ABYSS RISINGで登場した「水精鱗」と名のついたモンスター群を中心としたデッキ。
手札を捨てる事でサーチ・サルベージを行いつつパーツを揃え、リクルート・蘇生等の豊富な特殊召喚手段によってエクシーズ召喚・シンクロ召喚を行いデュエルを進める。
水属性のサポートカードの恩恵を受けられることや、海皇を組み込むことも多いためコントロール色が強いのも特徴。
様々な局面に柔軟に対応する事ができるのが最大の強みである。
《水精鱗−アビスリンデ/Mermail Abysslinde》 効果モンスター 星3/水属性/水族/攻1500/守1200 フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、 デッキから「水精鱗−アビスリンデ」以外の 「水精鱗」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。 「水精鱗−アビスリンデ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
《水精鱗−アビスパイク/Mermail Abysspike》 効果モンスター 星4/水属性/魚族/攻1600/守 800 このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、 手札の水属性モンスター1体を墓地へ捨てて発動できる。 デッキからレベル3の水属性モンスター1体を手札に加える。 「水精鱗−アビスパイク」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
《水精鱗−ディニクアビス/Mermail Abyssteus》 効果モンスター 星7/水属性/水族/攻1700/守2400 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):手札からこのカード以外の水属性モンスター1体を墓地へ捨てて発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 (2):このカードの(1)の効果で特殊召喚に成功した時に発動できる。 デッキからレベル4以下の「水精鱗」モンスター1体を手札に加える。
《水精鱗−メガロアビス/Mermail Abyssmegalo》 効果モンスター 星7/水属性/海竜族/攻2400/守1900 (1):手札からこのカード以外の水属性モンスター2体を墓地へ捨てて発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 (2):このカードの(1)の効果で特殊召喚に成功した時に発動できる。 デッキから「アビス」魔法・罠カード1枚を手札に加える。 (3):このカード以外の自分フィールドの表側攻撃表示の水属性モンスター1体をリリースして発動できる。 このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
水精鱗は同時期に作られた海皇のカードとシナジーするようにデザインされている。
手札コストを多く要求する水精鱗と、コストにされる事で効果を発動する海皇は互いを補完しあう関係にあり、事実上【海皇水精鱗】が【水精鱗】の基本形と言える。
以下でも基本的に【海皇水精鱗】を前提に解説する。
《海皇子 ネプトアビス/Neptabyss, the Atlantean Prince》 効果モンスター 星1/水属性/海竜族/攻 800/守 0 「海皇子 ネプトアビス」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):デッキから「海皇子 ネプトアビス」以外の 「海皇」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。 デッキから「海皇子 ネプトアビス」以外の「海皇」カード1枚を手札に加える。 (2):このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合、 「海皇子 ネプトアビス」以外の自分の墓地の「海皇」モンスター1体を対象として発動する。 そのモンスターを特殊召喚する。
《海皇の竜騎隊/Atlantean Dragoons》 効果モンスター 星4/水属性/海竜族/攻1800/守 0 (1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、 自分のレベル3以下の海竜族モンスターは直接攻撃できる。 (2):このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合に発動する。 デッキから「海皇の竜騎隊」以外の海竜族モンスター1体を手札に加える。
―水精鱗および海皇モンスター
水精鱗は手札コストを要求するものと、墓地へ捨てられた場合や墓地へ送られた場合に効果を発揮するものに分かれている。
