*【&ruby(ましょうどう){魔鍾洞};】[#top]

#contents

**[[デッキ]]の概要 [#abstract]
 [[モンスター]]に対する強固な[[ロック]]能力を持つ[[フィールド魔法]]、[[《魔鍾洞》]]を用いた[[ロック]][[デッキ]]。~
 基本的には[[【ロックバーン】]]なのだが、[[《魔鍾洞》]]の[[ロック]]性能は[[モンスター]]依存の[[デッキ]]に対して極端に高く、一度決まると脱出する事が難しい。~
 よって[[マッチ]]戦では[[ロック]]したまま[[エキストラターン]]に突入し、大会規定による勝利を狙うという[[【トランス】]]じみた戦術を取る。~
 [[19/07/01>リミットレギュレーション/2019年7月1日]]以前の[[環境]]において、[[地雷]][[デッキ]]として存在感を見せた。~

 ※[[19/07/01>リミットレギュレーション/2019年7月1日]]の[[制限改訂]]により、この[[デッキ]]の主力パーツが規制され、[[《魔鍾洞》]]1枚に頼った[[ロック]][[デッキ]]の構築は困難になった。~
 さらに[[21/10/01>リミットレギュレーション/2021年10月1日]]に[[《魔鍾洞》]]が[[禁止カード]]となったため、組むことは不可能である。~
 ''ただし、このページは資料的価値を重視し、この[[デッキ]]の全盛期である[[19/01/01>リミットレギュレーション/2019年1月1日]]及び[[19/04/01>リミットレギュレーション/2019年4月1日]]の[[リミットレギュレーション]]を前提とした文章を残している''。~
 現在の規制状況とは異なる部分が多いので注意してもらいたい。~
//史料的価値が高いデッキなのであえてそのままにした。編集する場合はページ全体の流れを大きく変更するくらいの覚悟が必要なのも理由


 《魔鍾洞/Mystic Mine》
 フィールド魔法
 (1):相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、
 相手はモンスターの効果を発動できず、攻撃宣言もできない。
 (2):自分フィールドのモンスターの数が相手フィールドのモンスターより多い場合、
 自分はモンスターの効果を発動できず、攻撃宣言もできない。
 (3):自分・相手のエンドフェイズに、お互いのフィールドのモンスターの数が同じ場合に発動する。
 このカードを破壊する。

**[[デッキ]]の基本的な要素 [#kihon]
 [[相手]]が[[モンスター]]を1体以上出している状況で、[[《魔鍾洞》]]を[[発動]]。~
 後は[[自分]]が一切[[モンスター]]を出さなければ、[[相手]]は[[モンスター]]による[[攻撃]]および[[効果の発動]]が全て封じられる。~
 後は[[バーン]][[カード]]で[[ダメージ]]を与えれば勝利できる。~

 [[《魔鍾洞》]]には「[[エンドフェイズ]]に[[お互い]]の[[モンスター]]の数が同じだった場合[[破壊]]される」という[[自壊]][[効果]]がついている。~
 【魔鍾洞】側は[[モンスター]]を基本的に一切出さないので、【魔鍾洞】の[[相手]][[プレイヤー]]は自らの[[モンスター]]を0体にすれば[[《魔鍾洞》]]を[[自壊]]させる事ができる。~
 しかし遊戯王[[OCG]]において「[[自分]]の[[モンスター]]の数を意図的に減らす」事は[[リンク召喚]]等を用いれば容易だが、「[[自分]]の[[モンスター]]を意図的に0にする」事は[[自爆特攻]]を行わない限り難しい。~
 [[《魔鍾洞》]]影響下かつ、【魔鍾洞】側が[[モンスター]]を出さない状況では[[自爆特攻]]は行いようがないため、[[自壊]][[デメリット]]は[[《ブラック・ホール》]]等を使われない限り発生しないと考えて良い。~

