【ジャンクドッペル】

デッキの概要

 《ジャンク・シンクロン》と相性の良い《ドッペル・ウォリアー》の両者を主軸としたシンクロ召喚に特化したデッキ
 応用力の高さと柔軟な状況対応力を併せ持っていることが評価され、2011年世界大会では出場デッキ中最高の使用率を誇った。

《ジャンク・シンクロン/Junk Synchron》
チューナー(効果モンスター)
星3/闇属性/戦士族/攻1300/守 500
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する
レベル2以下のモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚する事ができる。
この効果で特殊召喚した効果モンスターの効果は無効化される。
《ドッペル・ウォリアー/Doppelwarrior》
効果モンスター
星2/闇属性/戦士族/攻 800/守 800
自分の墓地に存在するモンスターが特殊召喚に成功した時、
このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
このカードがシンクロ召喚の素材として墓地へ送られた場合、
自分フィールド上に「ドッペル・トークン」
(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する事ができる。

デッキ構築に際して

 このデッキは以下の3種類のギミックが存在する。
 まずは、どのタイプにも採用されるカードと戦術について記述する。

モンスターカードについて

デッキの根幹となるモンスター

レベルチューナー

―その他のチューナー

墓地を肥やすモンスター

特殊召喚モンスター

シンクロモンスター

―その他のモンスター

魔法・罠カードについて

 モンスター効果が多岐に渡るため、軸となるカードサポートカードを優先したい。

サーチリクルートカード

シンクロ召喚補助

―その他のカード

戦術

基本的な動き

 フィールド手札などの状況によって動き方は変わってくるが、

  1. 手札《ジャンク・シンクロン》《ドッペル・ウォリアー》墓地レベルチューナー
  2. 《ジャンク・シンクロン》通常召喚レベルチューナー蘇生
  3. 《ドッペル・ウォリアー》自身の効果により《ドッペル・ウォリアー》特殊召喚
  4. 《ジャンク・シンクロン》《ドッペル・ウォリアー》により《TG ハイパー・ライブラリアン》シンクロ召喚
  5. ドッペル・トークンレベルチューナーにより《フォーミュラ・シンクロン》シンクロ召喚

 以上が基本となる動きである。
 手順を見ると分かる様に、まず、《ジャンク・シンクロン》《ドッペル・ウォリアー》ハンド・アドバンテージ2を消費している。
 その後《TG ハイパー・ライブラリアン》《フォーミュラ・シンクロン》ドッペル・トークンボード・アドバンテージ3を得ている。
 そして最終的に《TG ハイパー・ライブラリアン》《フォーミュラ・シンクロン》効果ハンド・アドバンテージ2を得ている。
 この時点でハンド・アドバンテージ±0・ボード・アドバンテージ+3となる。
 この後、このアドバンテージをどう利用するかが重要である。

利用方法

 様々な利用法があるが、主にシンクロ素材として用いる事が多い。
 以下に例をいくつか示す。

デッキの種類

【デブリジャンクドッペル】

 《ジャンク・シンクロン》と同様に墓地モンスター蘇生できる《デブリ・ドラゴン》を採用したもの。
 前述の《ジャンク・シンクロン》と同ギミックにより、フィールド《デブリ・ドラゴン》《ドッペル・ウォリアー》蘇生モンスターの3体を並べる事ができる。
 《デブリ・ドラゴン》蘇生可能な《ローンファイア・ブロッサム》《ダンディライオン》《カードガンナー》レベル3であるため、そのまま《氷結界の龍 トリシューラ》シンクロ召喚が可能である。
 なお、《デブリ・ドラゴン》《ドッペル・ウォリアー》レベルの合計が6であるため、《C・ドラゴン》《オリエント・ドラゴン》の採用が検討できる。

