インフェルニティと名のついた闇属性モンスターを中心としたデッキ。
その展開力と応用力は群を抜いて高く、現在に至るまで多種多様なデッキタイプが生み出されている。
型にはまった時の強さは凄まじく、2010年前半の環境を代表するデッキとなった。
その後制限強化などの影響でやや落ち込む時期を経るも、2014年の世界大会一般の部ではその展開力を如何なく発揮して、優勝に輝いている。
アクの強いループコンボを生む基盤デッキとしての人気も根強いが、それらの多くは公式ルール(特に時間制限)の都合上ファンデッキに属しやすい。
ほとんどのカードが「手札0枚」という特殊な状況下でのみ使えるものであるため、構築もプレイングもかなり異質なものとなる。
強力な蘇生カードとそれを活かしたシンクロ召喚・エクシーズ召喚が基本になるため、いかに手札を0枚にしつつ墓地を肥やすかが肝となってくる。
本項では、源流であるシンクロ召喚を軸とするタイプ(以下シンクロ型)と、派生系であり現在の主流構築であるエクシーズ召喚軸のタイプ(以下エクシーズ型)について解説する。
《インフェルニティ・デーモン/Infernity Archfiend》 効果モンスター 星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守1200 (1):手札が0枚の場合にこのカードをドローした時、 このカードを相手に見せて発動できる。 このカードを手札から特殊召喚する。 (2):このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。 デッキから「インフェルニティ」カード1枚を手札に加える。 この効果は自分の手札が0枚の場合に発動と処理ができる。
《インフェルニティ・ネクロマンサー/Infernity Necromancer》 効果モンスター 星3/闇属性/悪魔族/攻 0/守2000 このカードは召喚に成功した時、守備表示になる。 また、自分の手札が0枚の場合、このカードは以下の効果を得る。 1ターンに1度、自分の墓地から「インフェルニティ・ネクロマンサー」以外の 「インフェルニティ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。
《煉獄龍 オーガ・ドラグーン/Void Ogre Dragon》 シンクロ・効果モンスター 星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守3000 闇属性チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上 自分の手札が0枚の場合、1ターンに1度、 相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。 その発動を無効にし破壊する。
《インフェルニティガン/Infernity Launcher》 永続魔法(制限カード) 1ターンに1度、手札から「インフェルニティ」と名のついた モンスター1体を墓地へ送る事ができる。 また、自分の手札が0枚の場合、 フィールド上のこのカードを墓地へ送る事で、 自分の墓地の「インフェルニティ」と名のついた モンスターを2体まで選択して特殊召喚する。
インフェルニティは蘇生カードに関しては数・性能共に群を抜いたテーマデッキである。
そのため、それらのカードを活かすべく墓地を肥やすカードを大量に投入するのが特徴。
インフェルニティと相性のよいカードであれば手札コストがあっても気軽に投入できるが、手札が0枚になった時に腐るため、枚数には注意が必要。
有り余る展開力、手札0というリスクから、大量展開による1ターンキルを狙うと効率がよいため、エクストラデッキの選定の重要度も非常に高い。
また、専用の罠カードには優秀なものが多いため、ビートダウン・パーミッションの動きでも高い制圧力を発揮できる。
いずれにせよ、コンボパーツを高速で墓地に揃え蘇生・サーチに繋げる構築が重要となる。
モンスターカードを多く採用すると手札を0枚にする事が困難になるため、枚数は少なめで良い。
上級モンスターは更に事故率が高くなるため、特に理由がないなら採用しない方が良く、採用するならば処理手段を多めにしておきたい。
