アロマを中心とした【植物族】デッキ。
ライフゲインをトリガーとする効果や自分のライフが相手のライフを上回っている場合に得られる効果を持っているのが特徴であり、それ故にライフ・アドバンテージが重視される。
元来コントロール色が強い長期戦タイプのデッキではあるが、リンクモンスター・融合モンスター・シンクロモンスターを軸とするビートダウンの動きも行う。
なお、当wikiでは《魔封じの芳香》を中心としたデッキ【アロマ・コントロール】が存在する。
ただしこれはアロマカテゴリが登場するよりも遥か十数年前に作られたデッキであり、このデッキとは関係無い。
区別を意識して、こちらのカテゴリおよびデッキ名は【アロマージ】と呼ばれる事もある。
《アロマリリス−ロザリーナ》 チューナー・効果モンスター 星1/闇属性/植物族/攻 0/守 0 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):自分・相手ターンに、このカードを手札から捨て、 自分フィールドの「アロマ」モンスター1体を対象として発動できる。 そのモンスターの攻撃力の半分だけ自分のLPを回復する。 (2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。 デッキからチューナー以外の「アロマ」モンスター1体を特殊召喚する。 この効果の発動後、ターン終了時まで自分は植物族モンスターしか特殊召喚できない。
《アロマセラフィ−ジャスミン/Aromaseraphy Jasmine》 リンク・効果モンスター リンク2/光属性/植物族/攻1800 【リンクマーカー:左下/右下】 植物族モンスター2体 このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):自分のLPが相手より多い場合、 このカード及びこのカードのリンク先の植物族モンスターは戦闘では破壊されない。 (2):このカードのリンク先の自分のモンスター1体をリリースして発動できる。 デッキから植物族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。 (3):1ターンに1度、自分のLPが回復した場合に発動する。 デッキから植物族モンスター1体を手札に加える。
《アロマブレンド》 通常魔法 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):手札を1枚捨てて発動できる。 手札・デッキから「潤いの風」「渇きの風」「恵みの風」のいずれか1枚を自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く。 (2):墓地のこのカードを除外して発動できる。 自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材として除外し、 植物族の融合モンスター1体を融合召喚する。 自分のLPが相手より多い場合、自分の墓地の植物族モンスターを除外して融合素材とする事もできる。
《潤いの風/Humid Winds》 永続罠 このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 (1):1000LPを払って発動できる。 デッキから「アロマ」モンスター1体を手札に加える。 (2):自分のLPが相手より少ない場合に発動できる。 自分は500LP回復する。
ライフポイントを回復することと、自分のライフを相手より常に上に保つことが重要になるため、ライフゲインカードを多めに採用したい。
また、アロマモンスターは《アロマポット》以外は植物族であるため植物族のサポートカードも優先的に採用できる。
長期戦を得意としやすいデッキのため、時間稼ぎとなるカードや相手の動きを牽制できるカードとも相性が良い。
―アロマモンスター
《アロマポット》以外は全て植物族である。
また、《アロマリリス−ロザリーナ》《アロマセラフィ−アンゼリカ》《アロマポット》以外は「ライフが自分の方が多い場合の効果」と「自分ライフが回復した場合に発動する効果」を共通して持つ。
―相性の良い植物族モンスター
種族サポートをアロマと共有できる。
―それ以外に相性の良いモンスター
必須カードと呼べるものはあまりないが、アロマモンスター5種、ライフ回復効果を持つもの、回復を活かせる《エンシェント・ホーリー・ワイバーン》などは入れておきたい。
―植物族
―植物族以外
《アロマリリス−ロザリーナ》の効果の発動後は特殊召喚制限がかかることに注意。
―アロマのサポートカード
アロマ名称を持つカードは《アロマリリス−ローズマリー》、3種の永続罠は《アロマセラフィ−スイート・マジョラム》・《アロマブレンド》のサーチにそれぞれ対応している。
―それ以外の相性の良いカード
ライフをコンスタントに回復できるようにしておくことと、ライフを極力相手より上になるように保っておきたい。
