【パーミッション】

デッキの概要

 パーミッションとは、カウンターによる無効などを駆使し、相手の戦術を崩す事を目的とするコントロールデッキの総称である。
 多種多様なパーミッションが存在するが、このページではカウンター罠を用いてコントロールを行うデッキ全般について述べる。

《神の宣告/Solemn Judgment》
カウンター罠
(1):LPを半分払って以下の効果を発動できる。
●魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
《神の警告/Solemn Warning》
カウンター罠
(1):2000LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターを特殊召喚する効果を含む、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。
《神の通告/Solemn Strike》
カウンター罠
(1):1500LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。
その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。
《天罰/Divine Wrath》
カウンター罠
手札を1枚捨てて発動する。
効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。
《魔宮の賄賂/Dark Bribe》
カウンター罠
(1):相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
相手はデッキから1枚ドローする。
《ギャクタン/Wiretap》
カウンター罠
(1):罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし、そのカードを持ち主のデッキに戻す。

 カウンター罠によるパーミッションの最大の利点は、スペルスピード3の無効化能力にある。
 発動に成功すればカウンター罠以外にはチェーンされないため、相手カードを封じる力は非常に高い。

 一方で、強力なカウンター罠発動コストが高めに設定されており、ディスアドバンテージを負いやすいという欠点を抱えている。
 恒久的なアドバンテージ源となるドローエンジンを採用する事で多少は消費を補えるが、それでも相手カード全てを無効にする事は難しい。
 ゲームを決定付けるような相手キーカード、すなわちマストカウンターを的確に狙う必要があるため、豊富な知識と慎重なプレイングが要求される。

 このような扱いにくさはあるものの、大抵のカウンター罠は単体で機能するため、あまり投入するデッキを選ばない。
 コントロールを軸としながらも、ビートダウンロックなど各種デッキへの派生が考えられる。
 主力となるカウンター罠の特徴は勿論、あらゆるデッキの構成やそのプレイング・カードの効果などをしっかりと把握し、的確な構築・対処ができるようにしたい。

デッキ構築に際して

 【パーミッション】には勝利手段の異なる複数の構築パターンが存在するが、それらを単一のページで解説する事は困難である。
 そのため、ここではどの種類の【パーミッション】でも採用が望めるものや、各タイプの【パーミッション】の代表的なカードを中心に説明する。
 各種デッキの詳細は、デッキの派生から当該ページを参照にされたい。

カウンター罠について

 ノーコストだが無効にできる状況や対象が狭いものから、汎用性は高いが多大なコストを要求するカードなど、幅広く存在する。
 主に使用されるのは、「発動条件の容易さ」・「無効にできる範囲」に優れたもので、発動コストは軽視される傾向にある。
 これは、セットしたカウンター罠が噛み合わずに腐ってしまい、相手の行動に対応できない状況を少なくする意味合いが強い。
 また、後手に回ってカードに対処するという受動的な性質から、【パーミッション】は相手デッキ構築によって影響を受け易い。
 【メタビート】ほど徹底する必要はないが、環境を意識したカード選択も求められる。

 この項目では採用率の高いものを主に紹介するが、それ以外についてはこちらでリストが確認できる。

 基本的には、カウンター罠の比率が高くなる程コントロール能力も高くなるが、カード消費もより激しくなる。
 この点を解消するため、ドローエンジンを併用する事が多い。
 カウンター罠ドローエンジンの相性は悪くなく、上手くデッキが回れば大きなアドバンテージが得られる。
 ただし、コンボデッキの性質も強くなるため、安定度や柔軟さはいくらか犠牲になる。

 もうひとつの策として、カウンター罠ライフコスト発動できるものに偏らせる構築が考えられる。
 ステータスに難があるドローエンジンへの依存が無くなり、デッキの柔軟性が増す。
 その分ライフポイントの消費が激しく、カウンター失敗を絶対許さない背水の陣となる事も多く、プレイングは非常にシビアになる。
 また、当然ながらバーンには非常に弱くなる。
 ビートダウンデッキに挿された《魔法の筒》《停戦協定》なども、ダメージ計算や戦術を狂わせ致命傷となるので注意したい。

モンスターカードについて

 《ライオウ》《閃光の追放者》等のメタ寄りのカード環境次第で採用候補に挙がる。
 それ以外でまず思い浮かぶのが、カウンター罠と直接関連する効果を持つモンスター一覧)。
 《裁きを下す者−ボルテニス》《天空聖者メルティウス》は専用の構築が必要となり、【エンジェル・パーミッション】での運用が基本となる。

ドローエンジンは採用するデッキにとって重要なキーカードであると同時に、単体では場持ちの望めない事故要因でもある。
手早く手札に呼び込みたいが、手札でダブつくと防御が薄くなるという問題を抱えている。
決定的なサーチリクルート手段も無いため、プレイヤーの構築手腕のみでバランスを取っていかなければならない。
カードの性質をよく理解し、時間を掛けて採用枚数を調整していこう。

魔法カードについて

 カウンター罠を多く採用するため、その分魔法カードの投入スペースは限られる。
 もっとも、コントロール要素はカウンター罠だけでほぼ完結しているので、魔法カードが0枚という極端なデッキでも運用は可能。
 かつては《強欲な壺》(時代によっては《天使の施し》)のみという構築もありえた程である。