基本的には必須カードを必要数投入すればそれで充分である。
―キーカードとなるインフェルニティ
主に以下のカードを蘇生カードで使い回し、様々な展開へとつなげるのが【インフェルニティ】の基本戦術となる。
《インフェルニティ・ミラージュ》以外はいずれも蘇生制限がなく、更に専用蘇生カードのほぼ全てが対象のレベルなどを制限していない。
これらはデッキタイプによらずほぼ全てのインフェルニティの補助役やコンボの起点となるため、優先度は高い。
―その他のインフェルニティ
展開に関しては上述したカードでまず問題なく、また下記のカードを運用するにも上記のカードは重要となる。
その他のインフェルニティは、必然的に空きスペースなどを見ながら採用を検討していく「サブパーツ」となる。
尚、エクシーズ召喚型のタイプではレベルの都合や事故率の軽減などの理由から、ほぼ採用されることはない。
―その他のモンスター
効率的に墓地を肥やすことができたり、特殊召喚をサポートできるモンスターを中心に採用される。
素早くデッキを動かして場を固めるには必要不可欠であるが、枚数が多すぎると動きを阻害してしまうため、投入枚数はよく吟味しておきたい。
「手札0枚」というのは本来好ましくない状態であり、当然ながら一度場を空けられると途端に不利な状況になってしまう。
よって、「1ターン内にシンクロモンスター・エクシーズモンスターを複数展開し反撃の芽を摘み取る」ことが【インフェルニティ】の基本戦術となる。
1ターンキルを狙う、あるいはメタ効果持ちと大量の伏せカードで相手の反撃を封じ込めるよう、一気に展開するのが好ましい。
サーチを多用していきたいため、蘇生に《インフェルニティ・デーモン》を組み込める組み合わせでのレベル・ランクが中心となる。
シンクロ・エクシーズ素材の再確保が容易な点から、バウンスしての再利用でもアドバンテージを稼ぎやすく、またそれはエクストラデッキの圧縮にも繋がる。
複数枚使用することで展開を加速させるコンボの要となるモンスターと、1枚の投入で充分機能するコンボパーツがそれぞれ存在しているため、枚数判断が重要となる。
―エクシーズモンスター
2体のモンスターを同時に蘇生する手段が多いデッキではあるが、エクシーズ素材への依存やターン内の回数制限、シンクロ素材にできない、エクシーズ素材が墓地に落ちるのが遅いなど、マイナス要素も多い。
そのため、シンクロ召喚型ではコンボに用いるケースを除き、最低限の採用となる。
一方エクシーズ召喚軸のタイプではチューナーを採用しないため、ランク3・4のエクシーズモンスターを中心として構築される。
上記の問題から、能動的にエクシーズ素材を処分する方法を持ったモンスターが採用されることが多い。
―融合モンスター
《簡易融合》を用いて特殊召喚することで展開のサポートを行える。
《フュージョニスト》や《アンデット・ウォーリアー》を投入することによってランク3エクシーズモンスターの展開補助を行うこともできる。
シンクロ型【インフェルニティ】の最大の持ち味は、《インフェルニティ・デーモン》と各種蘇生カードによる凄まじいまでの展開力である。
蘇生とサーチを繰り返して1ターンで大量のモンスターを展開するのだが、後述のコンボ紹介でも解説するように手札1枚からの大量展開も難しくない。
「最低限の墓地さえ整えていれば劣勢時でもカード1枚から逆転できる」という事もこのデッキの大きな強みである。
《インフェルニティガン》・《インフェルニティ・ミラージュ》は2体のモンスターを同時に蘇生できる。
《インフェルニティ・デーモン》とチューナーを蘇生すれば、サーチを行いつつシンクロ召喚に繋げる事が可能。
《インフェルニティ・ネクロマンサー》も組み合わせれば、より高いレベルのシンクロモンスターも召喚できる。
エクシーズ素材が2体のエクシーズモンスターも種族・属性などの指定がない限り自由に使用が可能。
その性質から、相手に手をつけさせないまま一方的な展開が可能となる場合も多い。
このコンボを成功させるためには墓地を肥やす必要があるが、コンボパーツは少なく、1ターンで準備が整う事も多い。
また、手札を0枚にする点も、モンスターカードなら手札コストに、魔法・罠カードならセットするだけで条件を満たせる。
ただし、手札を0枚にする以上、相手の妨害によって建て直しが困難になる事も少なくない。
