【スピリット】

デッキの説明

 スピリットモンスターの独特な効果を活かし、テクニカルに勝利を目指していくデッキ

 性質上フィールドが空になりやすく、実際にデュエルをする時は終始悩まされることになるだろう。
 しかし、それは逆に言うと、相手除去魔法《サイバー・ドラゴン》を腐らせやすいという事でもある。

 モンスターを複数並べる必要性が少ないので、全体除去で一気にアドバンテージを取られる危険は非常に少ない。
 モンスタースピリットないし場持ちの非常に悪いモンスターで固め、相手モンスター除去魔法カードを全て腐らせる事も可能。
 こんな事ができるのは、スピリット以外には【ドローゴー】ぐらいだろう。

 また、ここでは下級スピリットを中心に回す型のデッキを解説する。
 上級スピリットを主軸にしたデッキは【上級スピリット】で扱う。

モンスター

 スピリットの基本は下級モンスターである。
 それは、スピリット上級モンスターは「特殊召喚できない」というデメリットが非常に大きく、さらに手札に戻ってきてしまう性質のせいで非常に扱いにくいからである。

   以下はスピリットで主戦力になり得るモンスターである。

  1. 《砂塵の悪霊》
    何度でも使える《ライトニング・ボルテックス》として働く。
    また、《血の代償》とのコンボ表側表示を全て破壊する《聖なるバリア−ミラーフォース−》にもなる。
    攻撃力もそこそこ高く、アタッカーとしても優秀といえる。

  2. 《雷帝神》
    生きる単体除去魔法カードとして働く。
    攻撃力が2000と高く、屈指の打撃要員となるだろう。
    現在では《サイバー・ドラゴン》という攻撃力2100のアタッカーがいるため不安に感じるかも知れないが、このデッキでは相手特殊召喚できる機会が少ないので十分な値と言える。

  3. 《阿修羅》
    ダイレクトアタック要員であると共に、《キラー・トマト》等のリクルーターを潰す役目を負う。

  4. 《月読命》
    天敵の一つである《人造人間−サイコ・ショッカー》対策の他、守備力1100未満のモンスターへの単体除去として働く。
    今更言うまでもない汎用万能カード、であったのだが06/09/01の制限改訂禁止カードとなってしまった。
    スピリットモンスターの中でも特に強力であっただけに、デッキの弱体化は否めないだろう。

 上記以外のスピリットモンスターも勿論採用を検討できるが、汎用性の低さから不安を感じるのは否めない。
 《血の代償》による防御を重視するなら《竜宮之姫》を、事故が心配なら《磨破羅魏》を必要に応じて採用していけば良い。

 デッキモンスター全てが、場持ちの悪いスピリットでは厳しいため、スピリットと相性の良いモンスターも採用しなければならない。
 が、相手モンスター除去魔法をできる限り腐らせるため、投入するモンスターは最小限にしたい。
 お勧めは《魂を削る死霊》で、各種スピリットによる除去後の直接攻撃アドバンテージを得られるため、攻守共に重要と言える。
 また、罠モンスターもこのデッキでは採用候補。
 取り分け、アドバンテージを取られにくい《サイバー・シャドー・ガードナー》は強力。
 そもそも《血の代償》が投入されているため、《砂塵の悪霊》生け贄要員として十分に活躍してくれる。
 手札に戻るスピリットの性質を利用できる《サイバー・ドラゴン》も有効。
 《冥府の使者ゴーズ》手札に戻る特性との相性は良いが、《血の代償》との相性は悪い。
 罠カードの比率が多いので《人造人間−サイコ・ショッカー》は天敵。
 なので、《光神機−桜火》辺りをサイドデッキに用意しておきたい。

魔法・罠カード

 魔法・罠カードには、これもやはり主力スピリットモンスターと相性の良い物を採用したい。
 代表格は魔法カード《強制転移》《死のマジック・ボックス》罠カード《血の代償》《八汰烏の骸》《門前払い》である。
 《強制転移》スピリットと併用することで完全なコントロール奪取魔法になる。
 《エクスチェンジ》を使うのも一興。
 また《血の代償》手札に溜まったスピリットの一斉攻撃を可能にすると同時に、相手バトルフェイズ《竜宮之姫》等のモンスター召喚、防御するためのキーカードとなる。
 そのため、共に必須カードと言える。

 また、戦闘破壊を基本戦術とするために、《突進》の採用も検討するべき。
 《雷帝神》攻撃力2700未満を倒し、《月読命》守備力1800未満を破壊できる。
 《阿修羅》《火之迦具土》を主軸とするなら《H−ヒートハート》の採用も有効。
 自己バウンス効果に目をつければ、《ヴェノム・スワンプ》という選択肢もある。

 一方、スピリットによる魔法・罠カード除去は採用が難しいため、除去手段を魔法で補っておきたい。
 《ハリケーン》《砂塵の大竜巻》等が有力採用候補だろうか。

 《八汰烏の骸》は、フル活用するなら《強制転移》《死のマジック・ボックス》とのコンボが必要だが、《王宮のお触れ》さえ出ていなければ相手伏せ除去を誘うダミー等に気軽に利用できるので2枚程度ならとりあえず入れてよい。

 以上のカードを主軸にデュエルを進めることになるが、このデッキは性質上手札を確保しやすい反面、《血の代償》相手直接攻撃によってライフがどんどん減っていってしまう。
 不意を突かれると一気にライフを失ってしまうので、他のデッキに比べて守備的なプレイングが要求される。
 《不死之炎鳥》ライフゲイン手段として少々心許ないので、防御系魔法・罠カードに頼ることとなる。
 防御カードの中では攻防一体の《魔法の筒》《ディメンション・ウォール》ライフゲインを兼ねる《ドレインシールド》との相性が抜群である。
 また、《光の護封剣》はこちらのみ一方的に攻撃が可能で《ハリケーン》で使い回しが可能なので是非投入したい。

 《エレメントの泉》《スピリットの誘い》《霊子エネルギー固定装置》スピリット専用の補助カードだが、無理して使う必要は全くない。
 ライフゲイン《エレメントの泉》が採用を考慮できる程度である。

このデッキの弱点

 ハンデス《スキルドレイン》《縮退回路》に弱い。
 フィールドが空きやすいので《首領・ザルーグ》《魂を削る死霊》による直接攻撃が決まりやすく、加えてスピリット墓地に落ちると再利用が難しいからである。
 また、その特性上手札に溜まりやすいので《メタモルポット》などで大量に落としてしまうと戦線が不安定になる恐れもある。
 ハンデス対策として《死者転生》等も考えておきたい。
 《スキルドレイン》により《雷帝神》上級スピリット以外はほぼ無力となる。
 《八汰烏の骸》を採用しているタイプには、《王宮のお触れ》の対策も必要。

上級スピリットの採用の是非

 《死皇帝の陵墓》が登場したことで、確かに上級スピリットとの共存が可能になった。
 だが、【スピリット】において上級スピリットが必要かと言うと、そうとは言い難い面が多々ある。

 上記の問題点を度外視して上級スピリット(と、《死皇帝の陵墓》)を採用すれば、確かに決定力は高まる。
 が、デッキ全体のバランスを著しく崩してしまうことは否めない。

 唯一の例外が《砂塵の悪霊》で、これは生贄1体で召喚が可能なため、《死皇帝の陵墓》を併用しなくても十分使用に耐え得る。
 生贄を確保することはデッキテーマと少々矛盾してしまうが、先述の通り罠モンスターを用いればある程度解決する。

代表的なカード

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