その状態でアロマモンスターやアロマサポートカードの効果でフィールドの状況が有利になるようコントロールしていくことを狙う。
ただライフ・アドバンテージだけでは勝利に直結しないため、どの様な形で相手のライフを削っていくのかは構築の段階で明確にしておきたい。
アロマを中心に、様々な植物族を採用した種族デッキ。
植物族しか特殊召喚できなくなる制約を持つ代わりに、1枚からあらゆる植物族にアクセスできる《アロマリリス−ロザリーナ》が追加されたことで本流となった。
採用するモンスターらは【植物族】等も参照のこと。
《アロマリリス−ロザリーナ》の汎用性の高さから、他の植物族カテゴリとの混合構築も容易である。
アロマとライフ回復カードを中心とした構築。
旧来の純構築がこれに該当する。
アロマとサポートカードでコントロールしつつ、《アロマージ−ベルガモット》や《エンシェント・ホーリー・ワイバーン》でビートダウンする。
チューナーや特殊召喚できるカードを多く採用し、シンクロ召喚に特化した構築。
《潤いの風》や《アロマセラフィ−ジャスミン》で素材となるモンスターをサーチでき、《恵みの風》で素材にしたアロマシンクロモンスターを蘇生&植物族シンクロモンスターをエクストラデッキに戻して再利用できる。
《フルール・ド・バロネス》と《恵みの風》でシンクロ素材を蘇生することで、《フルール・ド・バロネス》を何度もシンクロ召喚できるのも特徴。
メインデッキのカードだけでもアドバンテージの獲得手段が豊富であることを利用した、コントロール寄り【メタビート】の構築。
《一回休み》や《サモンリミッター》などで特殊召喚を、《マクロコスモス》や《王家の眠る谷−ネクロバレー》などで墓地利用を阻害する。
こちらは《アロマージ−ジャスミン》で召喚権を得て特殊召喚せずに展開できるので、一方的にメタを押し付けられる。
扱いは非常に難しいが《能力吸収石》も候補で、相手ターンでも相手が動く前に回復しアロマの効果を発動することで、相手だけ効果を封じることができる。
戦闘に関しても耐性を持つ《アロマポット》の他、《アロマージ−ローズマリー》・《アロマージ−カナンガ》・《アロマガーデン》で有利に進められる。
相手ターンの除去は《渇きの風》で賄える。
回復手段がなければ(《アロマポット》を除き)戦闘で特別有利にはならないので、《命削りの宝札》などのドローソース、《スクリーン・オブ・レッド》などの手軽に時間を稼げるロックカードの採用も考えられる。
通常よりも更に《サイクロン》等魔法・罠除去に弱くなるため、カウンター罠や《スターライト・ロード》なども欲しい。
《ビッグバンガール》を中心とした【キュアバーン】との混合デッキ。
相手の攻撃を止められるロックカードを多く採用した構築となる。
また《ビッグバンガール》の特性上、一度に大きなライフを回復するカードでは無く、コンスタントにライフを回復できるカードを採用したい。
墓地のカードを除外して戦線を維持するインフェルノイドと、除外をトリガーに回復する《魂吸収》を採用した型。
インフェルノイドの展開、相手の墓地除外の両方がアロマのトリガーとなり、アドバンテージの獲得が狙える。
サイキック族に回復効果を持つカードが複数存在することに着目した構築。
サイキック族をリクルートできる《緊急テレポート》を起点に、レベル3サイキック族やP.U.N.K.モンスターを使って展開力を補う。
アロマカードで回復することで、ライフコストを支払って発動するサイキック族の効果も使いやすくなる。
レベル3を主軸にした場合、《サイコウィールダー》&《サイコトラッカー》を絡めて《アロマセラフィ−スイート・マジョラム》に繋ぎやすくなる。
植物族では《バラガール》や《捕食植物オフリス・スコーピオ》&《捕食植物ダーリング・コブラ》が組み込みやすい。
【P.U.N.K.】との混合にした場合、《Jo−P.U.N.K.Mme.スパイダー》経由でP.U.N.K.罠カードを構えながら戦うことができる。
《No−P.U.N.K.フォクシー・チューン》や《Jo−P.U.N.K.デンジャラス・ガブ》の回復効果もアロマに活かせる。
レベル11シンクロモンスターにも繋げやすくなり、展開と除去を兼ねる《Uk−P.U.N.K.アメイジング・ドラゴン》や、高打点の《サイコ・エンド・パニッシャー》等が活用できる。
《セリオンズ“リリー”ボレア》が植物族であることを活用した構築。
《円盤闘技場セリオンズ・リング》と《セリオンズ“キング”レギュラス》をセット採用し、アロマに欠けている無効化を構えられる。
ライフ・アドバンテージが優位である状況に加え、植物族アロマとその効果のトリガーとなる回復カードを揃えることで、ようやくデッキが完全に機能する。
これらの要素がひとつでも欠けると、途端にデッキが回転しなくなり、不利な状況を覆すことも困難になってしまう。
展開過程で回復やバーンを行う【プランキッズ】や【WW】を相手にする場合、先攻を取られるだけで著しく不利になる。
当然【トリックスター】のようなバーンを主体とするデッキは苦手で、中でも遭遇率こそ低いものの、【シモッチバーン】は天敵である。
