【お触れホルス】

デッキの概要

 《ホルスの黒炎竜 LV8》《王宮のお触れ》魔法・罠カードを封殺する、ロックビートダウンの両方の要素を持つデッキ
 ロックという観点からは低いロック強度に分類されるが、一級のビートダウンとしても通用するので、ロックが崩される前に勝利できることも珍しくない。
 《ホルスの黒炎竜 LV8》攻撃力は3000とレベル8としても最高クラスのためほとんどのモンスター戦闘破壊することができる。

《ホルスの黒炎竜 LV8/Horus the Black Flame Dragon LV8》
効果モンスター
星8/炎属性/ドラゴン族/攻3000/守1800
このカードは通常召喚できない。
「ホルスの黒炎竜 LV6」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
魔法カードの発動を無効にし破壊する事ができる。
《王宮のお触れ/Royal Decree》
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、
このカード以外のフィールド上の全ての罠カードの効果は無効化される。

デッキ構築に際して

モンスターカードについて

 まず、デッキの核となるホルスの黒炎竜を各々何体ずつ投入するかを検討する。
 《ホルスの黒炎竜 LV8》通常召喚できないため、採用枚数が多いと手札事故になる恐れが高くなる。
 さらに《ホルスの黒炎竜 LV8》蘇生が不可能なので、破壊されたときのことを考え、《貪欲な壺》等の回収するカードと併用すると良いだろう。
 《ホルスの黒炎竜 LV6》召喚制限が一切なく、優秀な効果を持つため、複数枚投入しても重くはないだろう。
 《ホルスの黒炎竜 LV4》は唯一下級モンスターであるため、手札事故の軽減に役立つ。

 ホルスの黒炎竜以外で採用候補となるドラゴン族モンスターは下記の通り。

  1. 《ホルスの黒炎竜 LV6》を瞬時に展開できる《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》
  2. ホルスの黒炎竜破壊効果から守る《マテリアルドラゴン》
  3. 闇属性光属性モンスター特殊召喚を阻害できる《コアキメイル・ドラゴ》
  4. ドラゴン族専用リクルーターである《仮面竜》
  5. モンスター除去効果を持つ《ボマー・ドラゴン》

 ドラゴン族モンスター以外では万能サーチカードである《クリッター》リバースモンスターを繰り返し除去できる《N・グラン・モール》等を採用すると良いだろう。
 《仮面竜》からサーチできる《炎龍》《デブリ・ドラゴン》を入れてシンクロ召喚をしてもいいかもしれない。
 4枚目以降の《王宮のお触れ》として、《人造人間−サイコ・ショッカー》の採用も考えられるが、手札事故を起こす可能性はさらに高まる。
 他、《王宮のお触れ》を採用する関係上《天罰》カウンター罠での効果モンスター対策ができないため、その一部の対策として《エフェクト・ヴェーラー》《ライオウ》の採用も検討できる。

魔法・罠カードについて

 採用候補となる魔法・罠カードは下記の通り。

  1. デッキの根幹となる《王宮のお触れ》
     《王宮のお触れ》を採用する関係上、罠カードは可能な限り少なくするべきである。
     《王宮のお触れ》以外の罠カードは、《聖なるバリア−ミラーフォース−》《リビングデッドの呼び声》のみでも良いだろう。

  2. ホルスの黒炎竜除去から守るカード
     罠カードの代わりとして、相手攻撃を迎撃できる速攻魔法を多く採用する。
     《死者への供物》などが候補に挙がるが、一部の効果モンスター効果を止めることもできる《月の書》は特に使い勝手がいい。
     他には《収縮》《エネミーコントローラー》などが挙げられる。
     これらのカード戦闘を補助することによって、《ホルスの黒炎竜 LV6》《ホルスの黒炎竜 LV4》のレベルアップに繋ぎやすくなる。
     《禁じられた聖杯》は少ないリスクで厄介なモンスター効果を止められるので非常に強力。
     相手攻撃力を上げてしまうデメリットがある為、《ダーク・アームド・ドラゴン》等に戦闘破壊されてしまう危険性が存在するが、他の速攻魔法をセットするなどして守りを固めておけば問題ない。
     また、《地盤沈下》相手モンスターカードゾーンを使えなくして、相手の行動を完全に封じることも出来る。

  3. ホルスの黒炎竜特殊召喚するためのサポートカード
     デメリットが多い《レベル調整》《レベルアップ!》などで複数回だせるようにするのも良い。
     《次元の裂け目》などの無差別除外カード《大天使クリスティア》などが存在すると、レベルアップを封じられてしまうため、《サイクロン》はもちろん《ナイト・ショット》等の魔法・罠除去も採用したい。

戦術

 ロック状態に持ち込む以前は、《王宮のお触れ》を使った殴り合いが基本となる。
 戦線維持とともに考えるべきなのは、もちろん《ホルスの黒炎竜 LV8》召喚である。
 特殊召喚元である《ホルスの黒炎竜 LV6》が通常の「アドバンス召喚」が可能であり、更に《ホルスの黒炎竜 LV4》のレベルアップからでもサーチできる。
 どちらもレベルアップの条件は、戦闘モンスター破壊するだけであり、状況を上手に把握すれば意外と容易く満たせるだろう。
 《王宮のお触れ》が自然に入るため、相手罠カード戦闘を妨害されてしまうことも少ない。
 もちろん、1枚のディスアドバンテージにこそなるものの、相手デッキタイプに関係なく迅速にレベルアップできる《レベルアップ!》を採用するのも手である。
 ロック後はひたすら《ホルスの黒炎竜 LV8》を守ることに徹する。
 だが《ホルスの黒炎竜 LV8》に対処できる効果モンスターは多く、いつまでもロックが続くとは限らない。
 《ホルスの黒炎竜 LV8》攻撃力も活かし、相手がこのカードに対抗しうる効果モンスタードローする前に決着を着けたい。

