ジェムナイト(ジェム)を中心に据えた、融合召喚主体のビートダウンデッキ。
各種融合サポートカードはもちろん、属するモンスターは地属性で統一され、通常モンスター・デュアルモンスターが多いことから、【地属性】・【通常モンスター】・【デュアル】のギミック・サポートカードも活用できる。
主要なモンスターが4を中心にレベルが集中しており、特殊召喚手段が豊富なため、エクシーズ召喚も容易に取り入れられる。
その他にも局所的なシナジーを発揮するカードは多い。
取り入れられるギミックの種類が非常に多彩であることが魅力だが、自由度の高さ故に構築難度はやや高めの部類に入る。
方針をはっきりさせないと実力が大きく損なわれることになるため、デッキ構築の手腕が問われるだろう。
《ジェムナイト・フュージョン/Gem-Knight Fusion》 通常魔法 (1):自分の手札・フィールドから、 「ジェムナイト」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、 その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。 (2):このカードが墓地に存在する場合、 自分の墓地の「ジェムナイト」モンスター1体を除外して発動できる。 墓地のこのカードを手札に加える。
メインデッキに入るジェムナイトモンスターの内、4体が通常モンスター、3体がデュアルである。
全体的に岩石族に偏っており、他は通常モンスターとデュアルに1体ずつ炎族・雷族・水族がいる。
各ジェムナイトの採用枚数は、その単独での強さや融合召喚への使い勝手等からデッキのコンセプトに応じて検討したい。
序盤は通常モンスターをサーチ・リクルートしつつ、いかに早く融合召喚の状況を整えられるかが鍵となる。
《ジェムナイト・フュージョン》が手札か墓地に存在しない事には話にならないので《ジェムナイト・フュージョン》のサーチは最優先で行いたい。
《ジェムナイト・フュージョン》を手札に加える他、サルベージコストやデッキ圧縮のため、積極的に墓地のジェムナイトは肥やしておきたい。
中でも《ラヴァルバル・チェイン》や《マジカルシルクハット》等のギミックは重要であり、まずはこれらを決めて布石を作っていく。
墓地が肥え、融合召喚が可能になってからが真骨頂であり、豊富な蘇生・サルベージにより次々と展開をしていくことができる。
ここからは融合召喚がメインになるため《ジェムナイト・フュージョン》の性質上《神の警告》があまり怖くないのは嬉しい所。
《ジェムナイト・オブシディア》・《ジェムナイト・ラズリー》や《ジェムナイト・フュージョン》の各種サルベージにより、消費を抑えつつの展開が可能。
これらを上手く活用し、デュアルの効果使用や、同一ターン内の連続融合召喚等、連鎖的に展開していくこととなる。
ここにサクリファイス・エスケープ・蘇生・帰還のギミックをうまく活用することで、多少の妨害を受けても容易に最適なボード状態を維持することができる。
また、組み合わせやサーチにより融合モンスターの使い分けの融通が利かせやすく、必要に応じた切り替えが狙いやすい。
どれだけ連続して融合召喚を行えるかは、組み合わせや順番次第であり、プレイングや状況判断等の腕の見せ所となる。
うまく展開すればがら空きのフィールドから一気に総攻撃力8000以上を展開することも可能。
その過程に《ジェムナイト・アクアマリナ》・《ジェムナイト・アメジス》や《ジェムナイト・プリズムオーラ》を組み込むことで効率よく除去を行うと良い。
《奈落の落とし穴》一発程度ならそれほどの被害は受けないが、《聖なるバリア −ミラーフォース−》《激流葬》を踏んだりすると洒落にならないので、むやみにやれるだけ展開せず手札やフィールドの状況を見つつ、どの程度展開するか考えたい。