 もちろん、[[《魔鍾洞》]]が存在しても[[魔法・罠カード]]の使用は禁止されていない。~
 そのため、[[《サイクロン》]]等の[[魔法・罠カード]]による[[《魔鍾洞》]]への[[除去]]は引き続き発生しうる。~
 ただ、第10期現在、「[[エクストラデッキ]]から[[特殊召喚]]できる[[モンスター]]での[[除去]]」が一般化し、[[メインデッキ]]は[[エクストラデッキ]]の[[モンスター]]の素材を展開する役割を担う様になり、[[魔法・罠カード]]も展開補助の目的の物が優先される様になった。~
 そのため、[[ドロー]]しないと使えない[[メインデッキ]]の[[魔法・罠カード]]による[[魔法・罠除去]]は重視されなくなってきている。~
 つまり、1度[[ロック]]をかけられてしまうと[[サイドデッキ]]も含めて抜け出す手段が用意されていない[[デッキ]]も少なくないのである。~

**[[デッキ]]構築に際して [#introduction]

-[[《魔鍾洞》]]~
この[[デッキ]]の[[キーカード]]となる[[ロック]][[カード]]。~
性能の高さは先述の通りであり、「この[[カード]]を出し、その後[[モンスター]]を出さない」だけで強固な[[ロック]]が成立する。~
当然3枚積みが基本となる。~

-[[《魔鍾洞》]]を[[サーチ]]する[[カード]]~
[[ロック]]を決めるためには、[[《魔鍾洞》]]を[[デュエル]]序盤で確実に[[発動]]することが必要である。~
そのため、[[《魔鍾洞》]]を[[サーチ]]する[[カード]]を大量に搭載する。~
[[相手]]が[[モンスター]]を出した直後に[[《魔鍾洞》]]を[[発動]]し[[ロック]]を成立させたいので、[[デッキ]]から直接[[《魔鍾洞》]]を[[発動]]できる[[効果]]を持つものが良い。~
[[《テラ・フォーミング》]]も[[サーチ]]できるが、[[相手]][[モンスター]]が存在しない状態で[[サーチ]]しても[[ロック]]を形成できないため、投入されない事が多い。~
なお「特定の[[カード]]しか[[サーチ]]できない[[カード]]」の大量搭載は、結果として同じ[[カード]]が[[手札]]に貯まり身動きが取れない[[手札事故]]を起こす可能性があるため、一般的には忌避される構築である。~
しかし、この[[デッキ]]は[[《魔鍾洞》]]への依存度が極端に大きく、逆に[[《魔鍾洞》]]さえ[[サーチ]]できれば[[手札]]が多少だぶついても勝てるので、このリスクは軽視してよい。~

--[[《メタバース》]]~
[[フィールド魔法]]を[[デッキ]]から[[サーチ]]、または[[発動]]できる[[通常罠]]。~
[[相手]]が[[モンスター]]を出した直後に[[フリーチェーン]]で[[《魔鍾洞》]]を[[発動]]し[[ロック]]を成立できるので、この[[デッキ]]においては[[《テラ・フォーミング》]]以上に優秀。~
[[《トラップトリック》]]や[[《悪魔嬢リリス》]]との兼ね合いから、3枚積みが必須となる。~

--[[《終焉の地》]]~
[[相手]]が[[特殊召喚]]を行った時、[[フィールド魔法]]を[[デッキ]]から[[発動]]できる[[速攻魔法]]。~
[[《メタバース》]]より[[発動]]タイミングは限られるが、[[特殊召喚]]を行わない[[デッキ]]はほとんどないため、こちらもほぼ[[《メタバース》]]感覚で使用できる。~
また、[[《灰流うらら》]]や[[《レッド・リブート》]]に止められないので妨害されにくさでは[[《メタバース》]]をも上回る。~

--[[《トラップトリック》]]~
[[デッキ]]の[[通常罠]]1枚を[[除外]]し、その[[同名カード]]を[[デッキ]]から[[フィールド]]に伏せる[[通常罠]]。~
[[デッキ]]の[[通常罠]]1枚を[[除外]]し、その[[同名カード]]を[[デッキ]]から[[フィールド]]に[[セット]]する[[通常罠]]。~
[[《メタバース》]]を[[サーチ]]し、間接的に[[《魔鍾洞》]]を[[サーチ]]できる。~

