【イグナイト】

デッキの概要

 クラッシュ・オブ・リベリオンで登場したイグナイトを中心としたビートダウンデッキ
 イグナイトペンデュラムモンスターが持つ共通効果によりエクストラデッキを肥やし、ペンデュラム召喚で素材を集めて攻め込む。
 イグナイト自体が炎属性戦士族サーチャーとなるため引きの良し悪しに左右されにくく、【ペンデュラム召喚】としては構築・運用難易度ともに低い初心者向けのデッキ

《イグナイト・ドラグノフ/Igknight Templar》
ペンデュラム・通常モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1700/守1300
【Pスケール:青7/赤7】
(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。
自分のPゾーンのカードを全て破壊し、
自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。
【モンスター情報】
一本気で曲がったことが嫌いなイグナイトのベテラン戦士。
その性格のせいか、近頃は自分の持つ武器に疑問を抱いているようだ。

デッキ構築に際して

 イグナイト通常ペンデュラムモンスターは、以下の共通したペンデュラム効果を持つ。

(1):もう片方の自分のPゾーンに「イグナイト」カードが存在する場合に発動できる。
自分のPゾーンのカードを全て破壊し、
自分のデッキ・墓地から戦士族・炎属性モンスター1体を選んで手札に加える。

 この効果を使用することで、ペンデュラムスケール事故を起こさずにペンデュラム召喚を行うのがこのデッキの特徴である。

メインデッキモンスターについて

イグナイトペンデュラムモンスター
 《竜剣士イグニスP》を除き全て炎属性戦士族通常モンスターで、このデッキの核となるカード群である。
 イグナイトペンデュラムモンスターが初手に2枚あれば、ペンデュラムスケールを整えて確実にペンデュラム召喚を行える(→基本的な戦術参照)。
 ペンデュラム召喚が行えないとこのデッキは何もできないので、安定して初手に2枚以上のイグナイトペンデュラムモンスターを引き込めるよう構築する事が望ましい。

―その他のペンデュラムモンスター
 イグナイトペンデュラム召喚先を制限するペンデュラム効果を持たないため、イグナイト以外のレベル3〜6のペンデュラムモンスターを共存させる事が可能である。
 ただし、イグナイトペンデュラム効果発動するためには左右両方のペンデュラムゾーンイグナイトである必要がある。
 イグナイト以外はペンデュラムゾーン置くことは控えるか、自らのペンデュラム効果自壊できるもの、破壊するカードを併用したい。

炎属性戦士族モンスター
 イグナイトの共通ペンデュラム効果サーチできる。
 事実上デッキの半分程度をサーチカードにできるので、これらはピン挿しでも十分な働きをする。

―その他のモンスター

エクストラデッキモンスターについて

 イグナイトペンデュラムモンスター自体は通常モンスターであり、幾ら並べてもアタッカーないしにしかならない。
 除去制圧を担うのがエクストラデッキモンスターである。

エクシーズモンスター
 デッキ《融合》チューナーを採用せずとも扱えるのが最大の利点である。
 エクシーズ素材となったペンデュラムモンスターエクストラデッキに加わらないが、新マスタールールではリンクモンスターを併用しない限りエクストラデッキからの大量展開が困難となったため、大きなデメリットではなくなった。
 《闇の量産工場》などのサルベージを組み合わせ、手札からのペンデュラム召喚を狙う方が展開しやすいため、積極的に狙うと良い。
 イグナイトレベルは3〜6に分散しているが、効果の多様性はランク4がずば抜けて高いため、他の戦術との兼ね合いがなければランク4を軸に他のランクは補助的に採用すると扱いやすい。

融合モンスター
 《E・HERO ブレイズマン》《融合》を搭載することで、融合召喚要素を無理なく追加できる。
 フィールドイグナイト融合素材とすればエクストラデッキへ送られるのも利点である。
 リンクモンスターを利用することで、ペンデュラム召喚によってエクストラデッキから融合素材の再利用が狙える。

