*《お&ruby(ちゅうしゃてんし){注射天使};リリー/Injection Fairy Lily》 [#q2f0d480]
 効果モンスター
 星3/地属性/魔法使い族/攻 400/守1500
 このカードが戦闘を行うダメージ計算時に1度だけ、
 2000ライフポイントを払って発動できる。
 このカードの攻撃力は、そのダメージ計算時のみ3000ポイントアップする。

 [[Mythological Age −蘇りし魂−]]で登場した[[地属性]]・[[魔法使い族]]の[[下級モンスター]]。~
 [[ライフポイント]]を2000支払うことで大幅に[[自己強化]]される[[誘発即時効果]]を持つ。~

 [[レベル]]3でありながら、[[ライフポイント]]さえ支払えば[[攻撃力]]3400となる。~
 [[《青眼の白龍》]]クラスを一方的に[[倒し>戦闘破壊]]、[[直接攻撃]]すれば初期[[ライフ]]の半分近くを奪う脅威の[[アタッカー]]である。~
 [[発動条件]]が「[[戦闘]]」なので、[[相手]]から[[攻撃]]された時に[[発動]]できるのも魅力である。~

 低[[レベル]]の[[魔法使い族]]という事で、[[サポートカード]]も豊富。~
 特に[[魔導書]]に対応する点は大きく、[[《魔導書の神判》]]などで[[特殊召喚]]し、[[《トーラの魔導書》]]で安全に[[攻撃]]を通すことができる。~
 その他[[特殊召喚]]手段はとことん豊富であり、[[《デブリ・ドラゴン》]]・[[《クレーンクレーン》]]・[[《マジカル・コンダクター》]]などに対応。~
 それらを[[《地獄の暴走召喚》]]の[[トリガー]]にできれば、一瞬でゲームエンドにも持ち込み得るだろう。~
 [[レベル]]3であるため、[[《レベル制限B地区》]]等の影響下から[[攻撃]]できるという扱いやすさもポイントである。~
 [[《落とし穴》]]・[[《奈落の落とし穴》]]等にも引っ掛からず、更に[[攻撃宣言]]時に[[攻撃力]]は400しかないため[[《平和の使者》]]もすり抜けて[[攻撃]]できる。~
 逆に、[[《連鎖除外》]]は[[天敵>メタカード]]となり、[[《光の護封壁》]]は[[攻撃宣言]]できないためにすり抜ける事ができない。

 また、[[ダメージステップ]]に[[ライフポイント]]を支払うため、[[効果]]使用後に[[除去]]されて[[ライフポイント]]の払い損になる事はまずない。~
 [[《天罰》]]等で[[破壊]]されたとしても、[[ダメージ計算]]時での[[発動]]のため、[[バトルステップの巻き戻し]]は発生せず、その[[モンスター]]による追撃はされない。~
 [[ライフコスト]]は高いものの、比較的ローリスクな支払いが可能である。~

 ただ、[[攻撃力]]1400超の[[モンスター]]との戦闘で[[効果]]を[[発動]]すると、[[自分]]の[[ライフロス]]の方が大きい事を忘れてはならない。~
 [[相手]][[モンスター]]を[[破壊]]できるので[[アドバンテージ]]を失う訳ではないが、調子に乗って[[モンスター]]を叩いていると痛い目を見る。~
 また、[[攻撃力]]1400の[[リクルーター]]に[[攻撃]]された場合は、双方の[[ライフ]]を2000ずつ削る事になる。~
 最終的に、1000[[ダメージ]]と共に[[破壊]]されて終わる可能性があるので、使い時を考えたい。~

 単体でも、[[相手]]の高[[攻撃力]][[モンスター]]を2000の[[ライフコスト]]によって[[除去]]できる[[カード]]として機能する。~
 最近では、[[モンスター]]を出しても速攻で[[除去]]される事も多い為、いっそ使いきり感覚で使っても良い。~

 自身の[[ライフ]]を[[攻撃力]]に変換できる数少ない[[モンスター]]であり、[[ライフ回復]]ギミックを多く採用しているならばこの[[効果]]を存分に活用できる為、[[【キュアバーン】]]では恐怖の[[アタッカー]]として機能する。~
 [[《ドレインシールド》]]・[[《神の恵み》]]・[[《セベクの祝福》]]等で[[ライフ回復]]を行う事により、[[攻撃]]のチャンスを増やす事ができる。~
 