--[[《悪魔嬢リリス》]]~
[[闇属性]][[モンスター]]を[[リリース]]することで、[[デッキ]]の[[通常罠]]3枚を[[相手]]に見せ、そのうち[[ランダム]]に1枚を[[セット]]する[[起動効果]]を持つ[[モンスター]]。~
[[《メタバース》]]3枚を選択することでやはり[[《魔鍾洞》]]を[[サーチ]]できる。~
[[モンスターカード]]ではあるが、[[発動]][[コスト]]として自身を[[リリース]]できるので、自分[[フィールド]]の[[モンスター]]0枚の状態を維持できる。~
[[モンスターカード]]ではあるが、[[発動]][[コスト]]として自身を[[リリース]]できるので、[[自分]][[フィールド]]の[[モンスター]]0枚の状態を維持できる。~

-[[フィニッシャー]]~
--[[《波動キャノン》]]~
[[発動]]後、[[ターン]]が経過してから[[墓地へ送る]]事で、経過した[[ターン]]数×1000[[ダメージ]]を与える[[永続魔法]]。~
8[[ターン]]貯めることで[[カード]]1枚の消費で[[相手]][[ライフ]]を0にできるので、[[デッキ]]スペースを取らず確実に相手を仕留められるのが特長。~
反面[[サーチ]]性に乏しいのが欠点である。~
シングル戦の場合はこれで一撃必殺を狙うのが基本となる。~
[[シングル戦]]の場合はこれで一撃必殺を狙うのが基本となる。~

--[[《自業自得》]]~
相手モンスターの数×500[[ダメージ]]を与える[[通常罠]]。~
[[相手]][[モンスター]]の数×500[[ダメージ]]を与える[[通常罠]]。~
[[火力]]は[[《波動キャノン》]]より低く、1枚で[[相手]][[ライフ]]を0にすることはできない。~
しかし[[マッチ]]戦において「[[エキストラターン]]終了時に[[相手]][[ライフ]]を上回っていればよい」と考えれば、これでも十分な[[火力]]になる。~
[[通常罠]]なので[[《トラップトリック》]]・[[《悪魔嬢リリス》]]に対応し、[[サーチ]]しやすいのが長所。~
一方で、一時的に[[ロック]]を解除されるなどしてある程度[[ダメージ]]を受けてしまった場合は勝ちきれない可能性があるのが欠点である。~

--[[《黄金の天道虫》]]~
[[手札]]に存在する限り、毎[[ターン]]500[[ライフ回復]]できる[[モンスター]]。~
[[エキストラターン]]終了時の[[ライフ]]差による勝利を狙うならば、[[回復]]により[[相手]]の[[ライフポイント]]を上回る形でも良いので、これでも[[フィニッシャー]]となりうる。~
ただしこの[[カード]]を[[フィニッシャー]]とする場合、[[エキストラターン]]を利用した勝利以外の勝ち筋は完全に消滅する。~

--[[《終焉のカウントダウン》]]~
[[発動]]の20[[ターン]]後に[[特殊勝利]]する[[通常魔法]]。~
[[《波動キャノン》]]のように[[発動]]後に[[除去]]される危険性がなく、勝利が確実なのが[[メリット]]。~
一方で、勝利するタイミングを自分で選べないため、他の勝ち筋のように時間切れを利用した[[マッチ]]勝利を狙うのは難しい。~

-防御[[カード]]~
--[[《身代わりの闇》]]~
[[闇属性]][[モンスター]]を[[墓地へ送る]]ことで、[[効果破壊]]を含む[[効果]]を[[無効]]にする[[通常罠]]。~
[[カウンター]]範囲が[[効果破壊]]全般と広いにもかかわらず、[[通常罠]]なので[[《悪魔嬢リリス》]]・[[《トラップトリック》]]に対応しており[[サーチ]]性が高い。~
[[《魔鍾洞》]][[発動]]後は仕事がなくなりがちな[[《悪魔嬢リリス》]]・[[《トラップトリック》]]に別途役割を与えられる点も評価できる。~
更に[[墓地へ送る]][[闇属性]]として[[《絶対王 バック・ジャック》]]を採用することで、[[デッキトップ]]操作と[[罠カード]]の[[サーチ]]が可能。~