シンクロモンスター
 チューナーを投入すればシンクロ召喚要素を搭載できる。
 シンクロ素材としたペンデュラムモンスターエクストラデッキに加わるので好相性。

リンクモンスター
 ペンデュラム召喚によってデッキから2体以上特殊召喚する場合、リンク先が必要となる。
 イグナイト通常モンスターだけで出せるものを優先してリンク召喚することになる。

魔法・罠カードについて

イグナイトサポートカード

―その他の魔法・罠カード

戦術

 イグナイトペンデュラム効果エクストラデッキカードを増やしつつサーチを行い、ペンデュラム召喚による大量展開で攻める。

基本的な戦術

 手札イグナイトペンデュラムモンスターが2枚以上あれば、共通のペンデュラム効果によるサーチを利用することで、リンク先を用意しつつペンデュラム召喚を行える。
 手順は以下の通り。

条件:手札イグナイトA・B
結果:エクストラモンスターゾーン《聖騎士の追想 イゾルデ》、そのリンク先イグナイトA・B、モンスターゾーン《焔聖騎士−リナルド》ペンデュラムゾーンイグナイトC(スケール2)・《竜剣士イグニスP》

  1. ペンデュラムゾーンイグナイトA・Bを置く
  2. ペンデュラム効果発動してイグナイトA・Bを破壊し、デッキまたは墓地から《昇華騎士−エクスパラディン》手札加える
  3. 《昇華騎士−エクスパラディン》召喚して《チューン・ナイト》装備し、特殊召喚
  4. 《昇華騎士−エクスパラディン》《チューン・ナイト》《聖騎士の追想 イゾルデ》リンク召喚
  5. 《聖騎士の追想 イゾルデ》効果イグナイトC(イグナイトA・Bと別名のカードで、なおかつスケール2)を手札加える
  6. 《聖騎士の追想 イゾルデ》効果《『焔聖剣−デュランダル』》コスト《焔聖騎士−リナルド》リクルートし、《『焔聖剣−デュランダル』》サルベージ
  7. 《『焔聖剣−デュランダル』》《竜剣士イグニスP》サーチ
  8. イグナイトC・《竜剣士イグニスP》ペンデュラムゾーン置き、A・Bをリンク先ペンデュラム召喚する。

 ハンド・アドバンテージ−2、ボード・アドバンテージ+6で、総合的なカード・アドバンテージは+4と破格のアドバンテージを得られる。
 ペンデュラム召喚可能なイグナイトエクストラデッキに存在する場合は《聖騎士の追想 イゾルデ》《焔聖騎士−リナルド》《天威の龍拳聖》を出してリンク先を3カ所にしておけば、もう1体エクストラデッキからペンデュラム召喚可能。
 またペンデュラム召喚後にイグナイトCのペンデュラム効果発動すれば、炎属性戦士族サーチサルベージに加え《竜剣士イグニスP》リクルート効果でさらに展開できる。

 応用として手順6で《聖騎士の槍持ち》リクルートし、《『焔聖剣−デュランダル』》サーチしても良い。
 この場合ペンデュラム効果《焔聖騎士−リナルド》サーチしてそのまま効果チューナーとして特殊召喚することができ、さらに墓地へ送った装備魔法サルベージもできる。
 

 仮にA・Bのペンデュラムスケールが同じ数値であっても、手札事故にならないのは強み。
 《聖騎士の追想 イゾルデ》《『焔聖剣−デュランダル』》手札加えるペンデュラムモンスタースケールは自由に選べるためである。
 イグナイトペンデュラムモンスターフィールドに2体揃うため《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》リンク召喚でき、《アストログラフ・マジシャン》とのコンボも可能。

マスタールール3での戦術

 マスタールール3では、エクストラデッキからペンデュラム召喚を行うことでアドバンテージが得られた。

 また、手札に4枚以上のイグナイトが存在する場合は、共通効果を利用したサーチの流れを複数回行う事も有効だった。
 初手に4枚のイグナイトがあればエクストラデッキに4枚、5枚のイグナイトがあれば6枚のイグナイトを貯めてそれらをペンデュラム召喚できたのである。

