*【MCV】 [#t5fc8546]
 《ヴィクトリー・ドラゴン》を使い、後攻1ターンの「マッチキル」を狙うデッキ。~
 確かに1ターンキルデッキの一種ではあるのだが、他とは異なり、「対策さえ許さない」と言う『極悪さ』を誇った。~
 ある意味で、コンボデッキ・1ターンキルデッキの最高峰と呼べるだろう。~
*【MCV】 [#top]

 【MCV】と言う名は、このデッキの根幹を成す《メタモルポット》(Morphing Jar)及び《カオスポッド》(Morphing Jar #2)・《サイバーポッド》(Cyber Jar)・《ヴィクトリー・ドラゴン》(Victory Dragon)の頭文字からとられている。~
 なお、『MACV』と言う名の時もあるが、こちらは「Morphing jar jar#2 And Cyber jar Victory」の略。~
#contents

-「C」には《サイバーポッド》や《カオスポッド》をループさせることから「Cycle」も内包していると言う説もある。~
こちらの場合、「Morphing jar#2 Cycle Victory」となる。~
**[[デッキ]]の概要 [#abstract]
 [[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]を用いた[[1ターンキル]][[デッキ]]。~
 [[コンボ]]が成立した時点で[[マッチキル]]となるため、[[サイドデッキ]]による対策すら許さない。~
 ある意味で、最高の[[コンボ]]・[[1ターンキル]]系[[地雷]][[デッキ]]と呼べる。~

 《ヴィクトリー・ドラゴン》
 効果モンスター
 [[デッキ]]名は[[デッキ]]の根幹を成す[[《メタモルポット/Morphing Jar》>《メタモルポット》]]及び[[《カオスポッド/Morphing Jar #2》>《カオスポッド》]]・[[《サイバーポッド/Cyber Jar》>《サイバーポッド》]]・[[《ヴィクトリー・ドラゴン/Victory Dragon》>《ヴィクトリー・ドラゴン》]]の頭文字からとられている。~
 あるいは[[ループ/Cycle>無限ループ]]を軸とする事から、「Morphing jar#2 Cycle Victory」からとられているともされる。~
 なお、【MACV】と呼ばれる場合もあるが、こちらは「Morphing jar #2 And Cyber jar Victory」の略となっている。~

-[[06/03/01>禁止・制限カード/2006年3月1日]]の制限改訂で[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]と[[《サイバーポッド》]]が[[禁止カード]]となり、構築不能となった。~
--[[15/01/01>リミットレギュレーション/2015年1月1日]]のタイミングで[[《王家の神殿》]]に[[弱体化]][[エラッタ]]が入り、ループギミック自体が成立しなくなったため[[ノーリミットデュエル>ショップデュエル]]でも構築不能となった。~

 《ヴィクトリー・ドラゴン/Victory Dragon》
 効果モンスター(禁止カード)
 星8/闇属性/ドラゴン族/攻2400/守3000
 このカードは特殊召喚できない。
 自分フィールド上のドラゴン族モンスター3体を
 生け贄にして生け贄召喚しなければならない。
 このカードの直接攻撃によって相手ライフを0にした場合、
 このカードのコントローラーはマッチに勝利する。

 《メタモルポット/Morphing Jar》 [#o8a1acca]
 効果モンスター(制限カード)
 《メタモルポット/Morphing Jar》 
 リバース・効果モンスター(制限カード)
 星2/地属性/岩石族/攻 700/守 600
 リバース:自分と相手の手札を全て捨てる。
 その後、お互いはそれぞれ自分のデッキからカードを5枚ドローする。
 (1):このカードがリバースした場合に発動する。
 お互いの手札を全て捨てる。
 その後、お互いはデッキから5枚ドローする。

 《サイバーポッド/Cyber Jar》 [#n4a4d738]
 効果モンスター(制限カード)
 《サイバーポッド/Cyber Jar》 
 効果モンスター(禁止カード)
 星3/闇属性/岩石族/攻 900/守 900
 リバース:フィールド上のモンスターを全て破壊する。
 お互いデッキの一番上からカードを5枚めくり、
 その中のレベル4以下のモンスターカードを全て
 表側攻撃表示または裏側守備表示でフィールド上に特殊召喚する。
 それ以外のカードは全て手札に加える。

 《カオスポッド/Morphing Jar #2》
 効果モンスター
 星3/地属性/岩石族/攻 800/守 700
 リバース:お互いにフィールド上モンスターカードを
 持ち主のデッキに加えてシャッフルする。
 その後デッキに加えた数と同数のモンスターカードが出るまで
 お互いデッキの一番上からカードをめくり、
 レベル4以下のモンスターを裏側守備表示でフィールド上に特殊召喚する。
 それ以外のカードは全て墓地に捨てる。

