*「時」と「場合」/"When" and "If" [#top]

#contents

**効果ルールブック解説 [#officialrule]
**公式ルールブック解説 [#officialrule]
 [[カード]]の[[効果]][[テキスト]]では、その[[カードの効果]]を[[使用]]できるタイミングや条件等を説明するために、「〜時」と「〜場合」という表現が使われていますが、これには違いがあります。~
 「〜時」は、その処理や条件が満たされたその直後のみ[[使用]]できる事を表しています。~
 そのため、何らかの[[効果]]や[[チェーン]]の処理等の途中でその処理や条件を満たしていたとしてもその[[カードの効果]]を[[使用]]できない事があります。~
 「〜場合」はその処理や条件が満たされる事で[[使用]]できる事を表しています。~
 「〜時」とは違い、何らかの[[効果]]や[[チェーン]]の処理等の途中でその処理や条件を満たされている場合であればそれらの処理が終わった後でその[[カードの効果]]を[[使用]]する事ができます。~

 (公式ルールブック 新マスタールール対応 バージョン 1.0 より引用)
//検索用 時と場合 時の任意効果 場合の任意効果

**説明 [#explain]
 「[[破壊された]]」や「[[墓地へ送られた]]」など、特定の処理を[[トリガー]]に[[発動]]できる[[カード]]ならびに[[カードの効果]]は数多く存在する。~
 そのうち、[[発動]]するかどうかを[[プレイヤー]]が選ぶことができる[[任意効果]]は、[[発動条件]]が「〜した''時''」か、あるいは「〜した''場合''」かによって処理の方法が異なる。~

 「〜した''時''」が[[発動条件]]の''[[任意効果]]''は、[[その条件>発動条件]]を満たした直後にしか[[発動]]できない。~
 このため、[[発動条件]]を満たした後に別の処理が行われた場合、''[[タイミングを逃した>タイミングを逃す]]''としてその[[効果]]を[[発動]]できなくなってしまう。~
 「〜した''場合''」が[[発動条件]]の[[効果]]は原則としてタイミングを逃さない。~

 「〜した''時''」の[[任意効果]]が[[発動]]できなくなる具体的な状況は「[[タイミングを逃す]]」のページを参照。~

 この二つを区別するために、「''時の[[任意効果]]''」と「''場合の[[任意効果]]''」とそれぞれ呼ぶこともある。~
 これに「''[[強制効果]]''」をくわえて、以下のように考えておくとよい。~

+「''時の[[任意効果]]''」はタイミングを逃す可能性がある。~
+「''場合の[[任意効果]]''」と「''[[強制効果]]''」はタイミングを逃さない。~

-「時の[[任意効果]]」~
主に「〜した時、〜できる」「〜された時、〜できる」という[[テキスト]]を持つ。~
第5期以前のほとんどの[[カード]]はこちらである。~
また、[[魔法・罠カード]]は第5期以降もほとんどがこちらである。~

-「場合の[[任意効果]]」~
主に「〜した場合、〜できる」「〜された場合、〜できる」という[[テキスト]]を持つ。~
[[任意効果]]ではあるが、[[発動条件]]を満たした後に何らかの処理が挟まってもタイミングを逃さず、[[強制効果]]と同じように処理を行う。~
第5期から本格的に登場をはじめ、現在は[[モンスター]]の[[誘発効果]]に限れば「時」と「場合」が半々程度の割合で登場している。~

-[[強制効果]]~
[[発動]]するかどうか[[プレイヤー]]が選択することができず、[[発動条件]]を満たした時に自動的に[[発動]]する[[効果]]。~
主に「〜する」という[[テキスト]]を持つ。~
公式ルールブックの記述からは漏れているが、「時」と「場合」が問題になるのは[[任意効果]]のみである。~
[[強制効果]]はそもそも[[タイミングを逃す]]ことがないため、「〜した時、〜する」と「〜した場合、〜する」との間に処理方法の違いはない。~
--「〜した時、〜する」という[[テキスト]]の[[強制効果]]を持つ[[カード]]は、第9期以降で再録される際に「〜した場合、〜する」と[[エラッタ]]することでルールブックの記述に合わせている。~

-''「場合」の[[テキスト]]でも[[タイミングを逃す]][[カード]]について。''~
[[《墓守の長》]]は「場合」の[[テキスト]]だが[[タイミングを逃す]]。~
これは「[[任意効果]]は全て[[タイミングを逃す]]」とされていた時代に作られ、まだ[[エラッタ]]が行われていない[[カード]]だからである。~
ゲームでは[[テキスト]]が「場合」から「時」に修正されている。~
また、[[《凡骨の意地》]]・[[《漆黒のトバリ》]]・[[《神速の具足》]]の[[テキスト]]も紛らわしい。~
「[[ドローフェイズ]]に[[ドロー]]した[[カード]]が◯◯だった場合」という文章だが、[[ドロー]]後他の処理を挟むと[[タイミングを逃す]]。~
[[《光神テテュス》]]の[[テキスト]]に従って「[[ドローフェイズ]]に[[カード]]を[[ドロー]]した時、その[[カード]]が◯◯だった場合」と読み替えると良いだろう。~
//テテュスも同様のテキストからエラッタされたカードである為

