*【やりくりターボ】 [#top]

#contents

**[[デッキ]]の概要 [#abstract]
 [[《ゴブリンのやりくり上手》]]と[[《非常食》]]による[[ターボ]]ギミックにより、圧倒的な[[ハンド・アドバンテージ]]を得る[[コンボ]][[デッキ]]。~
-当初は[[キーカード]]を[[手札]]に入れる困難さと、単体では役に立て辛い[[カード]]が主体であったため、低速の[[ロック]][[デッキ]]で使われる程度であった。~
しかし、次第にその有用さが認められ、多くの[[デッキ]]で採用されるようになっていった。~
その後、強烈な[[シナジー]]があった[[《悪夢の蜃気楼》]]が[[禁止カード]]となり弱体化。~
同時に[[手札]]補充という目的を共有し、間接的な[[墓地へ送る]]手段として機能していた[[《苦渋の選択》]]や[[《第六感》]]も使用不可となった事も、衰退に拍車をかける事となった。~
現在では相性の良い[[カード]]こそ増えたが、全盛期のような安定性には程遠く、[[デュエル]]の更なる高速化により一線級のデッキで使用されることはない。~

 《ゴブリンのやりくり上手/Good Goblin Housekeeping》
 通常罠
 自分の墓地に存在する「ゴブリンのやりくり上手」の枚数+1枚を
 デッキからドローし、手札からカードを1枚選択してデッキの一番下に戻す。

 《非常食/Emergency Provisions》
 速攻魔法
 (1):このカード以外の自分フィールドの
 魔法・罠カードを任意の数だけ墓地へ送って発動できる。
 自分はこのカードを発動するために墓地へ送ったカードの数×1000LP回復する。

 《悪夢の蜃気楼/Mirage of Nightmare》
 永続魔法(禁止カード)
 相手のスタンバイフェイズ時に1度、
 自分の手札が4枚になるまでデッキからカードをドローする。
 この効果でドローした場合、次の自分のスタンバイフェイズ時に1度、
 ドローした枚数分だけ自分の手札をランダムに捨てる。

**ギミックについて [#Gimmick]
 上記のように相性の良い[[カード]]が規制を受けたため、最も多く用いられていた[[《ゴブリンのやりくり上手》]]と[[《非常食》]]の組み合わせを、そのまま組み込む事はできなくなった。~
 これは[[《非常食》]]自体が単体では[[ディスアドバンテージ]]をカバーできない完全な[[コンボ]]専用[[カード]]だからである。~
 最低でも[[《ゴブリンのやりくり上手》]]2枚と[[《非常食》]]を揃えなければ損失のほうが大きいため、普通の[[デッキ]]に組み込もうとしても「[[手札交換]]を目的とするための[[コンボ]]パーツを揃えなければならない」という本末転倒な事態が発生する。~

 よって、下記の条件のうちいくつかを満たせるものでなければ、現在のこのギミックを搭載する価値は低い。~

―[[デッキに戻す]]事に意味のある[[カード]]を採用している~
 [[アドバンテージ]]の損失以上に、[[《ゴブリンのやりくり上手》]]の[[戻す]][[効果]]を重要視するものに関しては、単純に組み込むよりも損失は抑えやすい。~

-[[デッキ]]に存在する必要がある[[カード]]~
[[デッキ]]からのみの対応である[[/バスター]]や[[《D−HERO ディアボリックガイ》]]・[[《輪廻天狗》]]などの[[リクルーター]]、[[手札]]からの[[特殊召喚]]が[[ディスアドバンテージ]]となる[[LV]]など。~

-[[デッキ]]に戻した場合でも損失を打ち消せる[[カード]]~
戻した[[カード]]を即座に[[サーチ]]できる[[《ヴォルカニック・バレット》]]・[[《サンダー・ドラゴン》]]など。