特に《インフェルニティガン》は、《サイクロン》等によっても阻止されてしまうのが痛いところ。
相手が多くのカードをセットしている場合は極力動かず、《大嵐》等の伏せ除去を引くまで待つのも一つの手である。
一方で待っている間に妨害カードを補充される可能性もあるため、どのタイミングでコンボを開始するかがデッキを動かす上で非常に重要になる。
手札が0である都合上メタの張り合いにもつれ込むとジリ貧になりかねないので、場合によっては多少不完全な墓地や手札であっても、早めに動いたほうが良いことも少なくない。
相手が重点的にシンクロ召喚にメタを張る場合、インフェルニティサポートを生かしたビートダウンに戦法を変えるなどの手もある。
かつては《氷結界の龍 ブリューナク》と《インフェルニティ・デーモン》を用いたループによる1ターンキルが主力だった。
しかし、禁止・制限カード/2012年9月1日にて《氷結界の龍 ブリューナク》が禁止カードとなり、現在は不可能となっている。
下記のコンボを利用することで、手札0の状態からでも連続してアドバンテージを稼いで行くことが可能となる。
墓地に3体が揃っていれば良いため簡単に狙っていくことが可能。
このコンボが成功すると《インフェルニティ・バリア》や《インフェルニティ・ブレイク》が増えていき、例えライフが削りきれなくても反撃の芽を摘み取る事ができる。
初動からさらに墓地を随時補充していくことで、シンクロ召喚のレベルの幅やコンボ選択肢を拡大しつつ動いていくことも可能。
さらにこのコンボは非常に応用力が高く、覚えてしまえば様々な派生ループへと応用し柔軟に使用することが可能となる。
シンクロモンスターを複数並べつつ除去を行えれば、一気に8000を超えることも容易であり、そのまま押し切ることができる。
また、同時に罠カードも充実しているため、たとえ倒しきれなくとも相手の反撃は難しくなる。
そのため、可能な限り1回でも多くサーチ・特殊召喚を行えるよう、その方法を発展させ使いこなすことが重要である。
シンクロ召喚軸のデッキ構築は「どのチューナーを採用するか」で主に以下の2種類に分けられる。
《インフェルニティ・インフェルノ》で墓地を肥やしつつ、《インフェルニティ・ビートル》を用いたシンクロ召喚で制圧していく。
現在は、《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》《インフェルニティ・ブレイク》の布陣を早期に敷くのが主な戦術。
【インフェルニティ】登場当初の主流構築であり、《インフェルニティガン》と《氷結界の龍 トリシューラ》を連打することで脅威の爆発力を誇った。
現在はどちらも制限カードだが、レベル8、レベル9のシンクロモンスターを状況に応じて呼び出すことができるため、根強い人気がある。
下記の《インフェルニティ・リベンジャー》軸、エクシーズ型と比較して初動が遅く、墓地依存度が高いこと、事故率もやや高めであることが弱点。
上記の大量展開コンボを有し、《インフェルニティ・ビートル》軸よりも爆発力を上げた構築。
レベル8のシンクロモンスターの特殊召喚に長けており、《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》、《インフェルニティ・デス・ドラゴン》、《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》の三体をスムーズに出すことができる。
《インフェルニティ・リベンジャー》の効果によって、戦闘破壊に関してもかなりの耐性を持つのが特徴。
この構築からチューナーを抜き、デッキとしての安定性と環境への適応力を高めたのが、現在のエクシーズ召喚型である。
《インフェルニティ・ビートル》軸と比較して初動が早く事故率は低いが、爆発力はやや低め。
《インフェルニティ・リベンジャー》が除外などで使用できなくても、エクシーズ召喚主体に切り替えてある程度戦うことができる。
《インフェルニティ・リベンジャー》軸をベースに、チューナーを採用せず、ランク4のエクシーズ召喚を連発する事に特化した構築。
採用されるインフェルニティは動きの核となる《インフェルニティ・デーモン》と、それを使いまわす《インフェルニティ・ネクロマンサー》のみ。
