優先権/Priority

 各フェイズやステップでカードを最初に発動する権利は、常にターンを進めているターンプレイヤーにあります。
 これをターンプレイヤーの「優先権」といいます。
 相手プレイヤーは、ターンプレイヤーが優先権を持っている限り、自動的に発動する誘発効果リバース効果以外は、先にカードを発動することができません。
 「優先権を行使してカードを発動した場合」と「優先権を放棄した場合」、優先権は自動的に相手プレイヤーに移ります。
 フェイズやステップを進める前には必ず優先権を放棄しなければなりません。
 これをデュエル中に厳密に行うとすると、フェイズやステップの終了前ごとに優先権の放棄を宣言し、相手のカードの使用を確認しなければなりません。
 ただし、実際のデュエルではゲームをスムーズに進めるため、フェイズやステップの終了宣言に優先権の放棄の意も含めています。
 したがって、フェイズなどの終了を宣言した時、相手プレイヤーは「それでは終了前にこのカードを発動します」と言いカードを使用することが可能で、これは相手プレイヤーが優先権を行使したという形になります。

 (公式ルールブック Version 2.1 より引用)


優先権の移る行為移らない行為

 優先権が移る行為をまとめてみると次のようになる。

なお同一チェーン上でお互いのプレイヤーがカードの発動および効果の発動を行った場合、どちらのプレイヤーが次に優先権を得るのかは(10/12/23)現在調整中である。

 以上である。

 逆に優先権が移らないものを考えると

 などである。

優先権の扱い

もちろん上記は間違いではないが、厳密なルールも覚えておくと良い。
モンスターの召喚直後の起動効果」の他には「クイックエフェクト」が優先権で発動できる効果カードとなる。
また《つまずき》など誘発効果が生じる場合、クイックエフェクトはこれにチェーンする形で発動できるが、起動効果はこのタイミングでの発動は出来なくなる。
例えば、《つまずき》影響下では《ならず者傭兵部隊》召喚した直後に起動効果を使用することはできない。
これは、手札誘発以外の誘発効果は条件が満たされた時まず第一にチェーンブロックが発生するため、チェーン1が《つまずき》効果になり、起動効果チェーン発動できないためである。

ただし、バトルフェイズの終了に際しては一つ注意が必要。
例えばバトルフェイズを終了する直前に相手《血の代償》を用いてモンスター召喚した場合、自分《阿修羅》によってそのモンスター攻撃を仕掛けることは出来ない
これは終了宣言はエンドステップで行うためで、バトルステップは既に終わっている。よって、上記の例ではすでに攻撃を行えない。
同様にターン終了の宣言に対して相手カードの発動を行ったとしても、エンドフェイズに対するキャンセルであるため、メインフェイズでなければ行えないモンスター召喚魔法・罠カードセットは出来ない。
エンドサイク

優先権を意識した確認について

 ターンプレイヤーが、何らかのカードのプレイをした直後に、自分に優先権があることを確認しながらプレイすることは大切である。
 しかし、自分に優先権がある状態で相手に「何か発動しますか?」と伺うと言うことは、事実上優先権を放棄していることになる。
 故に、以下のようなことは出来ない。

相手に伺うと言うことは、優先権を放棄しているし、相手も優先権を放棄した、つまり、「モンスター召喚したタイミング」は終わっているので、《激流葬》発動できるタイミングでは無くなっている。
他方で、上記の例で非ターンプレイヤーが、「では、《サイクロン》を発動します」などクイックエフェクト発動した場合、「モンスター召喚したタイミング」のままなのでこれにチェーンして《激流葬》発動することは出来る。

もう一つ、モンスター召喚特殊召喚したタイミングは「召喚特殊召喚無効にするカウンター罠」の発動タイミングがある。
これは召喚成功後のクイックエフェクト発動タイミング以前のタイミングで、この確認かどうかの問題も出てくる。
順番的には、「召喚無効にするカウンター罠」に対し「何か発動しますか?」と伺い、その後優先権でのクイックエフェクト発動タイミングが訪れる。
確認でもめたくないならば、この召喚直後の確認を「召喚無効にする罠を発動しますか?」としっかりと訊くことが大切だろう。

また、優先権が移る行為での相手カードの発動確認は別の意味で重要である。

優先権の移る行為の直後に相手に伺うのは当然のこと、上記の例の確認を怠り《破壊輪》発動後すぐ《地獄の扉越し銃》発動してしまうと、非ターンプレイヤーに異議を唱えられ巻き戻しが発生しフリーチェーンのカードを《破壊輪》チェーンして発動される可能性が出てしまう。
《地獄の扉越し銃》発動が不可能になる。)

この場合、Aは異議を唱えて「《落とし穴》発動する直前」まで巻き戻しを要求してもよい。


関連リンク

外部リンク

FAQ

Q:自分メインフェイズ中に、相手モンスター特殊召喚しました。
  そのモンスター特殊召喚に成功した時に発動する効果を持っていた場合、自分はその効果チェーンブロックに積まれるより前にクイックエフェクト発動できますか?
A:できません。
  特殊召喚に成功した時に発動する効果強制効果であるか任意効果であるかに関係なく、まず相手効果チェーンブロックに積まれその後で自分クイックエフェクト発動できます。(10/02/15)

Q:自分メインフェイズ中に、相手モンスター特殊召喚しました。
  特殊召喚に成功した時に発動する効果がない場合、先にクイックエフェクト発動できるのはどちらですか?
A:優先権のある自分が先です。(10/02/15)

