【八汰ロック】 †
相手のフィールド、手札を0にして《八汰烏》でドローをロックする、一種のオーバーキルデッキ。
こう書くと難しそうだが、ハンデス三種の神器と豊富な全体除去が併存していた時代の話である。
しかも、《八汰烏》は《黒き森のウィッチ》や《クリッター》で容易にサーチできた。
《八汰烏》が登場した01/11/29から禁止になるまでの2年半以上の間、あらゆる大会で猛威を振るった。
《八汰烏/Yata-Garasu》
スピリット・効果モンスター
星2/風属性/悪魔族/攻 200/守 100
このカードは特殊召喚できない。
(1):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
次の相手ドローフェイズをスキップする。
(2):このカードが召喚・リバースしたターンのエンドフェイズに発動する。
このカードを持ち主の手札に戻す。
重要となるのは、《八汰烏》の直接攻撃を通すための全体除去と、ドローロック前後の反撃を防ぐための手札破壊の2点である。
全体除去としては《サンダー・ボルト》や《ブラック・ホール》、時には《激流葬》も使われていた。
これらの全体除去に《クリッター》や《黒き森のウィッチ》を巻き込み、《八汰烏》をサーチする戦法も存在する。
手札破壊にはハンデス三種の神器が用いられていた。
《混沌帝龍 −終焉の使者−》は全体除去と手札破壊の両方を同時に行う効果を持った非常に強力なモンスターであり、この効果に対して上記のサーチ戦術を用いれば、相手の手札とフィールドを空にしつつ《八汰烏》をサーチできた。
この場合、召喚権が残っていればその時点でゲームエンドとなる。
《八汰烏》のドローロックが完成してしまえば、相手はその時点でのカードのみで対処しなければならない。
モンスターは《怒れる類人猿》辺りで戦闘破壊し、伏せカードは《サイクロン》等で処理していけば毎ターン《八汰烏》の直接攻撃を通すことも容易であり、いずれ相手のカードも尽きるだろう。
カードが尽きてしまった相手は何もできなくなり、ただ勝負がつくのを待つだけとなる。
04/03/01以前のカードプールでは弱点らしい弱点は存在しなかった。
使用していたカードの大半が現在は禁止・制限カードに指定されているパワーカードということもあり、その場しのぎ程度の反撃ならそのまま押し切れるためである。
特に《混沌帝龍 −終焉の使者−》のコンボは、相手フィールドにも《クリッター》・《黒き森のウィッチ》がいた場合や、相手手札に《闇より出でし絶望》・《キラー・スネーク》があった場合等を除くと、即ゲームエンドに繋がる。
しいて言うならロックに攻撃を通す必要があるため先攻1ターンから1ターンキルを仕掛けてくることが少ないことぐらい。
キーカードである《八汰烏》は、低ステータスであるものの、スピリットモンスターであるために戦闘破壊は起こりづらい。
また、《八汰烏》を召喚する時は直接攻撃が確実に通る時、すなわち伏せカードが存在しない時が大半のため、伏せカードで対処されることもあまりなかった。
そのため、《八汰烏》が対処されるとしたら、手札破壊で墓地に落とされた時程度である。
この場合、スピリットモンスターである《八汰烏》は特殊召喚ができないため、サルベージをする以外に再利用はできなくなる。
22/10/01以降の環境では、ハンデス三種の神器が禁止カード、《混沌帝龍 −終焉の使者−》がエラッタにより弱体化しているため、04/03/01以前と比べて《八汰烏》の効果を通せば勝てる状況は作りにくくなっている。
サーチ・リクルート手段の増加、エクストラデッキのモンスター、墓地で発動する効果などにより、少ない手札から盤面を巻き返されることも多い。
また、環境の高速化により、《八汰烏》の直接攻撃を通すのが困難な盤面を作られてしまうことも多くなった。
特に《八汰烏》は特殊召喚できないため召喚権を使う必要があり、召喚権なしで相手の制圧に対処しなければならないのが難点である。
Mythological Age −蘇りし魂−での《八汰烏》のレアリティがノーマルであるため、大変手に入れやすかった。
入手難度とプレイングの難度両面から評価され、当時の【スタンダード】がすなわち【八汰ロック】であったと言っても過言ではない。
《八汰烏》が制限復帰する。
《八汰烏》が制限緩和される。
《八汰烏》が制限解除される。
代表的なカード †
関連リンク †