遊戯王カードWiki - 《混沌の黒魔術師》のバックアップ(No.83)

《混沌(こんとん)の黒魔術師(くろまじゅつし)/Dark Magician of Chaos》 †

効果モンスター（制限カード）
星８/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600
「混沌の黒魔術師」の(1)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンのエンドフェイズに、
自分の墓地の魔法カード１枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
(2)：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動する。
その相手モンスターを除外する。
(3)：表側表示のこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。

　暗黒の侵略者で登場した闇属性・魔法使い族の最上級モンスター。
　エンドフェイズに墓地から魔法カードをサルベージする誘発効果、戦闘破壊した相手モンスターを除外する誘発効果、フィールドから離れる場合除外されるルール効果を持つ。

　召喚制限のない魔法使い族としてはトップクラスのステータスを持っている上、召喚・特殊召喚に成功したターンのエンドフェイズ時にフィールド上に存在すれば魔法カード１枚をサルベージできる。
　魔法カードをサルベージできるカードは種類が少なく、あっても重いコストや発動条件を持つものが大半であり、コストやデメリットが無く発動条件も緩いこの効果は貴重である。
　類似する効果を持つ魔法使い族には《氷の女王》や《神聖魔導王エンディミオン》が存在するが、前者は蘇生できず回収条件も受動的であり、後者は特定のデッキでないと機能しない。
　これらと比べると回収するタイミングがエンドフェイズ時と遅いのは欠点だが、発動しやすいという点は大いに評価できる。

　(2)の戦闘破壊した相手モンスターを除外する効果も中々に優秀であり、蘇生などの再利用を阻む他、多くのリクルーターやサーチャーの効果も防ぐことができる。
　自身の攻撃力が高いために戦闘破壊可能なモンスターが多いのも後押ししている。

　自身がフィールドから離れた際には除外されるデメリットがあるが、闇属性であるため《闇次元の解放》で容易に帰還できる。
　自身の効果で《Ｄ・Ｄ・Ｒ》をサルベージしておくのもよい。
　ランク８のエクシーズモンスターは層が厚いため、エクシーズ素材にして墓地に送り、《リビングデッドの呼び声》などで蘇生するのも手である。
　ただし(1)の効果はエンドフェイズ時にこのカードがフィールドに存在しないと使えないため、フィールドに出したターンにエクシーズ素材にするのは旨味が薄い。

　また、専用の特殊召喚サポートカードに《光と闇の洗礼》がある。
　《ブラック・マジシャン》の攻撃後に特殊召喚して追撃し、エンドフェイズ時に魔法カードを回収できれば理想的である。
　【ブラック・マジシャン】では《光と闇の洗礼》に加えて、《黒魔族復活の棺》や《闇次元の解放》なども採用しやすいため、非常に特殊召喚しやすいモンスターである。

自身を除外する効果はルール効果で、魔法カードをサルベージする効果は対象を取る誘発効果。
「戦闘で破壊したモンスターを除外する効果」は誘発効果であるためチェーンブロックを作り、相打ちの場合でも適用される。

《亜空間物質転送装置》で除外すると、《究極封印神エクゾディオス》と同じく「除外されたままになる」。

装備魔法となったときの処理について。
表側表示であるならば、フィールドから離れた場合除外されるため、《非常食》のコストにできない。
裏側表示であるならば、フィールドから離れた場合墓地に送られるため、《非常食》のコストにできる。

長らく禁止カードだったが、15/04/01付でエラッタにより弱体化し、制限カードに復帰した。
エラッタ前の性能は以下の通り。

効果モンスター（禁止カード）
星８/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
自分の墓地から魔法カード１枚を選択して手札に加える事ができる。
このカードが戦闘によって破壊したモンスターは墓地へは行かず
ゲームから除外される。
このカードはフィールド上から離れた場合、ゲームから除外される。