Q:ターンプレイヤー《手札抹殺》を使いました。
  この効果処理終了のタイミングで相手プレイヤーターンプレイヤー墓地に存在する《D−HERO ディアボリックガイ》《D.D.クロウ》除外したいと思っています。
  その発動の前に優先権《D−HERO ディアボリックガイ》起動効果発動することは出来ますか?
A:《手札抹殺》効果処理が終了したタイミングで《D−HERO ディアボリックガイ》効果発動する事はできません。
  この起動効果発動には、処理終了時のお互いの優先権の放棄後となります。
  一方《D.D.クロウ》クイックエフェクトであるため《手札抹殺》の効果処理が終了したタイミングでの発動が可能です。
  《D−HERO ディアボリックガイ》発動前に除外することが可能です。(08/11/09)

Q:自分《終末の騎士》召喚し、誘発効果《D−HERO ディアボリックガイ》墓地に送りました。
  この効果処理終了時、相手《D.D.クロウ》発動する前に《D−HERO ディアボリックガイ》起動効果発動することは出来ますか?
A:いいえ、この場合起動効果発動には、処理終了時のお互いの優先権の放棄が必要となります。
  一方《D.D.クロウ》クイックエフェクトであるため誘発効果の効果処理が終了したタイミングでの発動が可能です。(09/07/14)

Q:自分《D−HERO ディアボリックガイ》を捨て《ダーク・グレファー》特殊召喚しました。
  この特殊召喚に成功した時、相手《D.D.クロウ》発動する前に優先権《D−HERO ディアボリックガイ》起動効果発動することは出来ますか?
A:《ダーク・グレファー》特殊召喚に成功した時に、ターンプレイヤーである自分墓地に存在する《D−HERO ディアボリックガイ》効果発動する事はできません。
  よって、《ダーク・グレファー》特殊召喚に成功した時に、自分クイックエフェクト発動しない場合、相手プレイヤー《D.D.クロウ》発動して、《D−HERO ディアボリックガイ》除外する事ができます。(10/04/30)

Q:自分《D−HERO ディアボリックガイ》を捨て《ダーク・グレファー》特殊召喚しました。
  この特殊召喚に成功した時、相手《D.D.クロウ》発動する前に優先権《ダーク・グレファー》起動効果発動することは出来ますか?
A:はい、できます。(10/04/30)

Q:自分《サイクロン》効果発動して相手カード発動確認をし、相手は何もカード発動しませんでした。
  その後自分は《サイクロン》効果解決時のタイミングで相手カードの発動確認を聞かずに手札から《サイバー・ドラゴン》特殊召喚しました。
  《サイクロン》発動のタイミングではチェーン確認はしたものの、カードの処理後の発動確認をしていないので相手はこれについて異議を唱えて《サイクロン》の処理後のタイミングまで巻き戻し、《マインドクラッシュ》発動して《サイバー・ドラゴン》宣言することはできますか?
A:その場合、処理後のタイミングまで巻き戻し《マインドクラッシュ》発動する事ができます。
  なお、公式大会では当日の審判にご相談ください。(08/11/30)

Q:自分モンスター相手攻撃を行いました。
  この時点では優先権自分にあるので、《サイクロン》発動しました。
  相手は、この《サイクロン》(スペルスピード2)にチェーンして《バトルフェーダー》(スペルスピード1)の効果発動できますか?
A:調整中(10/10/11)

Q:モンスター召喚・反転召喚・特殊召喚に成功したとき優先権を使って起動効果発動できるモンスターは、既にフィールドにいるモンスター墓地手札にいるモンスターでもかまいませんか?
A:モンスター召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時に、召喚したモンスターおよび既にフィールドにいるモンスター相手クイックエフェクト発動する前に起動効果発動できます。
  手札に存在するモンスター墓地に存在するモンスター起動効果は、優先権を放棄してからでなければ発動できません。(10/04/30)

Q:モンスター通常召喚としてのセットをしたとき、または魔法・罠カードセットしたときにも優先権を放棄せず効果モンスター起動効果発動することができますか?
A:モンスター通常召喚する際にセットした場合や、魔法・罠カードセットした時に、モンスター起動効果発動する事はできません。(10/02/11)

Q:ターンプレイヤー《ダーク・グレファー》召喚し優先権を放棄しました。これに対し非ターンプレイヤー《奈落の落とし穴》発動しました。これに対しターンプレイヤーは何も発動しませんでした。
 この処理が終わった後優先権はどちらにありますか?
 また、ターンプレイヤーに優先権がある場合、《奈落の落とし穴》効果処理直後に《D−HERO ディアボリックガイ》起動効果発動することは出来ますか?それとも改めて優先権を放棄する必要がありますか?
A:優先権がどちらにあるのかを含め調整中(10/12/23)

Q:ターンプレイヤー《ダーク・グレファー》召喚し優先権を放棄しました。これに対し非ターンプレイヤー《奈落の落とし穴》発動しました。これに対しターンプレイヤーは何も発動しませんでした。
 この処理が終わった後優先権はどちらにありますか?
 また、ターンプレイヤーに優先権がある場合、《奈落の落とし穴》効果処理直後に《ダーク・グレファー》起動効果発動することは出来ますか?それとも改めて優先権を放棄する必要がありますか?
A:優先権がどちらにあるのかを含め調整中(10/12/23)

Q:ターンプレイヤーがモンスターを召喚しシンクロ召喚を行うために優先権を放棄しました。これに対し非ターンプレイヤー《激流葬》発動しました。そのためターンプレイヤー《神の宣告》発動しました。
 ターンプレイヤーはこのチェーン処理が終わった後シンクロ召喚を行うために改めて優先権を放棄する必要がありますか?(非ターンプレイヤー《月の書》などでシンクロ召喚を妨害することは可能ですか?)
A:調整中スペルスピード2のカードで《激流葬》を無効にした場合も同様に調整中)(10/12/23)