*【ジャマキャン】 [#z0d789a2]
#contents
**説明 [#x2038c9a]
 [[《おジャマトリオ》]]と[[《マジック・キャンセラー》]]を利用した[[ロック]][[デッキ]]。~
 第3期([[ガーディアンの力]]以降)に登場した[[魔法カード]]をアンチした[[メタデッキ]]の一種であり、第2期から存在した[[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]][[デッキ]]の派生種。~
 後の数多くの[[コントロール]][[デッキ]]に影響を与えた[[デッキ]]であり、[[カウンター罠]]が少なかった頃の[[パーミッション]][[デッキ]]とも言える。~
 [[《おジャマトリオ》]]展開からの[[《自業自得》]]等、[[【ロックバーン】]]の基礎とも言える戦術が満載であった。~
 [[《マジック・キャンセラー》]]は生きる[[《王宮の勅命》]]であり、当時規制の緩かった強力[[魔法カード]]に対抗できるカードだった。~

 現在は[[カード]]プールの大きな変化に伴い、コンセプトをそのまま現環境に適応させる事は難しくなっている。~

 《おジャマトリオ/Ojama Trio》
 通常罠(準制限カード)
 相手フィールド上に「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)を
 3体守備表示で特殊召喚する(生け贄召喚のための生け贄にはできない)。
 「おジャマトークン」が破壊された時、このトークンのコントローラーは
 1体につき300ポイントダメージを受ける。

 《マジック・キャンセラー/Spell Canceller》
 効果モンスター
 星5/風属性/機械族/攻1800/守1600
 このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り魔法カードは発動できず、
 全てのフィールド上魔法カードの効果は無効になる。

**[[デッキ]]の性質 [#saa9eee8]
 [[ロック]]して、[[火力]]で相手のライフを0にする[[【ロックバーン】]]の一種。~
 一般的な[[【ロックバーン】]]以上に敵の拘束に主眼を置き、[[バーン]]そのものよりも敵の身動きを封じる事を最優先とする。~
 また、[[【パーミッション】]]と比較すると、自身にも適用される代わりに[[発動]]すらさせないという点で異なる。~
 また、その基本コンセプトの関係上、[[魔法カード]]をあまり採用せず、優先的に[[罠カード]]を使用することになる。~

**[[デッキ]]の構築に関して [#d29854a1]

-敵の動きを封じる
--[[《マジック・キャンセラー》]]~
[[魔法カード]]版の[[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]と言える[[カード]]だが、あちらと比べこの[[カード]]の普及率は極めて低かった。~
これは、当時の環境においては今ほど[[効果モンスター]]の性能が高くはなく、[[禁止カード]]もなかったため、[[魔法カード]]を減らすデメリットが大きかったためである。~
しかし、[[魔法カード]]の重要度が高かったからこそ、この[[カード]]を使用した際の拘束力は大きなものであった。

--[[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]・[[《光の護封壁》]]・[[《拷問車輪》]]~
相手の[[攻撃]]を[[ロック]]する[[カード]]。~
[[バーン]]で削っていくための時間稼ぎだけでなく、[[攻撃力]]の低い[[《マジック・キャンセラー》]]を守るためにも重要な役割を持つ。~
[[《マジック・キャンセラー》]]との併用が前提のため、[[《レベル制限B地区》]]・[[《光の護封剣》]]などの優先度は低い。~

--[[《おジャマトリオ》]]~
相手の[[モンスター]]ゾーンを奪う事で、[[効果モンスター]]による[[ロック]]の突破を封じる。~
同時に、[[《自業自得》]]など相手の[[モンスター]]の数を参照する[[バーン]]とも相性が良く、[[【ロックバーン】]]とほぼ同じ役回りと言える。~

-[[ダメージ]]を与える
--[[《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》]]
[[攻撃]]を封じることが前提ではあるが、[[バーン]]と同時に相手の[[モンスター]]ゾーンを一つ埋めることができる。~
[[おジャマトークン]]と異なり[[生け贄召喚]]に利用される可能性はあったが、[[《魔導戦士 ブレイカー》]]などを出させない妨害としても機能する。~
当時も少なからず有力な[[効果モンスター]]は存在しており、今ほど[[メタ]]が充実していなかったため、相手の[[モンスター]]を[[召喚]]させない重要性は高かった。~

--[[《因幡之白兎》]]・[[《ボーガニアン》]]・[[《デス・コアラ》]]~
[[直接攻撃]]や[[バーン]][[効果]]を持った[[モンスター]]。~
相手を完全に拘束してしまえばその先の時間はあまり気にせずにいられるため、[[ダメージ]]の数字そのものはあまり重要視する必要が無い。~
[[守備力]]が高ければ生存して[[《マジック・キャンセラー》]]の[[生け贄]]になる他、[[ロック]]により相手の[[手札]]が溜まる事も利用できる。~
これらの[[カード]]の選択肢は以降も増加しているが、後述の派生なども踏まえて[[種族]]・[[属性]]などから選択するとよい。~