--[[《魔宮の賄賂》]]等、各種[[カウンター罠]]~
[[モンスター効果]]は[[《魔鍾洞》]]で封印できるので、[[カウンター罠]]としては[[《魔宮の賄賂》]]が優先される。~
[[《身代わりの闇》]]が対処できない[[《王宮の勅命》]]にも有効。~
[[ライフポイント]]を削る[[《神の宣告》]]を使う場合は、[[バーン]][[カード]]に[[相手]][[ライフ]]を0にして勝てる[[《波動キャノン》]]を採用すること。~

-[[ドローソース]]~
[[《魔鍾洞》]]の[[サーチ]]手段を確実に初手に持ってくるため、そして[[ロック]]を崩されないよう防御[[カード]]を適宜[[手札]]に加えるため、[[ドローソース]]を採用する。~
[[《魔鍾洞》]]の[[サーチ]]手段を確実に初手に持ってくるため、そして[[ロック]]を崩されないよう防御[[カード]]を適宜[[手札]]に[[加える]]ため、[[ドローソース]]を採用する。~
特に使いみちのない[[エクストラデッキ]]を消費する[[《強欲で金満な壺》]]と、元より[[特殊召喚]]を行わないので[[《強欲で謙虚な壺》]]・[[《命削りの宝札》]]が使いやすい。~
[[《魔鍾洞》]]や少数の[[バーン]][[カード]]が[[除外]]されると勝ち筋がなくなるので、[[《強欲で貪欲な壺》]]はリスクが大きい。~
なお普通の[[デッキ]]では[[ドロー]][[カード]]はしばしば[[《灰流うらら》]]に妨害されてしまうが、この[[デッキ]]では[[《灰流うらら》]]の[[発動]]を[[《魔鍾洞》]]が封じているので妨害されにくい点も好相性。~

-その他~
--[[《おジャマトリオ》]]~
[[相手]][[フィールド]]に[[トークン]]3体を送りつける[[通常罠]]。~
[[相手]][[フィールド]]に[[おジャマトークン]]3体を[[送りつけ]]る[[通常罠]]。~
こちらの動きを警戒して[[モンスター]]を出してこない[[相手]]に対し[[発動]]し[[《魔鍾洞》]]の[[適用]]条件を満たす、[[相手]]が[[《ブラック・ホール》]]等で[[自分]]の[[モンスター]]を[[破壊]]し[[《魔鍾洞》]]の[[自壊]]を狙ってきた際に[[発動]]し[[自壊]]を防ぐ、[[《自業自得》]]の[[ダメージ]]を増やすなどの役割がある。~
[[おジャマトークン]]は[[リンク素材]]にはできるものの、先述の通り[[リンク召喚]]を行うだけでは[[モンスター]]の数を0にできないため、[[《魔鍾洞》]]の[[ロック]]には影響がない。~
また[[通常罠]]なので[[《トラップトリック》]]に対応する。~

**戦術 [#strategy]
 まずは[[《メタバース》]]等を用いて[[《魔鍾洞》]]を貼り、「[[相手]][[フィールド]]に[[モンスター]]1体以上、[[自分]][[フィールド]]に[[モンスター]]なし」の状態を作り[[ロック]]を形成。~
 後は[[手札]]補充[[カード]]を用いて[[《身代わりの闇》]]などの防御[[カード]]を引き込み、[[相手]]の[[《ツインツイスター》]]などに適宜[[カウンター]]を当てていく。~

 シングル戦の場合はそのまま[[《波動キャノン》]]を8000[[ダメージ]]分溜めて発射すれば勝利である。~
 [[シングル戦]]の場合はそのまま[[《波動キャノン》]]を8000[[ダメージ]]分溜めて発射すれば勝利である。~

 [[マッチ]]戦の場合は、かつての[[【トランス】]]のような制限時間を利用した勝利を狙うのが最も勝率が高い。~
 まずは[[公認大会規定]]で定められた1[[マッチ]]の時間である40分間[[ロック]]を維持する。~
 [[公認大会規定]]では1[[ターン]]に3分の思考時間が認められているため、毎[[ターン]]きっかり3分の時間を使った場合、おおむね13[[ターン]]で40分を経過させる事ができる。~
 40分後に[[エキストラターン]]に突入するので、[[バーン]][[カード]]を用いるなどして[[相手]][[ライフ]]を0にするか、[[自分]]より少なくする。~
 0にすればその時点で1勝、[[自分]]より[[相手]]の[[ライフ]]を少なくした場合は3[[ターン]]経過し[[エキストラターン]]が終了した時点で1勝となる。~
 40分経過後は、1勝0敗でも[[マッチ]]の勝利扱いとなるため、これで勝利を手にすることができる。~

