ハイランダー

 同名カードを1枚ずつしか投入しないデッキのこと。
 特定のカードに依存しないためにマストカウンターの見極めが難しく、妨害が難しいことが特徴となる。
 また、これといった基本の攻めパターンも存在しないことが特徴であり、特定のパターンを狙うデッキに比べ柔軟性が高い利点もある。

 制限改訂の影響を受ける事が少ないのも、メリットの1つ。
 禁止カードに指定されない限り、デッキを崩す必要はない。
 また、《連鎖破壊》《連鎖除外》等の同名カード除去に強いという利点がある。
 このため、《抹殺の使徒》《撲滅の使徒》を有効に活用することができ、逆に自然とそれらの対策をしていることになる。
 その他、【フルモンスター】のように色々な戦術が作れることもメリットといえる。

 一方でメタゲームに左右されやすく、元となるデッキレシピも存在しないために構築難易度が高く、また完成してもレシピ元としての価値が薄い。
 言い換えればデッキ構築の楽しみや対戦相手の意表を突く快感をより一層得られるということであり、オリジナリティを反映しやすい。

  • 一般的なテーマデッキをハイランダーにしただけでは、何か特殊な意図を持っていない限りデッキ回転しなくなる。
    そのため、この構成にしたければ専用の構築にする必要がある。
  • テーマデッキが主流の現代遊戯王においてはなかなか構築が難しいコンセプトではあるが、HEROのようなそもそもの総数が多いテーマや、魔術師オッドアイズEMのように複数テーマの結びつきの強いものならば十分なデッキパワーが得られる可能性はある。
    • 第10期以降は過去のアニメ作品で使用されたテーマ・カードを中心に、テーマを跨いでいたり緩い指定で範囲の広いサポートカードも多く登場している。
      これらの傾向もハイランダー構築にとっては強い追い風となっている。
      • カードプール増大に伴い同名カードを含めての1ターンに1度が増加傾向にあるので、それらの手札での重複防止を図ってハイランダーやそれに近い構築も戦略として考えられる。
  • 第10期まで販売されていたSTARTER DECKもハイランダー構築であることが多い。
    それらは「初心者向け」と区切っており、始めたばかりのプレイヤーに多くのカードと触れ合ってもらうため、および多くのカードを手に入れやすくするためにこうしているのだろう。
  • ザ・ヴァリュアブル・ブック3でも特別デュエルルールの紹介で、タッグデュエルやバトルロイヤルデュエルと共に「オール・リミテッド・デュエル(全カード制限デュエル)」なるものが掲載されていた。
    お互いに全てのカードを1枚ずつしか投入できないという物であり、つまりはハイランダー同士の勝負となる。
    コンボは決めにくいので単純にビートダウンで攻めると良いとアドバイスされていた。
  • 元々は「マジック:ザ・ギャザリング(MTG)」の用語で、言葉の由来は1986年公開の同名の英米合作映画『Highlander(邦題:ハイランダー 悪魔の戦士)』。
    不老不死の男たちが生存を賭けて戦う物語で、副題が「There can be only one(生きていられるのは1人だけ)」となっている。
    「1人だけ→1枚だけ」と言う発想から、MTGではこのタイプのデッキフォーマットをハイランダーと呼ぶようになった。
    「基本土地カード以外の同名カードは1枚しか入れてはいけない」というデッキ構築ルールの遊び方にもなっている。
  • ちなみに「ハイランダー」とは「高地人」という意味を持つ単語で、大元の語源は17世紀頃のスコットランドのハイランド地方に実在した戦士達のことを指す。
    「クレイモア」という巨大な両手剣を用いていたことで知られる。
  • アニメARC-V以降はカードの入手難度以外は現実に近くなり、主要キャラクターであっても複数枚投入が見られるケースが増えている。
    LDSの生徒等、そのデッキの切り札となる大型モンスターでさえ2体同時に並べる、現実に近い布陣も多用されるようになった。
    一方で、経済格差がシナリオ軸であったシンクロ次元においては、クロウ達が経済力からレアカードの複数枚所持ができないことを理由に、1枚の再利用を戦術に組み込んでいる。

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