他ならぬ【アロマ】自身も初動でライフ差をつけることに重点を置いているため、ミラーマッチでは先攻側が一方的に有利になりやすい。
アロマをサポートする永続罠を活用して戦うデッキであり、ここに魔法・罠除去を撃たれるだけで機能不全に陥りやすい。
にもかかわらず、永続罠を除去から守る手段や、除去された永続罠を回収する手段がカテゴリ内に存在しない。
永続罠を複数枚積むという間接的な対策はあるものの、そうすると手札事故を招く要因になるという別の問題が浮上する。
素引きしても初動に繋がらないため、基本的にサーチしてくることを前提に採用枚数は抑えられやすい。
相手ターン中に発動する妨害手段のほとんどが強制効果である。
そのため一度回復でトリガーを引くと、各効果が同時に発動してしまい温存ができない。
初動を止められても別のプランで展開できるような相手だと抑え続けることができず苦しい。
効果発動のために回復を挟む必要があるために、相手の効果の同一チェーン上に回復時効果を重ねることができず、対応が常にワンテンポ遅れてしまうのも弱み。
例えば相手に《サンダー・ボルト》を発動され《アロマセラフィ−ジャスミン》が破壊されそうになったとき、対応して(3)のサーチ効果を発動しておく、ということができない。
以上の点から発動の応酬という駆け引きが成立しにくく、フリーチェーン効果で柔軟に立ち回れる他のデッキと比べると対応力で不利がつきやすい。
サーチと特殊召喚を軸にする都合上、それらを止められると厳しい展開になる。
メタカードを出されるのはもちろん、単純に《アロマリリス−ロザリーナ》のリクルート効果を手札誘発等で無効化されるだけでも手詰まりになりやすい。
他の【植物族】同様、永続魔法・永続罠の除去手段がエクストラデッキのモンスターに偏っており、エクストラデッキからの特殊召喚を封じられるのも厳しい。
展開役兼主力となるアロマリンクモンスター・融合モンスターが素材として植物族を要求するため、種族を変更されてしまうと立ち行かなくなる。
《アロマリリス−ロザリーナ》の制約により植物族以外の展開が封じられやすく、エクストラデッキで対策をするという手段も講じにくい。
メインデッキからとれるメタカードへの対策としては、永続魔法・永続罠に対しては《アロマージ−カナンガ》、モンスターに対しては《渇きの風》が存在している。
いずれも即応性に欠けるため、別途汎用的な対策カードをサイドデッキに忍ばせておくことを検討したい。
「クラッシュ・オブ・リベリオン」発売により《アロマポット》《アロマージ−ジャスミン》《アロマージ−カナンガ》《アロマージ−ローズマリー》《アロマージ−ベルガモット》《アロマガーデン》《潤いの風》《渇きの風》が登場。
「インベイジョン・オブ・ヴェノム」発売により《アロマセラフィ−アンゼリカ》《アロマセラフィ−ローズマリー》が登場。
ライフ回復を起点に戦う他に見ない個性が注目され、【キュアバーン】や《魂吸収》を採用した【インフェルノイド】との混合デッキなどが構築された。
新マスタールールが施行され、シンクロモンスターの展開に大きな制約がかかる。
「CHAOS IMPACT」発売により《アロマージ−ローリエ》《アロマージ−マジョラム》《アロマセラフィ−スイート・マジョラム》《アロマガーデニング》《恵みの風》が登場。
「LINK VRAINS PACK」発売により《アロマセラフィ−ジャスミン》が登場。
中継役を獲得したことで【植物族】全体の繋がりと展開力が大幅に強化され、【植物リンク】を生み出すに至る。
その一方で、展開力の乏しさから純系のアロマデッキでは活用に難儀しているのが実情であった。
マスタールール(11期)が施行され、シンクロモンスターの展開への制約が緩和。
《グローアップ・バルブ》禁止期間中は、《アロマセラフィ−アンゼリカ》の存在から【植物族】としては《水晶機巧−ハリファイバー》を活用しやすいという個性が表れた。
《水晶機巧−ハリファイバー》が禁止されるまでは、これを起点にしたシンクロ召喚軸【アロマ】が細々と構築されていた。
11期は「BURST OF DESTINY」でサンアバロン、「DIMENSION FORCE」で捕食植物・森羅、「POWER OF THE ELEMENTS」で六花、「ストラクチャーデッキ−蟲惑魔の森−」で蟲惑魔がそれぞれ強化され、【植物族】全体が大きく底上げされている。
この間、パーツの出張採用はされていたものの、カテゴリ単位での強化を受けなかったアロマは肩身の狭い時期であった。
「PHANTOM NIGHTMARE」発売により《アロマリリス−ロザリーナ》《アロマリリス−マグノリア》《アロマリリス−ローズマリー》《アロマブレンド》《アロマヒーリング》が登場。
【アロマ】としては革命的な展開力・除去能力を獲得し、デッキの軸として十分に機能するようになった。
大幅強化された一方で、他の植物族カテゴリでも見られた「植物族しか特殊召喚できない」という厳しい制約がかかるようになり、これまで以上に種族への依存度が高まった。