遊戯王カードWiki - 《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》

《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント/Tyrant Red Dragon Archfiend》 †

シンクロ・効果モンスター
星１０/闇属性/ドラゴン族/攻3500/守3000
チューナー２体＋チューナー以外のモンスター１体以上
このカードはＳ召喚でしか特殊召喚できない。
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント」の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分メインフェイズ１に発動できる。
このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。
このターン、このカード以外の自分のモンスターは攻撃できない。
(2)：バトルフェイズに魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を５００アップする。

　ザ・ダーク・イリュージョンで登場した闇属性・ドラゴン族のシンクロモンスター。
　自身以外のフィールドのカードを全て破壊する起動効果、バトルフェイズ中の魔法・罠カードの発動を無効にし自己強化を行う誘発即時効果を持つ。

　シンクロ素材に２体のチューナーを必要とするため、シンクロ召喚には一工夫が求められる。
　それ以外の縛りは特になく、同レベルの《えん魔竜レッド・デーモン・ベリアル》などと違いシンクロモンスターを経由する必要がない。
　《デブリ・ドラゴン》や《レスキューラビット》などを使えば容易く２体のチューナーを用意できるため、レベル10になるようもう１体モンスターを出せばシンクロ召喚できる。
　《ジャンク・スピーダー》でシンクロンチューナーを複数展開すれば容易にシンクロ召喚できる。
　《ブリリアント・フュージョン》でレベル１、光属性チューナーを融合素材にして《ジェムナイト・セラフィ》を出し、《デブリ・ドラゴン》で吊り上げる手もある。
　《召喚僧サモンプリースト》で《レスキューキャット》をリクルートし、その効果で《Ｘ－セイバーエアベルン》を２体を特殊召喚して、３体でシンクロ召喚する手もある。
　《武力の軍奏》はシンクロチューナーでチューナーを蘇生するため、チューナー２体を揃えやすい。

　《カオス・ウィッチ－混沌の魔女－》を除外して《カオス・ソーサラー》・《ライトパルサー・ドラゴン》・レベル６ビーステッドのいずれかを特殊召喚すれば、それだけでシンクロ素材が揃う。
　自身が闇属性シンクロモンスターであるため、《カオス・ウィッチ－混沌の魔女－》の展開制限にも引っかからない。

　【青眼の白龍】では《光の霊堂》で《青き眼の乙女》を含む２体の光属性・レベル１チューナーを召喚し、《青き眼の乙女》を《光の霊堂》の効果の対象にして《青眼の白龍》を特殊召喚すれば出すことができる。

　(1)は自身以外のフィールドのカードに対する全体除去だが、自分のカードも破壊してしまい、自身以外攻撃できなくなる。
　維持できれば毎ターン全体除去を行えるため、相手が対処できなければそのままエンドカードにもなりうる。
　しかし、バトルフェイズ以外に耐性を持たないため、魔法・罠カードがある状態でシンクロ召喚して除去を行うにはリスクを伴う。
　シンクロ召喚に成功した時に《奈落の落とし穴》などを発動された場合は何もできずに除去されてしまう。
　相手フィールドにセットカードがある状態での全体除去なら、《ブラック・ローズ・ドラゴン》の方が消費も少なく、上記の弱点もないため、こちらより確実性が高い。
　また、単純にモンスター除去をするのであれば《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》や《えん魔竜レッド・デーモン》も存在する。

　(2)はバトルフェイズ中の魔法・罠カードの発動を無効にして自己強化する効果。
　(1)の効果で魔法・罠カードの除去を行うとほぼ意味のなくなる効果であり、ほとんどの場合は(1)の効果で十分である。
　一応相手ターンでの魔法・罠カードによるコンバットトリックを防いだり、自分の発動した魔法・罠カードを無効にしてコンバットトリックのように使えるため、あって困る効果ではない。
　《天獄の王》などで(1)の効果による伏せカードの破壊をしのがれた場合でも安全に攻撃できる。
　また、他のモンスターと並べて総攻撃する場合は(1)の効果を使うことができないため、使える場面が出てくる。
　ただし、このような大型モンスターは大抵召喚までの過程で妨害される事が多く、耐性を持たないこのカードはそれらに対応できないため、あまり噛み合っていない。
　バトルフェイズ中に《リミットオーバー・ドライブ》や《シンクロコール》で特殊召喚することで《奈落の落とし穴》などを無効にして追撃することはできる。

　基本的にはこのカードをシンクロ召喚できる状態なら、より低レベルのシンクロモンスターも出せるということになる。
　《スターダスト・ウォリアー》や《えん魔竜レッド・デーモン・アビス》などの方が牽制しやすい場合が多い。
　このカードは他のシンクロモンスターと比較しても気軽に出せない上に、耐性にかなり穴が多く、下準備を整えてから全体除去によるフィニッシャー向きである。

チューナー２体を要求するレベル10のシンクロモンスターは《ヴァイロン・オメガ》以来の２体目。
チューナー２体でシンクロ素材に種族・カード名等の縛りがないのは、全シンクロモンスターで初である。

「タイラント(Tyrant)」は英語で「暴君」を意味するが、語源はギリシア語の「ティラノス(Tyrannos)」に由来し、その本来の意味は「僭主(せんしゅ)」である。
「僭主」とは、身分や血統に関係なく実力で君主になった者のことであり、デュエルの腕一つでシンクロ次元の頂点に君臨したジャックに相応しいモンスターである。

原作・アニメにおいて―
アニメARC-Vにおけるジャックの切り札。
「遊矢vsジャック」（２戦目）で初登場し、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》・《キング・スカーレット》・《ミラー・リゾネーター》でシンクロ召喚される。
自身の効果で遊矢のフィールドのカードを全て破壊し、遊矢に直接攻撃を仕掛けた。
この際遊矢のアクションマジック《回避》を自身の効果で無効にしたが、それによって《曲芸の魔術師》が特殊召喚されたのでそちらを戦闘破壊した。
次のターンには、通常罠《オーバー・ザ・レッド》で攻撃力を10000まで強化して遊矢の前に立ちはだかった。
だが、《涅槃の超魔導剣士》のペンデュラム効果を連続で受けて攻撃力を2500まで下げられ、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》の攻撃を受けてジャックは敗北した。
「権現坂＆ジャックvsズァーク」戦以降はシンクロ素材に《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》を使わずにシンクロ召喚され、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト》と共にフィールドに並んでいる。
攻撃名は「獄炎のクリムゾンヘルタイド」、破壊効果名は「アブソリュート・パワー・インフェルノ」。

アニメでは特殊召喚制限がなく、(1)・(2)共に回数制限がなかった。
また、(1)はメインフェイズ１でなくても発動でき、攻撃制限のデメリットもなかったが、(2)は自身の攻撃宣言時にしか発動できなかった。

ARC-Vの劇中には、拾う事で手札・フィールドが空の状態でも使うことができるアクションマジックが存在するため、(1)の効果を使っても(2)の効果は活かしやすかった。
（もっとも、そのルールもランサーズが来てから導入されたものなのだが）
だが、そのままOCG化した結果、(1)と(2)の効果の併用は非常に難しくなってしまった。

シンクロ召喚時の口上は「王者と悪魔、今ここに交わる。赤き竜の魂に触れ、天地創造の雄たけびをあげよ！シンクロ召喚！現れろ！レベル10、《レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント》！」
口上・シンクロ素材ともども、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》を強く意識しており、あちら同様に劇中では「ダブルチューニング」と称されている。