また、海皇は水属性モンスターの効果のコストにされた場合に効果を発動する。
手札コストを要する水精鱗で海皇を捨てる事でアドバンテージを得るのがこのデッキの基本となる。
「捨てるカード」だけでも「捨てられるカード」だけでも機能しないため、サーチとサルベージを駆使して両者をバランスよく手札に引きこむようにしたい。
―その他相性の良いモンスター
「水精鱗と相性の良いモンスター」は海皇以外これといって特筆すべきものはない。
一方で、海皇は手札コストを持つ水属性全般とコンボが成立するため、基本的に水精鱗よりも海皇との相性を重視して採用する。
―エクシーズモンスター
ランク2〜4、および7のエクシーズモンスターを採用する。
海皇はエクシーズ素材の状態からコストにされても効果を発動できるため、ランク2〜4は水属性を中心に採用すると良い。
ただし海皇はその効果の性質上墓地に存在することが多く、《海皇子 ネプトアビス》の蘇生効果を上手く活用する必要がある。
―シンクロモンスター
《深海のディーヴァ》や《フィッシュボーグ−アーチャー》を使用してシンクロ召喚を行う。
《深海のディーヴァ》で手軽にシンクロ召喚できるレベル4〜5のシンクロモンスターのほか、下記のモンスターとは非常に相性がいい。
―リンクモンスター
このデッキは展開力に長けており、高リンクのリンク召喚も比較的容易。
下記の他にも《水晶機巧−ハリファイバー》や《ヴァレルソード・ドラゴン》等の汎用性の高いものを用意しておきたい。
モンスター4体を素材とした《鎖龍蛇−スカルデット》のリンク召喚も現実的な範囲である。
―水精鱗のサポートカード
水精鱗のサポートカードはやや癖があるため《水精鱗−メガロアビス》でサーチできる事も考慮し採用枚数を決めたい。
―その他相性の良い魔法・罠カード
《水精鱗−アビスパイク》を召喚し、《水精鱗−アビスグンデ》をコストに効果を発動するのが動きの1つである。
《水精鱗−アビスグンデ》の効果でレベル4水精鱗を蘇生すればランク4エクシーズ召喚に繋げられ、《水精鱗−リードアビス》・《水精鱗−メガロアビス》を蘇生すれば打点強化になる。
また、《水精鱗−アビスパイク》で後続の《水精鱗−アビスグンデ》をサーチしておけば、次のターン以降の展開の準備ができる。
他の動き方として、《アビスフィアー》を起点にしたものが存在する。
総攻撃力の底上げを狙って《水精鱗−リードアビス》をリクルートするのも良いが、《水精鱗−アビスリンデ》とのコンボが優秀。
《アビスフィアー》の自壊デメリットを利用して《水精鱗−アビスリンデ》の効果が発動できる。
《水精鱗−アビスリンデ》でのリクルートにはデメリットが存在しないため、《水精鱗−アビスパイク》をリクルートして上記の流れに繋げることも可能。
また、《水精鱗−メガロアビス》の2回攻撃を上手く利用すれば、フィールドに何もない状態から1ターンキルを決めることもできる。
【ガエル】との複合型。
実際のところ、両者にはそこまで直接的なシナジーは存在しないが、お互いがお互いの展開を阻害しないので、それぞれ独自にコンボを展開する事ができる。
【ガエル】から採用するカードは《鬼ガエル》+《粋カエル》+《餅カエル》のセットが一般的。
魔法・罠カードを採用せずモンスターのみで固めた構築。
元々このデッキはモンスターカードの比率が高くなりやすいデッキなので動きに大きな支障は起こりにくい。
【水フルモン】の様に水属性に特化して《フィッシュボーグ−プランター》を活かしても良いが、代わりに汎用性の高い手札誘発などが採用しにくくなる。
他属性の汎用性の高いカードも採用して攻守のバランスを優先した構築にしても良いだろう。
【海皇】での基本戦術がこちらでも利用可能である点を活かしてモンスターを大量展開し《トロイメア・ゴブリン》や《トロイメア・グリフォン》等トロイメアリンクモンスターに繋いで対応力・制圧力強化に応用することもできる。
また、《雪花の光》3枚のみを採用した【ほぼモン】構築も有効であり、このタイプの【海皇水精鱗】は第10期環境で結果を残している。
水精鱗は墓地へ送られた場合効果を発動するモンスター、水属性モンスターを墓地へ捨てて効果を発動するモンスターに分かれており、蘇生・サルベージを多用するなど墓地依存度が高い。
よって《次元の裂け目》・《マクロコスモス》等の無差別除外カードを使用されるとデッキが機能しなくなるため、これらのカードは《サイクロン》等で素早く除去したい。
また、《水精鱗−アビスパイク》のサーチを封じエクシーズ召喚を無効化してくる《ライオウ》も下級水精鱗では戦闘破壊できないため非常に厄介。
《水精鱗−アビスグンデ》と相性の良い《サンダー・ブレイク》や各種除去カードで対処するのが最良か。
エクシーズモンスター・シンクロモンスターを主力にする性質上、特殊召喚封じにも弱い。
特殊召喚を全て封じる《大天使クリスティア》はもちろん、《ヴェルズ・オピオン》であっても《水精鱗−メガロアビス》や大半のシンクロモンスターの特殊召喚を封じられるので《海皇の重装兵》や《アビス・ソルジャー》で素早く除去しないと苦戦を強いられる。