その分コンボに必要なカードが少ないため、シンクロ型と比較して素早く、安定した初動を行えることが特徴。
ランク3・4のエクシーズモンスターを連続して特殊召喚し、サーチした多数の《インフェルニティ・ブレイク》《インフェルニティ・バリア》によって相手の反撃を封じ込め、返しのターンで勝負を決める事に主眼を置いている。
対応力の高いランク4エクシーズモンスターを連続して出すことができることが最大の強みであり、カードプールの充実に伴い主流となっていった。
現在は《ラヴァルバル・チェイン》の禁止化により下記をはじめとするコンボは不可能になり、大幅に弱体化している。
下記のコンボを利用することで、先攻から強力な布陣を敷くことができる。
【ジャンクドッペル】や【魔轟神】などと異なりドローでその後の展開が変わることがないため、デッキ内の《ヘルウェイ・パトロール》の枚数や初手のカードから、「そのターン中に自分がどのくらい展開できるのか」を事前に想像して動かすのが望ましい。
例)初手に《ブリキンギョ》(《俊足なカバ バリキテリウム》でも代用可)・《ダーク・グレファー》・《ヘルウェイ・パトロール》、他の手札が魔法・罠カードの場合
手札に加える《インフェルニティ・バリア》や《インフェルニティ・ブレイク》は他の手札の内容で枚数を調整するとよい。
また、《FNo.0 未来皇ホープ》は相手によっては残す選択肢もある(上記のプレイングにおいて破壊したのは《激流葬》の対策のため)。
他に《簡易融合》や《ソウル・チャージ》などが手札にあった場合はさらに強固な布陣を敷くことができる。
インフェルニティには大量展開以外の目的についても優秀な効果を持ったカードが存在する。
シンクロ召喚を狙わない場合通常の【インフェルニティ】と大きく異なる構築になる。
手札消費の激しいパーミッションのドローソースとして《インフェルニティ・リローダー》を採用した構築。
召喚したターンにドローができるほか、インフェルニティかつ戦士族なのでサーチや蘇生が非常に容易であり、安定した運用が可能。
手札コストが容易に確保できるが手札が0でなくてはいけないため、発動条件のあるカウンター罠より《サンダー・ブレイク》等のフリーチェーンの除去の採用が優先される点が【パーミッション】と異なる。
《インフェルニティ・リローダー》によってドローが比較的安定するため《死者への供物》などのデメリットを軽減できる。
ループは難しいが【パーミッション】としては高い展開力と安定性を持ち、《インフェルニティ・バリア》等の強力な除去やメタが刺さりにくいことも強み。
ただし《インフェルニティ・リローダー》の効果で自らライフを削るためライフをコストにするカードの投入と発動タイミングには注意。
長期的に手札を0にする必要性上、一時的にセットしたカードを守るため、通常のタイプでは発動機会の限られる《スターライト・ロード》も検討しておきたい。
いかに早く《インフェルニティ・リローダー》を展開するかが重要になるため《増援》や《トゥルース・リインフォース》などの採用も検討できる。
サイドデッキでシンクロ召喚主体の物から切り替える戦術も存在する。
毎ターン《ハンドレス・フェイク》で手札を0枚にし《サイバーデーモン》の効果でドローしてエクゾディアパーツを揃えるデッキ。
もう一つキーカードとなるのが《インフェルニティ・ガーディアン》で手札が0枚の時、破壊されない効果とそこそこのステータスを持ち強力な壁モンスターとして機能する。
詳しくは該当ページ参照。
《ゾンビキャリア》《D−HERO ディアボリックガイ》等の闇属性を採用し、【シンクロダーク】のギミックを取り入れた派生型。
上記2枚や《フォトン・ストリーク・バウンサー》の存在から、通常の【インフェルニティ】でカバーしにくい手札誘発をある程度強引に突破する事ができる。
手早く《D−HERO ディアボリックガイ》を手札に加えるために、《E・HERO エアーマン》《ヒーローアライブ》の採用も検討したい。
暗黒界とインフェルニティを組み合わせたデッキタイプ。
《インフェルニティ・インフェルノ》は効果で手札のカードを捨てるので暗黒界と相性がよく、またどちらも悪魔族中心で《暗黒界の門》も共有できる。
最終的にはインフェルニティによるシンクロ召喚ループを狙うが、カードが揃うまでに《暗黒界の龍神 グラファ》によるビートダウンで相手の除去の浪費や戦線の維持が可能。
