シンクロ召喚は、フィールドからチューナーとチューナー以外のモンスターを墓地へ送ることで、そのレベルの合計と同じレベルのシンクロモンスターをエクストラデッキから呼び出す召喚法である。
このページでは、シンクロ召喚を行うために有用なモンスターやギミック、汎用性の高いシンクロモンスター、シンクロ召喚を用いるデッキ等を幅広く紹介する。
どの様な形であれ、シンクロ召喚を行うためには3つの注意点がある。
他にはトークンを含むモンスターを特殊召喚するカードや、《精神操作》を筆頭としたコントロール奪取も有用である。
そうしたギミックは【アドバンス召喚】等からも流用できる。
チューナーは、他のモンスターと同時に並べ、シンクロ素材とする事で真価を発揮するモンスター群である。
そのため、自身あるいは他のモンスターを特殊召喚する効果を持っているチューナーはそれだけで評価の対象となる。
何らかの耐性を持つチューナーも同様の状況を作りやすい。
レベル | カード名 | 利点 | 備考 |
1 | 《エフェクト・ヴェーラー》 | 手札から墓地へ送る事で相手モンスターの効果を無効にする | 相手メインフェイズのみ発動可能 |
《ガード・オブ・フレムベル》 | 2000という高い守備力を持つ | 通常モンスター | |
《ハネワタ》 | 手札から捨てる事で効果ダメージを0にする | 相手ターンでも発動可能 | |
2 | 《シェイプシスター》 | 罠モンスター | 1ターンに1枚しか発動できない |
3 | 《X−セイバー エアベルン》 | 高い攻撃力と手札破壊効果を持つ | |
《幽鬼うさぎ》 | 効果の発動に反応してそのカードを破壊する | 1ターンに1度のみ | |
《A・O・J サイクロン・クリエイター》 | 魔法・罠カードをバウンス | 手札コストが必要 | |
4 | 《ヴァイロン・プリズム》 | モンスターカードゾーンから墓地へ送られた時、 装備カードとなって攻撃力を強化できる | ライフコストが必要 シンクロ素材としてもタイミングを逃さない |
《ライトロード・アサシン ライデン》 | 恵まれた種族・属性と高めのステータスを備え、 ライトロードの名を持つ | 1ターンで最大4枚の墓地肥やしが行える | |
《霞の谷の戦士》 | 攻撃力、効果共にアタッカーとして有用 |
素早くシンクロ素材を揃えるためには、他のカードに頼らず自身の効果で特殊召喚できる効果モンスターが重宝する。
―出張要素
少ない消費でシンクロ素材を集めやすいコンボが採用される。
カテゴリに関係なくとも有用であることが多く、採用される。
―リンクモンスター
冒頭に記したように新マスタールールではエクストラデッキからの展開に大幅な制限がかかったため、従来の展開を行いたい場合はリンクモンスターの採用が必要不可欠となっている。
モンスターを特殊召喚するものが中心となる。
他にはコントロール奪取も使いやすい。
ここではシンクロ素材の縛りが緩く、比較的どのデッキでも扱う事ができ、なおかつ性能の高いシンクロモンスターを紹介する。
なお、特に記載がない限り、シンクロ素材は「チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上」である。
チューナーとそれ以外のモンスターの両方がレベル1である必要があり、シンクロ召喚できるデッキは限られている。
また、同じ組み合わせでランク1のエクシーズ召喚も可能である。
―縛りあり
《ジャンク・シンクロン》1枚で出せる最高のレベルである。
レベル4モンスター+レベル1チューナーでも出せ、比較的シンクロ召喚しやすい。
―縛りあり
《レッド・リゾネーター》+下級モンスターや、《レスキューキャット》1枚から出せる最高のレベル。
―縛りあり
ドラゴン族の場合、《デブリ・ドラゴン》1枚でシンクロ召喚できる。
風属性ならば《WW−アイス・ベル》で《WW−グラス・ベル》をリクルートしてシンクロ召喚できる。
また、《ブラック・ボンバー》も1枚でレベル7が出せる。
―縛りあり
シンクロモンスターの質・量ともに充実したレベル。
《召喚僧サモンプリースト》や《カメンレオン》を使えば簡単にシンクロ召喚できる。
―縛りあり
―非チューナーが2体必要
―縛りあり
―縛りあり
いくらシンクロ召喚に特化すると言っても、上述したギミック・モンスターを全て取り入れると言うのは現実的ではない。
「既存のデッキにシンクロ召喚ギミックを取り入れる」形が基本となる。
《思い出のブランコ》等の蘇生カードにより、通常モンスターのシンクロ素材を揃え、シンクロ召喚へとつなげるタイプ。
