マスタールール3で追加されたペンデュラム召喚は、既存のアドバンテージ概念を覆すほどの強力な召喚方法である。
だがその性質上、通常のデッキに少数のペンデュラムモンスターを投入しただけでは十分に機能せず、ペンデュラム召喚に特化したデッキを組む必要がある。
ここではペンデュラム召喚を軸とするデッキに共通する特質とサポートカード、弱点などを紹介する。
ペンデュラム召喚を行うためには、左右のペンデュラムゾーンにペンデュラムスケールの異なるペンデュラムモンスターを置き、更に手札またはエクストラデッキにペンデュラム召喚可能なモンスターが存在する必要がある。
また、手札からペンデュラム召喚を行ってもアドバンテージにならず旨味が薄いため、できるだけエクストラデッキからのペンデュラム召喚を狙っていくのが基本となる。
いずれにせよ、複数のペンデュラムモンスターを手札に引き込まないと、ペンデュラム召喚を行うことすらままならない。
安定してペンデュラム召喚を行うためには、デッキのペンデュラムモンスター割合をかなり高めることが求められる。
ペンデュラム召喚最大の特長は、カード・アドバンテージを失いにくい点にある。
例えば相手が《聖なるバリア −ミラーフォース−》を普通のモンスターに対し使用した場合、最低でも1:1交換、最悪5:1交換となり、相手はアドバンテージ面で得をすることこそあれ損をする事はまずない。
だが破壊されたのが全てペンデュラムモンスターの場合、次のターンにはペンデュラム召喚でフィールドに戻ってくるため、相手に《聖なるバリア −ミラーフォース−》を無駄打ちさせた事と同義になる。
長期戦になればなるほどペンデュラムモンスターのアドバンテージを失いにくい性質が効力を発揮し、相手が一方的に消耗してアドバンテージ差が開いていく。
最終的に覆し難い物量差が開き、相手を数の暴力で圧殺するのが【ペンデュラム召喚】最大の勝ち筋である。
一口に【ペンデュラム召喚】と言ってもその性質は千差万別だが、ここでは幅広いペンデュラム召喚使用デッキで採用できる主なカードを紹介する。
ただし、特定カテゴリに属するペンデュラムモンスターはその多くがペンデュラム召喚先を制限するペンデュラム効果を持っている。
したがって、魔法・罠カードはともかく、モンスターに関してはカテゴリ外のカードを事実上搭載できないデッキも少なくない。
ペンデュラム召喚でアドバンテージを得るにはエクストラデッキからのペンデュラム召喚が必要となる。
そのため、一般的なデッキが墓地を肥やすのと同様、【ペンデュラム召喚】においては「エクストラデッキを肥やす」事が重要となる。
しかしながら、ペンデュラムモンスターはフィールド上から墓地に送られる場合しかエクストラデッキに行かないため、例えばライトロードなどのいわゆる墓地肥やしカードを投入してもエクストラデッキを肥やすことはできない。
したがって、まずはペンデュラムモンスターをフィールドに出し、それを破壊するなどの方法でエクストラデッキに送り込む必要がある。
以下の様な方法が検討できるだろう。
ペンデュラム召喚は非常に強力な召喚方法であるが、比較的メタが刺さりやすく弱点が多い。
モンスターカードと魔法カードの両方の性質を持つがゆえに、モンスターカードと魔法カードの両方のメタカードが有効となってしまう。
―デッキ構築上の弱点
以下のデッキについては個別ページを参照。
【EM】【クリフォート】【セフィラ】【DD】【妖仙獣】
魔術師と名のつくペンデュラムモンスターを主力とするデッキ。
スケール8の《時読みの魔術師》が使える点が最大の特徴で、《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》をエクストラデッキからペンデュラム召喚して戦力として使用できる貴重なデッキとなる。
メインとなるのは《時読みの魔術師》《星読みの魔術師》《慧眼の魔術師》の3体の魔術師。
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》や《慧眼の魔術師》の効果を用いて《時読みの魔術師》・《星読みの魔術師》を揃え、レベル2〜7のペンデュラム召喚を行う。
魔術師はステータスやモンスター効果に見るべき点が乏しくフィールドではあまり役に立たないため、魔術師以外のペンデュラムモンスターを投入して戦力を底上げする事が望ましい。
デッキ構成によっては《相生の魔術師》《相克の魔術師》を投入して《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》を狙っても良い。
強力なパーミッション能力を持つ《霞の谷の巨神鳥》をペンデュラム召喚で繰り返しフィールドに出して相手の行動を制約するデッキ。
《霞の谷の巨神鳥》のコストとして《霞の谷の巨神鳥》自身を手札に戻し、次のターンにペンデュラム召喚する事でノーコストでのパーミッションが可能となる。
《ハーピィの羽根帚》などを容易にカウンターできるためペンデュラムゾーンのカードが除去されにくく、一度耐性が整った後の防御力は高い。
レベル7の《霞の谷の巨神鳥》をペンデュラム召喚するためには、ペンデュラム召喚先に指定のないスケール8のペンデュラムモンスターが必要となる。
上記の【魔術師】で《時読みの魔術師》を利用してペンデュラム召喚するのが方法の1つ。
もう1つの方法は【DD】を軸とし、《DDプラウド・オーガ》+他のDDを用いてペンデュラム召喚する方法である。
《霞の谷の巨神鳥》をサーチする方法は非常に乏しいため、《忍者マスター HANZO》+《忍法 超変化の術》を使ってリクルートするのがよい。
通常モンスターのペンデュラムモンスターを主力とするデッキ。
通常モンスターを用いるメリットは多種多様であり、同じ【バニラペンデュラム】であってもどの通常モンスターサポートを用いるかは個性が大きく出る。
主要なメリットとしては以下の様な点が挙げられる。
《青竜の召喚士》で魔法使い族・戦士族の通常モンスターのペンデュラムモンスターとチューナーをサーチするデッキ。
《青竜の召喚士》でサーチ可能な《閃光の騎士》と《フーコーの魔砲石》で、サーチしておいたチューナーを展開、シンクロ召喚につなぐ。
召喚・特殊召喚時にサーチを行うガジェットをペンデュラム召喚してアドバンテージを稼ぐデッキ。
同種のガジェットが手札でだぶついてもサーチ効果を持て余さないのが特徴。
反面、ガジェットにデッキスペースの多くを取られるため、ペンデュラムモンスターの数を減らさざるを得ずペンデュラム召喚がやや安定しない。
ペンデュラムモンスターとしては、ガジェット2体でエクシーズ召喚できる《ギアギガント X》からサーチできる《音響戦士ギータス》、同じく《キングレムリン》でサーチできる《EMリザードロー》+《EMパートナーガ》などが良い。