デッキの派生

【イグナイトインフェルニティ】

 【イグナイト】の手札消費の荒さを逆手に取り、【インフェルニティ】との混成としたデッキ
 【イグナイト】も【インフェルニティ】も初手で手札をほとんど使い切るデッキであり、戦術に親和性がある。
 《ラヴァルバル・チェイン》禁止カードになったことにより、【インフェルニティ】側の動きが難しくなった。

 つまるところ初手の下準備に【イグナイト】のギミックを使用するだけで、準備が整った後は【インフェルニティ】として戦う形となる。

 特筆すべきは、【インフェルニティ】のキーとなる《インフェルニティ・デーモン》特殊召喚イグナイト2体からのペンデュラム召喚で賄う事ができる点。
 魔法・罠カードを全てセットし、手札モンスターを全てペンデュラム召喚すれば、残り手札枚数に関わらず「手札0で《インフェルニティ・デーモン》特殊召喚した」という条件を満たせる。

 新マスタールール以降はイグナイトペンデュラムゾーンに設置して手札を減らし、インフェルニティリンクモンスターを出してリンク先を確保。
 ペンデュラム召喚イグナイトを展開しリンク素材とする動きが可能。
 魔法・罠カードセットする枠も、イグナイトの共通ペンデュラム効果で減ることはない。

【イグナイトエクゾ】

 《王立魔法図書館》によるドロー加速に特化し、デッキの全てをドローしてエクゾディアパーツを揃えるデッキ
 イグナイトペンデュラム効果により魔法カードの連発が可能だが、1度使うたびに手札が1枚減るため《王立魔法図書館》ドローできるのは通常1〜2枚が限度である。
 しかし《成金ゴブリン》《一時休戦》《テラ・フォーミング》《チキンレース》《増援》《召喚師のスキル》などを使用すれば、手札枚数を減らさずに《王立魔法図書館》魔力カウンターを貯められる。
 まずはイグナイトデッキ圧縮を行いつつ《王立魔法図書館》ドローを行い、2枚目の《王立魔法図書館》手札に引き込むのが第一目標となる。
 《王立魔法図書館》が2枚並んだ場合、2枚のイグナイト発動するたびに魔力カウンターが合計4個乗るため、イグナイト効果を使っても手札が減らない状態となる。
 2枚目の《王立魔法図書館》を引き当てたらペンデュラム召喚フィールドに出し、後はひたすらデッキ圧縮ドローを行えばエクゾディアが揃う。

 1枚目の《王立魔法図書館》を引き当てないとコンボが起動しないので、初手で《王立魔法図書館》が引けなかった場合は普通の【イグナイト】として戦うことになる。
 ただしデッキ単体では何の使い途もないカードが5枚も入っているので、通常の【イグナイト】より戦力が低下することは避けられない。

【イグナイト先攻1キル】

 現在は主要カードエラッタにより、リミットレギュレーションを無視したとしても構築不可能。

 先攻ターン目の1ターンキルに特化した構築。
 特筆すべき点として、相手手札誘発の妨害さえなければ先攻1ターンキルの成功率が100%になる点がある。
 だが妨害する手札誘発の候補は多く、手札誘発の複数積みが当たり前になった第10期環境では妨害される確率も高い。
 マッチで使う場合は、2戦目以降は当然警戒されてサイドデッキから手札誘発を多く投入されることが予測される。
 当然、1ターンキルの成功率は著しく下がり、何よりも後攻になった場合に力不足が露呈するため、マッチで勝利するのは難しいデッキと言えるだろう。

―パターン1
 メインデッキを「各種イグナイトペンデュラムモンスター3枚ずつ、《アストログラフ・マジシャン》2枚、《地霊神グランソイル》1枚、残りをドローサーチを行う魔法カード」と組む。
 この場合、初期手札5枚の構成は必ず以下の6通りとなるが、その全てのパターンで無限ループによる先攻1ターンキルが可能である。