《戦線復活の代償》を用いることで、シンクロモンスターの蘇生も可能である。
通常モンスターのチューナーは《ウォーター・スピリット》・《ガード・オブ・フレムベル》・《チューン・ウォリアー》・《ジェネクス・コントローラー》・《A・マインド》・《ラブラドライドラゴン》・《ギャラクシーサーペント》らが存在する。
ここからサポートカードを共有できるものや、レベル調整を主眼に選択する必要がある。
《ジェネクス・コントローラー》と《A・マインド》は種族・属性の共通以外にも合計レベルが8であることから《高等儀式術》を用いるデッキにも有効。
蘇生を殆ど行わない例では、《魔の試着部屋》の利用できるレベル3以下のチューナーを交えた【ローレベル】が代表的である。
上記の通常モンスター軸の派生その1。
レベル5で通常モンスターのチューナーである《A・マインド》は《思い出のブランコ》や《黙する死者》等で容易に蘇生でき、《終末の騎士》や《ダーク・グレファー》等で簡単に墓地に用意できる。
その後、《レベル・スティーラー》と併用しレベル5のシンクロ召喚を行う。
また、《アンノウン・シンクロン》や《異次元の精霊》等の特殊召喚しやすいレベル1チューナーを併用する事で、《シューティング・クェーサー・ドラゴン》のシンクロ召喚も狙える。
《アクセル・シンクロン》で《ジェット・シンクロン》を墓地に送れるので、墓地で発動するものも使いやすい。
他のモンスターのレベルを下げて《レベル・スティーラー》を蘇生すれば《A・マインド》と《地底のアラクネー》をシンクロ召喚でき、相手モンスターを除去できる。
《クイック・シンクロン》などと《サイバー・ドラゴン・ノヴァ》を経由して《サイバー・ドラゴン・インフィニティ》になることも出来るが、墓地に《A・マインド》が行かなくなり次の展開を阻害するため注意したい。
通常モンスター軸の派生その2。
こちらはレベルが6で《銀龍の轟咆》にも対応している。
《A・マインド》と違いレベルが6のため《レベル・スティーラー》を使えばそのまま《地底のアラクネー》をシンクロ召喚できる。
《レベル・スティーラー》が墓地へ落とせなくても《ラブラドライドラゴン》と《ラブラドライドラゴン》を墓地へ送るために使った《終末の騎士》や《ダーク・グレファー》だけでも《神樹の守護獣−牙王》をシンクロ召喚することができる。
《終末の騎士》と《ダーク・グレファー》を共有できる《D−HERO ディアボリックガイ》を投入してランク6エクシーズモンスターを狙うのも面白い。
通常モンスター軸の派生その3。
聖刻とドラゴン族チューナー通常モンスターを多く搭載した構築。
《聖刻龍−トフェニドラゴン》らから聖刻上級モンスターと《ガード・オブ・フレムベル》・《ギャラクシーサーペント》・《ラブラドライドラゴン》を展開すれば、レベル6〜8と11〜12のシンクロ素材が即座に整う。
自然と【ドラゴン族】寄りの構築となるので、《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》といったドラゴン族サポートも数枚投入してよいだろう。
また、《ラブラドライドラゴン》を使用することで《アルティマヤ・ツィオルキン》へのアクセスも可能。
《増援》及び《戦士の生還》により、高い柔軟性を持つ戦士族を中心とする型。
《ジャンク・シンクロン》や《切り込み隊長》、《マジック・ストライカー》は《地獄の暴走召喚》との相性も良く、レベル調整にはもってこい。
《ギガンテック・ファイター》と《X−セイバー ウェイン》の効果を活用できるのもポイント。
これらシンクロモンスターを戦士族中心に用いれば、半永久的に自己再生しシンクロ素材に最適な《不死武士》を中心にした構築も可能。
詳しくは【不死武士シンクロ】を参照の事。
《ニトロ・シンクロン》及び《チューニング・サポーター》、チューナーと《精神操作》を共有する《サイバー・ヴァリー》は、《機械複製術》により大量ドローが期待できる。
《キメラテック・オーバー・ドラゴン》の素材である《サイバー・ドラゴン》のシンクロ召喚との相性は勿論、大量展開からの《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の攻撃力増強も望める。
自身は機械族ではないが多くの蘇生対象をもつ《ジャンク・シンクロン》も優秀である。
性質上シンクロンと名のつくチューナーが多く投入される場合があるが、そちらについては【シンクロン】を参照。
《ブラック・ボンバー》は《機械複製術》と相性が良くないので、こちらを主軸とするには工夫が必要。