デッキの派生

《未来融合−フューチャー・フュージョン》

 ドラゴン族モンスターデッキに多数採用し、《未来融合−フューチャー・フュージョン》《ホルスの黒炎竜 LV6》墓地に送り?《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》蘇生させるとともに、《F・G・D》融合召喚も可能とするデッキ
 ホルスの黒炎竜ドラゴン族であるという長所を生かし、《F・G・D》融合召喚できるので、デッキ攻撃力は飛躍的に向上する。
 《龍の鏡》も強力だが墓地アドバンテージを削ることは《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》と相性が悪いため、《D・D・R》等と併用すると良いだろう。
 《未来融合−フューチャー・フュージョン》禁止カードとなった事で構築不可となった。

【フロフレホルス】

 【お触れホルス】に《氷炎の双竜》を加え、より攻撃的にしたデッキ
 詳細は【フロフレホルス】を参照。

【カウンタービート】

 【お触れホルス】から《王宮のお触れ》を切り捨て、代わりにカウンター罠を採用する事で魔法カード効果モンスターを対策したデッキタイプ。【カウンターホルス】と呼ばれることも。
 昨今では罠カードの採用枚数を抑え効果モンスターを重視するデッキも多く存在するため、《天罰》《神の宣告》《神の警告》効果モンスターへのメタを張る事も有効である。
 《天罰》コストが重いためカウンター罠に限らず、《ブレイクスルー・スキル》《デモンズ・チェーン》などを利用するのも手。
 また、聖刻《反射の聖刻印》を組み合わせる事も考えられる。
 ホルスの黒炎竜自体も、【カウンタービート】で重要となる「場持ちの良いモンスター」であるため、相性は中々。
 カウンター罠を多く採用するため《冥王竜ヴァンダルギオン》も採用できる。
 相手が罠カードを多用する場合、サイドデッキカードと入れ替え【お触れホルス】への移行も可能。
 上記の動きは難しいが、罠カードの比率の高さを利用し、《成金忍者》《忍者マスター HANZO》を組み込む事も考えれる。
 《忍法 超変化の術》モンスターに強く魔法カードに弱い傾向があり、またホルスの黒炎竜などのリクルート手段にもなるため強いシナジーが見込める。

《竜魔人 キングドラグーン》

 《竜魔人 キングドラグーン》効果ホルスの黒炎竜対象にとる効果から護り、手札から《ホルスの黒炎竜 LV6》等を展開出来る。
 上記デッキが登場するまでは採用されることも多かった。
 《神竜 ラグナロク》《融合呪印生物−闇》から手軽に特殊召喚出来、《龍の鏡》から2体目の展開も容易だった。
 《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》シンクロ召喚の登場により、現在はほとんど採用されなくなった。

デッキの弱点

 このデッキのコンセプトは「魔法・罠カード使用不能にする」ことであり、効果モンスターが必然的に弱点となる。
 《ホルスの黒炎竜 LV8》《我が身を盾に》等で守ることが必要となるが、万能除去カード《ダーク・アームド・ドラゴン》や手札に戻す《N・グラン・モール》等、天敵となる効果モンスターは非常に多い。
 これら全てから《ホルスの黒炎竜 LV8》を守ることは現実的でないため、崩される前に勝負を決める必要がある。
 また、【フルモンスター】には大した抑制にならない点にも注意したい。ただでさえ特殊召喚の手段は豊富に用意されており、《ガガガガンマン》《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》で戦闘破壊されてしまう。  《ホルスの黒炎竜 LV8》《王宮のお触れ》が揃っていても問題なく魔法・罠カード発動させ、効果によって自身の攻撃力《ホルスの黒炎竜 LV8》戦闘破壊出来る《The splendid VENUS》も天敵中の天敵である。
 《異次元の女戦士》除外する、《月の書》裏側守備表示にして《ホルスの黒炎竜 LV8》戦闘破壊する、《禁止令》でプレイさせなくする等の方法で対処したい。

 《マクロコスモス》等の無差別除外カードが存在すると、レベルアップの際にホルスの黒炎竜を墓地に送れずレベルアップが止まってしまう。

デッキの変遷

 かつて強力な効果モンスターが少なかった頃は、大会でも上位に食い込める優秀なデッキだった。
 「かつて」というのは、現在ではカードプールの変化によりホルスの黒炎竜では封じることができない効果モンスターに優秀な物が数多く存在しているからである。
 はじめのうちは天敵も《N・グラン・モール》制限解除された《D.D.アサイラント》くらいだったため、《レインボー・ヴェール》で防御が可能だった。
 しかし、現在は《裁きの龍》《ダーク・アームド・ドラゴン》シンクロモンスター等、攻撃を介さない除去効果モンスターが多数登場し、仮に《ホルスの黒炎竜 LV8》を出すことができても以前ほどの制圧力は期待できない。
 他、罠カードの採用率低下によって、《王宮のお触れ》の効果が薄くなることも挙げられる。
 「あえて除去対策カードを入れず、スピードアップ・後続特殊召喚の容易化を図る」「《王宮のお触れ》を切り捨て、【カウンタービート】寄りにする」という選択も頭の隅においておきたい。

 現在は構築できないが、【デビル・フランケン】に【お触れホルス】を加えた、【フラホルス】というデッキも存在した。
 ロック1ターンキルの2つの戦術を備えたデッキだった。

サンプルレシピ

代表的なカード

関連リンク