゥルース・ドラゴン》を採用する場合はフィールド魔法の維持がより重要になる。

モンスターカードについて

Sinモンスター
 Sinは同時に複数体並べられず、最上級Sinフィールド魔法が存在しなければ自壊してしまう。
 この重いデメリットゆえに腐りやすく、対になるモンスターメインデッキに投入される場合さらに手札事故が起きやすくなる。
 対になるモンスターを用意する必要があることと《Sin World》との兼ね合いから、基本的に種類は少なめにして同名Sinを複数枚投入したほうが良い。

―その他のモンスター
 優先するのはSinモンスターの対になるモンスターである。
 手札事故を回避するためにも多過ぎず少な過ぎずが良いため、基本的にSinモンスターと同数採用するのが好ましい。
 採用しているSinを対となるモンスターデッキに存在しない《Sin スターダスト・ドラゴン》《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》に絞れば手札事故の危険性を大きく下げることができる。
 それ以外に、他のモンスターをなるべく下級モンスター中心に採用すれば手札事故のリスクはそれだけ減少する。

エクストラデッキ
 基本的にエクストラデッキ《スターダスト・ドラゴン》《サイバー・エンド・ドラゴン》で6枚埋まることとなる。
 それ以外の9枚には、シンクロモンスターエクシーズモンスターを投入する事も考えられる。~ 

魔法・罠カードについて

 重要となるのは、Sinモンスターの維持に必要なフィールド魔法である。
 しかし、あまり投入するとフィールド魔法がダブって手札事故を起こすため採用枚数はよく考えたい。
 幸いにもフィールド魔法には専用のサーチカード《テラ・フォーミング》が存在するため、投入枚数を多少減らしても上手く回ってくれる。
 その他の魔法・罠カードは、フィールド魔法を守るものや手札事故を回避するもの、モンスター除去するもの等を選択するのが良いだろう。

フィールド魔法
 一口にフィールド魔法といってもその効果は様々であり役割も変わってくる。
 このデッキにおいて中心となるのはこのフィールド魔法であろう。

―その他の魔法・罠カード
 主に採用する事となるカードフィールド魔法Sinモンスターの補助、モンスター除去できるカード等であろう。

戦術

 Sinモンスターとその維持に必要なフィールド魔法ドローし次第展開し、高い攻撃力と展開スピードで相手に競り勝っていきたい。
 相手モンスター戦闘破壊できない事は稀であるため、いかにSinモンスター攻撃を通すかを念頭においておくこと。
 特にSinモンスター破壊された時のアフターケアとして、《Sin トゥルース・ドラゴン》サーチは重要になる。

 フィールド魔法が存在しなければSinモンスター自壊してしまうので、機皇帝手札にある場合などでなければフィールド魔法の維持は最優先となる。
 召喚にはさほどコストがかからないので、《奈落の落とし穴》などの単体除去はそこまで脅威ではないが、《大天使クリスティア》など特殊召喚そのものを封じるカードには要注意。

 除外カード《Sin トゥルース・ドラゴン》以外のSinモンスターには無力であるためそこまで困る事はない。
 《Sin トゥルース・ドラゴン》においても《終末の騎士》等でサーチができなくなる、再利用が難しくなる程度である。
 むしろ逆手に取って《Sin トゥルース・ドラゴン》以外のSinモンスター中心のデッキサイドデッキを用いて作り替えるのも良い。

デッキの種類

 各Sinモンスターはそれぞれが特徴をもっているため、それに特化したデッキを作る事ができる。
 その場合《Sin トゥルース・ドラゴン》はおまけ程度になるだろう。

《Sin パラドクス・ドラゴン》

 他のSinモンスターとやや異なった特徴を持つ《Sin パラドクス・ドラゴン》を中心としたもの。
 採用するフィールド魔法《Sin パラドクス・ドラゴン》の維持のために必要不可欠な《Sin World》が真っ先に挙げられる。
 また《Sin パラドクス・ドラゴン》シンクロ召喚するためのシンクロ素材として、《Sin スターダスト・ドラゴン》《Sin 青眼の白龍》を採用する必要がある。
 さらに前述の通り能動的にシンクロモンスターを用意できる様にすると良いため、チューナーの採用も必要となってくる。
 前述の《ゾンビキャリア》の様に扱い易いチューナーを採用すると良い。
 《スター・ブラスト》等、能動的にレベル操作ができるカードの採用も検討できる。
 採用できるシンクロモンスターの幅が広がり、《Sin パラドクス・ドラゴン》効果の能動的な発動も狙いやすくなる。