チューナーが固定されないのが特徴で、場持ちは悪いがシンクロ召喚時に効果を発揮する《ダーク・スプロケッター》や《ファラオの化身》といったカードが扱いやすくなる。
またレベル選択の幅が広く、光属性・地属性・炎属性・風属性は専用リクルーターからレベル1から4までのチューナーを自在に呼び出すことができる。
レベル5以上のモンスターも呼べるので、リクルート効果さえ通ればレベル調整は容易。
シンクロモンスターより、シンクロ素材の能力を活かすデッキといえる。
リクルーターの効果の特性からバトルフェイズ中に素材を揃えることが多いので、《緊急同調》も役に立ちやすい。
《召喚僧サモンプリースト》と《レスキューキャット》を軸にしたタイプは、【レスキューシンクロ】を参照。
多数のサポートカードを有するリゾネーターをシンクロ召喚に用いる型。
レベル1〜3までとレベル選択の幅は広く、《ダーク・リゾネーター》や《クロック・リゾネーター》、《バリア・リゾネーター》等場にモンスターを絶えにくくさせるモンスターも存在する。
《レッド・リゾネーター》の回復効果のおかげで長期戦にも強い。
《シンクローン・リゾネーター》のサルベージ効果で各リゾネーターの使い回しも容易。
《チェーン・リゾネーター》等の効果で複数のチューナーが並ぶことも多い。
他にない利点としては、悪魔族シンクロモンスターを容易に採用できる点、そして《共鳴破》によってシンクロ召喚時のディスアドバンテージを軽減できる点である。
全てのリゾネーターがチューナーなのを考慮し、《イージーチューニング》や《チューナーズ・バリア》等を採用して【チューナー】色を強めてもいいだろう。
シンクロモンスターの中でもレッド・デーモンとの相性がいいので、【レッド・デーモン】軸にされることも多い。
手札こそ必要だが、デッキから墓地に落とす効果が特殊召喚と同義となる。
そのため《おろかな埋葬》や《終末の騎士》等を利用するデッキを中心に、かなりの広範囲にわたり採用できる。
《ボルト・ヘッジホッグ》は上記に加え《異次元からの埋葬》や《王宮の鉄壁》、《リミット・リバース》を共有。
《D−HERO ディアボリックガイ》は《王宮の鉄壁》以外の上記のカードの他、《闇の誘惑》と《終末の騎士》、《ダーク・グレファー》を共有できる。
《馬頭鬼》は《ゴブリンゾンビ》や《生還の宝札》、《生者の書−禁断の呪術−》、《異次元からの埋葬》を共有する等、種族・属性・攻撃力・墓地送り・蘇生・除外と多くの項目に網目のように繋がっている。
【シンクロアンデット】を始め、【ダムドビート】、【バスター・モード】の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》軸など非常に1ターンキル性の高いものが多い事も特徴である。
状況に応じたレベル1〜3のチューナー・非チューナーをリクルートできる《緊急テレポート》を利用した型。
《幽鬼うさぎ》は単体性能が高いため腐りにくく、《調星師ライズベルト》は高レベルの非チューナーとして扱える。
《邪帝ガイウス》を備えた【ダムドビート】では、《緊急テレポート》と《クレボンス》はリリース確保兼墓地調整をこなす。
【コアガジェット】では《ブラック・ローズ・ドラゴン》による《歯車街》の破壊や、《サモンチェーン》のチェーン稼ぎ等ができる。
【サイキック族】に至ってはこれら全てが相互的にシナジーしているといっても過言ではない。
デッキスペースをわずかにサイキック族チューナーに割くだけで多くのデッキに採用できるため、【緊テレ○○】とも呼ばれる。
シンクロ素材の非チューナーにペンデュラムモンスターを使い再利用したり、ペンデュラム召喚でチューナーを展開するなどして、ディスアドバンテージを軽減する型。
【帝コントロール】にシンクロ召喚のギミックを採用する。
シンクロ召喚も帝も、コントロール奪取や蘇生と相性が良いため、サポートカードを共有できる。
チューナーに、戦闘破壊耐性を持つ《クレボンス》やアタッカーとして運用できる《サイコ・コマンダー》、これらのサポートカード・《緊急テレポート》を採用しておけば、アドバンス召喚とシンクロ召喚の両方を狙える。
これに加え、自己再生が可能な《ゾンビキャリア》等の強力なチューナーを追加しても良い。
ただし上級モンスターやサポートカードが多いため、手札事故を引き起こしやすい。
その他、特殊な組み方として【シンクロン】の上級モンスター軸も参照の事。
《スチーム・シンクロン》により、相手ターン中にシンクロ召喚に成功した時の誘発効果を持つシンクロモンスターをシンクロ召喚する変則的な【シンクロ召喚】。
《スチーム・シンクロン》が一種の罠カードに変わり、コントロールデッキの様な動きを基本とする。
