《天空の聖域》を必要とするカードを挙げると、現在(2006年8月)《裁きの光》、《大天使ゼラート》、《力の代行者 マーズ》、《裁きの代行者 サターン》がある。
ここで紹介するのは、ライフ・アドバンテージを得ることによって勝利を導く《力の代行者 マーズ》、《裁きの代行者 サターン》の二つを軸にしたデッキである。
《天空の聖域/The Sanctuary in the Sky》 フィールド魔法 天使族モンスターの戦闘によって発生する天使族モンスターのコントローラーへの戦闘ダメージは0になる。
《力の代行者 マーズ/The Agent of Force - Mars》 効果モンスター 星3/光属性/天使族/攻 0/守 0 このカードは魔法の効果を受けない。 自分フィールド上に「天空の聖域」が存在し、 自分のライフポイントが相手のライフポイントを越えている場合、 その数値だけこのカードの攻撃力・守備力がアップする。
《裁きの代行者 サターン/The Agent of Judgement - Saturn》 効果モンスター 星6/光属性/天使族/攻2400/守 0 自分のライフポイントが相手ライフポイントを越えている場合、 自分フィールド上に存在するこのカードを生け贄に捧げて発動する。 越えているライフポイント数値分のダメージを相手ライフに与える。 この効果は自分フィールド上に「天空の聖域」が存在していなければ適用できない。 この効果を発動する場合、このターンバトルフェイズを行う事はできない。
このデッキでは《力の代行者 マーズ》と《裁きの代行者 サターン》の効果を活かすことが重要になってくる。
ということはライフ・アドバンテージを効果的に稼いでいくことが勝利への近道であり、メインの戦術になる。
そして、《天空の聖域》を使うからと言って天使族で固める理由は全くない。
ダメージを受けない効果は《シャインエンジェル》などを使う場合には特に有効であるけれども、それだけでは決定打には成り得ない。
ライフ回復はこのデッキのキモだが、《非常食》はとにかく有効なので【やりくりターボ】のギミックが現在の制限下でも有効である。
こちらはライフ・アドバンテージを確保した上でのビートダウンのデッキとなる。
回復しつつ、相手にダメージを与える状況が望ましく、ここで《守護天使 ジャンヌ》のような、攻撃できて回復できるモンスターが活躍できれば申し分ないが、そうは問屋はおろさないだろう。
そもそも、そう簡単に相手のライフを削ることが出来るなら、このデッキの必要なく勝利は間近なわけで、《力の代行者 マーズ》をもって圧倒する状況はなかなか作りにくい。
回復しライフ・アドバンテージを確保したところで、障害は3つある。
レベル3で攻撃力0扱いなので《シャインエンジェル》を使うなど召喚は容易なのであるが、攻撃を簡単にさせてくれるか、コレに尽きる。
この3つの関門を通り抜けたとき、《力の代行者 マーズ》によって勝利が得られるのである。
モンスターを光属性に統一し《裁きの光》で相手フィールドを掃除して攻撃するのを切り札にするのはありだろう。
フィールドに巨大な攻撃力を持って現れたとき、《力の代行者 マーズ》の魔法が効かない効果が耐性を強くしており相手には驚異だろう。
おそらくこのデッキの本質はこちらであることだろう。
理由は、《天空の聖域》を長くフィールドに維持する必要が無く、むしろ《裁きの代行者 サターン》発動の際だけフィールドにあればいいので、リスクが少ないのである。
上記と同様に障害を挙げると、
の3つが問題だが、効果を発動することは《天罰》《死霊騎士デスカリバー・ナイト》の二つだけを警戒すればいいので、《力の代行者 マーズ》より発動条件がたやすい。
《裁きの代行者 サターン》自身が上級モンスター標準レベルの攻撃力2400を持っていることからも、使いたいコンボ以外にも戦闘で利用可能であることが大きい。
さて、こちらをメインに据えると普通に【ビートバーン】となり、特にこの場合回復とダメージの両方を与えて、とどめで《裁きの代行者 サターン》の効果を発動することになる。
ビートダウンを狙ういわゆる【スタンダード】に近づけたデッキも十分機能するが、その際、ライフ回復の手段も組み込むべきであることは注意である。
完全にロックしてしまって、《神の恵み》や《魔法吸収》《プリンセス人魚》(回復効果を持つモンスターで一番効率が良い)などで回復し、相手ライフポイントとの差を計算して勝利を目指すのも良いだろう。
いずれにしても、ライフ調節が済んだ後《天空の聖域》を出して《裁きの代行者 サターン》の効果を発動できれば勝利である。
一つの《天空の聖域》に《裁きの代行者 サターン》を1ターンに何度も効果を発動してもいい。
つまり、2体並べておけば各1回で合計2回効果発動できるのは当たり前として、効果発動後、墓地から何らかの方法で特殊召喚出来ればもう一度発動できる。
《裁きの代行者 サターン》を《光神化》から《地獄の暴走召喚》のコンボで並べて効果発動は1ターンキルも可能だろう。
このことは覚えておこう。
なお、《裁きの代行者 サターン》を使った1ターンキルを狙ったデッキが【ヘル・サターン1キル】である。
《裁きの光》は相手のフィールドと手札から自由に選択して1枚墓地に送る、かなり強力なカードである。
それでもなぜ使われないのかと言ったら、コストの光属性の問題よりも《天空の聖域》を使わなければならない縛りが厳しいのだろう。
そのぐらい《天空の聖域》単体は御利益の薄いカードなのである。
しかし、【天使族】で光属性に特化するのは容易であるし、さらに《天空の聖域》も使用するビートダウンであるならば、役に立つカードであることは間違いない。
《大天使ゼラート》は《ゼラの戦士》をカギにした、光属性をコストにした《サンダー・ボルト》を使えるゲームエンドメーカーである。
しかし《天空の聖域》の問題と《ゼラの戦士》の貧弱さ故に使いにくいカードになっている。
考えようによっては《大天使ゼラート》《天空の聖域》《ゼラの戦士》
の3枚が手札に揃うだけで召喚できる最上級モンスターなので召喚はしやすい。
《ゼラの戦士》を使うのだからと《万魔殿−悪魔の巣窟−》《デビルマゼラ》までもデッキに入れるのはファンデッキとしてもやりすぎだろう。
なお、ダメージを抑える効果から【もけもけ】に《天空の聖域》が採用されるケースもある。
最初からライフポイントに差があるような状況を作り出せるのなら、このコンボは非常に有効となる。
ということは遊戯王デュエルモンスターズ エキスパート2006のチャレンジのLPサバイバルで有効なデッキということになる。
最初から8000以上のライフ・アドバンテージを持つことも可能であり、片っ端から開幕1ターンキルで辻斬りにすることも可能である。