 基本的に[[マッチ]]1戦目を40分間続けて勝利するのが理想的である。~
 この[[デッキ]]は[[《魔鍾洞》]]1枚に極端に依存しているため、[[相手]]にサイドチェンジを許すと[[サイドデッキ]]から対策[[カード]]を用意され瓦解する危険性が高まる。~

//**[[デッキ]]の種類 [#decktype]
//***《カード名》軸 [#decktype1]
//特定のカードを軸とする場合。

**[[デッキ]]の派生 [#variation]
***【魔鍾洞チェーンバーン】[#variation1]
 [[【チェーンバーン】]]との混成型。~
 [[《メタバース》]]・[[《終焉の地》]]などの[[《魔鍾洞》]]の[[サーチ]]手段に加え、[[《自業自得》]]・[[《仕込み爆弾》]]・[[《破壊輪》]]といった[[【チェーンバーン】]]の[[バーン]][[カード]]を投入する。~
 [[《魔鍾洞》]]影響下では[[相手]][[フィールド]]や[[手札]]に[[カード]]が溜まりやすいので、[[《自業自得》]]や[[《仕込み爆弾》]]などの[[ダメージ]]が高くなりやすい。~
 [[《魔鍾洞》]]を[[除去]]されても勝機が残される点、膠着状態になりやすい【魔鍾洞】の[[ミラーマッチ]]に極めて強い点が[[メリット]]。~

 ちなみにこのタイプでは[[火力]]を高めるために[[《時械神ミチオン》]]などの[[モンスターカード]]を投入する事もある。~
 [[《時械神ミチオン》]]は高い[[火力]]を持つ上に[[攻撃力]]0で[[自爆特攻]]を許さず、比較的[[《魔鍾洞》]]と共存しやすい。~

**この[[デッキ]]の弱点 [#weakpoint]
***[[《魔鍾洞》]]対策となる[[カード]] [#weakpoint1]
 実のところ[[《魔鍾洞》]]は[[モンスター]]以外には何の干渉もできず、[[自壊]][[効果]]もあるので突破できる[[カード]]は多い。~
 しかしこの[[デッキ]]の厄介な所は、[[マッチ]]1戦目での勝利を目的とするため[[サイドデッキ]]からの対策を許さないという、かつての[[【Vドラコントロール】]]のような性質にある。~
 【魔鍾洞】対策を[[メインデッキ]]から行えば他の[[デッキ]]への対応力が低下し、他の[[デッキ]]に強い[[メインデッキ]]を組むと【魔鍾洞】に完封されかねない。~
 現在、大会で勝ち進むには、この両方のバランスをいかに取るかが重要となっている。~

 以下では[[メインデッキ]]から対策を行うことを前提に、できるだけ[[汎用性]]が高く、【魔鍾洞】以外の[[デッキ]]に対して腐りにくい[[カード]]を中心に紹介する。~
~
-[[魔法・罠除去]]を行う[[魔法・罠カード]]~
当然ながら、[[除去]]を行える[[魔法・罠カード]]を積み増せば[[《魔鍾洞》]]は突破しやすくなる。~
[[汎用性]]が高いのは[[《ハーピィの羽根帚》]]や[[《ツインツイスター》]]だが、【魔鍾洞】[[メタ]]に重点を置くなら[[《身代わりの闇》]]を[[発動]]させない[[破壊]]以外の[[除去]]を行える[[カード]]が望ましい。~
[[除外]]する[[《コズミック・サイクロン》]]や、[[バウンス]]する[[《砂利ケーン》]]、[[《魔宮の賄賂》]]の[[チェーン]]も許さない[[《ポルターガイスト》]]などがある。~