--各種[[バーン]][[カード]]~
基本的には[[【ロックバーン】]]を参照。~
ただし、あくまで[[魔法カード]]が使えない状態を意識しての選定のため、ほとんどの場合は[[罠カード]]だけを選び取ることになる。~
[[ロック]]の強固さから、[[バーン]]の他に[[《終焉のカウントダウン》]]なども選択肢になるが、[[《マジック・キャンセラー》]]より先に引く必要があるので注意。~

-[[生け贄]]を揃える~
[[《マジック・キャンセラー》]]の[[生け贄召喚]]に加え、[[ロック]]が成立するまでの壁になる。~
[[戦闘]][[耐性]]や[[リクルーター]]の他、[[罠モンスター]]などは、[[《マジック・キャンセラー》]]の有無に関わらず常に活躍できる。~

-[[メタ]]対策~
[[罠カード]]を多用する性質上、[[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]・[[《王宮のお触れ》]]への対策は不可欠であった。~
加えてこの[[デッキ]]では[[魔法カード]]を使えない場面が多く、必然的にこれらは[[効果モンスター]]や[[罠カード]]でまかなう必要がある。~
[[《ならず者傭兵部隊》]]・[[《サンダー・ブレイク》]]・[[《砂塵の大竜巻》]]などは比較的扱いやすい。~
[[《神の宣告》]]・[[《盗賊の七つ道具》]]など[[魔法カード]]以外に対する[[カウンター罠]]も優秀。

**この[[デッキ]]の派生 [#y6a0e5bb]
***【群雄ジャマキャン】[#p6fe8748]
 [[《群雄割拠》]]・[[《おジャマトリオ》]]・[[《マジック・キャンセラー》]]を揃えることで[[罠カード]]を除いた全てのカードを無力化する[[ロック]][[デッキ]]。~
 [[《群雄割拠》]]によって、[[相手]]は[[《おジャマトリオ》]]と同じ[[獣族]]しか出せなくなり、[[自分]]は[[《マジック・キャンセラー》]]と同じ[[機械族]]を主軸にすることになる。~
 構成は[[《ボーガニアン》]]・[[《機動砦のギア・ゴーレム》]]等の[[機械族]][[バーン]][[モンスター]]を採用し、従来の【ジャマキャン】の[[バーン]][[モンスター]]と入れ替える。ロックが決まった状態で[[《ボーガニアン》]]を複数フィールド上に出せれば、かなりのスピードで相手ライフを減らすことができる。~
 [[《群雄割拠》]]によって[[相手]]は[[《おジャマトリオ》]]と同じ[[獣族]]しか出せなくなり、[[自分]]は[[《マジック・キャンセラー》]]と同じ[[機械族]]を主軸にすることになる。~
 構成は[[《ボーガニアン》]]・[[《機動砦のギア・ゴーレム》]]等の[[機械族]][[バーン]][[モンスター]]を採用し、従来の【ジャマキャン】の[[バーン]][[モンスター]]と入れ替える。~
 ロックが決まった状態で[[《ボーガニアン》]]を複数フィールド上に出せれば、かなりのスピードで相手ライフを減らすことができる。~

 昔の[[【スタンダード】]]には[[罠カード]]を採用することが少なく、[[モンスター]]と[[魔法カード]]を[[無効]]にするだけでほぼ[[ロック]]が決まってしまっていた。~
 特に[[《群雄割拠》]]により[[《ならず者傭兵部隊》]]・[[《同族感染ウィルス》]]・[[《魔導サイエンティスト》]]ら直接[[除去]][[モンスター]]や、罠を中心としたロックデッキの天敵である[[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]を封殺できるのが大きい。~
 もちろん複数のカードを利用するためにほころぶことも多く、[[《神の宣告》]]等で[[相手]]の反撃の手を封殺していた。~
 特に[[《群雄割拠》]]で[[《ならず者傭兵部隊》]]・[[《同族感染ウィルス》]]・[[《魔導サイエンティスト》]]といった直接[[除去]][[モンスター]]や、罠を中心としたロックデッキの天敵である[[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]を封殺できるのが大きい。~
 もちろん複数の[[カード]]を利用するために[[コンボ]]瓦解の危険性も上がるため、[[《神の宣告》]]等で[[相手]]の反撃の手を封殺していた。~
 簡単に言えば[[【機械族】]]の[[【ロックバーン】]]と言ったところである。~

