カウンターで相手のモンスター除去を無効にしながら戦うビートダウンとパーミッションの中間とも言えるデッキ。
別名クロック・パーミッション(ダメージ源であるモンスターを保持し、パーミッションを行うの意)。
簡単にいえば、効果除去を重点的にアンチした展開型ビートダウンである。
攻撃力の高いモンスター等戦闘に強いモンスターを展開、さらに相手のモンスター除去をカウンター罠で無効にするという戦術をとる。
そうやって効果・戦闘による破壊からフィールド上のモンスターを維持することで効率よく攻撃をしかける。
1ターンに1度のモンスターの通常召喚や攻撃といった行動の権利を大事に守るデッキとも言える。
カウンター罠によってモンスター除去を無効にし、ボード・アドバンテージを得る。
しかし、コントロールデッキとしてカード・アドバンテージを失うカウンター罠は諸刃の剣。
ビートダウンとしてもボード・アドバンテージを失う生け贄が必要なカウンター罠は使いにくい。
そのため、ノーコストあるいはライフコストのみで済むカウンター罠を使うことが、カード消費と事故率を下げる意味で有効。
手札コストのカウンター罠は生け贄よりましだが、投入するならば【パーミッション】にした方が無難。
ガチガチに守り切ろうとするのではなく、軽量のカウンター罠でビートダウンを補助する程度に思った方が良い。
ノーコストのカウンター罠としては《魔宮の賄賂》《八式対魔法多重結界》《マジック・ドレイン》が採用候補である。
相手がドローするデメリットこそあるが、《魔宮の賄賂》は罠カードにも対応しているので汎用性が高い。
攻撃を通すための補助としては他2枚よりも上である。
《八式対魔法多重結界》はモンスターを対象にとる魔法カードと1:1交換できる。
速攻魔法の《エネミーコントローラー》、《収縮》、《突進》を1:1交換で無効にできる。
通常魔法の《洗脳−ブレインコントロール》や《精神操作》も防げるので、相手のアドバンス召喚やシンクロ召喚の対策にもなる。
もう一つの効果で、魔法カード1枚を墓地に捨てる?事で、モンスター除去を含めたあらゆる魔法カードに対応できる。
制限カードの《地砕き》にはディスアドバンテージだが、《ライトニング・ボルテックス》とは1:1交換が可能。
《マジック・ドレイン》は条件付きではあるが、1:1交換で魔法カードを無効にできる。
相手が魔法カードを捨てれば無効にできないため不安定であり、発動しても確実にモンスターに守れるカードではない。
しかし、相手の魔法カードを浪費させた場合には《魔宮の賄賂》や《八式対魔法多重結界》よりも強力な魔法対策になる。
ライフコストのカウンター罠としては、《神の宣告》《盗賊の七つ道具》が採用候補である。
前者はその対応範囲の広さといつでもコストを払う事ができる強みがあり、後者は前者よりも軽いコストで罠カードに対応できる。
ビートダウンの召喚や攻撃をカウンター罠で守るデッキなので、場持ちの良いモンスターを採用した方が良い。
ステータスの高いモンスターや、戦闘耐性を持ったモンスターの方が、自分のカードの効果で守る必要がなくなるので扱いやすい。
下級モンスターは主要なアタッカーとリクルーターがこれに該当する。
ステータスが低く、場持ちしないモンスターはこのデッキとは相性が悪く採用しない方が良い。
(リバース効果モンスターや《ならず者傭兵部隊》《クリッター》等。)
ステータスが高いが場持ちしない《死霊騎士デスカリバー・ナイト》やステータスが低いが場持ちする《魂を削る死霊》は採用されることもある。
場持ちするモンスターを採用すれば、上級モンスターをアドバンス召喚させることも容易。
ステータスの高い上級モンスターをフィールドに出せば、戦闘で負けることもない。
帝モンスター等アドバンス召喚に成功した時に効果を発動する上級モンスターとの相性はいい。(【パーミッション帝】?)
また、カウンター罠を使うデッキのフィニッシャーとしては《冥王竜ヴァンダルギオン》の採用も悪くない。
ビートダウンするには十分の攻撃力を備えているため、カウンター罠による防御で一気に攻めることができる。
カウンター罠以外でも、効果を無効にしたり、対象を外す魔法・罠カードを採用するのが良い。
しかし、ボード・アドバンテージを重視するため、リリースが必要な《フィッシャーチャージ》等のサクリファイス・エスケープは相性が悪い。
有効なのは《ディメンション・マジック》《地霊術−「鉄」》のようにフィールドのモンスターが減らないものである。
効果によるモンスター破壊を無効にする《我が身を盾に》や、対象を外せる《月の書》《強制脱出装置》が有効である。
《奈落の落とし穴》が流行しているなら《収縮》も対策になる。
モンスター除去を無効にできる前提なら、装備魔法や《鎖付き爆弾》《鎖付きブーメラン》等の装備カードも活躍できる。(【鎖ビート】【装備ビート】)
カウンター罠を多用するので《魔導師の力》の強化能力も向上する。
また、魔法・罠除去を使って速攻魔法や罠カードの発動前に除去したり、発動タイミングをずらす戦術もある。
効果を無効にするのではなく間接的に発動させない、もしくは発動を無意味にさせるのである。
無制限カードでは《砂塵の大竜巻》《撲滅の使徒》《おとり人形》あたりが良い。
ただし、フリーチェーンの《強制脱出装置》や《サンダー・ブレイク》には、あまり意味がない。
《聖なるバリア−ミラーフォース−》や《激流葬》といった発動のタイミングが固定されているカードに有効。
【除去ガジェット】や【不死武士ターボ】?といったモンスター除去を積んだデッキに相性がいい。
どちらも手札補充に優れているが戦闘による破壊には無防備でモンスター除去に守りを任せているからである。
自分のモンスターを守ることにスロットを割いた分、相手のモンスターを効果によって破壊するカードが少なくなる。
相手のモンスターを戦闘によって破壊するのが得意な反面、破壊されないモンスターを苦手にする。
基本的に自分のフィールドにモンスターがないと相手はモンスター除去を発動できない。
それに自分が合わせるカウンターも相手がモンスター除去を撃って来ないと発動できない。
故にモンスターカードが存在しないとカウンター罠が腐るのである。
手札やフィールドのモンスターが少ない時に安易に召喚や攻撃を行わないようなプレイングが必要である。
カウンター罠でモンスター除去に対応しないとジリ貧になる。
強力な単体除去である《地砕き》の制限解除は痛い。
《八式対魔法多重結界》で2:2交換できる《ライトニング・ボルテックス》より厄介だからである。
また、《破壊輪》の禁止カード化によって《神の宣告》《盗賊の七つ道具》《我が身を盾に》が使いやすくなった。