*《&ruby(びんじょう){便乗};/Appropriate》 [#v3d30cbc]
 永続罠
 相手がドローフェイズ以外でカードをドローした時に発動する事ができる。
 その後、相手がドローフェイズ以外でカードをドローする度に、
 自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 [[Curse of Anubis −アヌビスの呪い−]]で登場した[[永続罠]]。~
 [[相手]]の[[ドロー]]に反応しての、[[ドロー]]加速[[効果]]を持つ。~

 [[《TG ハイパー・ライブラリアン》]]等を狙えば大量[[ドロー]]が期待できるが、一度目の[[発動]]では[[ドロー]]ができない。~
 つまり二度目の[[ドロー]]でようやく[[アドバンテージ]]を回復できるのだが、複数の[[ドロー]]を許している時点で、[[相手]]の[[手札]]には[[1ターンキル]]の材料が揃ってしまう事も珍しくない。~
 いくら[[手札]]が増えようと、使う機会がなければ意味がないので[[《エフェクト・ヴェーラー》]]や[[《バトルフェーダー》]]を引き当ててうまく[[自分]]の[[ターン]]まで耐える必要がある。~
 しかし[[《ソーラー・エクスチェンジ》]]など[[トリガー]]にできない[[ドロー]][[カード]]も多く安定しないので、単純に[[相手]]の[[ドロー]][[効果]]に[[メタ]]を張るならば、それらを[[無効]]あるいは封じた方が確実性が高い。~

 そのためこの[[カード]]を採用するならば、[[自分]]の[[カード]]で[[相手]]に[[ドロー]]を強要し、[[効果の発動]]と[[適用>効果の適用]]を狙う専用[[デッキ]]的構築が必要である。~
 [[関連カード>#ib3b4c65]]を見るとわかるが[[相手]]に[[ドロー]]させる[[カード]]は本来は[[デメリット]]なので、能力だけを見れば強力なものも多い。~
 特に[[《魔宮の賄賂》]]はこの[[カード]]を守るためにも利用でき、非常に汎用性が高い。~
 [[《メタモルポット》]]は[[暗黒界]]等を補助してしまう恐れもあるが、[[魔法・罠カード]]を多用する事になるので上手く[[発動]]できれば大量の[[アドバンテージ]]を得られる。~
 [[《手札断殺》]]はやはり[[相手]]の[[墓地を肥やす]]行為を補助するが、連続で[[発動]]できるため嵌れば凄まじい[[ドロー]]加速が可能である。~
 [[《手札抹殺》]]と違い[[発動条件]]があるものの、[[暗黒界]]の[[効果]]を使わせず、かつ任意の[[手札]]を残せる点は勝っている。~
 [[《ゾンビキャリア》]]等を[[墓地]]に送っておけば、[[《光帝クライス》]]のサポートにもなる。~

 [[《一時休戦》]]も非常に相性が良い。~
 連続[[発動]]による[[手札]]増強はもちろん、いざという時の延命に非常に重宝する。~
 《便乗》を軸とする[[デッキ]]の場合、[[相手]]に[[ドロー]]させる[[カード]]ばかりが残り、[[コンボ]]が成功しない場面も多々ある。~
 その点、この[[カード]]は[[発動]]さえ成功すれば[[相手]]がいくら[[手札]]を持っていようとこちらを倒す事ができなくなる。~
 先に[[攻撃]]の機会を得るのはこちらなので、それまでに[[手札]]を満たしておけば逆転も不可能ではない。~
 また[[アドバンテージ]]を失わず[[相手]]の[[手札]]を増やせるので、[[《大暴落》]]とも相性が良い。~

 [[《皆既日蝕の書》]]も防御[[カード]]として強力。~
 昨今の[[デッキ]]においては複数の[[モンスター]]を同時に並べるという状況が多く、それらに対しては[[モンスターカードゾーン]]を消費させる事で[[《月の書》]]以上の影響力を発揮する。~
 [[相手]]にかなりの[[ドロー]]を許してしまうのに対しこちらの[[ドロー]]数は変わらず一見して不利な取引に思えるが、[[ドロー]]を促進させる事で[[デッキ切れ]]による勝利も現実的になってくる。~
 [[《メタモルポット》]]の再利用もこれに貢献できるだろう。~