【クイックジャンクドッペル】

 《ジャンク・シンクロン》《調律》を共有でき、手札から特殊召喚可能な《クイック・シンクロン》を採用し、速攻性を上げたもの。
 この場合《クイック・シンクロン》と相性が良く、レベル1である《レベル・スティーラー》の採用が検討できる。
 またチューナーが多くなるため、《ボルト・ヘッジホッグ》効果も使用し易くなる。

 レベルチューナー墓地へ送りつつ《クイック・シンクロン》特殊召喚することで、【ジャンクドッペル】のコンボの下準備が可能である。
 さらに、自身がチューナーであるため、ドッペル・トークンを処理しつつ《TG ハイパー・ライブラリアン》《フォーミュラ・シンクロン》《ドリル・ウォリアー》を展開できる。
 最終的に《ドリル・ウォリアー》除外することで、《ドリル・ウォリアー》を次のターンへ残しつつ、相手ターンでの《フォーミュラ・シンクロン》による《ブラック・ローズ・ドラゴン》の布陣を作ることができる。

 ただし、《クイック・シンクロン》にはシンクロ召喚先の縛りが存在するため、エクストラデッキを圧迫し易い。
 《ドリル・ウォリアー》をメインとしつつ《ロード・ウォリアー》の採用も視野に入る。
 その場合、レベルチューナーであり、さらに高レベルチューナーとして扱える可能性のある《音響戦士ベーシス》の採用が検討できる。
 また、《デビル・フランケン》特殊召喚し、《ナチュル・エクストリオ》《サイバー・ツイン・ドラゴン》等の強力な融合モンスターを展開することもできる。

 《クイック・シンクロン》からのシンクロ召喚候補は【シンクロン】を参照。

 《マスマティシャン》を採用することで、《レベル・スティーラー》《ライトロード・アーチャー フェリス》墓地に送りやすくなり、《クイック・シンクロン》からの《ロード・ウォリアー》で、《氷結界の龍 トリシューラ》《シューティング・クェーサー・ドラゴン》シンクロ召喚しやすくなった。

 さらに【クイックジャンクドッペル】にギアギアを混合したものを【ギアギアジャンクドッペル】と呼ぶ。
 →【ギアギアジャンクドッペル】

【白黒ジャンクドッペル】

 《輝白竜 ワイバースター》《暗黒竜 コラプサーペント》を採用することで、シンクロ召喚を連続で行い易くしたもの。
 【カオスジャンクドッベル】・【ジャンクドラゴン】と呼ばれることもある。
 【デブリジャンクドッペル】・【クイックジャンクドッペル】と異なり、サーチのし難い《ドッペル・ウォリアー》を補う事ができる。
 それぞれのコストの関係上、《貪欲な壺》などの墓地アドバンテージを利用したカードは採用せず、闇属性モンスター光属性モンスターチューナーの展開を補助するカードを採用する。

 上記の動きにおける《ドッペル・ウォリアー》の代わりに《輝白竜 ワイバースター》《暗黒竜 コラプサーペント》を用いることで、同様の動きが可能となる。
 爆発力や最終的なアドバンテージの面では僅かながら劣るものの、利点も多く存在する。

 また、《ジャンク・シンクロン》《ドッペル・ウォリアー》《暗黒竜 コラプサーペント》《輝白竜 ワイバースター》)のレベルの合計が9であるため、《氷結界の龍 トリシューラ》にも繋げ易い。
 さらに、《アンノウン・シンクロン》などレベルチューナー特殊召喚できる状況において、《シューティング・クェーサー・ドラゴン》シンクロ召喚可能となる。

  1. レベルチューナー《暗黒竜 コラプサーペント》《輝白竜 ワイバースター》)を特殊召喚し、《TG ハイパー・ライブラリアン》シンクロ召喚
  2. 基本の動きを行い、フィールド《TG ハイパー・ライブラリアン》レベルシンクロモンスター《フォーミュラ・シンクロン》ドッペル・トークンを揃える
  3. 《TG ハイパー・ライブラリアン》レベルシンクロモンスター《フォーミュラ・シンクロン》により《シューティング・クェーサー・ドラゴン》シンクロ召喚

