恐竜族はOCG史的に見ても種類に恵まれず、戦術の幅を広げにくい種族で、古くは《ディノインフィニティ》による一撃必殺を狙うしかなかった。
POWER OF THE DUELISTにおいて、強力な恐竜族モンスターが一気に増加し、サーチ効果付きのモンスターも登場。
また、ストラクチャーデッキ−恐竜の鼓動−には恐竜族のサポートカードが新規に8枚封入された。
その後登場した恐竜族カテゴリにジュラックやエヴォルダーも存在するが、種族統一性の高いデッキを志向すると依然として質量共に悩みは深い。
エースモンスターにあたるエクシーズモンスターの《エヴォルカイザー・ラギア》が、自身はドラゴン族という状況は、その象徴と言える。
《化石調査/Fossil Dig》 通常魔法 デッキからレベル6以下の恐竜族モンスター1体を手札に加える。
《大進化薬/Big Evolution Pill》 通常魔法 自分フィールド上に存在する恐竜族モンスター1体をリリースして発動する。 このカードは発動後、相手のターンで数えて 3ターンの間フィールド上に残り続ける。 このカードがフィールド上に存在する限り、 レベル5以上の恐竜族モンスターをリリースなしで召喚する事ができる。
―下級モンスター
《エヴォルカイザー・ラギア》を狙えるレベル4のモンスターが主力となる。
デッキから自身を含むジュラックを呼び出せる《ジュラック・グアイバ》と、デッキから同名カードを呼び出せる《ハイドロゲドン》が筆頭候補。
共に戦闘破壊を条件とし、効果の発動に成功すればすぐに《エヴォルカイザー・ラギア》に繋ぐことができる。
ジュラック専用のリクルーターである《ジュラック・ヴェロー》も、《ジュラック・グアイバ》と相互にリクルートできるため、優秀である。
また、《セイバーザウルス》などを2枚展開できる《レスキューラビット》を中心とする型も考えられる。
《レスキューラビット》の展開先が《セイバーザウルス》だけでは足りないと感じたら《大くしゃみのカバザウルス》も投入して良いだろう。
下級モンスターで2000以上の打点を叩き出せる恐竜族モンスターも数体存在する。
《暗黒ヴェロキ》は、返しのターンには弱いもののコスト無しで《ライオウ》や《サイバー・ドラゴン》を戦闘破壊できる。
《ヴェルズ・サラマンドラ》は、墓地にモンスターがいることが条件だが、効果を使えば帝や《A・O・J カタストル》をも倒せる攻撃力になり、相手ターンにも効果が持続する。
また、除外効果は《ディノインフィニティ》や《一族の結束》の補助にもなる。
除去などの優秀な効果を持つ準アタッカーはあまり多くないが、《レプティアの武者騎兵》、《ハイパーハンマーヘッド》、《暗黒ブラキ》などが挙げられる。
《レプティアの武者騎兵》は多くのモンスターを一方的に破壊できるが、ペンデュラムモンスターには効かないのがネック。
《ハイパーハンマーヘッド》はシンクロモンスターやエクシーズモンスターのバウンスによる処理に、《暗黒ブラキ》は守備力の低いモンスターの戦闘破壊による処理に長けている。
ペンデュラムモンスターには前述した《レプティアの武者騎兵》の他、《ディノンの鋼鉄騎兵》、《シュルブの魔導騎兵》が存在し、どれもレベル4かつレベル4のペンデュラム召喚が行えるペンデュラムスケール帯である。
《ランスフォリンクス》は下級モンスターではないが、ペンデュラムスケール7であり同じくレベル4のペンデュラム召喚に利用できる。
リクルーターは、ジュラック専用の《ジュラック・ヴェロー》以外は扱いづらいものが多い。
《ベビケラサウルス》と《連鎖破壊》のコンボは強力だが、多くのスペースを必要とするためほぼ専用のデッキを組むことになる。
壁モンスターには《暗黒ステゴ》や《奇跡のジュラシック・エッグ》、《ディノンの鋼鉄騎兵》などが存在する。
トリッキーな効果をもった《俊足のギラザウルス》や《暗黒プテラ》も気になるところ。
《俊足のギラザウルス》は、相手のフィールドのモンスターに依存せずに特殊召喚できるので、大量展開やリリース要員ともに便利。
《暗黒プテラ》は「無限のコスト」にもなりうるカードだが、考えなしに投入しても上手く扱えないので見合ったデッキ構築をしよう。
―チューナー
シンクロモンスターの除去効果の力を借りる事で、戦闘一辺倒の恐竜族の穴を埋めることができる。
現在、恐竜族のチューナーはジュラックしか居ない。
全体攻撃を持つ《ジュラック・モノロフ》、ドロー効果を持つ《ジュラック・デイノ》、蘇生効果を持つ《ジュラック・アウロ》が特に輝く。
《ジュラック・モノロフ》は仕事がやや《ジュラック・グアイバ》と被り気味だが、《一族の結束》下での全体攻撃は強烈。
《ジュラック・デイノ》はレベル3のチューナーの中で攻撃力が最も高い上、効果によるハンド・アドバンテージ獲得も狙える。
《ジュラック・アウロ》は《金華猫》・《ワン・フォー・ワン》・《真炎の爆発》・《フレムベル・ヘルドッグ》などに対応し、非常に特殊召喚しやすい。