-[[《王宮の勅命》]]~
全ての[[魔法カード]]を[[無効]]にできる[[永続罠]]。~
[[《魔鍾洞》]]を[[無効]]にし、[[《身代わりの闇》]]が反応せず、さらに[[汎用性]]が高いので他の[[デッキ]]と戦う際にも邪魔になりにくい。~
ただし[[ライフ]]を払う[[維持コスト]]があるので、勝負を決めきれないと[[ライフ]]差により[[エキストラターン]]で敗北する危険がある。~

-[[《ブラック・ホール》]]・[[《激流葬》]]・[[《妨げられた壊獣の眠り》]]~
[[モンスター]]を[[全体除去]]する[[魔法・罠カード]]。~
[[フィールド]]を空にしてしまえば、[[お互い]]の[[モンスター]]の数は0体と0体で同数となり、[[《魔鍾洞》]]を[[自壊]]させる事ができる。~
[[《妨げられた壊獣の眠り》]]の場合は1体と1体となるが、やはり[[自壊]]させられることに変わりはない。~
こちらも[[汎用性]]が高い[[カード]]である。~

-[[《強制脱出装置》]]~
[[モンスター]]1体を[[バウンス]]する[[通常罠]]。~
[[自分]]の[[モンスター]]が1体になる様に[[リンク召喚]]などで減らし、その1体を[[バウンス]]する事で[[モンスター]]を0にすれば[[《魔鍾洞》]]を[[自壊]]させる事ができる。~
他の[[デッキ]]相手でも、[[破壊]]ではない[[フリーチェーン]]の[[単体除去]]なので[[腐る]]事は少ない。~
-[[《神の宣告》]]・[[《強制脱出装置》]]等~
[[モンスター]]を[[単体除去]]する[[カード]]のうち、[[自分]][[モンスター]]にも使用可能なもの。~
[[自分]]の[[モンスター]]が1体になる様に[[リンク召喚]]などで減らし、その1体を[[除去]]する事で[[モンスター]]を0にすれば[[《魔鍾洞》]]を[[自壊]]させる事ができる。~
他の[[デッキ]]相手でも[[腐り>腐る]]にくい、単体で[[汎用性]]の高い[[カード]]が望ましい。~

-[[《トーチ・ゴーレム》]]~
[[相手]]に自身を[[送りつけ]]つつ、[[自分]][[フィールド]]に[[トークン]]2体を生成できる[[モンスターカード]]。~
[[送りつけ]]&[[トークン]]生成は[[召喚条件]]扱いなので、[[《魔鍾洞》]]影響下でも問題なく行うことができる。~
[[トークン]]2体で[[リンクモンスター]]を作って[[《魔鍾洞》]]を[[自壊]]させても良いし、[[《トロイメア・フェニックス》]]等を出して[[《魔鍾洞》]]を[[破壊]]してもよい。~
[[《おジャマトリオ》]]・[[《ナイトメア・デーモンズ》]]・[[《ブラック・ガーデン》]]なども似たような動きができるが、[[汎用性]]は落ちる。~

-[[《盆回し》]]~
[[自分]]の[[デッキ]]から[[お互い]]の[[フィールドゾーン]]に[[フィールド魔法]]を1枚ずつ伏せる[[速攻魔法]]。~
さらにこの[[効果]]で出した[[フィールド魔法]]が伏せられている限り、新たな[[フィールド魔法]]の[[発動]]・[[セット]]を禁止する[[効果]]を持つ。~
[[自分]]の[[デッキ]]から[[お互い]]の[[フィールドゾーン]]に[[フィールド魔法]]を1枚ずつ[[セット]]する[[速攻魔法]]。~
さらにこの[[効果]]で出した[[フィールド魔法]]が[[セット]]されている限り、新たな[[フィールド魔法]]の[[発動]]・[[セット]]を禁止する[[効果]]を持つ。~
予め[[発動]]して[[フィールドゾーン]]を潰してしまってもいいし、[[《メタバース》]]に[[チェーン]]して[[発動]]し[[《メタバース》]]を不発にしても良い。~