 [[モンスター]]に対しては[[《皆既日蝕の書》]]、[[魔法・罠カード]]に対しては[[《魔宮の賄賂》]]、さらに[[ダメージ]]を遮断する[[《一時休戦》]]とそれぞれが3枚投入可能で、これらを[[発動]]する度に後続の[[カード]]を呼び込む事ができるのだから型にはまった時の防御力はかなりのものになる。~
 ただし[[デッキ切れ]]を狙う場合、この[[カード]]が[[強制効果]]であるために[[相手]]に利用される恐れがあるので注意。~
 ある程度[[デッキ]]を掘り進めたならば[[《大嵐》]]や[[《光帝クライス》]]、[[《スクラップ・ドラゴン》]]で[[破壊]]しておきたい所。~
 しかし[[《一時休戦》]]は13/03/01の[[制限改訂]]で[[制限カード]]と指定されてしまった。~
 取り立ててこの[[カード]]が重要なわけでもないが、[[《一時休戦》]]を過信するプレイはできなくなったので注意。~

 [[《D−HERO ディフェンドガイ》]]は[[壁]]として優秀なので[[《光帝クライス》]]の[[リリース]]確保にも最適で利便性が高い。~
 また直接この[[カード]]と関係しないが、こちらから[[暗黒界]]を用いれば[[《手札抹殺》]]・[[《墓穴の道連れ》]]を安定して利用できる。~
 しかし[[暗黒界]]併用の最大の[[メリット]]は[[ウイルス]]にあり、[[コンボ]]色の強さから[[手札事故]]の危険があるものの、[[相手]][[ドロー]]への負担を軽減し大きな[[アドバンテージ]]差をつける事ができる。~

 また[[相手]]の[[手札]]が増えた所を、[[《サイレント・マジシャン LV4》]]や[[《大暴落》]]で攻めるのも効果的である。~
 特に[[《大暴落》]]に関しては更なる[[ドロー]]も狙えるため、多少強引に[[相手]]の[[手札]]を増やしても気にならない。~
 ただし[[手札]]枚数制限の都合があって[[発動]]自体はやはり安定しないので、[[《強制脱出装置》]]や[[《バイサー・ショック》]]との併用も考えたい。~
 
 他、増えた[[手札]]を直接[[攻撃力]]に変換できる[[《トラゴエディア》]]も相性抜群。~
 この[[カード]]で[[相手]][[ターン]]に引き当てた場合でも防御[[カード]]としての性能をいかんなく発揮でき、2種の[[効果]]もあわせ反撃の起点となりうる性能を持っている。~

 以上のように専用[[デッキ]]を作れるだけの[[カード]]があり、そして専用[[デッキ]]を作るだけの可能性を秘めた[[カード]]でもあるのだが、[[カードの発動]]に[[タイミングを逃しやすい>タイミングを逃す]]、[[カードの発動]]時には[[ドロー]]できない等、ルール上ややこしい処理を持つ。~
 そのため、利用する場合には、あらかじめこれらを把握しておく必要がある。~
 以下、その処理について詳しく述べる。~

-[[カードの発動]]について―~
--[[ダメージステップ]]には[[表側表示]]にする「[[カードの発動]]」ができないために、[[戦闘]]を介する[[カード]]との[[コンボ]]は不可能。~
例えば、[[《電動刃虫》]]が[[戦闘]]を行った場合や、[[相手]]の[[《天空騎士パーシアス》]]による[[戦闘ダメージ]]発生及び[[《カードガンナー》]]の[[戦闘破壊]]では[[発動]]できない。~
[[《メタモルポット》]]をはじめとする[[リバース効果モンスター]]も同様で[[《皆既日蝕の書》]]等により[[相手]]の[[攻撃]]をうまくかわす必要がある。~

--条件は[[《強制接収》]]と似ており、[[ドロー]]した後に別処理が入る[[効果]]の場合は[[カードの発動]]の[[トリガー]]にできない。~
例えば、[[《暗黒界の取引》]]は[[ドロー]]の後に[[捨てる]]処理が入るので不可能。~
同様に[[ドロー]]の後に[[回復]]を行う[[《成金ゴブリン》]]、[[墓地へ送る]][[《ソーラー・エクスチェンジ》]]、[[除外]]を行う[[《闇の誘惑》]]も[[トリガー]]とならない。~
また、[[チェーン]]2や[[チェーン]]3で[[ドロー]]が発生した場合も[[トリガー]]にできないため、[[《デュアルスパーク》]]等にも注意が必要。

---[[《N・グロー・モス》]]は「どの種類の[[カード]]を[[ドロー]]したとしても[[カードの発動]][[トリガー]]にすることはできない」という裁定。

---[[《魔宮の賄賂》]]を[[チェーン]]2で[[発動]]し、[[チェーン]]1の[[カード]]を[[無効]]にした場合、[[チェーン]]1の[[カード]]の処理を行わないため[[カードの発動]]が可能。

