十二獣(じゅうにしし)

デッキの概要

 地属性獣戦士族統一カテゴリ十二獣」を用いたデッキ
 「重ねてエクシーズ召喚」に特化した性能により、エクシーズモンスターをどんどん重ねていく独特の動きが特徴。
 下級モンスター1体からエクシーズ召喚ができるという特異な性質から非常に高い安定性を誇る。

《十二獣ヴァイパー/Zoodiac Whiptail》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1200/守 400
(1):自分フィールドの獣戦士族Xモンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札・フィールドのこのカードを
そのモンスターの下に重ねてX素材とする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):このカードを素材として持っている、
元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードが相手モンスターと戦闘を行った
ダメージ計算後に発動する。
その相手モンスターを除外する。
《十二獣サラブレード/Zoodiac Thoroughblade》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1600/守   0
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
手札から「十二獣」カード1枚を捨て、
自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードを素材として持っている、
元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
《十二獣の会局》
永続魔法(制限カード)
「十二獣の会局」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象としてこの効果を発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「十二獣」モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合、
自分フィールドの「十二獣」Xモンスター1体を対象として発動できる。
墓地のこのカードをそのXモンスターの下に重ねてX素材とする。

デッキ構築に際して

 まずはこのデッキの基本的な性質を抑えておきたい。
 メインデッキ十二獣は、以下の共通能力を持つ。

効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族
(2):このカードを素材として持っている、
元々の種族が獣戦士族のXモンスターは以下の効果を得る。
●(固有の効果)

 また、十二獣エクシーズモンスターは以下の共通能力を持つ。

エクシーズ・効果モンスター
ランク4/地属性/獣戦士族/攻   ?/守   ?
「十二獣○○」は1ターンに1度、
同名カード以外の自分フィールドの「十二獣」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、
このカードがX素材としている「十二獣」モンスターのそれぞれの数値分アップする。

 エクシーズモンスター共通の効果外テキストにより、十二獣下級モンスター1体をフィールドに出すだけで十二獣エクシーズモンスターエクシーズ召喚できる。
 そしてエクシーズモンスターの固有効果や、エクシーズ素材となった十二獣エクシーズモンスターに付与した効果を使用し、更に別のエクシーズモンスターを重ねて効果を使う事で、大幅なアドバンテージを得る事ができる。
 エクシーズモンスターを重ねるたびにエクシーズ素材が1つ増えるため、効果発動コストも確保しやすい。

 ただし十二獣エクシーズモンスター攻撃力守備力はいずれも?であり、何枚重ねてもステータス自体は強化できない。
 下級モンスター級のステータスをどう補うかが課題の1つとなる。
 またエクストラデッキを猛烈な勢いで消費し、エクストラデッキ十二獣が枯渇すると全く動けなくなるため、墓地十二獣デッキエクストラデッキ戻す手段も用意しておきたい。

メインデッキモンスターについて

―基本となる十二獣モンスター
 殆どの純【十二獣】構築には以下の3種は搭載されている。

破壊された場合の効果を持つ十二獣
 いずれも戦闘効果破壊された場合にメリットになる効果を持つ。
 《十二獣ライカ》効果蘇生し、《十二獣ライカ》《十二獣ドランシア》を重ねて《十二獣ドランシア》効果破壊という流れが基本であったが、あちらの禁止カード化以降は不可能となっている。
 このため、《十二獣の会局》などで破壊するのが基本となる。
 当初は純構築で採用されることが少なかったのだが、マキシマム・クライシス《十二獣ライカ》が登場して以降は採用率が上がった経緯がある。
 能動的に破壊する術に長ける、【メタルフォーゼ】【真竜】との混合構築でも相性が良い。

十二獣以外のモンスター

エクストラデッキモンスターについて

―その他のエクシーズモンスター
 基本的には枠の許す限りランクエクシーズモンスターを投入することとなる。

リンクモンスター

魔法・罠カードについて

戦術

 ざっくりと言えばこのデッキは「十二獣下級モンスター十二獣エクシーズモンスターを重ねていき、その効果を使ってアドバンテージを稼ぐデッキ」である。
 《十二獣タイグリス》《十二獣ヴァイパー》の2種類をエクシーズ素材として保持し、除外能力持ちの攻撃力2800のモンスターとして運用するのが主体となる。