-''[[このカード及び他のカードの発動順の詳細は、ダメージステップを参照。>ダメージステップ#f84f19a7]]''~

-''特性上、[[《オネスト》]]の妨害を受けにくい。''~
[[ダメージ計算]]時にこちらが先に[[発動]]した場合は、[[相手]]に[[《オネスト》]]を使用されても、[[相手]]の[[攻撃力]]はたった400しか増えない。~
また、[[ダメージ計算]]時に[[相手]]が先に[[《オネスト》]]を使用した場合は、2000[[ライフ]]を払うのを見送る事で被害を抑える事が可能である。~
[[戦闘破壊]]こそ免れないが、切り札を使わせつつこちらは普通に[[攻撃]]された場合とほぼ同じなので、十分甘受できる。~

-[[お互い]]の[[ライフ]]を超高速で削りながら[[戦闘破壊]]で[[アドバンテージ]]を得る能力を危険視され、[[02/05/01>禁止・制限カード/2002年5月1日]]で[[制限カード]]、初の[[禁止カード]]が指定された[[04/03/01>禁止・制限カード/2004年3月1日]]には即座に[[禁止カード]]入りした。~
しかし、[[04/09/01>禁止・制限カード/2004年9月1日]]に[[制限カード]]に緩和され、その後[[07/03/01>禁止・制限カード/2007年3月1日]]で完全復帰した。~
[[モンスター]]の[[攻撃力]]のインフレが起きている為、2000[[ライフ]]を払い、大した[[戦闘ダメージ]]も与えられずに[[モンスター]]を[[破壊]]する事は、非効率だと判断されたのだろう。~
[[カード・アドバンテージ]]を得る手段が多様化し、事前に[[除去]]することが容易になったのも一因か。~
[[禁止>禁止カード]]指定された[[カード]]が[[無制限カード]]まで復帰できた非常に稀有な例の一つである。~
//(その様な復帰の類例には、[[《魔導戦士 ブレイカー》]]・[[《団結の力》]]・[[《カオス・ソーサラー》]]・[[《リビングデッドの呼び声》]]がある。)
--元[[禁止カード]]とはいえ近年の[[環境]]では奮わずにいたが、最近は[[【魔導書】]]に採用されるケースが目立つようになってきた。~
[[魔法カード]]による援護ができない状況下であっても、単体で[[《ナチュル・ビースト》]]を殴り倒すことができる性能が評価されているのである。~
[[魔法使い族]]であるがゆえ[[魔導書]]の各種サポートを受ける事もでき、[[《魔導法士 ジュノン》]]で[[フィールド]]を空けた後の打点要員にもなるなど、[[腐り>腐る]]づらいのが大きい。~
名前に反して[[魔法使い族]]であることが思わぬ形で活きた、と言えるだろう。~

-[[《進化する人類》]]と相性が良い。~
[[効果]]の[[ライフコスト]]が高い為、[[自分]]の[[ライフポイント]]が[[相手]]を下回る事が多く、[[自分]]の[[ライフポイント]]が[[相手]]を上回っている場合でも[[デメリット]]にならない。~
結果、最大で5400ポイントもの[[ダメージ]]を与えられる。

-[[ライフコスト]]を要する他の[[カード]]と併用しにくいのが欠点。~
例えば、現[[環境]]で多用される[[《神の宣告》]][[《神の警告》]]等が挙げられる。~
特に後者とは共存しにくく、[[デッキ]]の防御力低下を織り込まねばならない。~

-[[《DNA改造手術》]]で[[サイキック族]]を指定し、[[《念動増幅装置》]]を装備すれば[[ライフコスト]]無しで何度も[[効果]]を使えるようになる。

-また、[[《ギガンテック・ファイター》]]を出されると悲惨でもある。~
[[効果]]を使っても600以下の[[戦闘ダメージ]]しか与えられない上に何度倒しても蘇ってくるので、実質2000以上の[[戦闘ダメージ]]を無抵抗で受ける羽目になってしまう。~
遭遇率は低く損害も小さいが、[[戦闘破壊]]と[[ダメージ]]を両方シャットアウトする[[《マッシブ・ウォリアー》]]も中々面倒な相手である。