--かつては[[《インスタント・ネオスペース》]]は「場合」の[[効果]]だが[[タイミングを逃す]]とされていた。~
英語版[[カード]]の[[テキスト]]が"When(時)"から"If(場合)"に[[エラッタ]]された際、タイミングを逃さない[[裁定]]に[[裁定変更]]された。~

-「[[タイミングを逃す]]」というルールが制定された当初は、全ての[[任意効果]]は条件を満たせばタイミングを逃していた。~
しかし、[[モンスター効果]]が複雑化してくると、[[《冥王竜ヴァンダルギオン》]]のように[[任意効果]]でありながら[[タイミングを逃す]]状況でも[[発動]]できる[[カード]]が登場、それらは[[特殊裁定]]としてタイミングを逃さないとされた。~
この結果「[[タイミングを逃す]][[任意効果]]」と「タイミングを逃さない[[任意効果]]」を[[テキスト]]から判断することができなくなっていた。~
//これを解消するために「[[任意効果]]ではあるが、タイミングを逃さない」という例外規定である「場合の[[任意効果]]」が第5期の終盤から導入され、現在では[[タイミングを逃す]]か否かは[[テキスト]]で判別できるようになっている。~
////第5期の終盤で初めて導入されたわけでもなく、当時の同一パックにおいて同じテキストで処理が混在しているので「テキスト判断を解消するため」とは言い難いので不適切

--どこから「場合の[[任意効果]]」が導入されたかは判別が難しい所。~
[[PHANTOM DARKNESS]]では「場合」の[[テキスト]]を持ちタイミングを逃さない[[任意効果]]である[[《ダーク・ホルス・ドラゴン》]]が登場したが、同じパックの[[《インスタント・ネオスペース》]]は上記の通り当初[[タイミングを逃す]]とされていた。~
次の[[LIGHT OF DESTRUCTION]]では[[《古代の機械究極巨人》]]が「場合の[[任意効果]]」を所持しており、こちらは同パックに矛盾する[[カード]]は含まれていない。~
また[[《ワタポン》]]は元々「場合の[[任意効果]]」の[[テキスト]]にもかかわらずタイミングを逃しており、第6期で行われた再販での[[エラッタ]]時にも[[裁定]]は修正されなかった。~
だが、その後(確認できるものでは09/05/30が最古)の[[裁定変更]]で逃さなくなったという経歴があり、判断がややこしくなっている。~
//単行本付録の[[《冥王竜ヴァンダルギオン》]]の場合は05/03/04に発売されているが、バックアップで確認した限りでは07/07/29の時点で[[カウンター罠]]を[[発動]]した[[チェーンブロック]]の処理後に[[発動]]する[[裁定]]であることが確認できる。~
//07/07/29とはwikiのバックアップの日付であり、この裁定自体は05/03/04のものと思われる

--「場合の[[任意効果]]はタイミングを逃さない」旨は少なくとも2008年の[[LIGHT OF DESTRUCTION]]以降の全ての[[カード]]に適用されているが、ルールブックに掲載されるのは非常に遅かった。~
上記の「時」と「場合」についての文章がルールブックに掲載されたのは[[2013年版のスターターデッキ>スターターデッキ(2013)]]からであり、実に5年もの歳月を費やしている。~
恐らくは「時と場合」の使い分けが行われる以前の[[カード]]の再販による[[エラッタ]]を待っていたものと思われる。~
なお、[[マスターガイド3>書籍付属カード#MG03]](2011年)のルールQ&Aにある「[[タイミングを逃す]]?逃さない?」の項では、「〜場合」の[[効果]]はタイミングを逃さないと解説されている。~

--[[ストラクチャーデッキ−ドラゴニック・レギオン−]]発売前に雑誌等に掲載されていた[[《ライトパルサー・ドラゴン》]]の[[蘇生]][[効果]]は「場合の[[任意効果]]」だった。~
既にこの「時」と「場合」の認識が広まった後であり、そこから生み出される[[コンボ]]は凶悪なものばかりで一時騒然となった。~
実際に発売された[[カード]]は「時の[[任意効果]]」に修正されていたため杞憂ではあったが、「時」と「場合」、この違いで利用価値が大きく異なるという一つの事例だろう。

***具体的な事例 [#example]
-例1:「[[強制効果]]」である時。~
[[《光と闇の竜》]]が[[相手]][[フィールド]]にいるときに「[[《地砕き》]]を[[発動]]」、これに[[チェーン]]して「[[《光と闇の竜》]]の[[無効]]化[[効果]][[発動]]」、さらに[[チェーン]]して「[[《サンダー・ブレイク》]]で[[《光と闇の竜》]]を[[対象>効果の対象]]として[[発動]]」。~
結果、[[チェーン]]3で[[《光と闇の竜》]]は[[破壊]]され[[墓地へ送られた>墓地へ送る]]。([[チェーン]]途中で[[発動条件]]を満たす)~
以上の一連の処理が終わった後、「[[《光と闇の竜》]]の[[墓地]]で[[発動]]する[[効果]]」は「[[強制効果]]」であるため[[タイミングを逃さず>タイミングを逃す]][[強制発動]]する。~
--[[強制効果]]は[[発動条件]]を途中で満たしても、その一連の処理終了後に必ず[[発動]]する。~
一応、それは[[プレイヤー]]の望むと望まないとにかかわらず強制という点が難点になり得る。~

