「帝」モンスターをアドバンス召喚し、相手フィールドを制圧するコントロールデッキ。
シンプルなプレイングで高い勝率を誇り、「除去して殴る」というOCGの基本及び王道を踏襲している点でも初心者にお勧めしやすいデッキと言える。
ただし、上級モンスターを中心としたデッキであるため、一般的なビートダウンデッキより手札事故を起こす確率は非常に高い。
デッキ構築センスやプレイングによって、いかに手札事故率を減らすことができるかが、勝敗の鍵となる。
「帝」モンスターはアドバンス召喚成功時にモンスター効果を発動するため、アドバンス召喚のリリースモンスターを確保することが最優先課題となる。
コントロール奪取カードや壁モンスター、そして特殊召喚カードを使用し、アドバンス召喚の補助を行うことが一般的である。
最も適したリリース素材は、繰り返し自己再生する《黄泉ガエル》である。
また、このデッキには必須となる罠カードや永続魔法がないことも使用しやすい点の一つと言える。
帝のモンスター効果で自身のカードを除去しないためにも、伏せカードをセットしないプレイングを心がけると良いだろう。
《黄泉ガエル》は自己再生能力を持っているため、アドバンス召喚のリリースはもちろんのこと、壁としても使用できるため、相性は非常に良い。
《黄泉ガエル》を採用する場合は、伏せカードが少なくなりやすいため、《冥府の使者ゴーズ》の特殊召喚条件を満たしやすい。
《ジェスター・コンフィ》等の自身のモンスター効果で即時に特殊召喚できるカードも、リリースには最適である。
特殊召喚に条件はあるものの、《サイバー・ドラゴン》はアタッカー兼機械族対策にもなる。
《マシュマロン》等の戦闘破壊耐性の持つカードも優秀である。
チューナーの中では蘇生効果を持つ《ゾンビキャリア》が使いやすいだろう。
条件はあるものの、戦闘破壊耐性の持つチューナーの《柴戦士タロ》も扱いやすい。
各種リリース要員をサーチできる《クリッター》は非常に有効である。
デッキから同系のモンスターを呼び寄せる《墓守の偵察者》や《素早いモモンガ》等の起用も悪くはないが、スロットの圧迫から可能な限りは単体で機能するモンスターを優先したい。
帝は上級モンスターであるため、《レベル・スティーラー》も良いが、帝自身がフィールドにいる必要があるため、使用するにはテクニックを要する。
《洗脳−ブレインコントロール》や《クロス・ソウル》等のコントロール奪取カードはアドバンス召喚プラス相手モンスターの除去にもなるため、ほぼ必須カードとなる。
他にも《デビルズ・サンクチュアリ》のトークンからアドバンス召喚につなげることもできる。
罠カードには必須となるカードはない。
ゆえに、《王宮のお触れ》の投入も考えられるが、《黄泉ガエル》の自己再生を阻害するため、採用には注意が必要である。
一般的には、フリーチェーンカードや消費が激しい攻撃反応型罠カードと投入すると良いだろう。
《メタル・リフレクト・スライム》等の罠モンスターをリリース要員として使用するのも良いが、速攻性に乏しく、《デビルズ・サンクチュアリ》の方が使いやすいだろう。
《スキルドレイン》等のこのデッキが苦手とするカードの対策にもなる《砂塵の大竜巻》はフリーチェーンカードであり、《黄泉ガエル》の自己再生も阻害しにくく、１枚投入するだけで活躍が期待できる。
「帝」モンスターは、アドバンス召喚に成功しなければ効果を発動することはできない。
つまり、リリースする行為を封じられると、帝以外のカードでリリース封じを解除しなければデッキとして機能しなくなる。
「帝」モンスターに限らず、コントロール奪取からのアドバンス召喚は黄金パターンであり、それを封じられると困る場合がある。