**基本的な動かし方 [#g612bf0f]

**戦術 [#strategy]
***ループを形成する [#x460e8d1]
 基本的には【三原式】と同じく、《サイバーポッド》、《メタモルポット》による手札充実とデッキ圧縮をする。
 [[《サイバーポッド》]]軸の[[【デッキ破壊1キル】]]と同じく、[[《サイバーポッド》]]、[[《メタモルポット》]]による[[手札]]充実と[[デッキ圧縮]]をする。~
 これらは[[《おろかな埋葬》]]や[[《鳳凰神の羽根》]]等で[[フィールド]]に出して行きたい。~

 そして、フィールドにに《カオスポッド》、《聖なる魔術師》、《闇の仮面》を裏側守備表示でセット。~
 更に、発動状態の《王家の神殿》、《血の代償》。そして、手札に《砂漠の光》を用意する。~
 そして、[[フィールド]]に[[《カオスポッド》]]、[[《聖なる魔術師》]]、[[《闇の仮面》]]を[[裏側守備表示]]で[[セット]]。~
 更に[[《王家の神殿》]]([[エラッタ]]前)と[[《血の代償》]]を[[発動]]し、[[手札]]には[[《砂漠の光》]]を用意する。~

 上記の状況に整えたら、《砂漠の光》を発動し、その3体を同時にリバースさせ、効果発動。~
 《闇の仮面》は墓地から《砂漠の光》を、《聖なる魔術師》は墓地から任意に必要な魔法を回収する。~
 そして、最後に《カオスポッド》の効果で3体をデッキへ戻して裏側表示でセットしなおすことでループさせる。~
 上記の状況を整えたら、[[《砂漠の光》]]を[[発動]]し、[[リバースモンスター]]3体を同時に[[リバース]]して[[効果]]を[[発動]]。~
 [[《闇の仮面》]]は[[墓地]]から[[《砂漠の光》]]を、[[《聖なる魔術師》]]は[[墓地]]から必要な[[魔法カード]]を回収する。~
 そして、最後に[[《カオスポッド》]]の[[効果]]で3体を[[デッキ]]へ戻して[[裏側表示]]で[[セット]]しなおすことでループさせる。~

 ちなみにこのループは、デッキ内にモンスターが存在しない状態でのみ成立する。~
 デッキに存在するモンスターカードは、《ヴィクトリー・ドラゴン》、《サイバーポッド》、《メタモルポット》と、このループパーツの計6枚のみしかないので、上記3枚がデッキから移動していれば、デッキ枚数に関係なくループは成立する。~
 ちなみにこのループは、[[デッキ]]内に[[モンスター]]が存在しない状態でのみ成立する。~
 [[デッキ]]に存在する[[モンスターカード]]は、[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]、[[《サイバーポッド》]]、[[《メタモルポット》]]と、このループパーツの計6枚のみしかないので、上記3枚が[[デッキ]]から移動していれば、[[デッキ]]枚数に関係なくループは成立する。~

***[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]を[[召喚]]する [#a50ec63a]
 その後は[[《聖なる魔術師》]]で無限に[[サルベージ]]される[[魔法カード]]により、[[マッチキル]]への土台を作成していく。~
 まず、[[《ご隠居の猛毒薬》]]等で[[《血の代償》]]に用いる[[ライフ回復]]と、[[バーン]]を行う。~
 [[《死者への手向け》]]等で[[モンスター除去]]をし、[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]で[[直接攻撃]]できる準備を行う。~
 [[《死者転生》]]等で、[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]の[[生け贄]]とする3体の[[モンスター]]を用意する。~

***《ヴィクトリー・ドラゴン》を召喚する [#a50ec63a]
 その後は《聖なる魔術師》で無限に回収される魔法カードによってマッチ勝利への土壌を作成していく。~
 まず、《ご隠居の猛毒薬》等で《血の代償》に用いるライフ回復と、相手ライフへのダメージを与える。~
 《死者への手向け》等で相手モンスターを[[除去]]し、《ヴィクトリー・ドラゴン》で直接攻撃できる準備を行う。~
 《死者転生》等で、《ヴィクトリー・ドラゴン》の生け贄とする3体のモンスターを用意する。~
 最後に、[[《闇の仮面》]]で[[《砂漠の光》]]ではなく[[《竜の血族》]]を回収し、[[《血の代償》]]や[[《太陽の書》]]等で並べた[[表側表示]][[モンスター]]3体を[[ドラゴン族]]扱いにし、[[《血の代償》]]で[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]を[[召喚]]。~
 為す術のない相手に、[[直接攻撃]]を通し、[[マッチキル]]を達成する。~

