お互いの魔法カードの発動を封印する《魔封じの芳香》を軸としたコントロールデッキ。
《魔封じの芳香/Anti-Spell Fragrance》 永続罠 このカードがフィールド上に存在する限り、 お互いに魔法カードはセットしなければ発動できず、 セットしたプレイヤーから見て 次の自分のターンが来るまで発動できない。
《魔封じの芳香》の効果は、対戦相手だけでなく自分にも及ぶため、自分のデッキが影響を受けないように魔法カードを少なくする必要がある。
その削った分に、魔法カードの代わりとなる効果モンスターや罠カードを採用することがデッキ構築で注意すべき点である。
特に、セットさせた魔法カードを破壊できる《サイクロン》や《大嵐》の代用となるカードの採用は必須となる。
魔法・罠除去効果を持つモンスターの中で汎用性が高いのは《魔導戦士 ブレイカー》である。
次点では、《オオアリクイクイアリ》や《イナゴの軍勢》等が有力である。
《魔封じの芳香》同様、魔法・罠カードのセットを強要できる《神鳥シムルグ》も相性が良い。
これを採用する場合風属性モンスターが必要となるので、《疾風鳥人ジョー》や《女忍者ヤエ》等相性の良いものを選択しよう。
罠カードが主体となる性質上、フィニッシャーとして《神炎皇ウリア》を採用するのも面白い。→【神炎皇ウリア】
《魔封じの芳香》により、相手の手札から魔法カードが減りやすいことから、《マジック・ドレイン》とは相性がいい。
相手の魔法カードを封印する戦術を徹底させることもでき、重要度は高い。
また、罠カード版の《サイクロン》である《砂塵の大竜巻》は、代用カードの筆頭になるだろう。
面白いところでは、複数の魔法・罠カードを無力化できる《心鎮壷》が有効活用できる。
構築難度は上がるものの、ここから【コスモロック】のギミックを採用しても良い。
《魔封じの芳香》が自分にも影響を及ぼす点から、魔法カードは少な目、あるいは採用しなくとも良い。
採用するのであれば、ドロー系カードや、魔法カードが少ないことを生かせる《異次元の境界線》等を優先する。
一時的にロックを解除し、自分だけ自由に行動する手段として《ハリケーン》は最も相性が良い。
【ハーピィ】の要素を取り入れ、《ハーピィの狩場》で次々と伏せ除去を行う。
《ハーピィの狩場》の発動条件であるハーピィの召喚には、《ドラゴンフライ》や《万華鏡−華麗なる分身−》、《ヒステリック・パーティー》等を使う。
エンドサイクならぬエンド《心鎮壷》が決まれば、罠カードであろうともチェーンさせずに破壊できる。
固定対象の無くなったこのカードは、《霞の谷のファルコン》や《疾風鳥人ジョー》等で再利用するといい。
伏せる枚数を少なくすれば破壊されやすく、多くするとロックされてしまう状況に相手は悩むことになるだろう。
また、都合の悪いカードは《ゴッドバードアタック》で対処ができる。
前述の通りハーピィにはサポートカードが豊富なので、コストには困らない。
《有翼賢者ファルコス》や《神鳥シムルグ》等のトリッキーなカードも採用しやすい。
ただし、このデッキは全体的に攻撃力が低めなので構築には一工夫が欲しいところ。
《魔力の枷/Chain Energy》により、更にバーンの要素も取り込んだデッキ。
お互いのプレイヤーは自らのライフを計算しながらデュエルを進めなければならない。
《ハリケーン》を上手いタイミングで使えば、自分のみ制約なしで動ける。
《ダーク・シムルグ》と《魔封じの芳香》で、魔法・罠カードの使用を一切封じる。
【アロマダムルグ】と呼ばれ、一度決まれば【お触れホルス】並のロックがかかる。
《ダーク・シムルグ》の召喚条件上、デッキを構成するモンスターは風属性と闇属性に絞られる。
それぞれのリクルーターである《ドラゴンフライ》と《キラー・トマト》は墓地を肥やす役目もあるので、そこから展開できるモンスターを採用していきたい。
また、これらのリクルーターには対応しないものの、《有翼賢者ファルコス》と《死霊騎士デスカリバー・ナイト》はシナジーが見込める。
手札から効果を発動しつつ墓地を肥やす《ハーピィ・クィーン》や《D.D.クロウ》も優秀。
墓地を肥やしながらドロー加速できる《手札抹殺》等も相性が良い。
既にセットされたカードには《砂塵の大竜巻》、モンスター効果には《我が身を盾に》等で対処したい。
また、《ダーク・シムルグ》が風属性・鳥獣族でもあるため【アロマハーピィ】と混ぜても違和感は無い。
この他、相性の良いカードは【ダーク・シムルグ】も参照。
ネタの領域だが、《おジャマ・キング》・《地盤沈下》・《生贄封じの仮面》を用いれば、非常に強固なロックが完成する。
一部のカードでロックを崩せるが、そのカードが必ず入っているとも限らない。
ただしキーカードがあまりにも多く、手間がかかりすぎる。
《魔封じの芳香》は魔法カードにチェーンしてもその発動を止められない。
このため、《サイクロン》をチェーンされるのが最も痛い。
《賢者ケイローン》や《氷帝メビウス》、《砂塵の大竜巻》等の魔法カードではない魔法・罠除去によって対処される可能性もある。
《神の宣告》や《偽物のわな》等で、他の罠カードも含めて十分守れるようにしよう。
また、魔法カードを止めると言っても1ターン遅延できるだけで、その間に対処できなければ何の意味もない。
自分で自分の首を絞めないよう、よく考えたプレイングを目指そう。
この他、魔法カード軸のデッキには無類の強さを誇るこのデッキも、魔法カードを手札から発動しない【ダイヤモンドガイ】へのメタにはならない。
《魔封じの芳香》の登場は古く、第2期の中頃(Thousand Eyes Bible −千眼の魔術書−の発売直前)である。
現在では禁止カード級の魔法カードが環境に数多く存在していた頃は、注目されていたデッキである。
《魔力の枷》と組み合わせた【アロマ・チェイン】は、当時有名なデッキだった。
しかし、デッキ・カードプールの変遷によって環境が変わり、直接的な魔法封じが増えた事で、このデッキは相対的に弱体化している。
現在では、《イナゴの軍勢》のような恒久的な魔法・罠除去エンジンやセットを封じる《ダーク・シムルグ》のサポートとしての運用が多い。