メタカードとして《洗脳解除》の存在は頭に入れておくべきだろう。
「帝」モンスターは召喚成功時にフィールドで発動する効果を持つ。
フィールドで発動する効果は《スキルドレイン》、召喚成功時に発動する効果は《畳返し》・《エンペラー・オーダー》で無効化される。
《エネミーコントローラー》や《竜宮之姫》といった表示形式変更カードは、「帝」モンスターの天敵であり非常に苦しめられるだろう。
そう言ったカードや、【ガジェット】への対抗手段として《異次元の指名者》を採用するのも悪くない。
また、付きまとう手札事故を同時に回避のために《メタモルポット》や《手札抹殺》を採用するのも有効。
同じ攻撃力を持つモンスター２体以上が並ぶことがあるので、コントロール奪取されて相打ちされることがある。
バーンなど、モンスターの召喚をしないデッキが相手の場合、コントロール奪取カードが腐り、事故率が上がる危険がある。
このデッキで、手札事故を回避するのは非常に難しい。
その事故をも楽しめるようになれば、一流の【帝コントロール】使いなのだとか。
かつてはリリース確保手段に乏しかったためかコントロール奪取を軸としており、結果自滅の可能性の大きかった《雷帝ザボルグ》を敬遠、《地帝グランマーグ》が優先される時代もあった。
現在では《黄泉ガエル》をはじめ、優秀なリリース確保手段が豊富になったため、汎用性で「帝」を選んだほうがよい。
また、当時の全ての「帝」を詰め込んだ12帝というファンデッキも存在した。
しかし、これはリリース用モンスター、主に《黄泉ガエル》がなくなると、フィールドが空になりやすく脆さを露呈しやすい。
遊戯王オンラインでは《風帝ライザー》・《雷帝ザボルグ》・《氷帝メビウス》が制限に、禁止・制限カード/2008年3月1日では《風帝ライザー》が制限に指定され帝デッキが弱体化されてしまった。
しかし、その後《風帝ライザー》が制限解除され、多少だが強化された。
自前で用意するリリースの名称から以下のようなタイプのデッキがある。
デッキを組み合わせて、それぞれのリリースを併用してもよい。
コントロール奪取カードを使ってリリースを用意するタイプのデッキ。
奪ったモンスターを使えば即座にアドバンテージを稼いでくれるので非常に強力。
現在では《洗脳−ブレインコントロール》はほぼ確実に投入される。
また、《エネミーコントローラー》や《クロス・ソウル》も選択肢の一つ。
エーリアン等を用いる構築も可能。
リリースに場もちの良いアンデット族を使用するタイプのデッキ。
詳細は該当ページ参照。
リリースに《異次元の生還者》・《異次元の偵察機》を使用するタイプのデッキ。
詳細は該当ページ参照。
リリースに《黄泉ガエル》を使用するタイプのデッキ。
詳細は該当ページ参照。
2005/09/01〜2006/03/01の間に活躍した、【帝コントロール】系統の主流デッキ。
【帝コントロール】の中でもリリース確保能力に優れた【黄泉帝】に《ダンディライオン》を採用した型。
詳細は該当ページ参照。
上述通り、06/03/01に《ダンディライオン》は制限カードに指定されたので、当時ほどは特化できなくなっている。
リリースに《クリボーを呼ぶ笛》から特殊召喚する《クリボー》・《ハネクリボー》を使用するタイプのデッキ。
《クリボー》・《ハネクリボー》をフィールド上に特殊召喚もしくは手札に加えることで相手からの攻撃にも耐えることができる。
特に【デビル・フランケン】等の１ターンキルに対して、耐性がつく点は非常に魅力。
しかも、《クリボーを呼ぶ笛》・《クリボー》・《ハネクリボー》を採用することでデッキ圧縮することができ、デッキの回りも良くなることが見込まれる。
