遊戯王カードWiki -

《アドバンスド・ダーク/Advanced Dark》 †

フィールド魔法
(1)：フィールドの「宝玉獣」モンスター及び墓地の「宝玉獣」モンスターは全て闇属性になる。
(2)：このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
「究極宝玉神」モンスターの攻撃対象になったモンスターの効果はそのバトルフェイズの間だけ無効化される。
(3)：自分の「宝玉獣」モンスターの戦闘で自分が戦闘ダメージを受けるダメージ計算時に、
デッキから「宝玉獣」モンスター１体を墓地へ送って発動できる。
その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを０にする。

　DUELIST EDITION Volume 2で登場したフィールド魔法。
　お互いのフィールド・墓地の宝玉獣を闇属性にする効果、究極宝玉神の攻撃対象となったモンスターの効果を無効にする効果、デッキの宝玉獣をコストに自分の宝玉獣モンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを０にする効果を持つ。

　(1)はお互いのフィールドと墓地の宝玉獣の属性を闇属性に変更する効果。
　相手にも影響が及ぶが、宝玉獣のミラーマッチは稀な上、宝玉獣は属性面でのサポートカードが存在せず影響はあまりない。
　豊富な闇属性サポートカードを使用できるようになるが、元々闇属性が存在しない宝玉獣に無理に闇属性要素を入れても手札事故を起こすだけになりやすい。
　《ヴェルズ・ナイトメア》が出せるようになるなどエクシーズ召喚の幅を広げられるメリットはあるものの、逆に《電光千鳥》などが出せなくなるためデメリットにもなりうる。
　エクストラデッキの編成に気を遣う必要がある。

　(2)は究極宝玉神に《レインボー・ヴェール》を付与する効果。
　4000以上の攻撃力を持つ究極宝玉神の戦闘を補助できるが、無効化の対応範囲が狭く、この効果が有効な場面は限られる。
　とはいえ、《究極宝玉神レインボー・ドラゴンオーバー・ドライブ》は一撃で勝敗を決しうる攻撃力を持つため、軽視できる効果ではない。

　(3)はデッキの宝玉獣を墓地へ送る事で、戦闘ダメージを回避する効果。
　攻撃力が低いモンスターが多い宝玉獣に戦闘ダメージ回避効果が役立つのももちろんだが、最大の意義はデッキの宝玉獣で墓地肥やしを進められる点にある。

　このカードの最大の特徴はＡ宝玉獣の維持に必須なカードである点。
　Ａ宝玉獣は元の宝玉獣に比べて固有効果が強力な代わりに、このカードが存在しなければ維持できないため、それらを軸にデッキを組む場合には効果とは無関係に採用が求められる。
　フィールド魔法のサーチ手段は多いことに加え、《Ａ宝玉獣コバルト・イーグル》によるサーチにも対応しているため、手札には加えやすい。
　相手の除去に狙われやすいが、対象をとる効果ならば《Ａ宝玉獣アンバー・マンモス》で守れる。
　この場合、このカードの存在が前提となるため、闇属性サポートで汎用性の高い《ダーク・バースト》や、宝玉獣と相性の良い《闇の閃光》などを採用してしまっても構わないだろう。

　効果を目当てにする場合は、(3)の効果による墓地アドバンテージの獲得を主目的として採用することになるか。
　この効果はお互いのターンで使え回数制限もないので、宝玉獣を連続で自爆特攻させることで能動的に宝玉獣を永続魔法化しつつ墓地にも貯めることができる。
　《究極宝玉神レインボー・ドラゴン》や《虹の引力》を使用する場合に、この効果は大きく役立つ。
　ただし、戦闘破壊された宝玉獣が永続魔法になってもモンスターを失っていることに変わりはない。
　直接攻撃を防ぐことはできないので、不必要に自爆特攻を行ってマイナスに働かないようにしたい。

　そのほか、蘇生手段として《エアーズロック・サンライズ》を用意していれば、《宝玉獣サファイア・ペガサス》を墓地へ送り、蘇生でアドバンテージを得ることもできる。
　他の宝玉獣関連カードに墓地の宝玉獣に関するものが少ないのが難点だが、《宝玉の恵み》・《金科玉条》・《カウンター・ジェム》のサポートにはなる。
　シンクロ召喚・エクシーズ召喚・リンク召喚を考える場合に採用枚数が多くなりやすい《宝玉の恵み》が腐る心配を防げるのはそれなりのメリットと言える。
　《カウンター・ジェム》で４体の宝玉獣を永続魔法として並べるのも比較的容易になるため、《宝玉の氾濫》型のデッキでの採用もできなくはない。

