デーモンと名のついたモンスターを主軸としたデッキ。
サーチャーである《トリック・デーモン》の存在で、モンスターだけでなく、デーモンと名のついた魔法・罠カードをも利用できる。
《トリック・デーモン》 効果モンスター 星3/闇属性/悪魔族/攻1000/守 0 このカードがカードの効果によって墓地へ送られた場合、 または戦闘によって破壊され墓地へ送られた場合、 デッキから「トリック・デーモン」以外の 「デーモン」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。 「トリック・デーモン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
攻撃力の高い上級・最上級モンスターや、これらに対応する豊富な蘇生手段、強力なコントロール奪取といった爆発力の高い要素を揃える【デーモン】だが、実際にこれらを全て使いこなすのは難しい。
自壊や攻撃不可のデメリット、墓地リソースの要求があり、これらのカバーを行うものに関しても条件やカードの消費が求められるためである。
故に個々の性質を把握したうえで、どのような戦術を軸とするか定めたうえで構築に望むとよい。
サーチ・除去・蘇生・除外利用等、デーモンのモンスター効果はバランス良く振り分けられた設計となっている。
魔法・罠カードも優秀で、特にコントロール奪取効果を持つ《堕落》はこのデッキにおける強力な戦術の1つとして組み込める。
《トリック・デーモン》で自分のデッキの傾向やその状況における最適なカードをサーチすることが序盤の動きとなる。
デッキからは《終末の騎士》、手札からは《トランス・デーモン》を使い迅速にキーカードを揃えたい。
その後は《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》による除去や《デーモンの騎兵》を経由した《デーモンの雄叫び》で完全蘇生に繋げる等で損失を軽減しつつ立ち回って行く。
また、攻めに転じるまでの時間稼ぎに《トリック・デーモン》を蘇生させ、繰り返し《デーモンの雄叫び》をサーチして継続的に壁を用意するのも良い。
フリーチェーンなので相手に除去を無駄撃ちさせやすく、こちらは手札を補充させる流れに持ち込める。
こうした手札・フィールドのアドバンテージと相手のカードの消耗を狙いつつ、デーモンを展開してビートダウンを行う。
《伏魔殿−悪魔の迷宮−》は単体で打点補強と《堕落》の発動を手助けしてくれるので、序盤・中盤の内に貼っておくことで戦闘を有利に進められる。
特殊召喚効果はやや狙いにくいため、特化するのであればトークンや《バトルフェーダー》、《簡易融合》等の悪魔族の展開手段を用意したい。
《トリック・デーモン》と《デーモンの騎兵》を投入する都合上、《カメンレオン》は無理なく採用できる。
《えん魔竜 レッド・デーモン》や《メンタルスフィア・デーモン》等、他のデーモンには無い有用なモンスターを手札1枚から出せるため利用価値は高い。
ただし、《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》とは噛み合いが悪く、デメリットの面からも採用枚数は2枚程度に控えたい。
《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》・《ヘル・エンプレス・デーモン》を軸とした、単純な攻撃力で圧倒するタイプのデーモン。
《トリック・デーモン》を駆使して《デーモンの雄叫び》を集め、《ヘル・エンプレス・デーモン》→《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》と繋ぎ《デーモンの雄叫び》を除去コストに充てるという流れが基本。
2体は《トレード・イン》に対応するが片方は妥協召喚できるため、可能な限り《ヘル・エンプレス・デーモン》をコストとしたい。
《伏魔殿−悪魔の迷宮−》適用下では打点3000超えのデーモンが2体並べられ、《堕落》や《デーモンの雄叫び》の併用で1ターンキルも難しくない。
また、《スキルドレイン》との相性もそこそこ良好であり、相手の動きを拘束しつつこちらは高打点のデーモンで攻めることが可能。
デーモンの展開は基本的に魔法・罠カードに頼る比率が大きく、下級デーモンも墓地発動の効果が殆どであり互いに阻害しにくい。
《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》の永続効果も無視できるため、Sinや《No.22 不乱健》等のエクシーズ召喚といった動きを取り入れられる。
とはいえ、除去効果も使えなくなり妥協召喚時も通常と変わらず自壊してしまうためウイルスの媒体にする等のフォローは必要である。
その他、《デーモンとの駆け引き》と《バーサーク・デッド・ドラゴン》が利用できるのもこのタイプの特色。
安定性はさらに落ちるが、《ナイトメア・デーモンズ》とあわせれば1ターンキルも視野に入る。
当然、全てが無理なく利用できるというような組み合わせは少ないため、このデッキ内でも目的にあわせた調整が必要になる。
【デーモン】最初期からあるタイプで、維持コストを要求するデーモン、なかでも《ジェノサイドキングデーモン》を軸としたもの。
専用サポートカードである《デスルークデーモン》と、《万魔殿−悪魔の巣窟−》の蘇生コンボを扱える点が特徴。
ただ戦闘破壊に対応しないので、《ジェノサイドキングデーモン》の展開もあわせこれを補助する必要がある。