この構築であれば暗黒界とコンボできる《手札抹殺》はインフェルニティを墓地へ送ることにも役立つが、通常の【インフェルニティ】では相手に大きなアドバンテージを与えかねないので採用されない。
エクシーズ型をベースにM・HEROの要素を取り込み、《M・HERO ダーク・ロウ》の特殊召喚を狙いとした構築。
2014年の日本代表決定戦で優勝した実績を持ち、非常に高い制圧力を持っていた。
メインデッキに採用するHEROは《マスク・チェンジ》・《マスク・チェンジ・セカンド》をサーチできる《E・HERO シャドー・ミスト》、展開補助と《M・HERO アシッド》を特殊召喚するための《E・HERO バブルマン》、デッキからリクルートするための《ヒーローアライブ》のみである場合が多く、本来HEROデッキの核である《E・HERO エアーマン》すら採用されないことが多い。
インフェルニティに搭載されている墓地肥やしギミックを利用して《E・HERO シャドー・ミスト》を墓地へ送り、《ソウル・チャージ》などで蘇生する動きや、《召喚僧サモンプリースト》でリクルートする動きが一般的だった。
全盛期には3枚積まれた《ソウル・チャージ》によって《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》と《M・HERO ダーク・ロウ》、インフェルニティモンスターと《インフェルニティ・バリア》・《インフェルニティ・ブレイク》を先攻で並べることもでき、相手に文字通り「何もさせない」ことさえ可能となっていた。
14/10/01によって、《召喚僧サモンプリースト》・《ソウル・チャージ》が制限を受けたため弱体化し、デッキの動きを安定させることが難しくなった。
一時期は主流構築となっていたものの、現在は再びエクシーズ召喚型が主体に戻っている。
【イグナイト】にインフェルニティの要素を加え、1ターンでの制圧を狙う構築。
初動の動きをイグナイトに任せることでエクストラデッキにレベル4・レベル3のイグナイトを溜めこみ、手札の《インフェルニティ・デーモン》と同時にペンデュラム召喚、そのまま《ラヴァルバル・チェイン》に繋げるなどして展開する。
展開をペンデュラム召喚によって行えるため、他の構築と比較して通常召喚の重要度が低い。
そのためペンデュラム召喚を行った後、イグナイトのペンデュラム効果で《E・HERO ブレイズマン》をサーチし、通常召喚することができる。
弱点としては、事故率の高さと、相手に対するメタカードを積みにくいことが挙げられる。
イグナイトが手札に偏って展開を阻害する他、エクシーズ型では脅威になりにくい《幽鬼うさぎ》にも弱くなる。
初動をペンデュラム召喚に依存するため、《神の宣告》、《神の警告》、《奈落の落とし穴》などを受けるとリカバリーが利かないことも多い。
デッキ枚数のかなりの部分をイグナイトに割かなければならないためメタカードの投入が難しく、初動に失敗した時の耐久力はエクシーズ型よりも格段に低い。
制圧力は折り紙つきだが、総じて上級者向けの構築と言えるだろう。
相手のフィールドをいくら除去しても手札から発動できる《D.D.クロウ》・《エフェクト・ヴェーラー》などが最大の弱点で、場合によってはこちらは壊滅的な打撃を受けることもある。
モンスター効果を封じコンボを不可能にする《スキルドレイン》やサーチ・シンクロ召喚を妨害する《ライオウ》等も脅威となる。
また、《電光−雪花−》は永続効果でセットされた魔法カード・罠カードの発動を封じるため、《インフェルニティ・バリア》をはじめとする防御が軒並み使用不可能になってしまう。
その上新しくセットすることも不可能になってしまうため、手札を0枚にするのがかなり難しくなる。
まさに天敵のような存在なので、《精神操作》や《地砕き》など、手札から発動できる魔法カードで対策をしておきたい。
蘇生を封じる《王家の眠る谷−ネクロバレー》はもちろん、闇属性メタの《聖なるあかり》は除去できなければモンスターを召喚・特殊召喚できず一方的な展開になりうる。
そして墓地への依存も非常に強いため、《次元の裂け目》等の全体除外カードはいち早く除去しなければならない。
その他手札0枚を強要する関係上、カードのセットを封じる《ダーク・シムルグ》は天敵。
