コンボでしか使えないカードの投入を控え、単独で機能するパワーカードを主として構築されるデッキ。
何をドローしても戦える程に高い安定性が最大の強みで、手札事故は少ない。
「Magic;The Gathering」等のTCGでは【グッドスタッフ】や【ジャンク】などとも呼ばれているものの事。
標準的なビートダウンのことであり、余りコンボを意識する必要が無いデッキである。
下級モンスターを中心に展開し、戦闘や効果により、「1:1交換」もしくは「1:多交換」を狙っていくのが基本的な戦い方である。
【カオス】登場以降は"特殊召喚に傾倒したビートダウン"が主流になっていくのであるが、第3期の前半まではこのタイプが標準だった。
近年の高速デッキに比べれば速度の遅い「中速」タイプのビートダウンであり、爆発力よりも安定性を求めたデッキであった。
採用される特殊召喚カードは、《死者蘇生》《早すぎた埋葬》《リビングデッドの呼び声》《スケープ・ゴート》程度のものに抑えられていた。
また、禁止カードが生まれてからは、ガジェット6枚体制の【除去ガジェット】がこのデッキに類似した要素を持っていた。(【サイカリガジェ】等)
プレイングにおいては、カード・アドバンテージ及びボード・アドバンテージを意識した戦い方を学ぶのには向いている。
特にミラーマッチでは、アドバンテージを意識する者としない者の差が現れる事は多い。
その為、初心者の練習にも有効なデッキと言えよう。
無論使いこなすには、結局はプレイングが物を言う。
遊戯王においては【グッドスタッフ】が主流デッキの一角を占めていたため、【グッドスタッフ】のことを【スタンダード】と呼ぶものが多い。
ただし、通常【スタンダード】には、現在の環境内での主流デッキや一番強いデッキを意味する場合が多い。
他、《人喰い虫》・《聖なる魔術師》・《闇の仮面》・《キャノン・ソルジャー》等。
他、《聖なるバリア−ミラーフォース−》・《死者蘇生》・《落とし穴》等。
《魔導戦士 ブレイカー》《聖なる魔術師》が制限復帰したことでこのタイプのデッキが人気になる。
ただ機械族、特に《サイバー・ドラゴン》が《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の登場によって使いにくくなったことが影響しはじめている。
その後、上述の流行デッキの内、【剣闘獣】と【シンクロ召喚】は特殊召喚さえ封じれば比較的容易に勝てるため、《ライオウ》(チェーンに乗らない特殊召喚のみ)、《王宮の弾圧》などの特殊召喚メタが注目されるようになる。
無論、【ダムドビート】、【ライトロード】も切り札カードが特殊召喚モンスターなので役立つ。
また墓地アドバンテージを利用するデッキも依然として多いため、《閃光の追放者》と《霊滅術師 カイクウ》は重宝されている。
上記のように相手のプレイングを妨害しつつ、強力な下級モンスターを《収縮》《次元幽閉》《強者の苦痛》などで戦闘補助して殴り勝つのが基本となる。
なお、【苦痛ワンフー】と呼ばれる《強者の苦痛》と《王虎ワンフー》のコンボを採用しているデッキも見受けられる。
ただし、こうした【メタビート】的なデッキは多くのデュエリストが【スタンダード】の一種ととらえているがコンボ的な要素も強く、当初の【スタンダード】=【グッドスタッフ】の定義から完全に外れてしまった。
もはや現状【スタンダード】という名前が相応しいデッキは存在しなくなったといえる。
純粋に一枚で機能するパワーカードは、殆ど禁止カード・制限カードにされているため、そうしたデッキは構築そのものが難しくなってしまったのだ。
《神の宣告》や《王宮の弾圧》の制限強化により、【メタビート】は大打撃を受けることとなった。
今後、流行のデッキへのメタとして【メタビート】が用いられる場合、そこから一部ギミックを流用した他デッキとして用いられる場合が多いと思われる。
その一方で、前期にて消滅したかのように思えた本来の意味での【スタンダード】だが、《魔導戦士 ブレイカー》や《異次元の女戦士》、《地割れ》や《地砕き》といった強力カードが相次いで制限解除された。
加えて、墓地アドバンテージや特殊召喚が重要視される環境から、《霊滅術師 カイクウ》や《ライオウ》の価値も相対的に上昇。
十分に【スタンダード】デッキを構築できる環境が再度出来つつある。