-[[効果の適用]]について―~
--間違えやすいが、''[[セット]]されているこの[[カード]]の「[[カードの発動]]」時は「[[カード]]を2枚[[ドロー]]する」[[効果の適用]]はなされない。''~
既に[[効果の適用]]がなされた後に、それ以降[[相手]]が[[ドロー]]を行ったときに初めて「[[カード]]を2枚[[ドロー]]する」。~
故に同じように[[コンボ]]で[[ドロー]]する[[【やりくりターボ】]]と比べ、[[コンボ]]構成[[カード]]単独での使いにくさが目立つ。~

---例:[[《ゴブリンのやりくり上手》]]の場合自身が[[破壊]][[対象]]になった時に[[チェーン]]すれば損失はなくなるが、《便乗》ではできない。~

--[[効果の適用]]後ならば[[ダメージステップ]]に[[相手]]が[[ドロー]]した場合にも「[[カード]]を2枚[[ドロー]]する」は有効である。~
//また「[[カードの発動]]」と「[[効果の発動]]」を混同しないように注意。

--[[効果の適用]]中、[[チェーン]]途中の[[ドロー]]など、その後に別処理があっても、その処理終了直後に[[ドロー]][[誘発効果]]を[[強制発動]]する。~
故に[[カードの発動]]は厳しいが、一度[[発動]]してしまえば[[タイミングを逃す]]事はない。~

---この裁定について、2009年8月頃に別の裁定が出ている。~
裁定が揺れている恐れがあるので、使用前に[[遊戯王OCG事務局]]に問い合わせたい。~
//下記FAQも参照のこと。ルール&FAQ公式データベースと食い違いがあるため、要裁定確認~

--「[[手札]]に[[加える]]」「[[カードをめくる]]」は[[ドロー]][[効果]]ではない。~
[[《水晶の占い師》]]や[[《サイバーポッド》]]等に対し、[[効果の適用]]はされない。

-[[ドローフェイズ]]に[[相手]]が[[カードの効果]]で[[ドロー]]しても、この[[カードの効果]]は[[適用]]されない。~
[[《魔宮の賄賂》]]や[[《手札断殺》]]を使う際には注意したい。~

-[[お互い]]がこの[[カード]]を使うと[[無限ループ]]になり、どちらかの[[デッキが切れる>デッキ切れ]]まで[[無限ドロー>無限ループ]]が行われる。~
//下記FAQ(09/01/03)付けで可能とのこと~
また、この[[カード]]による[[ドロー]]が[[チェーンブロック]]を作るかどうかが[[調整中]]であるため、この[[ドロー]]によって[[《サイクロン》]]など、いずれかの[[カード]]を[[除去]]できる[[カード]]を引いても、それを[[発動]]できるかどうかは[[調整中]](2012/08/10)

-初期の[[テキスト]]は以下のようであり、[[効果の適用]]が即時にできてしまった。~
 相手がドローフェイズ以外でカードをドローしたら発動してもよい。
 デッキからカードを2枚ドローする。

-登場当初は[[カードの発動]]すら難しかったが、現在は相性の良い[[カード]]が増えている。~
そのため、この[[カード]]を軸とした[[デッキ]]を作るのも悪くはない。~
ただし、現在この[[カード]]は[[絶版]]である。~

**関連カード [#g77bd4e6]
-[[《強制接収》]]

**相手にドローさせる効果を持つカード [#ib3b4c65]

―[[カードの発動]]に使用できる[[カード]]
-[[《アブソーブポッド》]]~
※[[《白竜の忍者》]]などにより、[[セット]]された《便乗》が[[破壊]]されない場合
-[[《D−HERO ディフェンドガイ》]]
-[[《氷結界の輸送部隊》]]
//-[[《ファイバーポッド》]]
-[[《メタモルポット》]]

-[[《光帝クライス》]]
-[[《フォトン・レオ》]]

-[[《一時休戦》]]
-[[《皆既日蝕の書》]]
-[[《カップ・オブ・エース》]]
-[[《記憶抹消》]]
-[[《サイキック・インパルス》]]
-[[《手札断殺》]]
-[[《手札抹殺》]]
-[[《デンジャラスマシン TYPE−6》]]
-[[《墓穴の道連れ》]]

-[[《暗黒の謀略》]]
-[[《エンペラー・オーダー》]]
-[[《攪乱作戦》]]
-[[《強欲な贈り物》]]
-[[《シンクロ・イジェクション》]]
-[[《大暴落》]]
-[[《ダメージ・ポラリライザー》]]
-[[《DNA定期健診》]]
-[[《魔宮の賄賂》]]
-[[《奇跡の軌跡》]]
-[[《ラスト・リゾート》]]

―[[効果の適用]]にのみ使用できる[[カード]]
-[[《暗黒界の取引》]]
-[[《悪魔の偵察者》]]
-[[《大盤振舞侍》]]
-[[《電動刃虫》]]
-[[《悪魔の調理師》]]
-[[《N・グロー・モス》]]