《収縮》・《禁じられた聖槍》や《和睦の使者》などを利用すれば、召喚できずセットを余儀なくされた《ジェノサイドキングデーモン》のリバース手段にもなる。
《ジェノサイドキングデーモン》の展開に関しては、《トリック・デーモン》の蘇生で召喚可能な状態を作りつつ、あちらが墓地へ送られた後に必要なデーモンを補充するという動きが考えられる。
ほかには《終末の騎士》を併用できる《ヘルウェイ・パトロール》や、サポートカードに多い魔法カードを転用できる《召喚僧サモンプリースト》などが存在する。
性能はあまり良くないが、《万魔殿−悪魔の巣窟−》が必須なので《プリズンクインデーモン》の効果も適用出来る。
デーモンと名の付くシンクロモンスターを含むシンクロ召喚のギミックを取り入れた【デーモン】。
《堕落》や《デーモンの雄叫び》でシンクロ素材を確保し、後者は墓地のシンクロデーモンの一時的な蘇生にも使える。
効果によって破壊されることで《万魔殿−悪魔の巣窟−》から最上級モンスター以外のあらゆるデーモンがサーチできるのもこのデッキの強みである。
チューナーには《召喚僧サモンプリースト》でリクルートできる《極星獣グルファクシ》や《ヴァイロン・プリズム》等のレベル4チューナーが基本。
《ミストデーモン》を基準にレベル3チューナーを使う方法も考えられ、種族・属性面が共通する《ダーク・リゾネーター》や、《緊急テレポート》に対応する《サイコ・コマンダー》等も候補となる。
特に《ダーク・リゾネーター》は《デーモン・カオス・キング》や《天刑王 ブラック・ハイランダー》の登場により、レベル4モンスターとの組み合わせでも活用しやすい。
自身のレベルを操作できる《魔轟神レイヴン》もシンクロ召喚に幅を持たせられ扱いやすい。
現在では《トリック・デーモン》や《デーモンの騎兵》に加え《カメンレオン》の登場により、シンクロ召喚が一段と容易になっている。
これらは現環境の【デーモン】に特殊な構築を要求せずとも取り入れることができ、実質【シンクロデーモン】という括りは無くなっている。
【インフェルニティ】の要素を取り入れた【デーモン】。
デーモンと名のつく《サイバーデーモン》と《インフェルニティ・デーモン》が共にハンドレス状態での戦法を共有できることを利用する。
《インフェルニティ・デーモン》を特殊召喚できる《デーモンの雄叫び》は特に相性がよい。
【暗黒界】における《暗黒界の取引》・《暗黒界の門》を利用する事で、墓地を肥やす速度を高めつつ、素早く《トリック・デーモン》を利用する。
《トランス・デーモン》がサーチできるため、ここから《暗黒界の術師 スノウ》など各種暗黒界の効果を用いた手札交換ルートに復帰できる。
そうした流れで《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》を墓地に置き、《デーモンの雄叫び》による奇襲で《暗黒界の龍神 グラファ》とあわせビートダウンを行う。
《魔界発現世行きデスガイド》や《おろかな埋葬》、《闇のデッキ破壊ウイルス》や《悪夢再び》など、全てを詰め込む事こそ無謀ではあるが共有可能なカードも多い。
通常の【暗黒界】に比べると《デーモンの雄叫び》+《トリック・デーモン》・《トランス・デーモン》の組み合わせで、《暗黒界の龍神 グラファ》不在時の防御を行いやすい。
《暗黒界の龍神 グラファ》の展開率自体が落ちているため、意味が無いように思えるが、フリーチェーンの性質ゆえに相手の除去等の干渉を受けずに攻撃をしのぎやすいというメリットがある。
また《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》・《堕落》による突破能力も高い。
通常の【デーモン】より《堕落》の維持が難しい点は、1ターンキルを行いやすい性質でカバーできる。
ただし条件のない《暗黒界の取引》以外だと、手札を捨てる手段に隙があるため通常の【暗黒界】よりも手札事故を起こしやすい。
また除外などの共通する弱点もあるので、得手不得手は極端である。
墓地蘇生を多用しやすい都合上《マクロコスモス》には非常に弱い。
《王宮の鉄壁》等の除外メタを環境の時流に合わせメインデッキ・サイドデッキの投入を考慮していきたい。
その際には《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》の投入枚数を適宜調整していく必要がある。
当然ではあるが《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》や《聖なるあかり》等の闇属性メタも意識しておきたい。
また、このデッキの強みは《堕落》の存在による所が大きいため、デーモンを除去されると一気に形勢逆転され押し切られてしまうであろう。
逆転される前に押し切るのが理想ではあるが、墓地肥やしやサーチ等の下準備を必要とする傾向上、その間の動きが鈍りやすい。
加えて《戦慄の凶皇−ジェネシス・デーモン》は悪魔族以外の展開を妨げ、《ヘル・エンプレス・デーモン》は自身だけではフィールド上に出しにくく、《デーモンの将星》は自身の効果で特殊召喚すると攻撃できない。
高速化した環境ではこの微妙に噛み合わない点が少々厳しく、罠カードによる妨害も考慮すると主流デッキ相手には少々力不足である感は否めない。
チェスデーモンを主力にする場合ライフコストがあるため、ロックデッキを相手にする場合は《闇のデッキ破壊ウイルス》等でロックパーツ対策は怠らないようにしたい。