**登場環境において [#j1526bbf]
 この[[デッキ]]が登場したのは、第3期の中頃([[02/05/01>禁止・制限カード/2002年5月1日]]以降の環境)である。~
 当時の[[効果モンスター]]は、能力が現在と比べて低く、強力な[[魔法カード]]が[[制限>制限カード]]・[[準制限>準制限カード]]の規制は受けていたものの、環境を支配していた。~
 現在では[[禁止・制限カード]]に指定されている[[除去]]・[[手札破壊]]・[[ドロー]]カードが当たり前のように[[【スタンダード】]]等に投入されていたのである。~
 この[[デッキ]]はそれらの強力[[魔法カード]]に着目し、それらに対するアンチする立場で構築されたものである。~
 この[[デッキ]]が登場したのは第3期の中頃([[02/05/01>禁止・制限カード/2002年5月1日]]以降の環境)で、[[効果モンスター]]の能力が現在と比べて低く、強力な[[魔法カード]]が([[制限>制限カード]]・[[準制限>準制限カード]]規制は受けていたものの)環境を支配していた時期だった。~
 現在では[[禁止・制限カード]]に指定されている[[除去]]・[[手札破壊]]・[[ドロー]][[カード]]が当たり前のように[[【スタンダード】]]等に投入されていたのである。~
 この[[デッキ]]はそれらの強力[[魔法カード]]に着目し、それらに対するアンチする立場で構築された。~

-当時の強力[[魔法カード]]
--[[モンスター除去]]:[[《サンダー・ボルト》]]・[[《ブラック・ホール》]]
--[[魔法・罠除去]]:[[《ハーピィの羽根帚》]]・[[《大嵐》]]・[[《サイクロン》]]
--[[手札破壊]]:[[《強引な番兵》]]・[[《押収》]]・[[《いたずら好きな双子悪魔》]]
--[[ドロー]]:[[《強欲な壺》]]・[[《天使の施し》]]

 特に[[デッキ]]や場面を選ばない[[全体除去]]の多さ、それらが使われるまでの回転の速さは軽視できない要素であった。
 特に[[デッキ]]や場面を選ばない[[全体除去]]手段の多さ、それらが使われるまでの[[回転]]の速さは軽視できない要素であった。~
 [[制限カード]]であった[[《王宮の勅命》]]や当時まだ少なかった[[カウンター罠]]だけでは対応しきれないため、白羽の矢が立ったのが[[《マジック・キャンセラー》]]である。~

-[[魔法カード]]10枚以下、[[罠カード]]15枚以上という、当時の[[【スタンダード】]]を真っ向から否定した構成に大きな評価を得ていた。~
 「[[魔法カード]]10枚以下、[[罠カード]]」15枚以上という、当時の[[【スタンダード】]]を真っ向から否定した構成は大きな評価を得ることになった。~

**現在環境において [#za2187d9]
 [[メタ]]先であった、強力な[[魔法カード]]群が[[禁止カード]]になり、[[《マジック・キャンセラー》]]の必要性が薄れた。~
**現在の環境において [#za2187d9]
 [[メタ]]先であった強力な[[魔法カード]]群が[[禁止カード]]になり、[[《マジック・キャンセラー》]]の必要性が薄れた。~
 一方で[[効果モンスター]]の性能が上昇し、[[全体除去]]を[[モンスター]]で行える[[デッキ]]は飛躍的に増加している。~
 そのため、[[《マジック・キャンセラー》]]などによる拘束力は著しく低下し、単一の1枚による制圧は、大量の使いきりによる[[【パーミッション】]]へと役割を譲った。~
 後に[[カウンター罠]]は様々な補助手段により、封じると共に[[アドバンテージ]]を稼ぐ事も可能になり、[[ロック]]と同等以上の安定性を獲得している。~
 そのため、[[《マジック・キャンセラー》]]などによる拘束力は著しく低下し、「特定の[[カード]]による長期制圧」という戦術も薄れ、現在では「大量の使いきり妨害手段を搭載した」[[【パーミッション】]]へ変化している。~
 後に[[カウンター罠]]は様々な補助手段により、封じると共に[[アドバンテージ]]を稼ぐ事も可能になり、[[ロック]]と同等かそれ以上の安定性を獲得している。~

 後に[[効果モンスター]]の向上に伴い、[[《マジック・キャンセラー》]]の流れを受け継ぐ役割として[[《ホルスの黒炎竜 LV8》]]が登場した。~
 [[【お触れホルス】]]など同様に敵の封殺を狙う[[デッキ]]として一つの時代を築いており、この[[デッキ]]は役目を終えてなお基本理念は受け継がれている。~
 [[ダメージ]]を与える手段こそ大きな違いはあるが、こうして繰り返し思索された事実が、「[[魔法カード]]を封じる」コンセプトの強さを示していると言えるだろう。~

 ただし、[[【お触れホルス】]]もまた、さらなる[[環境]]の変化で衰退している。~
 現在は[[魔法カード]]よりも[[効果モンスター]]同士の封じあいが重要となっており、このコンセプトの復権にはその点の打開が不可欠となるだろう。~

**代表的なカード [#ta5c9f01]
-[[《マジック・キャンセラー》]]
-[[《おジャマトリオ》]]

-[[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]]

**関連リンク [#w341a1bd]
-[[【ロックバーン】]]
-[[デッキ集]]

**外部リンク [#de382001]
-[[マジキャン理論>http://web.archive.org/web/20030810012240/http://www2.ncv.ne.jp/~nobitter/riron3/majikyan.html]]
-[[マジキャン理論2>http://web.archive.org/web/20030815092445/http://www2.ncv.ne.jp/~nobitter/riron3/majikyan3.html]]