 現在、《竜の霊廟》制限カードであるため、墓地を肥やすために、《クリバンデット》《ライトロード・アサシン ライデン》などを使うとよいだろう。

デッキの派生

【ギアギアジャンクドッペル】

 【クイックジャンクドッペル】《ギアギガント X》を中心としたギアギアを混合し、爆発力を上げたもの。
 従来の基本的な動きに頼り切らず、デッキ構成パーツも少ないため、罠カードを多く採用した【メタビート】の様な構築を基本とする。

 《ギアギガント X》エクシーズ召喚には《レベル・スティーラー》によってレベルを下げた《クイック・シンクロン》《アームズ・エイド》を用いる。
 さらに《ギアギガント X》エクシーズ召喚し易くするために《ギアギアギア》の採用が考えられ、リクルート先には《ギアギアーノ Mk−II》を優先して採用したい。
 《ギアギアギア》エクシーズ召喚に繋げ易いだけでなく、《ジャンク・シンクロン》との相性も良い点も見逃せない。

 《ギアギガント X》サーチ先としては以下のカードが考えられる。

このデッキの弱点

除外

 墓地利用が前提となるため、無差別にカード除外する《次元の裂け目》《D.D.クロウ》《霊滅術師 カイクウ》などを利用されるとかなり厳しい。
 それらを除去したり、無効にする事が得策であるが、《D.D.クロウ》は非常に厄介である。
 その場合は《虚空海竜リヴァイエール》により除外される事を利用するなどして対処したい。

墓地利用封じ

 直接的に墓地利用を封じる《王家の眠る谷−ネクロバレー》も非常に厄介なカードである。
 《ライトロード・ハンター ライコウ》《ライトロード・マジシャン ライラ》などでしっかりと処理をしたい。

特殊召喚封じ

 シンクロ召喚を始めとし、特殊召喚を多用するため、特殊召喚を封じられると厳しい。
 考慮すべきカード《神の警告》《インヴェルズ・ローチ》《ヴェルズ・オピオン》など、多岐にわたるため十分に気をつけたい。
 《マクロコスモス》などの全体除外カード《大天使クリスティア》などの永続的特殊召喚封じ、《スキルドレイン》などを出されると、手札状況によってはどうしようもなくなることにも注意。
 《増殖するG》を使われた時は相手に大量のドローされてしまうので、そのまま展開を続けるべきか注意が必要。

全体除去

 《ジャンク・シンクロン》蘇生したチューナー《ドッペル・ウォリアー》フィールド上に揃った瞬間に《激流葬》等を発動されるとコンボパーツをまとめて失うので注意したい。

効果無効

 《ジャンク・シンクロン》《デブリ・ドラゴン》共に召喚成功時に発動する効果のため、《スキルドレイン》には無力である。
 さらに《ライトロード・ハンター ライコウ》《ライトロード・マジシャン ライラ》なども効果無効になってしまうため対処ができない。
 最悪の場合《サイクロン》《砂塵の大竜巻》などの対策がなければ、これ1枚でエンドカードとなりえる。

 特に多くのデッキで採用される《エフェクト・ヴェーラー》は相性が良い一方で天敵となる。
 《ジャンク・シンクロン》蘇生効果無効にされるだけで、シンクロ召喚不可能になり、無防備になる。
 なんらかの形でモンスターを展開し、シンクロ召喚に繋げなければ、コンボパーツを失った上、そのままライフを削り切られる危険もある。

歴史

STARSTRIKE BLASTSTORM OF RAGNAROKの登場

 STARSTRIKE BLAST《調律》《フォーミュラ・シンクロン》等の相性の良いカードが登場し、STORM OF RAGNAROKデッキの根幹となる《ドッペル・ウォリアー》が登場した。
 その後、《TG ハイパー・ライブラリアン》の登場により、デッキとして注目を集めた。

