コンボでしか使えないカードの投入を控え、単独で機能するパワーカードを主として構築されるデッキ。
何をドローしても戦える程に高い安定性が最大の強みで、手札事故は少ない。
「Magic: the Gathering」等のTCGでは【グッドスタッフ】や【ジャンク】等とも呼ばれているものの事。
標準的なビートダウンのことであり、あまりコンボを意識する必要が無いデッキである。
下級モンスターを中心に展開し、戦闘や効果により、「1:1交換」もしくは「1:多交換」を狙っていく。
【カオス】登場以降は"特殊召喚に傾倒したビートダウン"が主流になっていくが、第3期の前半まではこのタイプが標準だった。
高速デッキに比べれば速度の遅い「中速」タイプのビートダウンであり、爆発力よりも安定性を求めている。
採用される特殊召喚カードは、《死者蘇生》・《早すぎた埋葬》・《リビングデッドの呼び声》・《スケープ・ゴート》程度である。
また、禁止カードが生まれてからは、ガジェット6枚態勢の【除去ガジェット】がこのデッキに類似した要素を持っていた。(【サイカリガジェ】等)
プレイングにおいては、カード・アドバンテージ及びボード・アドバンテージを意識した戦い方を学ぶのには向いている。
特にミラーマッチでは、アドバンテージを意識する者としない者との差が現れる事は多い。
その為、初心者の練習にも有効なデッキと言えよう。
無論使いこなすには、結局はプレイングが物を言う。
かつての遊戯王OCGシーンではグッドスタッフが主流デッキの一角を占めていたため、グッドスタッフのことを【スタンダード】と呼んでいた。
現在(2012年3月以降)の【スタンダード】とは、主流デッキや一番強いデッキを指す言葉として用いられることが一般的である。
デザイナーズデッキが主流デッキとなった2011年8月までは、【スタンダード】がデッキの種類として見られる場合が多くなった。
「性能の良い下級モンスターで殴り勝つ」というコンセプトが出来上がり、グッドスタッフとはまた違うデッキになっていたからだ。
2011年9月以降は「デザイナーズデッキのみならず、1ターンキルもしくは強力なコンボやシナジーを用いて圧倒的な制圧力を有するデッキ」が主流デッキとなり、これまでの「性能の良い下級モンスターで殴り勝つ」というコンセプトで結果を残すことが厳しくなり、現在は形骸化している。
一方、かつての【カオス】から見られるように、特定のキーカードを利用するにあたり、条件を満たす種族・カテゴリ内から単体で機能するものを優先的に選択するという、このコンセプトに沿った構築は依然として行われている。
厳密に言えばそれらはグッドスタッフであって、主流デッキという意味で【スタンダード】とはかけ離れるが、「特定デッキにおけるコンボに傾倒しないスタンダードな構築」、あるいは「グッドスタッフ=【スタンダード】」という意味で【○○スタン】と呼称されるものも存在している。
―罠カード
―罠カード
―罠カード
―罠カード
―罠カード
―罠カード
《魔導戦士 ブレイカー》・《聖なる魔術師》が制限復帰したことでこのタイプのデッキが人気になる。
ただ機械族、特に《サイバー・ドラゴン》が《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》の登場によって使いにくくなったことが影響しはじめている。
シンクロ召喚という概念が登場し、チューナーから状況に応じたシンクロモンスターを選択して召喚できるようになりコンボデッキの戦略性が高まった。
これによりコンボデッキの弱点である手札事故の危険性が軽減された。
手札事故率が低い代わりに爆発力に欠ける【グッドスタッフ】はパワーデッキに押され気味となってきた。
パワーデッキとは、具体的には【ライトロード】・【ダムドビート】・【剣闘獣】・【シンクロ召喚】等である。
第6期前半はこれらのデッキが大会の上位を埋め尽くすことがパターン化していた。
これらを意識した【ハイビート】が見られるようになったが、当時のパワーデッキは後攻1ターンキルをいとも簡単に成し遂げるほど強力なものが多く、【ハイビート】では太刀打ちできず、パワーデッキであふれた当時の大会ではなかなか実績を残せないのが現状であった。
その後、上述の流行デッキの内、【剣闘獣】と【シンクロ召喚】は特殊召喚さえ封じれば比較的容易に勝てるため、《ライオウ》(特殊召喚宣言のみ)、《王宮の弾圧》等の特殊召喚メタが注目されるようになる。
無論、【ダムドビート】・【ライトロード】もフィニッシャーが特殊召喚モンスターなので役立つ。
また墓地アドバンテージを利用するデッキも依然として多いため、《閃光の追放者》と《霊滅術師 カイクウ》は重宝されている。
非常に層の厚い下級闇属性モンスターから《マスク・チェンジ・セカンド》で特殊召喚できる《M・HERO ダーク・ロウ》も運用上のコンボ性が低く、幅広いデッキに挿されている。
上記のように相手のプレイングを妨害しつつ、強力な下級モンスターを《収縮》・《次元幽閉》・《強者の苦痛》等で戦闘補助して殴り勝つのが基本となる。
なお、【苦痛ワンフー】と呼ばれる《強者の苦痛》と《王虎ワンフー》のコンボを採用しているデッキも見受けられる。
ただし、こうした【メタビート】的なデッキは多くのデュエリストが【スタンダード】の一種ととらえているがコンボ的な要素も強く、当初の【スタンダード】【グッドスタッフ】の定義から完全に外れてしまった。
もはや現状【スタンダード】という名前が相応しいデッキは存在しなくなったといえる。
純粋に1枚で機能するパワーカードは、殆ど禁止カード・制限カードにされているため、そうしたデッキは構築そのものが難しくなってしまったのだ。