ただし、手札に干渉できる手段がないために、《エフェクト・ヴェーラー》や《バトルフェーダー》による妨害には注意が必要。
《ジェムナイト・フュージョン》を融合の軸として《王宮の弾圧》を組み込んだタイプのデッキ。
一見、融合召喚を軸とするジェムナイトとはアンチシナジーに見えるが、実際には《ジェムナイト・フュージョン》を《王宮の弾圧》で無効化されても、こちらの損失は実質墓地のジェムナイト1枚のみである。
(《ジェムナイト・フュージョン》は墓地のジェムナイトを消費すればすぐに回収でき、融合召喚をする段階では《王宮の弾圧》の効果を使用できないため。)
特に墓地のジェムナイトが肥えた状態や相手のライフが少ない終盤でこの戦術は生きるだろう。
《ジェムナイト・フュージョン》を加えやすくしつつ墓地を溜め込んで素早く状況を整えるために、ライトロードや《カードガンナー》等を活用したい。
ただしその場合、《ジェムナイト・フュージョン》以外の魔法・罠カードが墓地に落ちた場合の対処も重要となる。
また、《ジェムナイト・ガネット》は【メタビート】の基準である攻撃力1900を持ち、《パラドックス・フュージョン》は実質2枚目以降の《神の宣告》の役割を果たす事も注目すべき点だろう。
《ジェムナイト・サフィア》等を除外する流れを築くことは容易なため、《ギョッ!》は比較的狙いやすい。
また、《ジェムナイト・クリスタ》の特殊召喚手段を多めに確保すれば《王者の看破》も投入できる等、採用を検討できる選択肢は幅広い。
必須となる魔法・罠カードが少ないため、メタや除去に使用できるスロットの余地も大きい。
優秀な構築であったが、《王宮の弾圧》が禁止カードとなってしまったことでこの構築は困難になっている。
《神の警告》等はコストの重さに加え使いきりのために長期的な拘束はできず、穴埋めとしての役割は難しい。
ジェムナイトの基本ギミックはそのままに、《ダーク・コーリング》・《E−HERO ダーク・ガイア》を採用した構築。
《E−HERO ダーク・ガイア》は主軸としてではなく、《ダーク・コーリング》により墓地融合の要素を取り込むために採用される。
悪魔族には《スナイプストーカー》をはじめ、融合素材やコンボ以外でも単体で機能させやすいものを主に採用する。
基本的には【ダーク・ガイア】のように高攻撃力を狙わず、3000前後の攻撃力で活用していくので、《ジェムナイト・フュージョン》の除外コストにできない《ジェムレシス》を融合素材にしたい。
また、高攻撃力を求めるなら《ジェムナイト・パール》《ジェムナイト・ジルコニア》等の高攻撃力の岩石族を融合素材にすると良いだろう。
《ジェムナイト・フュージョン》との相性はやや悪くなるが、それでなお墓地融合や帰還で加速させるのがこの構築の目的となる。
なお、《ミラクル・フュージョン》とE・HEROを採用することでも同じような動きが可能だが、幅広い悪魔族からの選択肢も利点となる。
《トーチ・ゴーレム》を《ジェムナイト・パーズ》の的にしつつトークンを何らかのコストに用いる等、コンボ要素を組み込む余地も広い。
《ジェムナイト・アイオーラ》・《ジェムナイト・アンバー》・《ジェムナイト・サニクス》を中心にし、デュアルのサポートカードを採用する構築。
《スーペルヴィス》による展開の加速、《デュアルスパーク》による除去等、高性能なカードは大きな魅力となる。
反面、《ジェムナイト・アレキサンド》や、名前を指定する融合モンスター等使えないカードも多くなるため、バランスには注意が必要。
融合モンスターを名前を指定しない物だけに絞ってしまうのも手か。
また、同じくデュアルである《E・HERO アナザー・ネオス》や、《融合》等を採用することで、E・HEROや《超合魔獣ラプテノス》等も使用できる。
しかし、これらはジェムナイトと特別相性が良い訳ではなく、またエクストラデッキを大きく圧迫してしまう欠点があるため注意が必要。
