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魔法・罠カードを全く入れず、モンスターカードのみで構築したデッキの総称。
モンスターを全く投入しないデッキである【ドローゴー】とは正反対の位置にあるデッキである。
このデッキのポイントとなるのは、1ターンに1回という召喚回数の制限によって余ってしまう手札の活用方法。
ただ手札を消費すれば良いというわけではなく、有効に利用して行かなければ一般的なデッキと渡り合うことは難しい。
主な活用方法としては、手札からの特殊召喚、手札をコストとして捨てるカード、手札から捨てることで効果を発揮するカード、等。
また、モンスターカードの中には魔法・罠にはない、墓地で効果を発動するモンスターが数多く存在する。
これらのカードを使うことによって、一般的なデッキとも渡り合える可能性を秘めたデッキとなる。
相手の魔法・罠除去カードや魔法・罠カードを妨害するカードを完全に腐らせる事ができるのが大きな特徴である。
いわゆる必須カードすら入れない徹底的な構築で、相手の《大嵐》《サイクロン》《魔宮の賄賂》などはブラフ程度の意味しかなさない死に札となる。
投入するモンスターによって、細かくはビートダウン・ハイビート等の多種多様なデッキタイプに分類できる。
(詳細はデッキの派生参照)
このデッキの特徴として、自分フィールドには魔法・罠カードがなく、相手に奇襲をかけさせないために《冥府の使者ゴーズ》や《トラゴエディア》等が重要なカードとなることが挙げられる。
特に《トラゴエディア》は自身の効果で特殊召喚が可能な上に、手札をコストとして捨てることで得られる強力な効果も持っているため、このデッキに最も適したカードと言える。
《冥府の使者ゴーズ/Gorz the Emissary of Darkness》 効果モンスター(制限カード) 星7/闇属性/悪魔族/攻2700/守2500 自分フィールド上にカードが存在しない場合、 相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、 このカードを手札から特殊召喚することができる。 この方法で特殊召喚に成功した時、 受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。 ●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」 (天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。 このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。 ●カードの効果によるダメージの場合、 受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。
《トラゴエディア》 効果モンスター 星10/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ? 自分が戦闘ダメージを受けた時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。 このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の枚数×600ポイントアップする。 1ターンに1度、手札のモンスターを墓地に送る事で、 そのモンスターと同じレベルの相手フィールド上に 表側表示で存在するモンスター1体のコントロールを得る。 また1ターンに1度、自分の墓地に存在するモンスター1体を選択し、 そのターンのエンドフェイズ時までこのカードは 選択したモンスターと同じレベルにする事ができる。
根本として、デッキの全てのカードがモンスターカードなので、どのカードを取捨選択するかの駆け引きが重要。
デッキ構築の際は特に、モンスターに関しての幅広い知識が必要となる。
このため、最初にデッキの主軸を決めてしまうのが無難。
デッキの基本的な構築として、上記で述べたように手札の利用方法を考える必要がある。