《魔轟神獣ユニコール》も手札枚数調整によってインフェルニティの効果を封じられてしまう。
シンクロ召喚・エクシーズ召喚を多用し、それらの有望な召喚先とキーカードとの種族のバラつきが目立つ都合上、《群雄割拠》等もやや苦手。
《エルシャドール・ミドラーシュ》は特殊召喚の回数に制限を設ける上に破壊耐性まで持っているため、採用率の高い《インフェルニティ・ブレイク》、《奈落の落とし穴》が通用しない。
そのため、相手に一度特殊召喚を許すと苦しい戦いを強いられる。
また、《M・HERO ダーク・ロウ》は《ヒーローアライブ》1枚で出てくる上にこちらの墓地利用・サーチを完全に阻害してしまう。
先攻で出されて処理できなければ勝負にならないので、こちらも対策は必至。
上記の《融合解除》の他、《月の書》などで裏側表示にしたり、《次元幽閉》や《因果切断》などの「破壊を介さない除外」を活用するのもいいだろう。
比較的メジャーなメタとよく刺さるメタのみに絞ってもこれだけの種類があり、非常に多くのカードがメタとなるが、大抵は《インフェルニティ・バリア》をはじめとする優秀なサポートで対処できるため、1戦目で苦戦する事は少ない。
弱点となるカードは多くのサイドデッキで使われているためマッチになると話は変わり、2戦目以降は桁違いの量のメタカードと戦わなければならない。
そのためなるべく確実に1戦目を勝利できる構築をめざし、それ以上にサイドデッキをどう構築するかが重要になるだろう。
マッチの有無を問わず、相手のメタを先読みする判断力とあらゆるメタをいなすだけの構築力を要求されるため、そういった意味では上級者向けのデッキといえるだろう。
当初は奮わなかったが、《インフェルニティガン》等の強力な蘇生カードの出現とそれを生かした連続シンクロ召喚によって一気に躍進。
この時期の環境において使用率の高いデッキの1つで、東日本の選考会では使用率トップとなった。
特に《氷結界の龍 トリシューラ》を並べ除去をしつつ1ターンキルを達成できることが大きな強みだった。
このため《インフェルニティ・ビートル》中心の構築が多く、フィールド圧迫を避けるため《A・O・J ディサイシブ・アームズ》なども採用されていた。
海外では《氷結界の龍 トリシューラ》がなく、代わりに《インフェルニティ・バリア》が存在したため、これをサーチすることに長けた構築が流行した。
制限改訂でキーカードだった《インフェルニティガン》が制限カードとなり、速度が低下。
同時に相性の良かった《氷結界の龍 トリシューラ》も制限カードに指定されたため、これを連打することも不可能になった。
そこで《インフェルニティ・リベンジャー》をメインのチューナーに据え、《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》をはじめとするレベル8のシンクロモンスターを出しやすくしたデッキが流行した。
その展開力は依然健在だったものの、それまで《インフェルニティガン》のサポートにすぎなかった《インフェルニティ・ミラージュ》を主力にせざるを得なくなり、高速で1ターンキルを行う事は難しくなり環境から姿を消した。
新たな展開手段として《虚空海竜リヴァイエール》が登場し、これを利用したコンボが数多く考案された。
これによりこれまで有効活用できなかった除外された《インフェルニティ・ミラージュ》をもループに活用できるようになり、全盛期と同程度の墓地でループが可能になった。
《インフェルニティ・ビートル》と《インフェルニティ・リベンジャー》両方を投入した構築が流行することになる。
一方で両方のチューナーで呼び出せるカードを考慮したエクストラデッキの構築が必要になり、極端なレベルの偏りから以前に増して余裕がなくなっていることが見て取れる。
新たなサポートとして《インフェルニティ・ジェネラル》と《インフェルニティ・バリア》が登場し、これまで対策の難しかった手札からの妨害に対抗する手段を得て、大幅に強化された。
《ラヴァルバル・チェイン》と《ダイガスタ・エメラル》はループコンボに高い安定性を付与し、《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》という強力な切り札の登場で、ループに頼らずとも安定して戦えるようになったのである。