 最後に、《闇の仮面》で《砂漠の光》ではなく《竜の血族》を回収し、《血の代償》や《太陽の書》などで並べた表側表示モンスター3体をドラゴン族扱いにし、《血の代償》で《ヴィクトリー・ドラゴン》を召喚。~
 成す術のない相手に、直接攻撃を通し、マッチキルを達成する。~
 ~
-[[《聖なる魔術師》]]の代わりに、もう1枚[[《闇の仮面》]]を採用するケースや、[[《混沌の黒魔術師》]]を採用するケースもあった。~
[[《闇の仮面》]]の場合、[[《残骸爆破》]]で[[ダメージ]]を与え、[[《王家の財宝》]]によって[[墓地]]からカードを回収する。~

-《聖なる魔術師》の代わりに、もう1枚《闇の仮面》を採用するケースや、《混沌の黒魔術師》を採用するケースもあった。~
《闇の仮面》の場合、《残骸爆破》でダメージを与え、《王家の財宝》によって墓地からカードを回収する。~
 ~
***その他 [#u40ccc1c]
 何枚もの[[カード]]が必要となる[[コンボ]]なので、無理に早期決着を狙う必要はない。~
 勝負が長引いた時の対策として、[[相手]]の[[ライフ]]を減らしつつ[[《魔力の枷》]]での[[ロック]]を狙うのも良いだろう。~
 [[相手]]の[[ライフ]]が500未満となれば、[[《和睦の使者》]]や[[《クリボー》]]等での反撃も封じられる。~

**デッキ運用に際して [#u40ccc1c]
 《ヴィクトリー・ドラゴン》の直接攻撃が必要であるため、先攻1ターン目からのマッチ勝利は不可能。~
 無理に早期マッチ勝利を狙うのではなく、2〜3ターンかけて決めるつもりでプレイするのも手段の一つ。~
 [[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]での[[マッチキル]]が不可能となった場合、[[【デッキ破壊1キル】]]や[[バーン]][[デッキ]]の戦略に切り替えるのも一つ。~
 しかしこの場合、[[サイドデッキ]]から[[《ネコマネキング》]]等を加えられ、[[マッチキル]]は絶望的になる。~

 相手プレイヤーの妨害によって(ほとんどないが)《ヴィクトリー・ドラゴン》の召喚が不可能になった場合、《手札抹殺》による【三原式】と同じデッキデスや、《ご隠居の猛毒薬》とループパーツによるバーンキル等も可能になっている。~
 しかし、この場合、サイド調整で《ネコマネキング》等を加えられ、マッチキルは絶望的になるだろう。~
 ~
-当時のカードプールでは対策が困難だったが、のちに登場した多くの[[手札誘発]]が[[刺さる]]こと、ループ始動が遅いことなどから[[ノーリミットデュエル>ショップデュエル]]での評価は低かった。~
[[モンスター効果>《エフェクト・ヴェーラー》]]・[[永続カード効果の発動>《幽鬼うさぎ》]]・[[サーチ・リクルート>《灰流うらら》]]・[[墓地利用>《D.D.クロウ》]]・[[戦闘>《速攻のかかし》]]・[[ダメージ>《クリボー》]]…などなど、考えうる限りの[[メタ]]が片っ端から[[刺さる]]のは特に痛い。~

**ルール改定に伴う致命的問題 [#pa2ea4b1]
 公認大会規定の改定に伴い「1ターンに3分以上のプレイ」がジャッジにより厳しく規制されるようになった。~
 そのためほぼ上記のようなループコンボ(一人回し)を長時間行う事が事実上不可能となった。~
 よって、現在【MCV】を公認大会で見かけることは、ほとんど無いだろう。~
 ~
**[[デッキ]]の歴史 [#history]
 [[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]のページでも触れられているが、【MCV】と対峙することになったプレイヤーは脱出不能のループ[[コンボ]]を抜け出すため、しばしば故意に[[デッキ]]を崩すなどの反則行為を行い、その[[デュエル]]を失格になることで[[マッチキル]]を回避する手段をとった。~
 その後[[公認大会規定]]の改定に伴い、「1[[ターン]]に3分以上の[[プレイ]]」がジャッジにより厳しく規制されるようになったため、上記のようなループ[[コンボ]]を長時間行う事が事実上不可能となった。~

**代表的なカード [#bf8f987b]
-《ヴィクトリー・ドラゴン》 
-《メタモルポット》
-《サイバーポッド》
-《カオスポッド》
 また、現在は多くの[[キーカード]]が[[禁止・制限カード]]に指定されている。~
 [[《ヴィクトリー・ドラゴン》]]が一時[[制限復帰]]した事もあったが、当時でもこの[[デッキ]]の再現は不可能であった。~

**関連リンク [#d3ccfb3d]
-デッキ集
**代表的なカード [#keycard]
-[[《ヴィクトリー・ドラゴン》]] 
-[[《メタモルポット》]]
-[[《サイバーポッド》]]
-[[《カオスポッド》]]
-[[《砂漠の光》]]

**関連リンク [#link]
-[[デッキ集]]