《Sin スターダスト・ドラゴン》

 Sinモンスターの中でも扱い易い《Sin スターダスト・ドラゴン》を中心においたデッキ
 《Sin スターダスト・ドラゴン》フィールド魔法を守る効果を生かすために採用するフィールド魔法は維持する事に意味があるものを選びたい。
 《王家の眠る谷−ネクロバレー》《ブラック・ガーデン》《フューチャー・ヴィジョン》等のメタ性質の強いものがそれに当てはまる。
 よって通常の【Sin】と異なり【メタビート】としての性質が強い。

デッキの派生

【Sin墓守】

 【墓守】との混成デッキ
 フィールド魔法《王家の眠る谷−ネクロバレー》を使用するため、墓地利用を封じる事ができる。
 また、相手モンスター《墓守の番兵》《墓守の末裔》除去することもできる。
 真っ先に除去の対象となる《王家の眠る谷−ネクロバレー》《Sin スターダスト・ドラゴン》で守る事ができるのが利点である。

【SSGV】

 上記の【Sin墓守】に、《スキルドレイン》《歯車街》、そして《古代の機械巨竜》を加えた派生型。
《王家の眠る谷−ネクロバレー》の墓地封殺効果に加え、《スキルドレイン》によってフィールド上でのモンスター効果をも封じる為、メタ性の強いデッキ性質を持つ。
また、《古代の機械巨竜》《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》《リミッター解除》を共有する事ができるのも特徴である。
性質上打点勝負に持ち込みやすく、デッキのモンスターの大半が高攻撃力であることも相まって戦闘で当たり負けることはほぼ無いと言って良い。
ただしマスタールール3への移行に伴い、このデッキが活躍した当時と同じように《歯車街》を扱うことはできない点に注意。
詳細は《歯車街》を参照。 デッキ名称はSinスキドレギアバレーの頭文字に由来する。

【Sin宝玉獣】

 宝玉獣を中心とし、破壊耐性のある《虹の古代都市−レインボー・ルイン》Sinの共存を図ったもの。
 手札に来ると利用法が狭まる《究極宝玉神 レインボー・ドラゴン》フィニッシャーとして運用できる可能性が出てくる。
 しかし、通常の【宝玉獣】でさえ《究極宝玉神 レインボー・ドラゴン》の活用は難しいので、無闇に《Sin レインボー・ドラゴン》を多く採用するのは考えものである。

【Sin魔導】

 通常のフィールド魔法以上にサーチが容易な、《魔導書院ラメイソン》を軸にSinの展開を行う。
 耐性こそないが、チェーン1の除去に対しては魔法使い族リクルートが発生し、ディスアドバンテージを軽減できる。
 また、単純に毎ターン1枚分のアドバンテージを稼いでくれるため、デメリットからで足止めされている間にも、戦力を増強できる。
 サーチカードを戻せるため、フィールド魔法にスロットを割かずとも後続を切らしにくい点も有力である。

 攻撃表示で残りやすい《魔導書士 バテル》と、この手札増強の相性から、《トラゴエディア》を併用しやすく、《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》とのエクシーズ召喚までもが可能。
 《魔導教士 システィ》《究極封印神エクゾディオス》サーチできるようにし、ランク10のエクシーズ召喚に特化する事も可能である。
 《究極封印神エクゾディオス》《魔導書院ラメイソン》で戻せない《魔導書士 バテル》を戻すことができるため、サイクルの継続にも僅かながら役立つ。

 《魔導書院ラメイソン》効果を最大限に扱うために、《魔導書士 バテル》以外の魔法使い族も用意したい。
 汎用性の高い《エフェクト・ヴェーラー》は勿論だが、相手ターンでのリクルートが有効な《見習い魔術師》《レアル・ジェネクス・クロキシアン》に繋がる《レアル・ジェネクス・オラクル》なども候補。
 リクルート時に強力なとなり、《青眼の白龍》《Sin 青眼の白龍》と共有できる《青き眼の乙女》も相性が良い。
 ただし参照先の都合上、《青眼の白龍》自体を複数積まねば動かしがたい。
 Sin側をレベル8で統一し、《トレード・イン》と併用するのが無難だろう。 

このデッキの弱点

手札事故

 あらゆるデッキに言える事ではあるが、どんなに対策を行っても手札事故は起こりえる。
 特に【Sin】は最上級モンスターフィールド魔法といった手札事故に繋がりやすいカードを多用するために

