《ヴィクトリー・ドラゴン》を使い、後攻1ターンの「マッチキル」を狙うデッキ。
確かに1ターンキルデッキの一種ではあるのだが、他とは異なり、「対策さえ許さない」と言う『極悪さ』を誇った。
ある意味で、コンボデッキ・1ターンキルデッキの最高峰と呼べるだろう。
【MCV】と言う名は、このデッキの根幹を成す《メタモルポット》(Morphing Jar)及び《カオスポッド》(Morphing Jar #2)・《サイバーポッド》(Cyber Jar)・《ヴィクトリー・ドラゴン》(Victory Dragon)の頭文字からとられている。
なお、『MACV』と言う名の時もあるが、こちらは「Morphing jar jar#2 And Cyber jar Victory」の略。
《ヴィクトリー・ドラゴン》 効果モンスター 星8/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守3000 このカードは特殊召喚できない。 自分フィールド上のドラゴン族モンスター3体を 生け贄にして生け贄召喚しなければならない。 このカードの直接攻撃によって相手ライフを0にした場合、 このカードのコントローラーはマッチに勝利する。
《メタモルポット/Morphing Jar》 [#o8a1acca] 効果モンスター(制限カード) 星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600 リバース:自分と相手の手札を全て捨てる。 その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。
《サイバーポッド/Cyber Jar》 [#n4a4d738] 効果モンスター(制限カード) 星3/闇属性/岩石族/攻 900/守 900 リバース:フィールド上のモンスターを全て破壊する。 お互いデッキの一番上からカードを5枚めくり、 その中のレベル4以下のモンスターカードを全て 表側攻撃表示または裏側守備表示でフィールド上に特殊召喚する。 それ以外のカードは全て手札に加える。
《カオスポッド/Morphing Jar #2》 効果モンスター 星3/地属性/岩石族/攻 800/守 700 リバース:お互いにフィールド上モンスターカードを 持ち主のデッキに加えてシャッフルする。 その後デッキに加えた数と同数のモンスターカードが出るまで お互いデッキの一番上からカードをめくり、 レベル4以下のモンスターを裏側守備表示でフィールド上に特殊召喚する。 それ以外のカードは全て墓地に捨てる。
基本的には【デッキ破壊1キル】と同じく、《サイバーポッド》、《メタモルポット》による手札充実とデッキ圧縮をする。
そして、フィールドにに《カオスポッド》、《聖なる魔術師》、《闇の仮面》を裏側守備表示でセット。
更に、発動状態の《王家の神殿》、《血の代償》。そして、手札に《砂漠の光》を用意する。
上記の状況に整えたら、《砂漠の光》を発動し、その3体を同時にリバースさせ、効果発動。
《闇の仮面》は墓地から《砂漠の光》を、《聖なる魔術師》は墓地から任意に必要な魔法を回収する。
そして、最後に《カオスポッド》の効果で3体をデッキへ戻して裏側表示でセットしなおすことでループさせる。
ちなみにこのループは、デッキ内にモンスターが存在しない状態でのみ成立する。
デッキに存在するモンスターカードは、《ヴィクトリー・ドラゴン》、《サイバーポッド》、《メタモルポット》と、このループパーツの計6枚のみしかないので、上記3枚がデッキから移動していれば、デッキ枚数に関係なくループは成立する。
その後は《聖なる魔術師》で無限に回収される魔法カードによってマッチ勝利への土壌を作成していく。
まず、《ご隠居の猛毒薬》等で《血の代償》に用いるライフ回復と、相手ライフへのダメージを与える。
《死者への手向け》等で相手モンスターを除去し、《ヴィクトリー・ドラゴン》で直接攻撃できる準備を行う。
《死者転生》等で、《ヴィクトリー・ドラゴン》の生け贄とする3体のモンスターを用意する。
最後に、《闇の仮面》で《砂漠の光》ではなく《竜の血族》を回収し、《血の代償》や《太陽の書》などで並べた表側表示モンスター3体をドラゴン族扱いにし、《血の代償》で《ヴィクトリー・ドラゴン》を召喚。
成す術のない相手に、直接攻撃を通し、マッチキルを達成する。
《ヴィクトリー・ドラゴン》の直接攻撃が必要であるため、先攻1ターン目からのマッチ勝利は不可能。
無理に早期マッチ勝利を狙うのではなく、2〜3ターンかけて決めるつもりでプレイするのも手段の一つ。
相手プレイヤーの妨害によって(ほとんどないが)《ヴィクトリー・ドラゴン》の召喚が不可能になった場合、《手札抹殺》による【デッキ破壊1キル】と同じデッキデスや、《ご隠居の猛毒薬》とループパーツによるバーンキル等も可能になっている。
しかし、この場合、サイド調整で《ネコマネキング》等を加えられ、マッチキルは絶望的になるだろう。
公認大会規定の改定に伴い「1ターンに3分以上のプレイ」がジャッジにより厳しく規制されるようになった。
そのためほぼ上記のようなループコンボ(一人回し)を長時間行う事が事実上不可能となった。
このデッキが猛威を振るったために追い討ちをかけるかのように、2006年3月1日より《ヴィクトリー・ドラゴン》《サイバーポッド》は禁止カード、《闇の仮面》《王家の神殿》は制限カード、《聖なる魔術師》は準制限カードとなった。
よって、現在【MCV】を公認大会で見かけることは、ほとんどどころか絶対に無いだろう。