 その他では、《十二獣ライカ》《十二獣ハマーコング》蘇生し、《十二獣ライカ》の上に《十二獣タイグリス》を重ね、《十二獣ハマーコング》エクシーズ素材を付与して耐性を次のターン以降に適用するという動きもある。
 その隙にメタカードを使い相手の動きを拘束、攻めに転ずる。

展開パターン

現在は使用不可能な展開パターン

 過去の最も基本的な展開パターンは以下の通りで、《十二獣モルモラット》1枚から任意のランクエクシーズモンスター1体と十二獣エクシーズモンスター1体を並べることができた。

条件:フィールド《十二獣モルモラット》1体、手札またはデッキ《十二獣モルモラット》が2体
結果:フィールドエクシーズ素材2体指定のランクエクシーズモンスター1体と攻撃力0の十二獣エクシーズモンスター1体、獣戦士族モンスターカード1枚サーチカード1枚破壊

  1. 《十二獣モルモラット》Aの上に《十二獣ワイルドボウ》を重ね、その上に《十二獣タイグリス》を重ねる。
  2. 《十二獣タイグリス》から《十二獣ワイルドボウ》を取り除き、《十二獣モルモラット》Bを手札またはデッキから特殊召喚
  3. 《十二獣タイグリス》の上に《十二獣ブルホーン》を重ね、《十二獣ブルホーン》からエクシーズ素材を取り除き《十二獣モルモラット》Cを手札またはデッキから特殊召喚
  4. 《十二獣モルモラット》B・Cを素材にランクエクシーズモンスターエクシーズ召喚
  5. 《十二獣ブルホーン》効果発動し、獣戦士族サーチ
  6. 《十二獣ブルホーン》の上に《十二獣ドランシア》を重ね、相手カード破壊

 手順4で《魁炎星王−ソウコ》を出せば、《炎舞−「天キ」》経由でのサーチ《炎舞−「天枢」》でさらに展開することも可能。
 防御力を重視するならば《フレシアの蟲惑魔》が有効で、《十二獣ドランシア》フリーチェーン除去と合わせ相手ターンの行動を大きく制限できる。
 同じランクエクシーズモンスター2体が並ぶので《FNo.0 未来皇ホープ》エクシーズ召喚することもできる。

 以下はリミットレギュレーション/2020年4月1日及びマスタールール(11期)における記述である。

条件:フィールドに任意の十二獣モンスター1体、墓地《十二獣ラム》

  1. 任意の十二獣の上に《十二獣ワイルドボウ》を重ね、その上に《十二獣ライカ》を重ねる。
  2. 《十二獣ライカ》から《十二獣ワイルドボウ》を取り除き、その効果墓地《十二獣ラム》蘇生
  3. 《十二獣ライカ》の上に《十二獣ドランシア》を重ねて《十二獣ライカ》を取り除き、その効果《十二獣ラム》破壊
  4. 《十二獣ラム》《十二獣ライカ》蘇生

 これにより、素材利用の制約がない十二獣エクシーズモンスターが2体並び、上述の《FNo.0 未来皇ホープ》エクシーズ召喚に繋がる。
 これらから派生して《無限起動要塞メガトンゲイル》リンク召喚したり、《十二獣タイグリス》を経由して戦力を増強したり、《十二獣ドランシア》《十二獣ハマーコング》を並べて制圧盤面を敷いたりと様々な動きに繋げられる。

デッキの種類

《ストイック・チャレンジ》採用型

 エクシーズ素材の数が増えやすい点を利用し、《ストイック・チャレンジ》で爆発的なダメージを与え1ターンキルを狙うタイプ。
 適当な十二獣モンスターの上に十二獣エクシーズモンスターを重ねるだけ重ね、最後に《旋壊のヴェスペネイト》を重ねて装備すれば攻撃力6100となる。
 この状態で2100以下のステータス相手モンスター戦闘すればダメージ倍化により1ターンキルが成立する。
 《旋壊のヴェスペネイト》貫通効果を持つので守備表示モンスターを相手取ってもダメージは通る。