-初版と[[DUELIST LEGACY Volume.5]]の再録はどちらも[[ノーマルレア>N-Rare]]、[[BEGINNER'S EDITION 2]]では[[ウルトラレア>Ultra]]、アジア版では[[シークレットレア>Secret]]と軒並み[[レアリティ]]が高く、入手は難しかった。~
現在では、[[GOLD SERIES 2011]]にて再録され、入手難度は大幅に下がっている。

-「お注射天使」なのに設定(下記参照)の都合上、[[天使族]]ではなく、''[[魔法使い族]]''に属する。~
もっとも、そのおかげで[[《ディメンション・マジック》]]・[[《マジシャンズ・サークル》]]等、[[召喚]][[サポート>サポートカード]]は豊富である。~

-後に、この[[カード]]を意識して作られたであろう[[カード]]として、[[《メンタル・カウンセラー リリー》]]が来日した。~
[[カード名]]・[[イラスト]]・[[効果]]が、この[[カード]]に良く似ている。

-注射器の中の液体には、気泡が見られる。~
過量に気体を血管に注射すると、心臓発作を引き起こす。~

-海外版では、[[イラスト]]の赤十字がハートマークに修正されている。~
本来、赤十字とはジュネーヴ条約により衛生兵のみが使用を許された標章であり、通常は医療機関であっても赤十字を使用する事はできない。~
日本の医療機関等で赤十字が使用されているのは、日本赤十字社より許可が下りているが故の特殊例である。~
また、正確な時期は不明だが、日本語版でも[[BEGINNER'S EDITION 2]]収録の物はある時期を境に海外版と同じ絵柄に変更されている。~
[[GOLD SERIES 2011]]版も、同じく海外版の[[イラスト]]となっている。~
//イラスト参照:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E5%8D%81%E5%AD%97%E7%A4%BE
--この[[モンスター]]が描かれた[[魔法・罠カード]]も、同様に[[イラスト]]変更が行われている。~
更に、[[《白衣の天使》]]も十字がハートに変更されている。

-原作・アニメにおいて―~
アニメオリジナル「乃亜編」における、「海馬vsビッグ5(大門)」戦にて、大門が使用。~
彼は[[《セベクの祝福》]]・[[《非常食》]]・[[《神の恵み》]]・[[《生命吸収装置》]]等の[[ライフ回復]][[カード]]を多用し、初期[[ライフ]]4000の世界で実に3度も[[効果]]を[[発動]]している。~
「ドーマ編」では、[[デュエル]][[モンスター]]ズ達がオレイカルコスの神に攻撃している場面で登場していた。~
「KCグランプリ編」では、レベッカが使用している。~
[[攻撃]]名は、「検診(診察)のお時間」。~
12歳の少女であるレベッカが宣言するのは可愛げがあるが、元々中年男性で、しかも[[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]に身をやつした大門が、「海馬瀬人!検診のお時間だァ!」と叫ぶのは、極めてシュールな光景であった。~

--[[宣言>攻撃宣言]]を受けたリリーは、巨大な注射器を刺して[[モンスター]]を葬り去る。~
[[ライフ]]を[[払う>コストを払う]]事で注射器が大きくなったり、中に液体が注がれたりする仕組みになっている。~

--劇場版「光のピラミッド」では、屈強な男によって[[召喚]]され、先攻1[[ターン]]目にも拘らず城之内に[[ダイレクトアタック]]をかますという極悪な使い方をされた([[デュエル]]構成のミス、もしくは演出だろう。)。~

--アニメZEXALでは、第1話で一般生徒が使用している姿が確認できる。~

-コナミのゲーム作品において―~
元は、真DM2で登場した[[ゲームオリジナルモンスター>オリジナルカード]]。~
「[[表側守備表示]]で存在する限り、[[自分]][[ターン]]の[[スタンバイフェイズ]]毎に[[自分]][[ライフ]]を50[[回復]]」という医療関係者らしいものの、地味極まる[[効果]]を持っていた。~
[[《天空騎士パーシアス》]]・[[《モイスチャー星人》]]等、このゲームで初登場した後にOCG化された[[カード]]は多い。~
攻略本の解説によれば、用もなく注射を打ち過ぎて天国を追放されたらしい。~
(故に、「天使」だが[[魔法使い族]]なのである。)~