　宝玉獣のフィールド魔法としては他に《虹の古代都市－レインボー・ルイン》があり、あちらには破壊耐性と多彩な効果がある。
　Ａ宝玉獣を採用しない場合でも、究極宝玉神に特化した構築ならば【宝玉獣】でも投入は検討できる。

OCG初の「墓地のモンスターの属性を変更する」カードである。
エレメントセイバーの登場で唯一ではなくなったが、フィールドと墓地の両方に効果が及ぶものは未だこのカードだけとなっている。
- なお、「墓地のモンスターの種族を変更する」カードに関しては、このカードよりも先に《アンデットワールド》が登場していた。

イラストにはＡ宝玉獣が７体全て描かれている。
Ａ宝玉獣がOCG化されたのはこのカードの登場から10年後のことであり、長い間多くの未OCG モンスターがイラストに載っていた珍しい事例である。

このカードの登場によって、【宝玉獣】で《究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン》を以前よりも簡単に出せるようになった。
《究極宝玉神レインボー・ドラゴン》と《究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン》、《Ｓｉｎレインボー・ドラゴン》の３種類の「レインボー・ドラゴン」を共存させても面白いだろう。

TCGでは「Ultimate Crystal/究極宝玉神」成立とほぼ同じタイミングで該当部分のエラッタが成されている（詳細は究極宝玉神を参照）。

原作・アニメにおいて―
アニメGXの「ヘルカイザー亮vsヨハン（ユベル）」戦でヨハン（ユベル）が使用。
アニメでは以下の効果だった。
```
手札及びフィールド上の「宝玉獣」と名のつくカードと
同名扱いの「Ａ（アドバンスド）宝玉獣」と名のつくカードを選択し
入れ替える事ができる。
「Ａ宝玉獣」と名のつくカードが戦闘で破壊される時
デッキから「宝玉獣」と名のつくカードを１枚墓地に送る事で
プレイヤーに発生する戦闘ダメージを０にする事ができる。
「究極宝玉神」と名のつくカードが攻撃する時、
相手モンスターの効果を無効にする。
```
戦闘ダメージを０にする効果を合計４度発動させ、《サイバー・ツイン・ドラゴン》らの猛攻を耐えきるとともに、Ａ宝玉獣を高速で墓地に揃えた。
それにより《究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン》の特殊召喚に繋げ、更に攻撃時に《サイバー・バリア・ドラゴン》の効果を無効にして妨害を免れた。
「十代vsヨハン（ユベル）」戦でもヨハン（ユベル）が使用。
しかし、こちらでは最終的に《Ｅ・ＨＥＲＯストーム・ネオス》にこのカードを破壊されたため、連動して４体のＡ宝玉獣が自壊した。

アニメGX登場から実に４年以上の時を経てOCG化となった。
(1)の宝玉獣を闇属性に変更する効果は唯一アニメに無かった効果であり、宝玉獣とは全く関係のないカードになってしまったOCG版《究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン》との辻褄合わせと言える。
このカードの影響下では宝玉獣を使用して《究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン》を特殊召喚できるため、擬似的に宝玉獣を「《アドバンスド・ダーク》がなければ自壊するため併用が必須」「《究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン》の召喚条件である」という性質を持つカード群であるＡ宝玉獣に見立てることができる。

そして、このカードの登場から更に10年後にＡ宝玉獣が全てOCG化され、いずれも維持にはこのカードが必須となっている。
実に14年の時を経て、アニメ内のデッキ構築の再現が概ね可能になった。

アニメのイラストではＡ宝玉獣は一体もおらず、《究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン》のみが描かれている。
OCG化に伴って、下部の煙の部分の手前にＡ宝玉獣７体が加筆された形である。

コナミのゲーム作品において―
TAG FORCE 3では、オリジナルカードとして先行登場した。
イラストはアニメと同じであり、Ａ宝玉獣は描かれていない。
また、OCGの効果に加えてこのカードがフィールドから離れると全ての宝玉獣が破壊されるデメリットがあった。
この効果は当時OCG化されていなかったＡ宝玉獣の自壊効果の再現であり、Ａ宝玉獣の代わりにこのカード側に自壊効果を持たせる形となった。