11/09/01

 デッキ回転役である《TG ハイパー・ライブラリアン》《フォーミュラ・シンクロン》《ローンファイア・ブロッサム》《貪欲な壺》が全て制限カードとなり、大幅に弱体化した。
 さらに、派生先の【デブリジャンクドッペル】も《デブリ・ドラゴン》制限化によりさらなる弱体化となった。
 とはいえデッキのギミックが完全に失われた訳ではなく、以下の様なシンクロ召喚コンボも考案された。

  1. 《ローンファイア・ブロッサム》除外《スポーア》特殊召喚
  2. レベル4の《スポーア》ドッペル・トークンによりレベルシンクロモンスターシンクロ召喚
  3. 《TG ハイパー・ライブラリアン》《フォーミュラ・シンクロン》・他のレベル5のシンクロモンスターにより《シューティング・クェーサー・ドラゴン》シンクロ召喚
  1. デッキトップ墓地へ送り《グローアップ・バルブ》特殊召喚
  2. 《グローアップ・バルブ》ドッペル・トークンにより《TG レシプロ・ドラゴン・フライ》シンクロ召喚
  3. 《TG ハイパー・ライブラリアン》《フォーミュラ・シンクロン》《TG レシプロ・ドラゴン・フライ》により《氷結界の龍 トリシューラ》シンクロ召喚

12/03/01

 優秀なレベルチューナーである《グローアップ・バルブ》《スポーア》、強力なシンクロモンスターである《氷結界の龍 トリシューラ》が全て禁止カードに指定された。
 当然のことながら、いくつかのコンボは消失し大幅な弱体化となった。

12/09/01

 《氷結界の龍 ブリューナク》禁止カードとなり、レベルシンクロモンスター自体の採用選択を迫られる状況に陥った。
 一方、禁止カードとなっていた《スポーア》制限復帰した。
 さらに、【デブリジャンクドッペル】では《デブリ・ドラゴン》準制限カードへと制限緩和された。
 また、12月に優秀なシンクロ素材となる《輝白竜 ワイバースター》《暗黒竜 コラプサーペント》が登場したことにより、【白黒ジャンクドッペル】が考案された。

13/03/01

 万能サーチャーである《クリッター》禁止カードとなり、デッキの安定性が落ちた。
 さらに環境の変化により、よりアドバンテージを得やすいデッキや、より柔軟な戦術を取る事が可能なデッキが多数出現し、従来の構築で戦い抜くのは非常に厳しくなった。
 また《スポーア》制限解除されるも、そもそも複数枚採用される事が少なかったため、大きな影響はなかった。

 一方で、《霞鳥クラウソラス》を始めとした新規シンクロモンスターの登場等により、着実に新たな戦術を開拓している。
 2枚目以降の《おろかな埋葬》となる《竜の霊廟》が登場し、ライトロード等のランダムな墓地肥やしに頼らない、より確実な墓地肥やしが可能となった。

13/09/01

 《氷結界の龍 トリシューラ》制限復帰したことにより、シンクロ召喚の選択肢が増え、戦術の幅が広がった。
 特に多くのエクシーズモンスターをはじめとした、その他のシンクロモンスターでは突破し難い、対象をとる(指定する)効果破壊に対して耐性を持つモンスターを突破し易くなったのは大きい。

14/02/01

 天敵とも言える《ヴェルズ・オピオン》制限カードとなり、【ヴェルズ】を相手にした場合の苦しさが多少軽減された。
 さらに《ローンファイア・ブロッサム》制限緩和により植物族モンスターを再び採用し易くなった。

 また初のレベル4でシンクロモンスターチューナーである《波動竜フォノン・ドラゴン》の登場、《神樹の守護獣−牙王》《ライトロード・アーク ミカエル》《魔王龍 ベエルゼ》などの有用なシンクロモンスターの登場によってシンクロ召喚の幅が格段に広がった。

サンプルレシピ

代表的なカード

関連リンク