CYBERDARK IMPACTで登場した《連鎖爆撃》と《積み上げる幸福》を中心にした【フルバーン】。【連鎖バーン】とも言う。
一般的な【フルバーン】と決定的に違うのはチェーンカードを扱うために速攻魔法や罠カードの比重が大きいこと。
ロックして戦うような今までのバーンデッキのイメージを吹き飛ばすような、ある意味革命的なデッキ。
しかし、キーカードの《連鎖爆撃》は準制限を飛ばしてあっという間に制限カードに指定されてしまった。
このデッキの強力さが公に認められたともいえるだろう。
なお、09/03/01時点で《連鎖爆撃》は準制限カード、《冥府の使者ゴーズ》、《おジャマトリオ》が制限カードである。
(《おジャマトリオ》が制限カードとなったことで、《自業自得》《仕込みマシンガン》も弱体化した。)
純粋なフリーチェーンのみでの40枚構築は最早成り立たないが、《積み上げる幸福》は依然として制限がかかっておらず、《トラゴエディア》が登場したため、ギミックそのものは死んでいない。
現在では【ロックバーン】【フルバーン】【ウォールバーン】等、他のバーン系デッキの要素を取り入れた折衷型として生まれ変わっている。
《連鎖爆撃/Chain Strike》 速攻魔法(準制限カード) このカードの発動時に積まれているチェーン数 ×400ポイントダメージを相手ライフに与える。 同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、 このカードは発動できない。
《積み上げる幸福/Accumulated Fortune》 通常罠 チェーン4以降に発動する事ができる。 自分のデッキからカードを2枚ドローする。 同一チェーン上に複数回同名カードがチェーンされている場合、 このカードは発動できない。
チェーンを積み上げるというデッキコンセプトを考慮するならば、手札誘発効果を持つモンスターカードを優先的に投入したい。
中でもオススメなのは《D.D.クロウ》で、発動タイミングを選ばない上にフィールドを圧迫する事無くチェーン数を稼げる。
相手の蘇生カードにチェーンできれば文句なし、それでなくとも墓地利用の多い現在の環境では狙い撃ちできる対象は多い。
他には、戦闘ダメージを受ける事で手札から特殊召喚できる《冥府の使者ゴーズ》《トラゴエディア》も採用したい。
チェーン稼ぎには貢献しにくいが、モンスターカードの比率が少なくなりがちなデッキなので、相手の追撃を防ぐのに一役買ってくれる。
単純なチェーン数稼ぎのために《ハネクリボー LV9》を投入することも選択肢としてはあり。
ただし序盤に来ると壁にしかならず、昨今は魔法カードよりモンスター効果で押すデッキが多いせいで、攻撃力が上がりにくいこともあるので、事故は覚悟の上で。
それ以外のモンスターカードを入れると、当然その分フリーチェーンの魔法・罠カードが手札に来る確率が低くなる。
しかし、モンスターカードゾーンががら空きになるのは好ましくない。
シンクロ召喚の登場で、複数の上級モンスターから攻撃を受ける事は珍しくなくなっている。
速度を犠牲にしてでも安定性・防御性を優先するなら【ロックバーン】のように壁モンスターを用意すべきだろう。
候補としては《マシュマロン》、《サイバー・ヴァリー》等がオススメである。前者は戦闘で破壊されない上に1000ダメージもの火力を持ち、
後者はバトルフェイズを終了させながらドローが出来るからである。
このデッキで最も重要なのは速攻魔法・罠カードの選択。
《連鎖爆撃》と《積み上げる幸福》以外にどのようなカードを採用すべきなのか。
ここではその一例を挙げてみる。
このようにさまざまなカードがそろっている。
上記のあたりから自分の好みで選ぶといいだろう。
発動タイミングを選ばないダメージ系罠・速攻魔法でチェーンを積み上げ、最後に《連鎖爆撃》を叩き込むのが基本。
バーン系カードだけでは手札不足に陥るので、《八汰烏の骸》等のドローカードを積極的に絡め、《連鎖爆撃》のダメージ増加&デッキ圧縮へ繋げていく。
《ゴブリンのやりくり上手》&《非常食》が共にフリーチェーンカードなので、【やりくりターボ】ギミックを搭載しても良い。
その場合はスロットに空きがあれば《光帝クライス》を投入しても良いだろう。
こちらの戦術を封じるようなカードの対策にもなる。