-[[デッキ]]内の[[カード]]を容易に[[サーチ]]できる[[カード]]~
[[《ヴォルカニック・ロケット》]]・[[《E・HERO フォレストマン》]]・[[ガジェット]]など。~
[[カード・アドバンテージ]]自体は変動しないため、[[サーチ]]先の枚数を必要としないものが適している。~


―[[《ゴブリンのやりくり上手》]]を[[墓地へ送る]]ギミックを採用している~
 1枚目の[[《ゴブリンのやりくり上手》]]は必ず[[ディスアドバンテージ]]となるが、2枚目・3枚目に関しては単体でも不利益は生じない。~
 当然ながら、複数の[[《ゴブリンのやりくり上手》]]を[[《非常食》]]で一気に[[墓地へ送る]][[コンボ]]は成立しにくくなるが、元よりこれは「揃えば運がいい」レベルのものであり、これだけを狙うならば[[《無謀な欲張り》]]を揃えるほうが無難である。~

-[[デッキ]]から[[墓地へ送る]][[カード]]~
[[《カードガンナー》]]や、[[ライトロード]]など。~
前述の[[《ヴォルカニック・バレット》]]などとは共存が図りやすい一方、[[/バスター]]などとは相性が悪い。~
[[《マジカルシルクハット》]]も間接的に条件を満たせるが、[[《歯車街》]]など優先すべきものが多いため主軸とはなりえない。~

-[[手札コスト]]を要求する[[カード]]~
[[《サンダー・ブレイク》]]・[[《成金忍者》]]など。~
[[ドロー]]促進により[[手札コスト]]そのものも稼ぎやすくなる。

―[[《ゴブリンのやりくり上手》]]に[[チェーン]]して[[墓地へ送る]][[カード]]を採用している~
 完全な[[コンボ]]パーツとして見た場合の負担が大きい訳であって、他の用途に用いる事ができるのであれば、安定性をあまり犠牲にすることがない。~
 複数種の[[墓地へ送る]]手段と併用できるのならば、[[手札]]の質は高めやすい。~

-[[《非常食》]]~
[[カード・アドバンテージ]]を稼ぐことができず、[[手札交換]]と[[ライフゲイン]]の双方を活かせる[[デッキ]]も少ないため、3枚フルに積む事は困難。~
[[《リビングデッドの呼び声》]]による[[回復]]値の底上げが可能という点が最も活かしやすい。~
[[《リビングデッドの呼び声》]]自体は上述の[[《カードガンナー》]]や、[[特殊召喚]]を[[トリガー]]とできる[[サーチャー]]を利用する事で無理なく組み込める。~
[[ライフコスト]]を要求するものや、[[《冥府の使者ゴーズ》]]・[[《トラゴエディア》]]といったものの[[効果]]も使いやすくなるが、依然として単体で機能しない[[カード]]である事は念頭に置く必要がある。~

-[[《禁じられた一滴》]]~
[[発動]]した[[カード]]を[[効果処理時]]に[[墓地へ送る]][[《非常食》]]のような[[カード]]の中では現状際立って高い[[汎用性]]があり、[[腐り>腐る]]にくい。~
もっとも、これ単体で[[カード・アドバンテージ]]を稼ぐ[[効果]]ではないので、メインギミックが動かしにくい[[ファンデッキ]]では闇雲に打っても無意味なこともある。~

-[[《妖精の風》]]~
[[相手]]の[[魔法・罠カード]]と同時に[[破壊]]する事で、[[ディスアドバンテージ]]をカバーできる。~
微弱ながらに[[バーン]][[効果]]も持つため、[[【チェーンバーン】]]の戦術も組み込みやすいが、損得の変化が[[相手]]依存であり、範囲もある程度限られている。~
[[《盗人の煙玉》]]のような、[[破壊された]]時に[[効果]]を発揮するものと併用する事も考えれる。~
[[破壊された]]時に[[効果]]を発揮する[[カード]]と併用する事も考えられる。~
この場合[[《ダブル・サイクロン》]]も競合する事になるが、こちらは複数の[[《ゴブリンのやりくり上手》]]を一度に処理できない。~