-[[《ファイヤー・ソウル》]]
//-[[《奇跡の軌跡》]] ※[[カードの発動]]に使用できるかは[[調整中]]→できる裁定(2013/02/11)になっていたので上に移動
-[[《レベル調整》]]

―[[相手]]に[[ドロー]]させる[[効果]]を持つものの《便乗》と[[コンボ]]できない[[カード]]
-[[《ファイバーポッド》]] ※《便乗》もデッキに戻るため

**収録パック等 [#j6007b85]
-[[Curse of Anubis −アヌビスの呪い−]] CA-24
-[[DUELIST LEGACY Volume.1]] DL1-112 &size(10){[[Rare]]};
-[[トーナメントパック2008 Vol.4]] TP08-JP011

**FAQ [#t1d7cc30]
Q:この[[カード]]には「その後」と記述でありますが、この「その後」というのは、「次の[[カード]]を[[発動]]してから」という意味なのでしょうか?~
A:はい、具体例的には以下のような流れになります。~
++[[相手]]が[[《強欲な壺》]]を[[発動]]する。~
++[[自分]]が《便乗》を[[発動]]する。~
この時《便乗》は[[表側表示]]になるが、[[効果の適用]]はしない。~
++[[相手]]が[[《天使の施し》]]を[[発動]]する。~
++[[自分]]の《便乗》の[[効果が適用>効果の適用]]される。~

Q:2枚[[ドロー]]する[[効果]]は[[チェーンブロック]]を作りますか?~
A:[[調整中]](13/04/12)~
//A:[[チェーンブロック]]を作ります。(12/07/18)~

Q:[[お互い]]にこの[[カード]]を[[発動]]済みの場合、両者の[[効果]]が交互に[[発動]]し、[[無限ループ]]となりますか?~
A:はい、なります。(09/01/03)~
  [[お互い]]に[[カード]]を[[ドロー]]し続け、先に[[デッキ切れ]]となった[[プレイヤー]]が[[デュエル]]に敗北します。(09/01/28)~

Q:[[自分]]が2枚、[[相手]]が1枚《便乗》を[[表側表示]]で[[コントロール]]しています。~
  [[自分]]が[[ドローフェイズ]]以外に[[カード]]を[[ドロー]]した時、どうなりますか?~
A:[[相手]][[プレイヤー]]が《便乗》の[[効果]]によって2枚[[ドロー]]する毎に、[[自分]]は4枚[[カード]]を[[ドロー]]します。(09/01/28)~
//連絡板No.3851より~
  またこの場合、[[自分]]は《便乗》2枚で2回分の[[ドロー]]をしているので、次に[[相手]]は《便乗》1枚で2回分の[[ドロー]]を行い、それに対し[[自分]]は《便乗》2枚でそれぞれ2回分の[[ドロー]]をすることとなり、結果的に[[ドロー]]する枚数は次第に増えていくことになります。(2012/09/28)
//  またこの場合、[[自分]]は《便乗》2枚で2回分の[[ドロー]]をしていますが、次に[[相手]]が《便乗》1枚で2回分の[[ドロー]]をするかどうかは[[調整中]](2012/08/10)

Q:この[[カード]]が[[自分]][[フィールド]]上に[[表側表示]]で存在している時に、[[相手]]が[[チェーン]]1で何らかの[[効果]]、[[チェーン]]2で[[《強欲な瓶》]]を[[発動]]した場合、自分は[[ドロー]]できますか?~
A:[[ドロー]]することはできます。どのようなタイミングで[[ドロー]]するかについては[[調整中]]。(12/09/28)
//A:一連の[[チェーン]]を解決した後、[[タイミングを逃す]]ことなく[[ドロー]]できます。(12/08/08)

Q:この[[カード]]が[[自分]][[フィールド]]上に[[表側表示]]で存在している時に、[[相手]]が[[チェーン]]1で[[《強欲な瓶》]]、[[チェーン]]2で[[《八汰烏の骸》]]と[[発動]]し、ひとつの[[チェーン]]処理で2回[[ドロー]]した場合、[[ドロー]]した回数分《便乗》の[[効果]]により[[ドロー]]しますか?~
A:はい、[[ドロー]]した回数分《便乗》の[[効果]]により[[ドロー]]します。(12/09/28)



//質問だけの投稿は禁止。ここは「質問と、それに対する事務局の回答」の両方を同時に記述する項目です。
//記述する場合、事務局に質問した日付を(05/01/01)のような形式でA:の最後に追加してください。
//未発売カードに限り、『A:(発売をお待ちください)』とセットでコメントアウトに質問を残すことが可能です。
//ルールやカードの処理等についての質問は遊戯王エキスパートルールHPで調べるか、ルール質問BBSを利用してください。