似た運用がなされる《E・HERO アナザー・ネオス》等と比べ、こちらはデッキの基礎攻撃力が低く、《ジェム・マーチャント》も《オネスト》ほどの影響力がない。
【E・HEROビート】における《超融合》のような決め手にも欠けるため、必ずしもデュアルへの特化が吉のみではないことには留意したい。
《ジェムナイト・フュージョン》が墓地にジェムナイトが存在する限り何度でも回収できることを活かして《大邪神 レシェフ》で相手モンスターのコントロール奪取を何度も行う【高等儀式術】との混合型。
条件さえ揃えば、毎ターン《心変わり》を発動できるのと同じなので強力。
コントロールを奪ったモンスターの処理のために特殊召喚効果のあるチューナーやエクストラデッキに各ランクのエクシーズモンスターを採用する為ジェムナイトの融合モンスターはある程度絞られる。
儀式関連カードも採用する都合上、採用するジェムナイトは《高等儀式術》の効果で墓地へ送ることのできる《ジェムナイト・ガネット》・《ジェムナイト・ルマリン》・《ジェムナイト・サフィア》が基本になる。
《ジェムナイト・フュージョン》とそのサルベージコストを融合召喚以外のために消費するため、融合召喚の機会自体は減ることになる。
《大邪神 レシェフ》以外にも手札の魔法カードコストに特化し、融合召喚の方をサブとすることも考えられる。
また、《ジェムナイト・フュージョン》をいかに素早くサーチするかも課題となる。
《大革命》の発動条件となる3体のモンスターがいずれも通常モンスターで、かつ種族がばらけていることに着目し、サポートカードの共有と融合素材としての利用を目的としたデッキ。
詳しくは当該項目を参照。
融合召喚を主軸にしているために、この戦術が封じられるとかなり厳しい。
よって、特殊召喚を封じる《虚無魔人》・《フォッシル・ダイナ パキケファロ》・《大天使クリスティア》等は天敵である。
ただし、《ジェムナイト・フュージョン》の性質上、《神の警告》等のチェーンを組むメタには強い。
しかし、発動自体が不可能になる《大天使クリスティア》・《虚無魔人》等を出されると、モンスターの展開がほぼ止まってしまうので注意が必要。
また、《奈落の落とし穴》等に対しても無理なく組みこめる帰還カードやサクリファイス・エスケープや罠融合の選択肢は豊富であり、比較的柔軟に対処することができる。
そのため、これら直接的な妨害よりも、《次元の裂け目》・《王宮の鉄壁》・《王宮のお触れ》等、間接的な妨害の方が厳しい場面がある。
《霊滅術師 カイクウ》や《王家の眠る谷−ネクロバレー》は墓地のジェムナイトを除外できないため《ジェムナイト・フュージョン》が回収できなくなってしまう。
また、下級モンスターのステータスは及第点なのだが、切り札となる融合モンスターの攻撃力が全体的に低めである。
《ジェムナイト・ジルコニア》の登場によりこの点はある程度改善された。
さらにジェムナイトは多くが戦闘に関する効果を持っている。
そのため、《次元幽閉》等の攻撃宣言反応型罠カードに引っ掛かりやすいので、それらの対策もしておきたい。
融合召喚が軸になる以上、決められるとたった1枚のカードで大きなディスアドバンテージを負ってしまうからだ。
《ジェムナイト・マディラ》なら対抗できる他、事前に《ジェムナイト・アメジス》で処理できるため、警戒を怠らなければ対処はしやすくなった。
《ジェムナイト・フュージョン》への依存度が高いデッキであるため、これを引けなかったり、《D.D.クロウ》や《転生の予言》等で対処されると厳しい。
2枚目以降を引きやすくすると言う意味でも《ジェムナイト・フュージョン》を早く手札に加えられるように構築しておきたい。
採用率は低いが、《ジェムナイト・フュージョン》を《封魔の呪印》で潰される等、天敵と呼べる存在もあり、サイドデッキの構築も重要となる。