-1[[ターン]]目の[[《魔鍾洞》]]の[[発動]]を止める[[カード]]~
この[[デッキ]]は基本的に[[攻撃]]を止める手段が[[《魔鍾洞》]]一択なので、1[[ターン]]目の[[《メタバース》]]を止められてしまうとそのまま[[1ターンキル]]で敗れかねない。~
該当する[[カード]]の中でも[[《灰流うらら》]]や[[《レッド・リブート》]]は[[汎用性]]が高く、[[相手]]の[[後攻]]1[[ターン]]目でも[[手札]]から[[発動]]可能なので厄介。~
特に後者はその[[ターン]]中の[[罠カード]]の[[発動]]全てを止められる上に[[カウンター罠]]以外の[[チェーン]]ができないため、2枚目以降の[[《メタバース》]]をも完全に機能停止させられてしまう。~

***【魔鍾洞】に強い[[デッキ]] [#weakpoint2]
 【魔鍾洞】は「[[モンスター]]の展開と[[モンスター効果]]の[[発動]]、[[モンスター]]の[[攻撃]]に依存した一般的な[[ビートダウン]][[デッキ]]」を想定した[[メタ]][[デッキ]]である。~
 【魔鍾洞】は「[[モンスター]]の展開と[[モンスター効果の発動]]、[[モンスター]]の[[攻撃]]に依存した一般的な[[ビートダウン]][[デッキ]]」を想定した[[メタデッキ]]である。~
 そのため、この想定から外れた[[デッキ]]に対しては脆い。~

-[[バーン]][[デッキ]]~
[[モンスター効果]]によらない[[バーン]][[デッキ]]に対しては極端に弱く、勝つのはほぼ不可能である。~
[[《魔鍾洞》]]が全く意味をなさない上、[[ダメージ]]を与える速度が遅いこの[[デッキ]]では当初から[[バーン]]を目的に組まれた[[デッキ]]に対して[[ダメージ]]速度で勝てない。~
[[【チェーンバーン】]]は天敵中の天敵である。~

-[[【トリックスター】]]~
[[トリックスター]]の[[バーン]][[効果]]は[[永続効果]]なので[[《魔鍾洞》]]に阻害されない。~
【魔鍾洞】側が[[《波動キャノン》]]のような一撃必殺級の[[ダメージ]]源を搭載していない場合、[[トリックスター]]と[[《トリックスター・ライトステージ》]]の[[バーン]][[効果]]による[[ライフ]]減少のほうが早く、[[エキストラターン]]での勝利を得られない可能性がある。~

-[[【DD】]]~
[[《DDD双暁王カリ・ユガ》]]がこの[[デッキ]]の天敵となる。~
(1)の「この[[ターン]]中、全ての[[カード]]の[[効果]]を[[無効]]にし、[[発動]]できなくする」[[効果]]は[[ルール効果]]なので、[[《魔鍾洞》]]が存在しても[[適用]]され、[[《魔鍾洞》]]は[[無効]]となる。~
(1)の「この[[ターン]]中、全ての[[カード]]の[[効果]]を[[無効]]にし、[[発動]]できなくする」[[効果]]は[[分類されない効果]]なので、[[《魔鍾洞》]]が存在しても[[適用]]され、[[《魔鍾洞》]]は[[無効]]となる。~
その後は(2)の[[魔法・罠除去]][[効果]]で[[《身代わりの闇》]]等ごと[[《魔鍾洞》]]を[[除去]]されてしまう上、(2)の[[効果]]は[[フリーチェーン]]なので2枚目の[[《魔鍾洞》]]の[[発動]]も難しい。~
[[バーン]]に対しても[[《DDD反骨王レオニダス》]]と[[《DDD神託王ダルク》]]で無理なく対策することが可能。~



***審判の判断・大会ルールなど [#weakpoint3]
 この[[デッキ]]は「制限時間」というルールの間隙を突く性質上、審判の判断などが勝敗に影響しうるという欠点を抱えている。~

-[[OCG]]の[[公認大会規定]]・[[大会罰則規定]]内では、「(故意であるか否かを問わず)不必要に長い時間をかけた[[プレイ]]」及び「[[デュエル]]の進行を引き延ばす行為」は''審判の判断により罰則の対象に当たるとされている''。~
そのため、[[《魔鍾洞》]]を貼り毎[[ターン]]きっかり3分の思考時間を使う行為がこれらの遅延行為に該当すると判断された場合、審判からペナルティを課される可能性がある。~
ただ、実際は罰則の判断基準が審判によってまちまちであり、現状ではこうした行為は''ルールに違反していない''として扱われるケースも見受けられる。~
現に【魔鍾洞】が大会でコンスタントに結果を残しているのがその証左である。~