-[[《邪神の大災害》]]~
[[攻撃宣言]]が必要だが、[[《妖精の風》]]と違い全ての[[魔法・罠カード]]を[[除去]]できるため、効力は大きい。~
[[《歯車街》]]などの[[フィールド魔法]]も巻き込める。~

-[[《強制終了》]]~
こちらは[[バトルフェイズ]]限定だが、[[自分]]の[[ターン]]にも利用できる。~
[[攻撃]]を防ぐ事で、間接的に損失の発生を防いでいると見ることもできるか。~
1枚ずつしか[[墓地へ送る]]事ができないが、[[永続カード]]である事がなによりの[[メリット]]。~
[[発動]]の度に次の[[《ゴブリンのやりくり上手》]]を呼び込みやすくなるという事であり、爆発力が低い反面、堅実に[[手札交換]]が行える。~

**[[デッキ]]構築に際して [#introduction]
 [[カード]]プールの増加に伴い、上述の通り相性の良い[[カード]]そのものも増えている。~
 しかしながら、いずれもどのような[[デッキ]]でも無理なく組み込めるものではなく、利用できるタイミングもある程度限定されている。~
 [[サーチ]][[カード]]の増加や、[[デュエル]]そのものの高速化も重なり、現在のこのギミックは[[ターボ]]というにはあまりにも遅い。~
 実際に採用する場合でも、早期での有効な[[手札交換]]はほぼ成立しないと考え、中期〜長期戦に耐えうる[[デッキ]]において、[[手札]]の質を少しずつ向上させるための手段と割り切ったほうが良い。~
 性質上、どの[[カード]]をいつ引いても[[腐らせない>腐る]]よう、[[《ゴブリンのやりくり上手》]]のみとの相性ではなく、併用する[[カード]]間同士での[[シナジー]]も考慮する必要がある。~
 以下、その一例を示す。~

-[[《ヴォルカニック・バレット》]]・[[《ヴォルカニック・ロケット》]]・[[《ブレイズ・キャノン》]]・[[《カードガンナー》]]・[[《リビングデッドの呼び声》]]の併用~
[[《ヴォルカニック・バレット》]]・[[《ブレイズ・キャノン》]]の2種を[[デッキに戻す]]事で損失を抑える。~
[[《ブレイズ・キャノン》]]・[[《カードガンナー》]]は[[《ヴォルカニック・バレット》]]・[[《ゴブリンのやりくり上手》]]を[[墓地へ送る]]手段になる。~
[[《リビングデッドの呼び声》]]は[[《ヴォルカニック・ロケット》]]の[[特殊召喚]]、すなわち[[《ブレイズ・キャノン》]]を呼びこむ回数を増やすと同時に、[[《カードガンナー》]][[蘇生]]時による[[魔法・罠除去]]への牽制の恩恵を受ける。~
[[《ヴォルカニック・バレット》]]の使用回数が増える事でかさむ[[ライフコスト]]を、[[《非常食》]]で賄える。~

-[[《E・HERO エアーマン》]]・[[《E・HERO フォレストマン》]]・[[《融合》]]・[[《ヒーローアライブ》]]・[[《召喚僧サモンプリースト》]]の併用~
[[《融合》]]および[[サーチ]]・[[リクルート]]する[[E・HERO]]を[[デッキに戻す]]事で損失を抑える。~
[[《召喚僧サモンプリースト》]]は[[《非常食》]]・[[《融合》]]を[[手札コスト]]に利用でき、[[《ヒーローアライブ》]]とあわせて[[エクシーズ召喚]]の機会を増やす。~
[[《No.39 希望皇ホープ》]]なら[[《E・HERO フォレストマン》]]の防御に、[[《ダイガスタ・エメラル》]]ならば[[墓地]]にある[[E・HERO]]を再び[[リクルート]]の循環経路に組み込む事に利用できる。~
[[《ヒーローアライブ》]]で生じる[[ライフコスト]]を、[[《非常食》]]で賄える。~

