遊戯王カードWiki - 《高等儀式術》のバックアップ(No.62)

《高等儀式術(こうとうぎしきじゅつ)/Advanced Ritual Art》 †

儀式魔法（制限カード）
手札の儀式モンスター１体を選び、そのカードとレベルの合計が
同じになるようにデッキから通常モンスターを墓地へ送る。
その後、選んだ儀式モンスター１体を特殊召喚する。

　STRIKE OF NEOSで登場した、特殊召喚する儀式モンスターに指定がない儀式魔法。
　デッキから通常モンスターを墓地へ送ることで手札から儀式モンスターを特殊召喚する事ができる。

　このカードの大きな利点は以下の３点である。

２枚の手札消費で儀式召喚を行うことができる。
全ての儀式魔法の代替となる。
意図的に墓地を肥やす事ができる。

　通常儀式召喚を行うためには特定の儀式魔法・儀式モンスター・リリースするモンスターの３種を手札に揃える必要がある。
　だが、《高等儀式術》はこれ１種類で全ての儀式モンスターに対応でき、さらにリリースを手札から消費する必要もないため、容易に儀式召喚を行える。
　このため、複数の儀式モンスターを共存させることも自然に行える。
　デッキからモンスターを墓地へ送るためカード・アドバンテージの損失が最小限に抑えられ、場合によっては墓地アドバンテージを獲得することもできる。
　《マンジュ・ゴッド》・《ソニックバード》によるサーチにもしっかり対応している。

　従来の儀式魔法よりも非常に扱いやすくなった代償として、墓地へ送るモンスターは通常モンスターに限定され、更にレベルの合計が同じでなければならない。
　手札やフィールドからのリリースもできないため、デュエル終盤まで手札に加えられないと機能不全を起こしかねない点も気をつけねばならない。

　通常モンスターを墓地へ送ることを利用しようとするならば、各種の蘇生カードを採用するといい。
　墓地に送った上級通常モンスターを《正統なる血統》・《蘇りし魂》・《思い出のブランコ》等で、即座に蘇生させることができる。
　墓地に送った下級通常モンスターを《闇の量産工場》でサルベージし、即座に２体分の戦力を補充することもできる。
　墓地の通常モンスターによって強化される《ライカン・スロープ》・《覚醒戦士クーフーリン》にとっても重要なカードである。

　墓地を肥やすことは蘇生以外にも様々な用途がある。
　【エクゾディア】や【ワイト】・【岩石族】といったデッキにおいては、墓地にモンスターを送るための手段として使える。
　今まで活用が難しかった《太古の壺》、《はにわ》、《ポット・ザ・トリック》等のカードも価値を持ち始めたといって良いだろう。
　《白竜の聖騎士》を召喚する際にドラゴン族の通常モンスターを墓地に送り、《龍の鏡》による《Ｆ・Ｇ・Ｄ》の融合召喚を補助することもできる。
　墓地に送った《デーモン・ソルジャー》・《レッド・サイクロプス》・《ハープの精》・《デュナミス・ヴァルキリア》等を、天魔神の召喚コストにもできる。→【儀式天魔神】
　レベル８の強力な儀式モンスターには天魔神の召喚コストとなるモンスターが多数存在するため、非常に相性が良い。
　《甲虫装甲騎士》・《ネオバグ》を墓地に送り、それらを除外する事で《デビルドーザー》を即時召喚することもできる。→【デミスドーザー】

　《青眼の白龍》を墓地へ送る事で《カオス・ソルジャー》を降臨させ、デュエル終盤に《龍の鏡》で《青眼の究極竜》・《究極竜騎士》を召喚することができる。
　《メルキド四面獣》・《仮面呪術師カースド・ギュラ》も採用することができ、《仮面魔獣マスクド・ヘルレイザー》と《仮面魔獣デス・ガーディウス》の夢の競演も可能。
　ファンデッカーであるなら「ゼラ」づくし、《ゼラの戦士》を墓地へ送る事で、《デビルマゼラ》と《ゼラ》を併用できる。

　レベルの低い儀式モンスターを降臨させる場合は、レベルの低い通常モンスターを複数投入する必要がある。
　だが、《サクリファイス》を降臨させる際に墓地へ送る対象には《ワイトキング》の糧となる《ワイト》や多数の守備力2000以上の壁モンスターが存在する。
　《高等儀式術》で《サクリファイス》を降臨させる際、レベル１で守備力2100を誇る《大木炭１８》を３枚投入しておけば、デッキバランスを取りやすくなる。
　守備力は100下がるが、チューナーである《ガード・オブ・フレムベル》もいいだろう。
　だが、《精霊術師ドリアード》デッキでは、場持ちの良いレベル３の通常モンスターが少なく、エレメントモンスターとのコンボも狙いにくいのが難点となる。

｢特殊召喚する儀式モンスター｣と｢墓地へ送るモンスター｣は、効果解決時に選択する。
したがって効果発動時には、何を儀式召喚するか、何を墓地へ送るか宣言する必要はない。
相手もチェーンする形で妨害することも出来るが、それら情報がない状態で妨害することになる。

他の儀式魔法と違って「降臨」の文字がないが、このカードによる特殊召喚は儀式召喚として扱われるため、《契約の履行》などで特殊召喚することができる。

墓地へ送る通常モンスターはリリースとして扱われないため、《輪廻転生》で使い回せないが、《生贄封じの仮面》に封じられない。

遊戯王オンラインでは【デミスドーザー】が蔓延していたため現実より一足先に、【デミスドーザー】のキーパーツである《終焉の王デミス》《デビルドーザー》と共に制限カードに指定されていた。
遅れて現実でも08/03/01の制限改訂において、儀式関連カードとして初めて制限カードに指定される。
サーチ手段が豊富な儀式魔法とは言えサルベージ手段に乏しいため、このカードに頼り切った儀式デッキは構築しにくくなってしまった。
しかし《儀式の準備》の出現により、デッキにレベル７以下儀式モンスターが存在していれば、サルベージを繰り返し複数回にわたってこのカードを発動することが可能となる。

儀式召喚を行うデッキを大きく支える存在であり、長らく絶版であったが、DUEL TERMINAL －オメガの裁き！！－にて再録された。
リチュアをサポートするためなのだろうがリチュアには通常モンスターはいない。
軸となるデッキも多く開発された一方、このように儀式召喚主軸だが通常モンスターを組み込みにくいケースもあり、採用するかはやや検討が必要となる。

原作・アニメにおいて―
アニメ5D'sのワンポイントレッスンTurn121においてこのカードが紹介されているのだが、なぜか「アニメオリジナル」と書いてある。
現在は修正されている。

コナミのゲーム作品において―
遊戯王ONLINE DUEL ACCELERATORでは《神光の宣告者》を儀式召喚してロックをかける【神光の宣告者】が大流行したため、シーズン16の制限改訂ではなんとこのカードが禁止カードに指定されてしまった。
これにより儀式モンスターはそれぞれ特定の儀式魔法に頼らざるを得なくなってしまった。
その為かこれまで１ターンキルのお供としてずっと禁止カードだった《終焉の王デミス》が一気に準制限カードにまで復帰している。