--DMシリーズには、オリジナルの[[テキスト]]が存在する。~
「怒らせると際限なく注射針を発射する、ちょっと困った天使」と書かれている。~
もっとも、OCGでは怒らせれば[[お互い]]ちょっと困る所では済まないのだが。~

--「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX めざせデュエルキング!」では、「[[相手]]から[[攻撃]]を受ける際に、この[[カードの効果]]で[[ライフポイント]]を支払っても[[攻撃力]]が上がらない」という、この[[カード]]の存在意義自体を揺るがす致命的なバグがある。~

--[[遊戯王デュエルモンスターズ World Championship 2008>ゲーム付属カード#qe1d54fb]]では、決闘者として登場。~
何故か、[[【アステカ】]]を使用するのだが、彼女自身は[[【アステカ】]]とあまり[[シナジー]]がない。~
「医師」と「石」を引っ掛けているのだろうか。

--[[DUEL TERMINAL]]では、早乙女レイが使用。~
アニメに一切登場していないが、専用ボイスが設けられている。~
[[効果]]を使う際は、[[《神の恵み》]]で[[ライフ]]を[[回復]]させた上で使用する事が多い。


--[[イラスト]]での髪の色はピンクなのだが、何故かゲーム作品のCGでは初登場以来、ずっと茶色である。

**関連カード [#a0984483]
-[[《オネスト》]]
-[[《D−HERO ダガーガイ》]]
-[[《BF−月影のカルート》]]

-[[《メンタル・カウンセラー リリー》]]

―《お注射天使リリー》の姿が見られる[[カード]]
-[[《ふるい落とし》]]

**このカードを使用する代表的なデッキ [#odaae1f2]
-[[【魔導書】]]

**収録パック等 [#eacfdef4]
-[[Mythological Age −蘇りし魂−]] MA-11 &size(10){[[N-Rare]]};
-[[DUELIST LEGACY Volume.5]] DL5-052 &size(10){[[N-Rare]]};
-[[BEGINNER'S EDITION 2]] BE2-JP171 &size(10){[[Ultra]]};
-[[GOLD SERIES 2011]] GS03-JP003 &size(10){([[Gold]])};
-[[BEGINNER'S EDITION 2(第7期)]] BE02-JP137 &size(10){[[Ultra]]};
-[[THE GOLD BOX]] GDB1-JP043 &size(10){[[Gold]]};

**FAQ [#q927fc37]
Q:この[[カード]]を、[[《財宝への隠し通路》]]の[[対象]]に指定できますか?~
A:指定できますが、その[[ターン]]、[[ダメージ計算]]時に[[効果]]を[[発動]]する事はできなくなります。

Q:[[《死霊騎士デスカリバー・ナイト》]]との[[戦闘]]で[[効果]]を[[発動]]した場合、どうなりますか?~
A:[[生け贄]]と[[破壊]]で互いに[[フィールド]]を[[離れる]]為、両[[プレイヤー]]とも[[戦闘ダメージ]]を受ける事無く、[[戦闘]]が終了します。~
  当然、[[効果発動時]]に払った[[ライフ]]は戻りません。(09/08/05)

Q:この[[カードの効果]]を[[発動]]した[[攻撃]]に[[《魔法の筒》]]を[[発動]]された場合、3400[[ダメージ]]を受けますか?~
A:[[《魔法の筒》]]の[[発動]]タイミングではまだ[[ダメージ計算]]時に入っていない為、この[[カード]]が[[効果]]を[[発動]]できません。~
  よって、[[発動]]された場合は、400ポイント[[ダメージ]]を受けて[[ライフ]]を[[支払う>コストを払う]]前に[[攻撃]]が[[無効]]になります。

Q:この[[カードの効果]]の[[発動]]タイミングは、[[《クリボー》]]と同一ですか?~
A:はい、そうです。両方の[[効果]]が使われる場合、[[チェーン]]する形で[[チェーンブロック]]を発生させ処理を行います。(09/08/05)

Q:[[《閃光の双剣−トライス》]]を装備して[[攻撃]]し[[効果]]を使用した場合、[[攻撃力]]は幾つになりますか?~
A:2900です。[[ステータス]]が変化した場合は、改めて計算を行い直します。


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