―上級モンスター
切り札級の性能を持つ《エヴォルカイザー・ラギア》が登場したことで、現在では無理に上級モンスターを採用する必要はなくなっている。
これらのモンスターを採用するなら、《大進化薬》や《死皇帝の陵墓》、《トレード・イン》といったサポートカードを活用したい。
―シンクロモンスター
恐竜族のシンクロモンスターもジュラックのみであり、以下の3体が存在する。
いずれも汎用性という面ではシンクロ素材に制限のないシンクロモンスターに劣る点が強いので、《一族の結束》を用いないならば他の種族のシンクロモンスターを優先して良い。
―エクシーズモンスター
エクシーズ素材に恐竜族を指定している《エヴォルカイザー・ラギア》は、このデッキの最大の存在意義と言っても過言ではないだろう。
恐竜族のエクシーズモンスターも3種類存在しているが、うち2枚はこのデッキでのエクシーズ召喚が難しいランク5でありシナジーに乏しい(レベル5の恐竜族は5体のみ)。
―その他相性の良い魔法・罠カード
《ディノインフィニティ/Tyranno Infinity》 効果モンスター 星4/地属性/恐竜族/攻 ?/守 0 このカードの元々の攻撃力は、ゲームから除外されている 自分の恐竜族モンスターの数×1000ポイントの数値になる。
爆発的な攻撃力を得られる《ディノインフィニティ》をメインに据え、切り札としたデッキ。
何よりも魅力的なのはその上昇値の大きさと、このカードが下級モンスターという扱いやすさであり、最も古い実戦的な【恐竜族】ともいえるデッキである。
状況によっては攻撃力が10000を越えることもあり、直接攻撃でなくても1ターンキルになり得る攻撃力を生み出す。
序盤に《ディノインフィニティ》が手札に来た場合、攻撃力はほぼ0だと思われるので、その場合は迷わず捨てても構わない。
恐竜族を効率的に除外するカードとしては、以下の様なものがおすすめ。
また、除外を行うに辺り帰還戦術も有効である。
《ディノインフィニティ》が除去された際の保険となるほか、レベル4恐竜族を帰還させられれば《エヴォルカイザー・ラギア》、《エヴォルカイザー・ドルカ》が狙える。
《D・D・R》の場合は即効性もあり召喚権も使用しないものの、ハンド・アドバンテージの捻出を不得手とするため、ある程度の1ターンキル性が求められる。
《虚空海竜リヴァイエール》に繋ぐ事ができる《魔界発現世行きデスガイド》は、1枚で《グレンザウルス》のエクシーズ召喚も可能なので、恐竜族の頭数に含める事もできる。
安定性はやや低いが、リクルート先には《紅蓮魔獣 ダ・イーザ》がおり、こちらも除外によって自己強化を行うため組み込みやすい。
恐竜族専用の《生還の宝札》を内蔵する、《超古代恐獣》を軸としたデッキ。
大量の蘇生カードを搭載する事で、展開とドローを同時に行うため、型にはまった時の爆発力は高い。
一度の蘇生で2枚のドローが狙える、《ジュラック・アウロ》がこのデッキのキーカード。
これを特殊召喚できる《ジュラック・ヴェロー》・《ジュラック・グアイバ》を採用する事で、蘇生先だけでなく《超古代恐獣》のリリースも確保する。
《リビングデッドの呼び声》は《超古代恐獣》をも蘇生でき汎用性は高いが、即効性がない。
一方、《真炎の爆発》や《炎王炎環》は対象こそ狭いものの、ドローから即座に利用できるので、さらなる蘇生カードを呼び込める可能性がある。
これらを利用するならば、《フレムベル・ヘルドッグ》を併用する価値は十分にある。
速度は遅いが、《金華猫》を利用すると毎ターンのドローも狙える。
《フレムベル・ヘルドッグ》や《強制転移》を利用する場合は、《フレムベル・パウン》を経由してサーチしても面白い。
この他《レスキューラビット》からリクルート可能な《セイバーザウルス》等通常モンスターを中心とし、《思い出のブランコ》・《戦線復活の代償》・《ダイガスタ・エメラル》などによる蘇生を狙う構築も考えられる。
DUEL TERMINALで登場した炎属性・恐竜族統一カテゴリであるジュラックを中心としたデッキ。
詳細は該当ページを参照のこと。
エヴォルド・エヴォルダーを用いた恐竜族・爬虫類族混合デッキ。
詳細は該当ページを参照のこと。
戦闘に一辺倒なところが多いので、戦闘破壊耐性を持ったモンスターを除去できず、《A・O・J カタストル》の前では一方的に倒される可能性が高まる。
また、魔法・罠カードを除去する効果を持ったモンスターが存在しないため、攻撃反応型のカードが多いデッキやロックしてくるデッキはかなり苦手。
戦闘面でも攻撃力が高い分守備力が低く、《月の書》や《エネミーコントローラー》も、一部を除いて恐竜族にとってはかなりの難物。
特殊召喚カードは充実しているが、手札からのものが多いため手札の消費が激しくなる部分も難点である。
またサポートカードが充実しておらず、蘇生にしても除外にしても、有用性のあるカード同士が噛みあっていない部分も多々見られる。