《天魔神 インヴィシル》の投入も検討できるのもこのタイプのメリットである。
リリースに《召喚僧サモンプリースト》から特殊召喚するモンスターを使用するタイプのデッキ。
主に特殊召喚時点で役割を終えた《聖鳥クレイン》がリリース要員となり、ドロー効果と《召喚僧サモンプリースト》に「帝」を絡めることで状況対応力をさらに高める。
しかし、《召喚僧サモンプリースト》を通常召喚したターンに「帝」をアドバンス召喚することは不可能。
よって《キラー・トマト》等から《召喚僧サモンプリースト》を特殊召喚するなど工夫も必要。
また、魔法カードも考えずに投入すると手札事故を招くので注意。
これらのモンスターは戦闘を行わずに効果を活用でき、ガジェットの攻撃力を上回っていたため【除去ガジェット】へのメタとして働いた。
【帝コントロール】＋【リクルーター】。
リリースに場もちのいい墓地発動型リクルーターを採用したタイプのデッキ。
《ダンディライオン》に繋げる《巨大ネズミ》・《黄泉ガエル》に繋げる《グリズリーマザー》は優秀。
これらのモンスターでなくとも場もちがいいのでそのまま同名カードをリリースするのもよい。
《トラゴエディア》の採用も検討できる。
リクルーターのレベルは総じて４なので、《トラゴエディア》の効果によって相手モンスターを奪いやすいことが最大の特徴。
また強力なメタカードである《王宮の弾圧》を採用することで、相手の特殊召喚を妨害しつつ、自分は帝をアドバンス召喚できる。
その際は《クロス・ソウル》等のコントロール奪取も採用候補となる。
【帝コントロール】に《トラゴエディア》・《バトルフェーダー》を投入するタイプ。
《トラゴエディア》・《バトルフェーダー》は相手ターンに特殊召喚し、その効果により相手のモンスターによる追撃を防ぐことができるだけでなく返しの自分のターンに帝に繋げることができる。
手札事故が起きてしまった時にはフィールドががら空きになってしまいがちなので、その保険としての意味合いももつ。
【奪取帝】の亜種ともいえる。
《巨大ネズミ》・《素早いモモンガ》等を採用した【リクル帝】。
「帝」の他にも《森の番人グリーン・バブーン》の特殊召喚を狙うことができる。
詳細は該当ページ参照。
リリースに場もちのいいリバース効果リクルーターを採用した【リクル帝】。
《墓守の偵察者》や《デスハムスター》が活躍する。
《くず鉄のかかし》も利用できる。
《くず鉄のかかし》や《魔法の筒》で攻撃を無効にし、次の自分のターンに《魔装機関車 デコイチ》などのリバース効果モンスターを反転召喚、１ドローした後にそれをリリースして帝を召喚する。
この時点ですでに１枚のアドバンテージを得ており、優位に立ちやすい。
《見習い魔術師》を軸にした【リクル帝】、【リバース帝】。
《執念深き老魔術師》・《ものマネ幻想師》・《水晶の占い師》等の強力な魔法使い族を状況に合わせリクルートしアドバンテージを稼いでいく。
《見習い魔術師》に《ネフティスの導き手》が対応しているため《ネフティスの鳳凰神》も無理なく採用できる。
《見習い魔術師》で特殊召喚できる《アーケイン・ファイロ》とレベル６の帝で《スターダスト・ドラゴン》をシンクロ召喚できるので、【スターダスト・ドラゴン／バスター】の要素を組み込むことも可能。
《黄泉ガエル》・《マジック・ストライカー》などの魔法カード、罠カードを介在させずにリリース確保する手段と、何より《風帝ライザー》との相性の良さから《大寒波》を採用しラッシュをかける「帝」が登場。
《光と闇の竜》を積み、「寒波ライダー」と呼ばれる構築もあるが、基本は《風帝ライザー》を主軸にした「帝」だろう。
《大寒波》によって、相手の伏せカードの脅威を防ぎ、《氷帝メビウス》によって除去できる。