なるべく多くチェーンを積み上げたいため、相手の行動を利用する事も考慮する。
手札の魔法・罠カードを全て伏せ、相手の《サイクロン》や《大嵐》を誘い、少しでもチェーンブロックの水増しを狙っていく。
魔法・罠カードの大半がフリーチェーンカードで構成されているため、狙われたとしてもチェーン発動で逆に利用できるのだ。
効果モンスターでも、《氷帝メビウス》や《魔導戦士 ブレイカー》等のチェーンに乗る効果を持つカードは、むしろありがたい存在と言える。
なお、《連鎖爆撃》は「同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、このカードは発動できない」と書かれている。
しかし、《連鎖爆撃》1枚目の段階ではまだ同一チェーン上に《連鎖爆撃》は1つしか存在しない。
つまり、同一チェーン上に2つの《連鎖爆撃》を積むことができるのである。
例えばチェーンを3つ積んだところで《連鎖爆撃》→《連鎖爆撃》とした場合、2枚の《連鎖爆撃》だけで(1600+2000)=3600ダメージとなる。
このテクニックは《積み上げる幸福》でも有効なので、ぜひ覚えておきたい。
弱点は効果ダメージを封じる《デス・ウォンバット》《マテリアルドラゴン》、罠カードを封じる《王宮のお触れ》《人造人間−サイコ・ショッカー》。
採用率は低いが、ドローフェイズ以外のドローを封じる《神殿を守る者》も要注意。
ただ《神殿を守る者》はドローフェイズであれば、《積み上げる幸福》等を発動することは可能。
《デス・ウォンバット》を戦闘破壊でき、《王宮のお触れ》《魂吸収》を効果で破壊できる《結界術師 メイコウ》はサイドデッキに採用しておきたい。
《人造人間−サイコ・ショッカー》《マテリアルドラゴン》《神殿を守る者》に対しては《月の書》・《禁じられた聖杯》等で対処したいところ。
出された時点で身動きが取れなくなる事も多く、中でも《マテリアルドラゴン》は《死者への供物》も効かない。
出されたら仕方ないと割り切る事も時には必要だろう。
《BF−疾風のゲイル》は《人造人間−サイコ・ショッカー》・《マテリアルドラゴン》等の上級モンスターも単体で対処可能。
さらにチューナーなのでシンクロ要素を取り入れることもできるのでサイドデッキには用意しておきたい。
デッキを読みきられていた場合、チェーンの中にカウンター罠や《レインボー・ライフ》を使われて打つ手が無くなるケースも多い。
特にカウンター罠を使用されると、スペルスピードの関係から《連鎖爆撃》の連鎖が打ち切られてしまうのも難点。
そのためカウンター罠を多用する【パーミッション】系のデッキに弱い。
《レインボー・ライフ》を発動されようものなら、もはや笑うしかない。
1ターンに何枚も魔法・罠カードを使用するため発動回数を制限する《大将軍 紫炎》をだされると手も足も出なくなるので【六武衆】を相手にする時は注意が必要。
厄介な事に《大将軍 紫炎》は身代わり効果を持っているため《BF−疾風のゲイル》でも単体では戦闘破壊が難しい。
ステータスは高くないが同様の効果を持つ《ナチュル・ローズウィップ》を使用する【植物族】も分が悪い。
対策としては《トラゴエディア》などで戦闘破壊する、《月の書》・《禁じられた聖杯》で効果を遮断する、《死者への供物》で破壊するなどがある。
《天魔神 ノーレラス》を《魔導雑貨商人》を使用した速攻召喚をされると非常に厳しい。
次のドローが《連鎖爆撃》や《積み上げる幸福》1枚では本当にどうしようもなくなってしまう。
最大の対策は「やられる前にやる」。《天魔神 ノーレラス》は召喚のためのかなりの下準備が必要である。
召喚前に相手のライフを1000以下に追い込んでしまうか、効果発動にチェーンしてバーンカードを連射し焼き切るといい。
だが、《ファントム・オブ・カオス》登場で序盤から効果を使用される可能性が出てきた。
これは《禁じられた聖杯》等がない場合あきらめる他ないだろう。
また、《闇のデッキ破壊ウイルス》を使われると、その比率上、壊滅に追い込まれる。
さらに、最近流行の《大寒波》を使われても一泡吹かされる可能性がある。
《大寒波》を使われた次のターンにはカードをセットすることができないため、次の相手ターンに好き放題やられてしまうからである。
しかし《大寒波》は09/09/01に制限カードとなったので、あまり気にする必要は無いだろう。