相手ターンでのシンクロ召喚を基本としているため、《カードカー・D》や《強欲で謙虚な壺》といった「特殊召喚できない」デメリットや、《シンクロ・マテリアル》といった「バトルフェイズを行えない」デメリットを持つカードをある程度まで無視して使用できる。
さらに、相手ターンでのシンクロ召喚という点から《エフェクト・ヴェーラー》などのタイミングが限定されたメタカードを無視できるという特性も存在し、メタカードへの対応力もそれなりである。
自分ターンでチューナー・非チューナーを用意した状態で、相手ターンに回せることから、《サモンリミッター》・《サモンブレーカー》を自身に影響のないメタカードとして採用することもできる。
《スチーム・シンクロン》は、シンクロンの名を持ち水属性・機械族であるため《調律》から直接的に、《ジェネクス・ウンディーネ》・《スクラップ・リサイクラー》から間接的にサーチが可能である。
《スターライト・ジャンクション》は《スチーム・シンクロン》をリクルートできるだけでなく、相手ターン中のシンクロ召喚によってデッキにバウンスする除去も備えている。
《リビングデッドの呼び声》だけでなく《リミット・リバース》にも対応するため相手ターンに蘇生をすることで奇襲的な妨害も可能となる。
その際、《炎舞−「天キ」》に対応する《TG ワーウルフ》や《増援》に対応する《ドッペル・ウォリアー》も特殊召喚できれば、そのまま非チューナーも用意できる。
《スチーム・シンクロン》を利用するには《リビングデッドの呼び声》・《TG ワーウルフ》などがある状況では墓地へ、《ジャンク・フォアード》などがある状況では手札へ確保すると良い。
これにより必ず相手のターン中いつでも「《スチーム・シンクロン》+非チューナー」が用意できる様にしたい。
《リビングデッドの呼び声》・《リミット・リバース》・《炎舞−「天キ」》がフィールドに残りやすいため、《獣神ヴァルカン》・《霞の谷のファルコン》など【セルフ・バウンス】の要素を組み込むのも良い。
レッド・デーモンの連続シンクロ召喚とそのパワーが特徴のビートダウンデッキ。
多くがシンクロ素材に縛りは無いものの、一部のサポートカードや連続シンクロ召喚のために低レベルのチューナーの採用が基本となる。
それ以外については自由度が高く、デーモン・リゾネーター・シンクロン・ラヴァルといった様々なテーマと相性が良い。
詳細は該当ページを参照。
幻竜族のシリーズモンスター・竜星軸のデッキ。
シンクロモンスターの高めの打点に加え、多くのリクルーターによる戦線維持力と、相手ターン中にシンクロ召喚可能な共通効果で戦術妨害を行うコントロール色が特長。
詳細は該当ページを参照。
シンクロ召喚に繋げるうえで蘇生やリクルート、大量展開を主軸にした構成にする必要があるため、弱点が明確であり以下のメタカードがほぼ全て刺さる。
そのため、それらメタカードが対抗手段が無いまま先攻で出されると最悪詰みかねない。
よって、モンスター及びサポートカードのリクルート能力を活かして大量展開を行うためには、如何にバランスを崩さずに打開策をサイドデッキから投入できるかが鍵となる。
環境次第では《コズミック・サイクロン》や《幽鬼うさぎ》等除去カードの採用も検討したい。
シンクロモンスターは着実に増加しているが、エクストラデッキに15枚という制限がある上、融合モンスター・エクシーズモンスター・リンクモンスターとの兼ね合いもあるため、常に取捨選択を迫られることになる。
投入を諦めるシンクロモンスターが多いほど、柔軟性が乏しくなることには注意したい。
2008年のマスタールール制定と同時に登場したシンクロ召喚はメインデッキに上級モンスターを搭載せずとも強力なモンスターを出せ、カード消費、召喚権の消費も少ないという従来にはない特性を持ち、幅広いデッキに採用された。
その後もアニメ5D'sの放映と共にカードプールが充実していくにつれて多彩なギミックの開発・改良が続けられ、2011年上半期までの環境を席巻した。
2011年下半期〜2013年ではデッキを選ばず採用できる汎用性を持つチューナーやシンクロモンスターが規制された。
2014年〜2017年ではデッキを選ばず採用できる汎用性を持つチューナーが増加した反面、シンクロモンスターのエラッタによる弱体化、汎用性の高いエクシーズモンスターの充実により、環境に対する影響力は相対的に低下。
2017年以降は新マスタールールによってシンクロモンスターを2体以上並べる場合は基本的にリンクモンスターの併用が求められるようになったため、シンクロ召喚のみに特化したデッキは大幅に力が落ちてしまっている。