-[[《忍者マスター HANZO》]]・[[《成金忍者》]]・[[《強制終了》]]の併用~
[[忍者]]および[[忍法]]、[[忍法]]による[[リクルート]][[対象]]を[[デッキに戻す]]事で損失を抑える。~
[[《成金忍者》]]は1枚目の[[《ゴブリンのやりくり上手》]]を処理でき、[[《忍者マスター HANZO》]]の[[特殊召喚]]回数が増える事で生じる[[デッキ]]内の[[忍者]]不足を[[《ゴブリンのやりくり上手》]]がカバーする。~
[[《強制終了》]]は[[フィールド]]に残りやすい[[忍法]]や[[《ゴブリンのやりくり上手》]]を処理しつつ、[[《成金忍者》]]経由での[[忍法]]による[[リクルート]]などで余った一方の[[忍者]]を保持できる。~

 このようにまともに機能させるとなると[[デッキ]]スペースを大きく取る事になる。~
 [[サーチ]]手段が多い[[カテゴリ]]では、それら同士での[[シナジー]]もあり、組み込む事は難しくないが、それらに特化してしまったほうが、安定する事も多い。~
 [[ターボ]]ギミックと言うと聞こえはいいが、たとえ上記のような[[カード]]を採用している[[デッキ]]であっても、実際に有効であるかはよく考慮する必要がある。~

**戦術 [#strategy]
 具体的な[[コンボ]]の方法は[[《ゴブリンのやりくり上手》]]のページを参照のこと。~

**[[デッキ]]の種類 [#decktype]
 特に相性が良く、かつ無理なく組み込めるものを挙げる。

***[[デッキ]]からの[[特殊召喚]]を行う[[デッキ]] [#Deck]
 [[【ネフティス】]]や[[【バスター・モード】]]、[[【忍者】]]等が該当する。~
 これらの[[デッキ]]では[[ドローソース]]だけでなく、[[手札]]に来た[[キーカード]]を[[《ゴブリンのやりくり上手》]]で[[デッキに戻す]]目的でも採用される。~
 [[《白竜の忍者》]]と[[《安全地帯》]]の[[コンボ]]に特化した[[【忍者】]]では、上記[[忍者]]のギミックが利用できるため選択肢の一つとなる。~
 [[【サモンプリースト】]]や[[【爆風ロケット】]]なども相性に優れるが、速度の低下は回避しがたい。~
 [[【ヴォルカニック】]]では、安定性の低い[[《ヴォルカニック・デビル》]]を利用するにあたり、[[手札事故]]回避とこれの呼び込みを兼ねる事ができる。~

***[[ライフコスト]]が多量に必要になる[[デッキ]] [#LifeCost]
 これには[[【死皇帝の陵墓】]]等が該当する。~
 [[ドローソース]]のみならず、[[《非常食》]]が[[ライフコスト]]を確保する手段としても使われる。~
 [[《テラ・フォーミング》]]および[[《歯車街》]]・[[《古代の機械巨竜》]]を組み込む場合、[[手札交換]]による恩恵も受けやすく、[[《邪神の大災害》]]なども利用できる。~

**[[デッキ]]の歴史 [#history]
 一時は大流行したため、[[05/03/01>禁止・制限カード/2005年3月1日]]の[[制限改訂]]により、[[《悪夢の蜃気楼》]]が[[禁止カード]]、[[《ゴブリンのやりくり上手》]]・[[《非常食》]]が[[準制限カード]]に指定された。~
 後に後者2枚は[[制限解除]]されたものの、[[《悪夢の蜃気楼》]]は依然[[禁止カード]]なので、爆発力の低下は否めない。~

**代表的なカード [#keycard]
-[[《ゴブリンのやりくり上手》]]
-[[《非常食》]]

//-[[《悪夢の蜃気楼》]]

**関連リンク [#link]
-[[ターボ]]

-[[デッキ集]]