ロックとバーンを複合させたデッキの総称。
相手の行動をロックし、カードの効果で相手にダメージを与えるのが基本的な戦術。
コントロールデッキの要素があり、速攻で勝負を決めにかかる【フルバーン】とは対照的。
構造が単純で分かりやすいだけに、実際のデュエルではデッキ間の相性が大きく影響する。
メインデッキから魔法・罠カードを破壊する効果モンスター複数枚採用しているデッキには非常に分が悪い。
また、マッチ戦では《王宮のお触れ》《トラップ・スタン》等をサイドデッキから採用することも多く、マッチ2戦目以降は非常に苦しい戦いを強いられる。
勝利だけを追及するなら1戦目に勝利した後《光の護封壁》から《自爆スイッチ》を連打し、2戦目と3戦目を引き分ける手がある。
また、サイドデッキからの《王宮のお触れ》投入を見越して《デビル・フランケン》で1ターンキルを狙う戦術もある。
ロックによる攻撃の抑制、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の存在により、多くのバーンデッキが苦手とする《冥府の使者ゴーズ》に高い耐性を持つ。
―全体ロック永続カード
【ロックバーン】の存在意義はビートダウンに対する勝利である。
そのため、相手モンスターの攻撃を封じるために全体ロック永続カードを投入する。
カード名 | 制限の内容 | 備考 |
《魔鍾洞》 | モンスターの数が多いプレイヤーの攻撃宣言とモンスター効果の発動を封じる | お互いのモンスターの数が同じターンのエンドフェイズ時に自壊 |
《光の護封剣》 | 全ての攻撃宣言を封じる | (相手ターンで数えて)3ターン後のエンドフェイズ時に自壊 |
《スクリーン・オブ・レッド》 | 自分のエンドフェイズ毎に1000ライフ払う | |
《異次元の境界線》 | バトルフェイズを行えなくする | 自分の墓地に魔法カードが存在しない場合のみ適用 |
《強制終了》 | バトルフェイズを強制終了させる | 効果の発動時に自分フィールドから自身以外のカードを1枚墓地へ送る |
《レベル制限B地区》 | レベル4以上を守備表示に変更する | |
《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》 | レベル4以上の攻撃宣言を封じる | |
《シンクロ・ゾーン》 | シンクロモンスター以外の攻撃宣言を封じる | |
《天火の牢獄》 | リンクモンスター以外の攻撃宣言を封じる | |
《平和の使者》 | 攻撃力1500以上の攻撃宣言を封じる | 自分のスタンバイフェイズ毎に100ライフ払う(払わずに自壊も可能) |
《光の護封壁》 | 発動時払ったライフの値以下の攻撃力の攻撃宣言を封じる | カードの発動時に1000の倍数ライフを払う |
《ダーク・サンクチュアリ》 | コイントスの判定により攻撃宣言を封じる | 封じた際はバーン効果有り |
―その他
―累積火力
ロックカードにスロットを割くと【フルバーン】に比べてダメージソースが減少するが、その分「1枚で与えるダメージ」を増加させたい。
そこで、毎ターンの特定フェイズでダメージを累積する誘発効果モンスターや永続カードが活きてくることになる。
―相手(もしくは自分)のカードの数に比例して強化される火力
ロックを仕掛けることで、自分や相手のコントロールするカードの数は増える。
そのため、自分や相手のカードの数に比例して強化される火力が活きてくる。
《マジック・キャンセラー》を採用した【ロックバーン】。
罠カードの割合を高くして、《マジック・ジャマー》の代わりに《マジック・キャンセラー》を採用する。
永続的に効果を封じられるがモンスターカードであるため、モンスター除去には警戒すべきである。
特に《激流葬》等の召喚反応型罠に加え、《強制脱出装置》等のタイミングを選ばない罠には要注意。
【ロックバーン】で活躍する《ステルスバード》以外にも、【ロックバーン】に適したサイクル・リバースモンスターは存在する。
《デス・ラクーダ》によるドロー効果は、ロックカードを用いることで真価を発揮する。
また《番兵ゴーレム》で《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を手札に戻し、相手モンスターを潰す機会を増やすのもいい。
この場合相手へのダメージは少なくなるものの、相手には「《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》が厄介で、うかつに2体以上フィールドに召喚できない」とプレッシャーをかけられる。
ただサイクル・リバースを多用した場合、効果モンスターによるダメージよりも、彼らによる直接攻撃によるダメージを期待できることが多い。
これはロックカードで敵の攻撃を防ぎつつ、《スカラベの大群》《イナゴの軍勢》などで、相手フィールドを壊滅させて殴り倒せるからである。
こうなるとバーンとしての意味合いは薄くなるが、シナジー的にも【ロックバーン】と【除去反転】を組み合わせる意義はある。
モンスターが多いプレイヤーに対し攻撃とモンスター効果の発動を一切封じる《魔鍾洞》を軸とするデッキ。
モンスターを一切フィールドに残さないことで相手の攻撃とモンスター効果の発動を封じられる。
モンスターを残さないため、《波動キャノン》など魔法・罠カードによるダメージ源を利用する。
構成としては《魔鍾洞》をいち早く発動するためのサーチカードである《メタバース》・《終焉の地》、《魔鍾洞》を守るための《魔宮の賄賂》、ドローソースを多数採用する。
全体的にモンスター効果のパワーインフレが進む第10期の環境では、《魔鍾洞》へのメタとして魔法・罠カードによる除去を採用するとデッキ全体のパワーが下がり他のデッキに負けやすくなり、対策の難しい地雷の様なデッキとなっていた。
のちに《魔鍾洞》が禁止カードとなったため構築出来ない。
詳細は【魔鍾洞】を参照。
【ロックバーン】というギミックは古くから存在していたが、カードの選択肢が増えるまでは中々頭角をあらわさなかった。
始祖と言われる《ビッグバンガール》と《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》を軸にした【キュアバーン】が登場したのは第2期のことである。
また、【ロックバーン】の基礎を作ったのは【ジャマキャン】であり、当時の流行を踏まえたメタデッキとしても生まれた。
しかし、どちらも火力とロックパーツが不充分であり、回復カードやダイレクトアタッカーで補っていた。
このデッキジャンルが確立されたのはメタ先であった魔法カードの減少、恒久的な火力の増加によるものである。
相次ぐ魔法カードの制限強化によって《マジック・キャンセラー》が不要となり、火力やロックパーツが整ったのは第4期前半のことであった。
《サイクロン》の制限カード化やファラオの遺産で登場した《レベル制限B地区》の影響は大きかったと思われる。