《インフェルニティ・バリア》の存在から【リローダーパーミッション】も大会で通用するようになった。
デッキ自体は大幅に強化され、大会でも再び見られるようになった反面、ORDER OF CHAOSの発売以降台頭した【甲虫装機】に対するメタが【インフェルニティ】にも刺さったため、大会では確たる結果を残せなかった。
主なシンクロ召喚先とされていた《氷結界の龍 トリシューラ》が禁止カードとなった。
これにより、【インフェルニティ】はレベル8シンクロモンスター・ランク4エクシーズモンスターを軸にした構築に移行することになる。
《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》などを使ったビートダウン、《ヴェルズ・ウロボロス》を使い回すループなど、新しいカードプールによる進化も見られる。
《氷結界の龍 トリシューラ》はこちらの墓地を除外するメタカードの筆頭でもあったため、ただ一方的に弱体化したというわけでもなかった。
長年、ループコンボのキーカードだった《氷結界の龍 ブリューナク》が禁止カードとなり、ループコンボによる大量展開は難しくなった。
これにより、シンクロ素材縛りのある《氷結界の虎王ドゥローレン》を用いたループコンボ型にシフトするため、既存のタイプを大きく崩す構築が開発された。
またあるいは、1ターンキルよりも《煉獄龍 オーガ・ドラグーン》を軸に据えた、伏せカードとビートダウンによる制圧を主眼とした動きが求められるようになった。
更に、チューナーを一切採用しないエクシーズ型への移行も進んだ。
《氷結界の龍 トリシューラ》が13/09/01に制限復帰し、PREMIUM PACK 16では相性の良い《魔王龍 ベエルゼ》も登場したため、シンクロ召喚を使ったデッキが強化された。
一方でエクシーズモンスターの種類も更に増えたので、チューナーを使用しないデッキタイプもかなりの力をつけたことにより、デッキの幅が更に広がったと言える。
コレクターズパック−伝説の決闘者編−にて登場した《ソウル・チャージ》により大きく強化され、再び環境でも顔を見せる程の強さへと返り咲く。
制限強化により、《終末の騎士》を複数採用していたデッキは変更を余儀なくされた。
ネクスト・チャレンジャーズで登場した《FNo.0 未来皇ホープ》により、展開パターンの増加とフィールド圧縮を同時に行うことができるようになった。
一方、ストラクチャーデッキ−HERO's STRIKE−の新規カードを加えた【HEROインフェルニティ】が東日本代表の座を射止め、話題をさらった。
8月の世界大会では、一般の部で優勝と3位、ジュニアの部でも3・4位に輝いている。
また、9月に発売したEXTRA PACK −KNIGHTS OF ORDER−で登場した《旧神ノーデン》により、《簡易融合》と併せて採用することで、デッキ内のモンスターの枚数減による展開力向上が可能となった。
日本代表決定戦で優勝し、世界大会も制したものの、インフェルニティのカードには規制はかからなかった。
その一方で、《ソウル・チャージ》、《召喚僧サモンプリースト》が制限強化されたため、トップ環境からは退く形となった。
しばらく流行していた【HEROインフェルニティ】は上記の2枚の規制で安定していたデッキの回転が難しくなり、使用者が減少した。
これにより、主流は再びエクシーズ型となった。
《簡易融合》が制限強化され、《旧神ノーデン》を複数枚採用する意義は薄くなった。
弱体化したものの、他のデッキも同じく弱体化しており、《ブリキンギョ》や《俊足なカバ バリキテリウム》など代替モンスターの存在もあり、相対的にはそれほど被害はなかった。
15/10/01にて、《簡易融合》が無制限カードに戻された一方で、《旧神ノーデン》は禁止カード入り。
それに頼る構成は消滅したが、勢力を拡げるEMとの混成を進めた【EMインフェルニティ】も伸長する。
敵に回すと厄介な《M・HERO ダーク・ロウ》も、《E・HERO シャドー・ミスト》の規制強化により間接的にパワーダウンし、総体としての被害は小さいと言える。
必須カードとも言うべき《ラヴァルバル・チェイン》が禁止カードとなってしまったため大幅弱体化。
エクシーズ召喚を基本とする型は根本から構築を見直す必要が生じている。