最大の変更点は魔法カードのサルベージ効果に発動回数制限が設けられたことと、回収するタイミングがエンドフェイズになったことである。
また、戦闘破壊したモンスターを除外する効果が、チェーンブロックを作らない永続効果からチェーンブロックを作る誘発効果へと変更されている。

エラッタ前は特殊召喚直後に魔法カードをサルベージできる点が非常に強力であった。
登場後即座に、《苦渋の選択》で２～３枚同時に墓地に送り、《死者蘇生》でこのカードを蘇生→《死者蘇生》をサルベージと繰り返すという凶悪コンボが流行した。
最後に除去カードをサルベージして３体で直接攻撃を決めれば、2800×３により合計ダメージは8400に達し、１ターンキルが可能となる。
ゲームから除外されても《次元融合》１枚でぞろぞろ登場し、《サンダー・ボルト》や《ハーピィの羽根帚》を複数回収するなど、自身を除外する効果も全くデメリットになっていなかった。
そのため３枚積みは危険と判断され、登場からたった３ヶ月程度の03/10/15で制限カードに指定された。
その後しばらくの間は召喚の重さもあり、【推理ゲート】や【魔法使い族】に使われていた程度だった。
しかし、後に除外によりアドバンテージを稼ぐデッキや帰還カードが多数登場したことで、このカードを用いた１ターンキルコンボ（【混黒１キル】【ドグマブレード】など）が流行することとなる。
そのため、08/09/01にて禁止カードに指定される。
このカードの禁止化により、当時の【魔法使い族】は最大の切り札を失ってしまった。

エラッタ前は、《ディメンション・マジック》を用いて特殊召喚しモンスターを破壊する効果を使用した場合、タイミングを逃す為にサルベージ効果が発動できなかった。
また、《光と闇の洗礼》などでチェーン２以降に特殊召喚した場合も、タイミングを逃す為サルベージ効果は発動できなかった。
エラッタにより発動タイミングがエンドフェイズになった事で、これらの弱点は克服されている。
表面的には弱体化しているが、他のカードとのコンボでは強化されるという、エラッタ前後で相互互換の関係を築く珍しいカードとなった。
エラッタ後ではサルベージ効果を発動したい場合、発動タイミングがエンドフェイズとなったことで、罠カードで特殊召喚したほうが良いとされるなど、相性の良いカードまでガラリと変わったかなり珍しいタイプである。
また、それと同時に発動タイミングがエンドフェイズになったことで《エネミーコントローラー》等によるフリーチェーンコントロール奪取によって、サルベージ効果を相手に使われる危険性も増してしまうこととなった。

原作で遊戯の使用した儀式モンスター、《マジシャン・オブ・ブラックカオス》のリメイクである。

このカードのイラストは、ゲームソフト「遊戯王真デュエルモンスターズ封印されし記憶」のパッケージに描かれた《マジシャン・オブ・ブラックカオス》のイラストを転用したものである。
カードイラストが原作のコマから取られる事はしばしばあるが、ゲームのパッケージイラストが転用されるのは極めて異例である。

原作・アニメにおいて―
アニメGXにおける「十代vs神楽坂」戦において神楽坂が使用。
《ヒーロー見参》により特殊召喚された《Ｅ・ＨＥＲＯエッジマン》を破壊するべく《光と闇の洗礼》で特殊召喚され、墓地の《死者転生》を回収した。
攻撃名は「滅びの呪文」。
《マジシャン・オブ・ブラックカオス》の攻撃名から「デス・アルテマ」が抜けている。
- アニメ5D's第５期OPの冒頭部分でこのカードが登場している。

コナミのゲーム作品において―
WORLD CHAMPIONSHIP 2007ではデュエリストとして登場。
「速攻魔法を相手ターンに10回以上発動して勝利せよ」というテーマデュエルを挑んでくる。
また、WORLD CHAMPIONSHIP 2008で配信されている特殊な禁止・制限カードリストでは、OCGより一足早く禁止カードに指定されている。