高橋和希 †
遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズの原作にあたる漫画『遊☆戯☆王』を執筆した漫画家(1961〜2022)。
作家として・原作漫画『遊☆戯☆王』について †
本名・高橋一雅。
『遊☆戯☆王』の連載開始以前は本名含む他名義を使用している。
1981年に小学館の漫画新人賞に応募した作品が入賞、同作は週刊少年サンデーに読み切りで掲載される。
これをきっかけに、ゲーム会社のデザイン業と並行して漫画のアシスタント業、編集部への持ち込みを始めた。
こうして週刊少年サンデーに続けて読み切りを数作掲載した後、講談社の週刊少年マガジン・集英社の週刊少年ジャンプで連載を手がけたが、長らくヒット作には恵まれなかった。
転機となったのが、1996年に週刊少年ジャンプで連載を開始した漫画『遊☆戯☆王』。
後に彼の代表作となる本作だが、当時は連載開始早々に打ち切りが危ぶまれるほどの作品であった。
古代エジプトの謎が絡む難解な世界観(特にシャーディーの初登場回)への敬遠は、後年の文庫版におけるあとがきで「読み返すとミステリーを飛び越えてかなりシュールで難解」と自嘲している。
また「主人公の闇の人格が毎話異なるゲームで悪人と対決する」という軸においても、ルールや攻略方法が時にイカサマまがいの映えにくいもの、また相手が悪人とはいえ炎上・感電・毒殺未遂も平然と行うダークな作風であった。
そんな中、カードゲーム「マジック&ウィザーズ」の登場回が高い反響を受けていたことから、読者の要望に応えるためとして、他のゲームと同様に前後編の一回限りの出番の予定を翻して「DEATH-T編」の最終戦として再登場。
その後も、読み切り形式の連載アイディアの枯渇と長編シリーズへの挑戦という事情が重なったことで、「決闘者の王国編」にてほぼカードゲーム中心の路線変更を行った結果、人気が爆発する。
人気作となった『遊☆戯☆王』はメディアミックス展開を開始。
1998年放送のアニメ第一作(通称「東映版」)とバンダイが販売したカードダス(バンダイ版)は短命に終わったが、KONAMIが発売したゲームボーイソフト『遊戯王デュエルモンスターズ』は大ヒットを記録した。
1999年にはKONAMIから『遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』、すなわち現在まで続くOCGの発売が開始され、爆発的ヒットを記録。
2000年にはOCGと連携したアニメ第二作『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の放送を開始し、人気は不動のものとなる。
これらから得られる高橋氏の収入は莫大なものとなり、2000年当時の長者番付(高額納税者公示制度、2006年に個人情報保護を観点に廃止)の文化人部門にて第一位へ登り詰めるほどとなった。
なお、作品のグッズ展開が広く行われる場合は税金や版権管理上法人を設立した方が効率的であり、高橋氏も1999年に「スタジオ・ダイス」を設立している。
高い人気を誇った『遊☆戯☆王』であるが、週刊連載の激務で高橋氏は体調を崩し、2004年に週刊少年ジャンプでの長期連載を終了。
文庫版遊戯王のあとがきでは「原作の記憶編から戦いの儀最終盤面にかけて、体調の悪化により大幅にシナリオを削除している」と作者自ら述べている。
これ以降、長期連載を手掛ける事はなかった。
遊戯王シリーズはその後、GX・5D's・ZEXALとアニメ・漫画ともに継続したが、高橋氏は各作品のメインキャラクターと基本設定の作成のみを行った。
その間接的な関与も『遊☆戯☆王ZEXAL』で終了し、『遊☆戯☆王ARC-V』以降は高橋氏はキャラクターデザイン等にも関与していない。
一方で、2016年公開の映画『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』は漫画『遊☆戯☆王』の続編として位置づけられ、高橋氏が脚本・キャラクターデザイン・製作総指揮として大きく関与。
これに合わせ、12年ぶりの高橋氏自身による『遊☆戯☆王』続編漫画『TRANSCEND・GAME 遊☆戯☆王』が執筆され、週刊少年ジャンプに2週連続掲載された。
この他にも『遊☆戯☆王』とは異なる世界観で、数作の短編や短期連載作品を発表している。
第一線を退いた後も漫画家としての研鑽は欠かさず行っており、後年の作品は『遊☆戯☆王』当時よりも大幅に画力が向上している。
2022年7月に急逝、享年60であった。
- 『遊☆戯☆王』がカードゲーム漫画への路線変更で人気を博したのは、当時黎明期にあったカードゲームの流行に加えて、高橋氏によるデザインやアイディアの秀逸さ、またカードとデュエルを通じて描くドラマの魅力が大きく寄与したと言えるだろう。
- 長らく全てのOCGカードの右下に権利者として名前が記載されていたが、第11期(2020年4月〜)から記載されなくなった。
変遷は以下の通り。
- スタジオ・ダイスでは、自らが主催する毎月デュエル定例会を行っており、高橋氏自身も一人のユーザーとしてなかなかに楽しんでいた模様。
- KONAMIのゲーム作品において―
高橋氏イラストデザインカードの収録はゲームにおいても限定されている。
「TAG FORCE SPECIAL」(2015年)までは高橋氏のイラスト違い版も含め全て収録されていたのだが、「デュエルリンクス」(2016年〜)「マスターデュエル」(2022年〜)においてはほぼ全て収録されていない。
《光の創造神 ホルアクティ》は特に希少価値が高く、これを使用できる点で「TAG FORCE SPECIAL」は稀有な作品といえる。
- 前述の「サトマサのとことん遊☆戯☆王」において「デュエルリンクス」を継続的にプレイしていたことが証言されている。
関連リンク †