相手のターンに出来ることはモンスターの召喚・セット・特殊召喚程度であり、防御が非常に難しいことが特徴。
《人造天使》で生成したトークンをリリースして「帝」モンスターを召喚し相手の場を破壊し尽くすデッキ。
詳細は該当ページ参照。
「宝玉獣」のリリース確保のしやすさを帝に使うデッキ。
《宝玉の契約》、《宝玉の導き》が主な採用魔法カード。
宝玉獣は、リリースする場合「魔法＆罠カードゾーン」に置く効果は使えないので《宝玉の恵み》も使える。
基本的に使う「宝玉獣」は、《宝玉獣 サファイア・ペガサス》と《宝玉獣 トパーズ・タイガー》・《宝玉獣 アンバー・マンモス》の攻撃力が高いモンスターが主になる。
【サモンプリースト】・【バブーン】・【宝玉獣】・【帝コントロール】の複合デッキとも言える。
《雲魔物−タービュランス》による《雲魔物−スモークボール》の大量展開を軸に、帝を使うデッキ。
《雲魔物のスコール》・《フォッグ・コントロール》などでフォッグカウンターを乗せ、《雲魔物−タービュランス》の効果でリリースを確保していく。
また、他の雲魔物も場持ちが良いので優秀なリリース要員となる。
《エンペラー・オーダー》は、帝はもちろん雲魔物の召喚時にフォッグカウンターを乗せる効果をドローに代えることができ、基本的には【雲魔物】を軸に構成する。
大量展開が可能な、主にレベル3以下の通常モンスターを軸にリリースを確保し、帝で戦う。
永続的にモンスターを場から絶やさない《人海戦術》、運次第により大量展開が可能な《魔の試着部屋》、ノーコストで最大２体のモンスターを展開できる《同姓同名同盟》など、リリース確保には困らない。
上記のカードの性質上、デッキ内のローレベルモンスターの割合を高くする必要がある。
場に３体以上のモンスターを揃えるのが簡単なため、《ギルフォード・ザ・ライトニング》・《モイスチャー星人》・《神獣王バルバロス》などの採用もできる。
《風帝ライザー》と《鳳翼の爆風》によるドローロックで相手の行動を制限するデッキ。
詳細は該当ページ参照。
シンクロモンスターを駆使するタイプ。
《緊急テレポート》はリリース確保ができるだけでなく、《クレボンス》を呼び出し、《クレボンス》とレベル６の帝で即座にレベル８のシンクロモンスターを召喚できるため、非常に強力であったが、09/03/01において制限カードとなってしまった。
帝のリリース確保、シンクロモンスターの召喚の両面で《簡易融合》も活躍する。
《歯車街》によるアンティーク・ギアを特殊召喚する効果を利用したタイプ。
基本的には、《邪神の大災害》等の自分のカードを破壊する効果でアンティーク・ギアを特殊召喚し、それらをリリースする、というデッキ。
帝には《氷帝メビウス》等、自分のカードも破壊できる効果を持つものも多い。
《光帝クライス》ならかなりのアドバンテージを稼げる。
序盤から《歯車街》を発動し、《歯車街》をセットすれば、即リリースが確保できる上、地味ながらデッキ圧縮にも貢献してくれる。
この場合、《リミッター・ブレイク》も同時に活用できる。
《黄泉ガエル》を墓地に送る?ことが可能な《ジェネクス・ウンディーネ》を用いたデッキ。
自身とサーチ先である《ジェネクス・コントローラー》がリリースに用いり難いのが難点である。
これらと相性のよい《トラゴエディア》は、リリースを揃えられるだけでなく《ゴヨウ・ガーディアン》などを奪える機会も生じるため、帝との相性が良い。
ユニオンを生け贄確保の手段として用意するデッキ。
「帝」モンスターを召喚することでアドバンテージを得ていく。
上記の通り《前線基地》を利用した上級モンスターを召喚させやすくしたもの。
《ブラッド・オーキス》の生け贄確保効果とも相性が良い。