デッキ破壊

 相手デッキの枚数を減らす行為のこと。
 主に相手カードデッキから直接墓地へ送る除外する事で行われるが、相手デッキからドロー特殊召喚させる事で行う場合もある。

 多くのTCGではルール上デッキ切れによるプレイヤーの敗北が採用されており、強力な戦術と表現されるケースが多い。
 一方、遊戯王OCGでは墓地アドバンテージが重視されるため、デッキカード墓地へ送るデッキ破壊は相手に利益を与えることになりやすく、あまり強くない戦術と評価されがちである。
 《苦渋の選択》が早期に禁止カードに指定されていたり、ライトロード等が持つ自分デッキカード墓地へ送る行為が「墓地を肥やす」と呼ばれ、メリットとして認識されていたりする事からも分かるだろう。
 しかし、それは毎ターン少しずつデッキを削るタイプの場合であり、かつては【トーチ・テンペスト】【ネクロフェイス】【デッキ破壊1キル】等、1ターン相手デッキの全てのカードを削ってしまうタイプは強力な1ターンキルとして恐れられていた。
 (現在では一部キーカード規制された結果、戦術が対策され易い割に成功率が下がった為、厳しい立場となっている。)
 こうした経緯もあり中途半端なデッキ破壊は推奨されず、やるなら特化すべきだとされている。

 一方、第8期以降では高速でデッキ圧縮をしたり、モンスターの比率を抑えたり、キーカード1ターンキルを狙ったりするデッキが多い。
 またマスタールール3で登場したペンデュラム召喚の導入・本格化により、エクストラデッキからの再展開を狙いたいペンデュラムモンスターが直接墓地に落ちることで戦術が阻害されるケースも増加。
 そうした環境変化により、通常のデッキ破壊も相対的に強化されていることは事実である。

 第9期以降の環境では1ターンで大量展開を行い、相手の戦術を封殺・妨害する強力な布陣を敷くデッキが主流となっていく。
 またマキシマム・クライシスで登場した《灰流うらら》により、「相手カードデッキから直接墓地へ送る効果を持つカード無力化させることが簡単になった。
 その結果、「1ターン相手デッキの全てのカードを削ってしまうタイプ」でさえ対策され易くなり、より逆風となった。
 加えて、墓地効果発動適用するカードも増加したために逆に相手を利する結果となり、デッキ破壊が結果を残せない時期が長く続いた。

 そんな中で第11期には除外という形でデッキ破壊を行うカテゴリ神碑が登場。
 墓地アドバンテージを与えず、モンスター効果よりも妨害されにくい魔法カード中心の構成も後押しし、久しぶりに環境で結果を残した【デッキ破壊】となった。