当たり前だが、モンスターの通常召喚は1ターンに1回まで。
デッキの全てがモンスターで占める為、何らかの形で手札を消費しなければ、手札の殆どが腐る形となり、危険。
《トラゴエディア》が居る場合は有意義に働くが、普段からそれでは押し切られる事必至な為、ここでは有効なモンスターを紹介する。
また、手札の消費とは関係ないが、墓地で効果を発動するモンスターを以下に紹介する。
これ以外にもまだ選択肢の幅は多いので、デッキタイプにあったモンスターを採用すると良いだろう。
魔法・罠カードによるサポートがないため特殊召喚がメインであり、召喚制限のあるモンスターは使いづらい。
そして、このデッキではドローするカードが必ずモンスターカードなので、《D−HERO ダッシュガイ》は非常に効果を発揮しやすい。
その他の攻撃要員として 《次元合成師》が挙がる。
上記の特殊召喚モンスターに比べると攻撃力は低いが、デッキの上が絶対にモンスターである事を生かし、例えそのターン内で罠などにより破壊されても後続が出て来るのである。
相手フィールドの魔法・罠カードを破壊できるモンスターの候補としては、《氷帝メビウス》・《ライトロード・マジシャン ライラ》・《ライトロード・ハンター ライコウ》・《グレイブ・スクワーマー》・《ギガンテス》などが挙げられる。
《グレイブ・スクワーマー》・《ギガンテス》は「戦闘破壊」という条件こそあるが、《スキルドレイン》発動下でも魔法・罠カードを除去できる。
こちらは魔法・罠カードを投入しないため、《マジック・キャンセラー》《人造人間−サイコ・ショッカー》の永続効果による妨害は相手にのみ掛かる事となる。
《王宮の弾圧》や《スキルドレイン》等の永続罠は《結界術師 メイコウ》で対策することもできる。
相手の手札破壊やウイルスへの対策として、暗黒界・《ネフティスの鳳凰神》などを投入し、逆襲を狙う構築も面白い。
特に《ネフティスの鳳凰神》は一度召喚されたら場持ちが良く、デッキの構成上自分への被害がないため、このデッキでは特に優秀。
しかし、上級モンスターである以上、むやみに投入しすれば手札事故の心配があるため、サイドデッキ向きと言える対策法である。
なお、このデッキと対戦した場合、上記の通り相手は手札に《サイクロン》や《大嵐》が腐る事となる。
そこで《トイ・マジシャン》を魔法&罠カードゾーンに伏せることにより、これらのカードを勝手に消費してくれ、さらにこちらのアドバンテージにもなりうる。
一部のロックの場合、こちらが伏せる事で相手に都合の良い展開になる事ももあるが、相手を驚かせるには面白いカードである。
特殊召喚が軸なので特殊召喚を封じる魔法・罠カード・効果モンスターの効果に非常に脆い。
モンスター効果が唯一であり最大の頼りなので、《神の宣告》や《天罰》のようなカウンター罠カードにも弱い。
また、《スキルドレイン》や《天罰》に対して殆ど対策を打てない。
墓地からの特殊召喚に頼るデッキ構築の場合、除外傾向のデッキが弱点になりやすい。
また、デッキの性格上《大寒波》が非常に活きるのだが「全てモンスター」という縛りがあるため、使用する事ができないのも一つの弱点といえる。
闇属性・悪魔族モンスターと光属性・天使族モンスターを軸としたデッキ。
最終的な目的は、《天魔神 ノーレラス》の効果を使用し、その後のドロー勝負に持ち込むこと。
確実にモンスターをドローできるため、展開を有利に持っていくことができる。
また《天魔神 インヴィシル》の魔法・罠カード封印効果は、このデッキとシナジー性が良好である。
強力なロック効果を誇る《ダーク・シムルグ》を軸とするデッキ。
闇属性には、《冥府の使者ゴーズ》・《トラゴエディア》など単体で優秀なモンスターが多く、風属性には《THE トリッキー》や《女忍者ヤエ》などモンスターを墓地に送る?効果を持つモンスターがいる為、高速で《ダーク・シムルグ》を特殊召喚が可能。
また《ダーク・シムルグ》自体の能力も、ビートダウン重視のこのデッキと相性が良いのも特徴。
闇属性モンスターには《クリッター》、《ファントム・オブ・カオス》、《ネクロ・ガードナー》、《ゾンビキャリア》等は墓地が関連するので、《終末の騎士》は必須カード。