-例2:「時の[[任意効果]]」である時。~
[[《ユベル》]]が[[相手]][[フィールド]]にいるときに、「[[《サイクロン》]]を[[発動]]」、これに[[チェーン]]して「[[《サンダー・ブレイク》]]で[[《ユベル》]]を選び[[発動]]」。~
結果、[[チェーン]]2で[[《ユベル》]]が[[破壊]]される。([[チェーン]]途中で[[発動条件]]を満たす)~
しかし、「[[《ユベル》]]の[[破壊]]された時、[[発動]]できる[[効果]]」は「時の[[任意効果]]」であるため[[発動]]タイミングを逃し[[発動]]できない。~
--結果として、[[チェーン]]途中での[[破壊]]を行うことで[[《ユベル》]]の[[誘発効果]]を[[発動]]させることなく処理をすることができた。~
これは[[《ソウルテイカー》]]などによる[[除去]]でも同様であり、[[相手]]の重要な[[効果]]のタイミングを逃させるプレイングの一つ。

-例3:「場合の[[任意効果]]」である場合。~
[[《古代の機械究極巨人》]]が[[相手]][[フィールド]]にいるときに、「[[《サイクロン》]]を[[発動]]」、これに[[チェーン]]して「[[《サンダー・ブレイク》]]で[[《古代の機械究極巨人》]]を選び[[発動]]」。~
結果、[[チェーン]]2で[[《古代の機械究極巨人》]]が[[破壊]]される。([[チェーン]]途中で[[発動条件]]を満たす)~
以上の一連の処理が終わった後、「[[《古代の機械究極巨人》]]が[[破壊]]された場合、[[発動]]できる[[効果]]」は「場合の[[任意効果]]」であるため[[タイミングを逃さず>タイミングを逃す]][[発動]]することができる([[発動]]しない選択もできる)。~
--上記の[[《ユベル》]]などに有効だった手が効かないことを意味し、しかも[[発動]]させるかどうかを選ぶこともできる。

**その他の「時」と「場合」の違いについて [#example2]
 [[カードの発動]]や[[効果の発動]]に対して[[発動]]する[[効果]]の場合、その[[テキスト]]が「時」か「場合」かによって扱いが違う。~
 「時」の場合はその[[発動]]に直接[[チェーン]]を組んで[[発動]]するのに対して、「場合」の場合はその[[発動]]が行われた[[チェーン]]上の処理の解決後に[[発動]]する。~
 ほぼ同じ様な[[特殊召喚]][[効果]]に思える[[《ナチュル・ロック》]]と[[《オルターガイスト・マルチフェイカー》]]もこの違いにより実際の運用には大きな違いが出る。~

-例1:『[[モンスター]]の[[効果]]が[[発動]]した時』に[[発動]]する[[《幽鬼うさぎ》]]は、その[[効果の発動]]に直接[[チェーン]]して[[発動]]する[[誘発即時効果]]である。~
 《幽鬼うさぎ/Ghost Ogre & Snow Rabbit》
 チューナー・効果モンスター
 星3/光属性/サイキック族/攻   0/守1800
 このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
 (1):フィールドのモンスターの効果が発動した時、
 またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、
 手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
 フィールドのそのカードを破壊する。

-例2:『[[魔法・罠カード]]の[[効果]]を[[発動]]した場合』に[[発動]]できる[[《マジシャンズ・ローブ》]]は、[[魔法カード]]の[[効果の発動]]が行われた[[チェーン]]の[[効果]]処理が終わった後に[[発動]]する[[誘発効果]]である。~
 《マジシャンズ・ローブ/Magician's Robe》
 効果モンスター
 星2/闇属性/魔法使い族/攻 700/守2000
 「マジシャンズ・ローブ」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
 (1):相手ターンに手札から魔法・罠カード1枚を捨てて発動できる。
 デッキから「ブラック・マジシャン」1体を特殊召喚する。
 (2):このカードが墓地に存在する状態で、
 相手ターンに自分が魔法・罠カードの効果を発動した場合に発動できる。
 このカードを墓地から特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

**備考 [#remarks]

-原作・アニメにおいて―~
アニメVRAINSの第59話で、遊作と草薙が見ていたニュースサイトのバナーとして載っている[[デュエル]]講座のテーマとなっていた。~
因みに解説担当は山本/カエル(アバター名不明)であり、「カエル先輩」として何度か類似した特集を組んだことがあるようだ。~

**関連リンク [#link]
-[[タイミングを逃す]]
-[[任意効果]]

-[[公式用語集]]