  • 「デッキ破壊」という言葉は《死のデッキ破壊ウイルス》から広まった原作用語で、他に「デッキデストラクション(Deck Destruction)」や「デッキデストロイ(Deck Destroy)」、略して「デッキデス」とも呼ばれる。
    また、デッキ破壊をすることを「デッキを削る」とも言われる。
  • TCG圏では行為としての「デッキ破壊」を俗に「mill(ミル)」と呼ぶ。
    「mill」はカードゲーム「Magic: the Gathering」の「石臼/Millstone」に由来している。
    ただし、広義の「mill」は相手デッキに対しての「デッキ破壊」だけでなく、自分デッキに対する「デッキ圧縮」や「墓地肥やし」の意味でも用いられることがある。
  • デッキとしての【デッキ破壊】の場合は「Deck destruction」や「Mill」以外に勝利条件の「デッキ切れ」を意味する「Deck out(デッキアウト)」や「Library out(ライブラリアウト)」が使われることがある。
    「デッキ」とは手札墓地フィールドを含め対戦に使用される全てのカードを包括する概念であるため、対戦中の山札はデッキと呼ばず「ライブラリ」等と呼んで区別されることがある。
  • 海馬と同じ目的でデッキ破壊を行ったデュエリストは、海馬自身を除けば現状「KCグランプリ編」のジーク・ロイドのみである。
    類似例としては下記の通りエリファスが遊馬のデッキの大半を《NO(ニューオーダーズ)13 エーテリック・アメン》のエクシーズ素材化した事例がある。
  • デッキ切れを目的としたデッキ破壊を行ったデュエリストは、Rの北森玲子、アニメGXのエックス、アニメ5D'sのブレオなど多数登場しており、バーンと並んでビートダウン以外で勝利を目指すデッキの中では認知度の高い戦術の一つである。
    一方、上記の北森玲子を初めとして、アニメ5D'sの鷹栖やジャン、アニメZEXALII(セカンド)のベクター等、デッキ破壊に集中せず途中から別の戦術に切り替えた(あるいは別の戦術を混ぜ込んだ)為に敗北する事が多い。
    • 様々な媒体で描かれてきたデュエルの中で現状、徹頭徹尾ビートダウンを行わずデッキ破壊に集中したデュエリストはエックスが唯一といえる。
      勝利はできなかったが十代のデッキを0枚にまで追い込む腕前で、プロとしての強さもエドからも評価されていたが、相手デッキをズタズタにする行為自体に愉悦を感じている様な態度を見せていたからか「ヤツと戦いたがるデュエリストなんていない」と厳しい評価を下されている。
  • 上記の通りデッキ破壊戦術を取るのは、いわゆる敵サイドのデュエリストが多い。
    しかしながら、(一貫して)自らデッキ破壊戦術を仕掛けてデッキ切れで勝利したデュエリストは未だに現れていない。
    それどころか、そのデッキ破壊によりできた墓地アドバンテージにより敗北のきっかけを作っている例が多い。
    「闇遊戯vs人形」戦の闇遊戯や「十代vsエックス」戦といった主人公側がデュエルの途中からデッキ破壊戦術に切り替えて勝利した事例は存在する。
  • 劇場版『光のピラミッド』のシミュレーションでは、海馬がデッキ破壊を仕掛けて闇遊戯に勝利するという予測結果が出ている。
    なお、実際のデュエルでは闇遊戯のラストターンドローデッキが0になっており、デッキ破壊が成功していない。
    ただし、この時の闇遊戯のデッキ枚数は41枚だと確認できるのだが、上述のシミュレーションは40枚で計算されていた。
    従ってシミュレーション自体は間違っておらず、デッキ枚数が40枚だという前提条件の方に問題があったと言えよう。
    また、そもそもデュエル途中でデュエリストが交代してしまっているため、本来の戦術を取れなかった可能性もある。
  • デッキ破壊をした回ではそのデュエリストのデッキの内容が分かる場合が多い。
    また主人公格がデッキ破壊をされた場合、遥か前に使用したカードやその状況では使えないカード墓地に落ちる事が多い。
  • デッキ破壊戦術は(OCGでの一般的な戦術であるビートダウンを除けば)バーン等と比較した場合、作中では否定的な描写を受けることが多い戦術である。
    遊戯王OCGビートダウン志向の高いゲーム性である事もあり、「ライフを削り合うのがデュエル」とまでアニメ内ではっきり言われてしまう事もある。
    海外版のアニメ5D'sでは「恥ずべき戦い方」とまで言われており、あろうことかデッキ破壊を仕掛けたチームユニコーンですらそれを恥じて途中で戦略を変更する描写となっている。
  • シリーズ5作品目となるアニメARC-Vでは、歴代のアニメ作品で初めてデッキ破壊を目論んだデュエリストが登場しなかった。
    続く6作目のアニメVRAINSでも登場しておらず、OCG同様にアニメにおいても相当にマイナーな戦術になっている事が窺える。
    ちなみに、ゲームがラッシュデュエルに移った7作目のSEVENSでは3作品ぶりにデッキ破壊戦術が復活している。

関連カード

相手デッキの一番上からカード墓地へ送る効果を持つカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

相手デッキの一番上からカード除外する効果を持つカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

相手デッキの一番上からカードエクシーズ素材とする効果を持つカード

相手のみ処理を行う

相手デッキからカードを選んで墓地へ送る効果を持つカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

相手デッキからカードを選んで破壊する効果を持つカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

相手デッキからカードを選んで除外する効果を持つカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

相手ドローさせるカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

相手デッキからサーチさせるカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

相手デッキからリクルートさせるカード

相手のみ処理を行う

自分または相手、必ずお互いに処理を行う

デッキ破壊対策カード

(デッキ破壊効果への対策カード以外にデッキに戻すも参照)

上記以外でデッキ破壊に関連する効果を持つカード

墓地へ送られた除外参照。

関連リンク

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