お互いの魔法カードの発動を遅延する《魔封じの芳香》を軸としたコントロールデッキ。
《魔封じの芳香/Anti-Spell Fragrance》 永続罠 (1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、 お互いに魔法カードはセットしなければ発動できず、 セットしたプレイヤーから見て次の自分ターンが来るまで発動できない。
《魔封じの芳香》の効果はお互いに適用されるため、自分のデッキが影響を受けないように魔法カードを少なくする必要がある。
その削った分に、魔法カードの代わりとなる効果モンスターや罠カードを採用することがデッキ構築で注意すべき点である。
特に、セットさせた魔法カードを破壊できる《サイクロン》や《大嵐》の代用となるカードの採用は必須となる。
魔法・罠除去効果を持つモンスターの中で汎用性が高いのは《魔導戦士 ブレイカー》である。
次点では、《オオアリクイクイアリ》や《イナゴの軍勢》等が有力である。
《魔封じの芳香》同様、魔法・罠カードのセットを強要できる《神鳥シムルグ》も相性が良い。
これを採用する場合風属性モンスターが必要となるので、《疾風鳥人ジョー》や《女忍者ヤエ》等相性の良いものを選択したい。
罠カードが主体となる性質上、フィニッシャーとして《神炎皇ウリア》を採用する構築も存在する。
詳細は【ウリアロマ】を参照。
《魔封じの芳香》により、相手の手札から魔法カードが減りやすいことから、《マジック・ドレイン》とは相性がいい。
相手の魔法カードを封印する戦術を徹底させることもでき、重要度は高い。
また、罠カード版の《サイクロン》である《砂塵の大竜巻》は、代用カードの筆頭になるだろう。
面白いところでは、複数の魔法・罠カードを無力化できる《心鎮壷》が有効活用できる。
構築難度は上がるものの、ここから【コスモロック】のギミックを採用しても良い。
《魔封じの芳香》が自分にも影響を及ぼす点から、魔法カードは少な目、あるいは採用しなくとも良い。
採用するのであれば、ドロー系カードや、魔法カードが少ないことを生かせる《異次元の境界線》等を優先する。
【ハーピィ】の要素を取り入れ、《ハーピィの狩場》で次々と伏せ除去を行う。
《ハーピィの狩場》の発動回数を増やすには《ハーピィ・レディ》の特殊召喚手段を確保する必要があるが、《万華鏡−華麗なる分身−》・《スワローズ・ネスト》等の魔法カードは《魔封じの芳香》との相性が悪い。
《ハーピィ・チャネラー》・《ハーピィ・ダンサー》・《ヒステリック・パーティー》等を利用して、《ハーピィの狩場》の発動回数を増やしたい。
召喚後の《ハーピィ・レディ》は、《電光千鳥》等のエクシーズ召喚に繋げたり、《ゴッドバードアタック》等のコストにすることで、更に多くの除去が可能となる。
《魔封じの芳香》と同じく魔法カードのセットを強要する《神鳥シムルグ》も、ハーピィとサポートカードを共有できることから採用しやすい。
魔法・罠カードを封印する《心鎮壷》とも相性がよく、再利用手段である《霞の谷のファルコン》も無理なく採用できる。
《魔力の枷》により、更にバーンの要素も取り込んだデッキ。
お互いのプレイヤーは自らのライフを計算しながらデュエルを進めなければならない。
【アロマダムルグ】とも呼ばれる。
《ダーク・シムルグ》と《魔封じの芳香》で魔法・罠カードの使用を一切封じ、一度決まれば【お触れホルス】並のロックがかかる。
《ダーク・シムルグ》の召喚条件上、デッキを構成するモンスターは風属性と闇属性に絞られる。
カテゴリ単位で見ると、属性・種族のサポートカードを共有できるハーピィ・BFや、《忍法 変化の術》でリクルートできる忍者が相性がいい。
単体のモンスターでは、《ドラゴンフライ》・《キラー・トマト》・《召喚僧サモンプリースト》等のリクルーターや、モンスター効果メタである《死霊騎士デスカリバー・ナイト》が採用候補。
墓地を肥やしながらドロー加速できる《手札抹殺》等も相性が良い。
既にセットされたカードには《砂塵の大竜巻》、モンスター効果には《ブレイクスルー・スキル》等で対処したい。
この他、相性の良いカードは【ダーク・シムルグ】も参照。
ネタの領域だが、《おジャマ・キング》・《地盤沈下》・《生贄封じの仮面》を用いれば、非常に強固なロックが完成する。
一部のカードでロックを崩せるが、そのカードが必ず入っているとも限らない。
ただしキーカードがあまりにも多く、手間がかかりすぎる。
《魔封じの芳香》は魔法カードにチェーンしてもその発動を止められない。
このため、《サイクロン》をチェーンされるのが最も痛い。
《魔導戦士 ブレイカー》や《氷帝メビウス》、《砂塵の大竜巻》等の魔法カードではない魔法・罠除去によって対処される可能性もある。
この他、魔法カード軸のデッキには無類の強さを誇るこのデッキも、魔法カードを手札から発動しない【ダイヤモンドガイ】へのメタにはならない。
魔法カードを止められるのは1ターンだけなのでその間に対処したい。
《神の宣告》や《宮廷のしきたり》等で、他の罠カードも含めて十分守れるようにしたい。
《魔封じの芳香》の登場は第2期の中頃(Thousand Eyes Bible −千眼の魔術書−の発売直前)である。
強力な魔法カードが環境に数多く存在しており、メタとして注目されたデッキである。
《魔封じの芳香》と《魔力の枷》を組み合わせた【アロマ・チェイン】は、その中でも有名なデッキである。
しかし、デッキ・カードプールの変遷によって環境が変わり、直接的な魔法封じが増えた事で、このデッキは相対的に弱体化している。
現在では、《イナゴの軍勢》のような恒久的な魔法・罠除去エンジンやセットを封じる《ダーク・シムルグ》のサポートとしての運用が多い。