手札に来た場合、《ダーク・クルセイダー》や《スナイプストーカー》を入れて置けば能動的に墓地に送れる。
そうして墓地を肥やした後に《カオス・ネクロマンサー》を召喚すれば、かなりの攻撃力が期待できる。
敵の蘇生に対抗するために《D.D.クロウ》も採用の余地がある。
まず《水の精霊 アクエリア》・《フェンリル》の投入が考えれる。リリース及び攻撃要員として、充分な動きを見せるだろう。
また統一した時の利点として《アビス・ソルジャー》や《レクンガ》の効果に飛躍的に恵まれる点も挙がる。
《ジェネクス・ウンディーネ》を採用したシンクロ召喚型では《黄泉ガエル》を墓地に送れる?為、上級モンスターに継ぎやすい。
上級には《氷帝メビウス》が控えている為、他の派生型デッキと比べ、相手の伏せカードに強い点が特徴。
また《黄泉ガエル》や《レクンガ》によりリリース用のモンスターは揃う為、《青氷の白夜龍》のような最上級モンスターも出しやすい。
【地属性】を主軸としたデッキタイプ。
【地属性】には多彩なモンスター種類があり、デッキタイプとしては属性派生型随一の種類を誇る。
構築する際は、軸となる種族を決めるところから始めたいが、単一の種族では今一つ決定力に欠けるので、軸となる種族で構築する事をお薦めする。
また、どの種族であっても《レスキューキャット》、《N・グラン・モール》、《神獣王バルバロス》、《ダンディライオン》辺りは採用候補。
単一の種族に偏らせるのも良いが、【恐竜族】に【獣族】の《魂を喰らう者 バズー》を入れることで《ディノインフィニティ》の攻撃力を加速させることなどができ、他にも【昆虫族】と【植物族】を混合させれば《ギガプラント》の効果を有効に使うことができる。
なお、種族を統一しなくても《砂塵の悪霊》、《E−HERO マリシャス・エッジ》、《モンタージュ・ドラゴン》など、強力なモンスターは存在する。
まず墓地活用モンスターに《風の精霊 ガルーダ》《シルフィード》が挙がる。
風属性に統一する利点として《女忍者ヤエ》・《疾風鳥人ジョー》の効果を発動、《始祖神鳥シムルグ》の召喚がしやすい点が挙げられる。
どうしても切り札に欠けるので、優れたチューナーである《霞の谷の戦士》がいる事を生かし、決定力をシンクロ召喚に頼ることも可能。
その場合、風属性で優秀なシンクロモンスター、《スターダスト・ドラゴン》を忘れずに。
《ドラゴンフライ》からのリクルートによってシンクロ召喚のサポートを行う事も出来る。
また、《ドラゴンフライ》から《アームド・ドラゴン LV3》や《アルティメット・インセクト LV3》をリクルートすることで、上位のモンスターにつなげることもできる。
炎属性で纏める利点として《ヴォルカニック・カウンター》・《怨念の魂 業火》そして《ヘルフレイムエンペラー》の効果を使いやすくすること。
特に《怨念の魂 業火》はそのトークン生成効果や自身の攻撃力が高い点も含め、優秀。
墓地にある程度モンスターが溜まった時の《ヘルフレイムエンペラー》の能力も凄まじい。
優秀な上級には《ホルスの黒炎竜 LV6》《炎帝テスタロス》が揚げられる。
また優秀な最上級には、このデッキと相性の良い《ネフティスの鳳凰神》、場持ちも特殊能力もそこそこの《タイラント・ドラゴン》、奇襲性に富む《竜の騎士》が揚げられるなど、上級、最上級共に選択肢は豊富である。
名称の由来はモンスターコレクションTCGのカード名及びデッキ名である「シルク&ミルク」から。
「シルク&ミルク」は使用する場合、制約によりモンスター(及び当該TCGにおけるもう一種のカード)しかデッキに投入できなくなるカードである。
「デッキ全てがモンスター」という概念自体は古くから存在していた。
遊戯王が始まった頃はアドバンス召喚(生け贄召喚)の概念が存在せず、完全攻撃力重視だったので、このようなデッキも少なからず流行していた時期もあった。
時が経つにつれカードの効果が重視される時代となり、アドバンス召喚という概念が登場してからは瞬く間にこのデッキは姿を消した。
当時としては優秀な効果モンスターも存在せず、「モンスターオンリープレイ」という単なるネタのデッキにすぎなかったのである。
上記の事を踏まえ、環境の変遷を表すようなデッキと言えるだろう。