 応用として、《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》を採用すれば超攻撃力《CX 冀望皇バリアン》を出すことも可能。
 重ねるだけ重ねた十二獣エクシーズモンスターRUMを使用し、CNo.を経由して《CX 冀望皇バリアン》を重ねた後に装備すれば超攻撃力を得られる。
 中でも《CNo.101 S・H・Dark Knight》は自身の効果エクシーズ素材を増やせるので、相手モンスターが複数存在すれば更なる打点強化も可能。
 《RUM−リミテッド・バリアンズ・フォース》自体は戦闘能力の無い十二獣エクシーズモンスター攻撃性能の高いCNo.にできるので単純な打点補助にもなる。

デッキの派生

出張要員としての【十二獣】

 登場から17/04/01キーカードが軒並み規制されるまでの期間、【十二獣】は非常に出張しやすいカテゴリであった。
 【十二獣】自体のキーカードと、出張セットとして多用されたカードが大きく重なっていたため、規制後は長らくその出張能力も低下していた。
 第10期末以降に一部カードの規制が緩められて以降は、全盛期ほどではないにせよ再び出張採用が見られ始めている。

 以下の記述は基本的に《十二獣モルモラット》《十二獣の会局》無制限カードである事を前提としている。

 戦術の項で紹介した基本的な動きを行うためにメインデッキへ投入するのは《十二獣モルモラット》3枚(+《十二獣ヴァイパー》)だけで十分。
 しかも展開の途中で《十二獣モルモラット》2枚をデッキからフィールドに出してくれるので、一度展開を行えば以降のドローに半端に十二獣が混ざる心配がない。
 その上どの効果特殊召喚に関するデメリットを一切持たないので、出張先のデッキ本来の動きを阻害しにくい。
 初動に《十二獣の会局》を使用すれば召喚権すら使わないので、召喚権出張カテゴリに回せる。
 十二獣エクシーズモンスターのためにエクストラデッキの枠を多く消費する必要はあるものの、その点さえクリアすればほぼあらゆるデッキと混成できると言っても過言ではない。

 主に《十二獣モルモラット》《十二獣の会局》《十二獣ヴァイパー》デッキスペースによっては抜ける)の3種を出張させたデッキ環境で結果を残している。
 【十二獣】要素を出張させて入賞したデッキの種類は枚挙に暇がなく、【十二獣】登場以降の環境では、大会上位が【十二獣】か【十二獣○○】で埋め尽くされるのも珍しくない状態だった。

獣戦士族デッキへの出張

 他の【獣戦士族】出張させれば、《炎舞−「天キ」》《炎舞−「天枢」》といった獣戦士族サポートカードを共有できる。

条件:手札《速炎星−タイヒョウ》《炎舞−「天キ」》もしくは《炎舞−「天枢」》のうち1枚

  1. 《速炎星−タイヒョウ》召喚し、自身をリリースして足りない炎舞セット
  2. 《炎舞−「天キ」》発動し、《炎星師−チョウテン》サーチ
  3. 《炎舞−「天枢」》発動し、獣戦士族召喚権を増やす。
  4. 《炎星師−チョウテン》召喚し、その効果《速炎星−タイヒョウ》蘇生
  5. 《M.X−セイバー インヴォーカー》エクシーズ召喚し、《十二獣モルモラット》リクルート
  6. 戦術の基本展開パターンを行う。

また、以下のような条件ではカード・アドバンテージを稼ぎながら基本展開パターンに繋げることもできる。
条件:手札《レッド・リゾネーター》《猛炎星−テンレイ》

  1. 《レッド・リゾネーター》通常召喚《猛炎星−テンレイ》特殊召喚
  2. 《炎星侯−ホウシン》シンクロ召喚《立炎星−トウケイ》リクルート
    《猛炎星−テンレイ》効果《炎舞−「天キ」》セット
    《立炎星−トウケイ》効果レベル炎星モンスターサーチ
  3. 《炎舞−「天キ」》発動獣戦士族モンスターサーチ
  4. 《立炎星−トウケイ》効果《炎舞−「天キ」》墓地へ送り《炎舞−「天枢」》セット
  5. 《炎舞−「天枢」》発動レベル炎星モンスター通常召喚
  6. 《M.X−セイバー インヴォーカー》エクシーズ召喚し、《十二獣モルモラット》リクルート
  7. 戦術の基本展開パターンを行う。