  1. フィールド魔法が無いためSinモンスターを呼べない
  2. 手札に対になるモンスターばかり来る
  3. フィールド魔法が必要以上に手札にかさばり、Sinモンスタードローできない
  4. 《Sin トゥルース・ドラゴン》サーチできない

 等々、様々な事故が想定される。
 ただし、手札事故の状況が予測し易いため、対策は比較的容易なのが救い。
 特に上記2番目のケースでは、採用するSin《Sin スターダスト・ドラゴン》《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》のみにすれば完全に回避できる。
 構築次第では手札事故の危険はかなり減らすことができるので、構築段階から意識しておけば問題ないことも多い。

特殊召喚封じ

 Sinモンスターは全て特殊召喚での展開が求められるため、特殊召喚を封じられると身動きがとれなくなる。
 採用するSin以外のモンスターによってはうまく立ち回れる事もあるが、やはりきつい状況には変わりない。
 《大天使クリスティア》《フォッシル・ダイナ パキケファロ》《虚無魔人》などを除去できるカードは多めに投入しておくといい。
 さらに《ライオウ》には《Sin World》によるサーチも妨害されてしまうため、早めに除去しておきたいところ。
 また特殊召喚時に元のモンスター除外する必要があるため、《王宮の鉄壁》もこのデッキの天敵になる。

 《死皇帝の陵墓》ピン挿し、あるいはサイドデッキに忍ばせておく事で、対になるモンスター戦闘破壊を狙う手もある。

フィールド魔法発動の妨害

 注意するべきモンスター《光と闇の竜》ホルスの黒炎竜《ナチュル・ビースト》《神光の宣告者》など。
 フィールド魔法発動無効にされてしまい、Sinモンスターの展開を封じられてしまう。
 とはいえ、《スキルドレイン》発動したり、これらが召喚されるより先にフィールド魔法の発動に成功すれば、逆にSinモンスターの打点により圧倒することが可能である。

 また、《歯車街》の場合は発動無効にされても《古代の機械巨竜》特殊召喚することができるため、フィールド魔法へのカウンターだけでは止まらないことが多い。
 ただし、やはり詰めの局面で《神の宣告》等のカウンター罠《歯車街》以外のフィールド魔法《スキルドレイン》発動されるのは怖い。

ミラーマッチ

 数あるデッキの中でも、【Sin】は特にミラーマッチが苦手とする。
 Sinは共通の効果により相手フィールドを含めてフィールドに1体しか存在できないため、先にSin特殊召喚した者が、ひいては先攻をとった者が圧倒的に有利となる。
 魔法・罠カード除去できるカードは多めに採用しておきたい。
 モンスター除去カードを使ってもよいのだが、その際は《Sin トゥルース・ドラゴン》に注意。
 また、同じ理由で《強制転移》のような永続的なコントロール奪取も苦手としている。

その他

 Sinモンスターの維持にフィールド魔法が必要な都合上、手札消費は決して少なくない。
 さらに、相手のプレイングを制限するフィールド魔法を軸としていない場合、戦線が膠着するとモンスターの場持ちが悪いこちらが競り負ける可能性が高いため、短期決戦を要求されがちになる。

 また、Sinは自軍のモンスター攻撃を抑制するため、一度攻撃戦闘破壊を止められると戦線が停滞してしまうことも少なくない。
 特に、《スキルドレイン》では突破できない自己再生モンスターペンデュラムモンスター《安全地帯》などが現れるとこのデメリットが致命傷となりがちである。
 主な対策としては、こちらからSin除去したり効果無効化することが挙がる。
 そのときにSinシンクロ素材エクシーズ素材にしたり、《スキルドレイン》《激流葬》等の一度に複数のカードに影響を及ぼすカード《歯車街》のようにアフターケアができるカードを併用していると無駄が少なくて良い。

 他にも、ほとんどのSin手札からの召喚に対となるモンスターが必要なので《貪欲な壺》などでSinモンスターを再利用するのが難しいのも苦しい。
 そのため、除去が豊富なデッキ相手ではモンスター切れを起こす可能性がある。
 特に、採用しているSinモンスター《Sin スターダスト・ドラゴン》《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》のみの採用の場合は《Sin トゥルース・ドラゴン》サーチできない状態で【除去ガジェット】などを相手にすると、全てのSinモンスターを使い果たしてしまうことが起こり得る。
 《Sin World》によるサーチも意味を成さなくなるため、これらのデッキ相手にするときはできる限りSinモンスターを温存するプレイングを心がけたい。

代表的なカード

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