  1. イグナイトペンデュラムモンスター5枚
  2. イグナイトペンデュラムモンスター4枚+《アストログラフ・マジシャン》
  3. イグナイトペンデュラムモンスター4枚+《地霊神グランソイル》
  4. イグナイトペンデュラムモンスター3枚+《アストログラフ・マジシャン》《地霊神グランソイル》
  5. イグナイトペンデュラムモンスター3枚+《アストログラフ・マジシャン》2枚
  6. イグナイトペンデュラムモンスター2枚+《アストログラフ・マジシャン》2枚+《地霊神グランソイル》

 大まかな手順は以下の通り。

  1. 《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》《アストログラフ・マジシャン》を2枚用意し、《No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク》エクシーズ召喚する。
  2. 《クリフォート・ゲニウス》《エクスクローラー・シナプシス》《リンク・スパイダー》リンク召喚して墓地地属性を5体揃える。
  3. 《ライトロード・ドミニオン キュリオス》《地霊神グランソイル》墓地に落として《ファイアウォール・ドラゴン》によって手札戻す
  4. ループ突入可能になったら《地霊神グランソイル》《ファイアウォール・ドラゴン》蘇生バウンスを繰り返し、《ガガガガンマン》バーン相手ライフが尽きるまでお見舞いし続ける。

―パターン2
 上記パターン1から、メインデッキ《地霊神グランソイル》から《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》へと変更。
 エクストラデッキ《地霊神グランソイル》の条件に必要な地属性リンクモンスターから《スリーバーストショット・ドラゴン》《永遠の淑女 ベアトリーチェ》に代わる。
 《スリーバーストショット・ドラゴン》《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》蘇生効果を用いた無限ループでパターン1と同様に1ターンキルを決める。
 《永遠の淑女 ベアトリーチェ》の素材に必要なレベルイグナイトイグナイトペンデュラム効果《アストログラフ・マジシャン》《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》モンスター効果で持ってこられる。

このデッキの弱点

 まず【ペンデュラム召喚】全般の弱点とメタ刺さる
 またイグナイトペンデュラム効果によるサーチサルベージデッキの中核を担うため、《ライオウ》《マインドクラッシュ》等のサーチサルベージを妨害するカードは天敵となりうる。
 ペンデュラムモンスターエクストラデッキへ行かず除外され、サーチも妨害してくる《M・HERO ダーク・ロウ》もかなり相性が悪い。
 イグナイトは大半が通常モンスターなので、これらへの対処をイグナイト以外のカードに頼らなければならないのも痛い。

このデッキの歴史

第9期(2014年〜2017年)

 イグナイトに共通するペンデュラム効果を連発する事で素早くエクストラデッキを肥やし、デュエルの早い段階から大量のペンデュラム召喚を行うのが特徴であった(マスタールール3での戦術参照)。
 デッキ構築に際しても、「初手でどれだけ多くのペンデュラムモンスターエクストラデッキへ送り込みペンデュラム召喚できるか」が重視されていた。

第10期(2017年〜)

 新マスタールールが施行され、エクストラデッキからモンスター特殊召喚する場合、原則としてエクストラモンスターゾーンにしか出せなくなった。
 これにより、エクストラデッキイグナイトを溜め込みつつペンデュラムスケールを整え、ペンデュラム召喚エクストラデッキから大量展開を行う従来の戦術が不可能になった。
 これまでは手札消費の荒さをエクストラデッキからの大量展開でカバーすることができたが、エクストラデッキから1体しかイグナイトを呼び戻せなくなったことでそれが難しくなった。

 一応、リンクモンスターを組み込むことでメインモンスターゾーンにもエクストラデッキモンスター特殊召喚できるようになる。
 ただし、ペンデュラム召喚1ターンに1度しか行えないため、先にリンク素材フィールドに揃えるためにはそれ以外の展開手段を組み込む必要がある。

第11期(2020年〜)

代表的なカード

関連リンク

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