出張される側としての【十二獣】

 少ない枚数で展開できるということは、逆に【十二獣】が本来の動きを保ちつつ、他のデッキからの出張を受け入れる事も容易という事である。
 通常の【十二獣】に、他のデッキの要素を出張させて結果を残したものの例を挙げる。

  1. 《妨げられた壊獣の眠り》全体除去を行い自分フィールド攻撃力3000以上の壊獣リクルート
  2. 戦術の基本展開を行い《十二獣ブルホーン》《十二獣モルモラット》2体を並べる。
  3. 《十二獣ブルホーン》効果《十二獣ヴァイパー》サーチ
  4. 《十二獣モルモラット》2体で《ガガガザムライ》エクシーズ召喚効果発動する。
  5. 《十二獣ブルホーン》《十二獣ドランシア》を重ねてエクシーズ召喚効果相手フィールド壊獣除去
  6. 《十二獣ヴァイパー》《十二獣ドランシア》エクシーズ素材とする。
  7. 直接攻撃ダメージ合計1200+1900×2+3000=8000となる。

−上記以外で加えられるカード

−展開パターン

  1. 《フォトン・スラッシャー》特殊召喚
  2. 《召喚師アレイスター》召喚《召喚魔術》サーチ
  3. 《フォトン・スラッシャー》《召喚師アレイスター》《十二獣ブルホーン》Aをエクシーズ召喚
  4. 《十二獣ブルホーン》Aから《フォトン・スラッシャー》を取り除き獣戦士族サーチ
  5. 《十二獣ブルホーン》Aに《十二獣ワイルドボウ》もしくは《十二獣タイグリス》を重ね《十二獣ブルホーン》Bを重ねる。
  6. 《十二獣ブルホーン》Bから《召喚師アレイスター》を取り除き獣戦士族サーチ
  7. 《十二獣ブルホーン》Bに《十二獣ドランシア》を重ねる。
  8. 《召喚魔術》発動墓地《フォトン・スラッシャー》《召喚師アレイスター》除外して《召喚獣メルカバー》融合召喚
  9. 墓地《召喚魔術》デッキに戻して除外されている《召喚師アレイスター》手札加える

 《十二獣ブルホーン》から《月光黒羊》を経由して《融合》サーチすれば《召喚獣エリュシオン》融合召喚も可能。

このデッキの弱点

 単体では弱小なモンスターを束ねて戦うタイプのデッキであり、特殊召喚メタモンスター効果メタには弱い。
 《虚無魔人》などの特殊召喚全般の封印のみならず、《次元障壁》を撃たれるだけでも1ターン何もできなくなる。
 特に《スキルドレイン》を貼られるとエクシーズモンスター効果が使えないのみならず攻撃力0となってしまう。
 墓地発動する効果の持ち主も皆無な事から《スキルドレイン》には極めて弱い。

 手札誘発カードなら特殊召喚を連発することから《増殖するG》か、1体のモンスターをひたすら重ねて強化するデッキなので起点を潰せる《幽鬼うさぎ》
 相手ターンに動けるカードが殆ど無く、破壊耐性持ちも居ないことから、《ブラック・ホール》のような単純な全体除去も決まりやすい。
 ランク4を並べる事が多いため、《エクシーズ・ユニバース》《禁断の異本》刺さる

 もっとも、【十二獣】はデッキの枠が余りやすいので、《スキルドレイン》辺りは《ツインツイスター》等の枚数を増やすことで難なく突破できる。

 ちなみにミラーマッチ《精神操作》を使うと、相手十二獣を奪って効果を使った上自分十二獣を重ねてしまう事ができる。

このデッキの歴史

第9期(2014年〜2017年)

第10期(2017年〜2020年)

第11期(2020年〜)

サンプルレシピ

関連リンク

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