 メタカードである《王宮のお触れ》は何としても処理しなければならないため、《ハーピィの羽根帚》だけでなく《サイクロン》の投入も考えられる。
 他には、《サンダー・ボルト》などのモンスター除去や、手札の質を向上させるカードが採用候補となる。

カウンター罠以外の罠カードについて

 採用されるモンスターステータスが低いものが多く、カウンター罠だけでは守りきれない事も多い。
 そのため、ビートダウンを勝ち筋としたデッキでは除去カードが、ロック系のデッキでは攻撃を封じるカードが採用候補になる。
 具体的には、《次元幽閉》《奈落の落とし穴》《光の護封壁》等が挙げられる。

デッキの種類

ビートダウン

 戦闘ダメージによって相手ライフポイントを0にする事を目的としたもので、【パーミッション】の中では早期決着が望める部類である。

【フィフティ・フィフティ】

 攻撃ロックする永続カードを採用しつつ、ビートダウンでの勝利を狙う。
 ドローエンジン戦闘破壊から守りやすいのが利点となる。

ロック

 攻撃を完全にロックし、効果ダメージ特殊勝利によってデュエルに勝利する事を目的とする。

 このデッキに於けるカウンター罠の役割は、ロックパーツやドローエンジン、勝利手段となるカードの保護が主要なものとなる。
 【パーミッション】の中でも一際防御的志向の強い、自分フィールドのカードの維持に徹した構築と言える。

 現在ではロックデッキでも、永続カードの保護のためにカウンターを複数採用するのが一般的となっている。
 そのため、ロックデッキロック要素を採用した【パーミッション】の境界は非常に曖昧である。
 構築も【ロックバーン】【終焉のカウントダウン】を基準に、カウンター罠ドローエンジンの投入枚数を調整していくような組み立てが基本となる。

デッキの派生

【ヴァンダルギオン】

 カウンター罠発動から特殊召喚する事ができる《冥王竜ヴァンダルギオン》フィニッシャーとしたデッキ
 【パーミッション】ならば簡単に特殊召喚でき、高い打点によりフィールド制圧できる。
 特定の種族属性にも縛られないため、ほとんどのデッキタイプで無理なく採用できる。

【エンジェル・パーミッション】

 天使族統一型のデッキ
 天使族にはカウンター罠とのコンボが可能なカードが複数存在し、多くの構築パターンを確立している。
 高い制圧能力を持つ天使族上級モンスターや、種族特有のシナジーの恩恵を受けられる事も強みである。
 《裁きを下す者−ボルテニス》フィニッシャーとしたデッキ《天空聖者メルティウス》を軸とした【天空の聖域】寄りのタイプがよく知られている。
 特に《天空の聖域》がある時だけ発動できる《神罰》を運用できるのが強み。

【カウンタービート】

 カウンター相手モンスター除去無効にしつつ、モンスターを展開しビートダウンするデッキ
 使用するカウンターライフコストを賄えるもの、もしくはノーコストのものを中心に選択、戦闘破壊モンスター効果によってアドバンテージを取っていく。
 高打点の下級アタッカーや強力な永続効果を持ったモンスターを主力とし、それをカウンター罠などで守るのを戦術とする。
 形態としてパーミッションというよりはハイビート【メタビート】に近い。

【フェザーパーミッション】

 【E・HERO】と【パーミッション】の混合型。
 ノーコスト《フェザー・ウィンド》を中心に、E・HEROの展開力の高さで場を維持していく。
 構築の難度は上がるが、融合モンスターで打点を補えるのも強み。

【イリダン・コントロール】

 【イリダン・パーミッション】、【リンクス・パーミッション】とも呼ばれる。
 カードセットする事でワームカウンターを発生させ破壊効果使用できる《ワーム・イリダン》を主軸としたデッキ
 カウンター罠を大量にセットする【パーミッション】との相性は良く、パーミッション全般が苦手としがちな能動的な除去を行えるのが強み。

【パーミッション帝】

 カウンター罠発動する事でトークンを生成する《人造天使》リリースを確保し、を展開していくデッキ
 大量展開したトークンコスト《昇天の角笛》を使用する事も可能。

【Vドラコントロール】

 《ヴィクトリー・ドラゴン》効果によるマッチキルを狙うためのパーミッションデッキ

このデッキの弱点

 先述したようにいくつか構築の種類があるが、いずれもカウンター罠への依存が強い点で共通している。
 そのため、《王宮のお触れ》《人造人間−サイコ・ショッカー》《ナチュル・バンブーシュート》などの罠カード封じは天敵となる。
 セットを封じてしまう《ダーク・シムルグ》も、同様に警戒しなければならない。
 カウンター罠発動を伴わない永続効果に対して干渉できないので、モンスターの召喚カードの発動を許した場合にも備える必要があるだろう。
 よって、この短所を補えるモンスターカード除去魔法の選択も重要である。

 フィールドカードが集中しやすいため、全体除去にも最大限の注意を払う必要がある。
 このデッキは一度失ったアドバンテージを取り戻すのが難しいため、絶対に無効にしなければならない。

 またデッキ内の比率がカウンター罠で多くを占める以上、手札事故も宿命となる。
 手札カウンター罠ばかりが集中するとアドバンテージが得られずジリ貧となってしまうため、枚数の調整はよく考えておきたい。

代表的なカード

関連リンク

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