-公認大会では[[サレンダー]]はルール上規定されておらず、[[相手]]が[[サレンダー]]を求めてきても【魔鍾洞】側がそれを拒否する事ができる。~
しかし[[チャンピオンシップ]]などの非公認大会では、1[[デュエル]]のみの[[サレンダー]]が認められている例がある。~
このような大会では、[[相手]]が【魔鍾洞】と分かったら早々に[[サレンダー]]し、[[サイドデッキ]]から対策を取る事で[[マッチ]]残り2戦で勝つという戦略が取りうるため、【魔鍾洞】で勝利を得ることは難しくなる。~

-[[サレンダー]]ができない大会では、[[【Vドラコントロール】]]と同様、「故意に反則行為を行うことで、1[[デュエル]]敗北のペナルティを受けサイドチェンジに持ち込む」という行為が行われうる。~

-2019年4月以降、[[《魔鍾洞》]]を[[禁止カード]]扱いとする非公認大会が現れている。~
上記のように「故意に反則を行う」などのトラブルを招きかねない事に加え、[[マッチ]]ごとに制限時間以上の[[デュエル]]を行うため、大会が長引きやすい点も運営側からは問題視されているようだ。

//**この[[デッキ]]の歴史 [#history]
//カードプールの変遷でデッキ構築が著しく変化している場合、それに触れる。
**この[[デッキ]]の歴史 [#history]
 [[19/07/01>リミットレギュレーション/2019年7月1日]]にて、[[《魔鍾洞》]]が[[準制限カード]]に、[[《メタバース》]]が[[制限カード]]に指定された事で大幅に弱体化する事となった。~
 特に[[《メタバース》]]の[[制限カード]]化の影響は大きく、[[デッキ]]に[[同名カード]]が2枚必要な[[《トラップトリック》]]での[[サーチ]]が不可能となり、また[[《悪魔嬢リリス》]]で3枚選んで確実に[[サーチ]]する事もできなくなった。~
 これにより、[[《魔鍾洞》]]を[[相手]][[ターン]]に[[発動]]する[[カード]](及びそれを[[サーチ]]する[[カード]])は、1[[デッキ]]あたり12枚から[[《終焉の地》]]3枚+[[《メタバース》]]の4枚に激減。~
 [[《魔鍾洞》]]1枚に依存した[[デッキ]]構築は困難となり、この[[デッキ]]は姿を消している。~

 [[【魔鍾洞】]]自体の[[環境]]での使用率はさほど高くはなく、[[地雷]]程度の活躍に留まっていた。~
 だが、上述したそれ以外の面での問題が多発したのが早期の規制に繋がったものと思われる。~

 なお、[[【魔鍾洞】]]という[[デッキ]]は消えたが、[[《魔鍾洞》]]自体はまだ[[デッキ]]に2枚搭載する事は可能であった。~
 よって[[【閃刀姫】]]に[[《魔鍾洞》]]+[[《終焉の地》]]を[[出張]]させた[[デッキ]]など、他の[[デッキ]]に補助的に[[《魔鍾洞》]]を搭載する運用は引き続き行われていた。~
 この点が影響したのか、続く[[19/10/01>リミットレギュレーション/2019年10月1日]]にて、[[《魔鍾洞》]]が[[制限カード]]に格上げされ、この[[デッキ]]の構築はより一層困難となった。~
 その後、冒頭の通り[[21/10/01>リミットレギュレーション/2021年10月1日]]にて[[《魔鍾洞》]]が[[禁止カード]]となったため、構築は完全に不可能となった。~

**代表的なカード [#keycard]
-[[《魔鍾洞》]]

//**サンプルレシピ [#sample]

**関連リンク [#link]
-[[デッキ集]]