コンボでしか使えないカードの投入を控え、単独で機能するパワーカードを主として構築されるデッキ。
何をドローしても戦える程に高い安定性が最大の強みで、手札事故は少ない。
一般のTCGでは【グッドスタッフ】や【ジャンク】などとも呼ばれているものの事。
汎用性が高く、あまりコンボを意識する必要が無いデッキである。
1:1交換を軸にその環境で強力なメタカードをサイドデッキに積むのが基本となるのである。
つまり、基本的に1:1交換を考慮したビートダウンの構築なので、ロックやバーン系統はサイドデッキでの対策となる。
単独で機能するパワーカードを集めただけなのでデュエルは毎回同じようなカードが登場する。
そのため展開はマンネリになりがちになる。
但しプレイングにおいては、カード・アドバンテージを意識した戦い方を学ぶのには向いている。
特にミラーマッチでは、アドバンテージを意識する者としない者の差が現れる事は多い。
「プレイングもマンネリになる」というデュエリストは多いが、毎回アドバンテージを考えながらプレイ出来るようになるという事でもある。
その為、初心者の練習にも有効なデッキと言えよう。
無論『扱える』と『使いこなす』は違う為、結局はプレイングが物を言うという事を教えてくれるデッキタイプでもある。
遊戯王においては【グッドスタッフ】が主流デッキの一角を占めていたため、【グッドスタッフ】のことを【スタンダード】と呼ぶものが多い。
ただし、通常【スタンダード】には、現在の環境内での主流デッキや一番強いデッキを意味する場合が多い。
他、《人喰い虫》・《聖なる魔術師》・《闇の仮面》・《キャノン・ソルジャー》等。
他、《聖なるバリア−ミラーフォース−》・《死者蘇生》・《落とし穴》等。
このカード自体も守備力1500なので、《黒き森のウィッチ》の需要が大幅に拡大した、と言える。
また、制限制定が誕生し、此処からカードを取捨する必要性が多少出てきた。
《魔導戦士 ブレイカー》《聖なる魔術師》が制限復帰したことでこのタイプのデッキが人気になる。
ただ機械族、特に《サイバー・ドラゴン》が《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の登場によって使いにくくなったことが影響しはじめている。
上述の流行デッキの内、【剣闘獣】と【シンクロ召喚】は特殊召喚さえ封じれば比較的容易に勝てるため、《ライオウ》(チェーンに乗らない特殊召喚のみ)、《王宮の弾圧》などの特殊召喚メタが注目されるようになる。
無論、【ダムドビート】、【ライトロード】も切り札カードが特殊召喚モンスターなので役立つ。
また墓地アドバンテージを利用するデッキも依然として多いため、《閃光の追放者》と《霊滅術師 カイクウ》は重宝されている。
上記のように相手のプレイングを妨害しつつ、強力な下級モンスターを《収縮》《次元幽閉》《強者の苦痛》などで戦闘補助して殴り勝つのが基本となる。
なお、【苦痛ワンフー】と呼ばれる《強者の苦痛》と《王虎ワンフー》のコンボを採用しているデッキも見受けられる。
ただし、こうした【メタビート】的なデッキは多くのデュエリストが【スタンダード】の一種ととらえているがコンボ的な要素も強く、当初の【スタンダード】=【グッドスタッフ】の定義から完全に外れてしまった。
もはや現状【スタンダード】という名前が相応しいデッキは存在しなくなったといえる。
純粋に一枚で機能するパワーカードは、殆ど禁止カード・制限カードにされているため、そうしたデッキは構築そのものが難しくなってしまったのだ。
《神の宣告》の制限強化により、【メタビート】は大打撃を受けることとなった。
今後、流行のデッキへのメタとして【メタビート】が用いられる場合、そこから一部ギミックを流用した他デッキとして用いられる場合が多いと思われる。
また、前期にて消滅したかのように思えた【スタンダード】だが、《魔導戦士 ブレイカー》、《異次元の女戦士》と行った強力カードが相次いで制限解除された。
加えて、墓地アドバンテージや特殊召喚が重要視される環境から、《霊滅術師 カイクウ》や《ライオウ》の価値も相対的に上昇。
十分に【スタンダード】デッキを構築できる環境が再度出来つつある。