【チェーンバーン】

説明

 CYBERDARK IMPACTで登場した《連鎖爆撃》《積み上げる幸福》を中心にした【フルバーン】
 【連鎖バーン】とも言う。
 一般的な【フルバーン】と決定的に違うのはチェーンカードを扱うために速攻魔法罠カードの比重が大きいこと。
 ロックして戦うような今までのバーンデッキのイメージを吹き飛ばすような、ある意味革命的なデッキ
 しかし、キーカード《連鎖爆撃》は準制限を飛ばしてあっという間に制限カードに指定されてしまった。
 このデッキの強力さが公に認められたともいえるだろう。

 なお、10/09/01時点で《連鎖爆撃》《おジャマトリオ》準制限カード《冥府の使者ゴーズ》制限カードである。
 《積み上げる幸福》は依然として制限がかかっていないが、《トラゴエディア》10/03/01の改定で制限カードとなってしまった。
 《おジャマトリオ》制限緩和により《自業自得》《仕込みマシンガン》が強化され、以前より作成しやすくなったと言える。
 現在では【ロックバーン】【フルバーン】【ウォールバーン】等、他のバーンデッキの要素を取り入れた折衷型として生まれ変わっている。

《連鎖爆撃/Chain Strike》
速攻魔法(準制限カード)
このカードの発動時に積まれているチェーン数
×400ポイントダメージを相手ライフに与える。
同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、
このカードは発動できない。
《積み上げる幸福/Accumulated Fortune》
通常罠
チェーン4以降に発動する事ができる。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動されている場合、
このカードは発動できない。

デッキ構築に際して

モンスターについて

 チェーンを積み上げるというデッキコンセプトを考慮するならば、手札誘発効果を持つモンスターカードを優先的に投入したい。

 中でもオススメなのは《D.D.クロウ》《エフェクト・ヴェーラー》で、発動タイミングを選ばない上にフィールドを圧迫する事無くチェーン数を稼げる。
 現在の環境では狙い撃ちできる対象が数多有り腐る可能性はかなり低い。

 他には、戦闘ダメージを受ける事で手札から特殊召喚できる《冥府の使者ゴーズ》《トラゴエディア》も採用圏内となる。
 だが両者とも発動タイミングがダメージステップに限られるため基本的にチェーン数稼ぎには貢献できない上に、すぐに使えない場合が多々あるので入れるかどうかは個人の裁量だろう。
 《冥府の使者ゴーズ》フィールドが空でなければ効果発動できない。
 そのため攻撃宣言時に自分の場のフリーチェーンカードを1枚残らず使い切れなければならないため、使用の際はセットカードをよく考えたプレイを心掛けたい。
 《トラゴエディア》は扱いが難しく、通常のデッキのような運用は難しくなる。
 こちらは自分の場に他のカードが存在していても特殊召喚できるが、デッキ手札数が安定せず、それほど枚数は多くならないため、としての運用すら厳しく、攻撃を一度防ぐ程度になる場合が多い。
 もっとも、安定しないという利点を活かし、相手がこのカード攻撃対象にした時に一気に手札を増やして返り打ちにする戦術を取ることは可能である。
 また、後半のコントロール奪取効果レベル変更効果は、デッキの構成上モンスターが非常に少ないため、ほぼ飾りに近くなってしまう。

 スロットに空きが有れば、《威嚇する咆哮》等が封じられた際の保険に入れても良いだろう。
 チェーン稼ぎには貢献しにくいが、モンスターカードの比率が少なくなりがちなデッキなので、相手の追撃を防ぐのに一役買ってくれる。
 フィールドに残る点で《停戦協定》ダメージ底上げや、《サイバー・ヴァリー》ドローに利用できる点で差別を図りたい。
 単純なチェーン数稼ぎのために《ハネクリボー LV9》を投入することも選択肢としてはあり。
 ただし序盤に来るとにしかならず、昨今は魔法カードよりモンスター効果で押すデッキが多いせいで、攻撃力が上がりにくいこともあるので、事故は覚悟の上で。
 また召喚権を使用する以外にはカード消費無しでチェーンを稼げる《ウィングド・ライノ》も有効。

 それ以外のモンスターカードを入れると、当然その分フリーチェーン魔法・罠カード手札に来る確率が低くなる。
 しかし、モンスターカードゾーンががら空きになるのは好ましくない。
 シンクロ召喚の登場で、複数の上級モンスターから攻撃を受ける事は珍しくなくなっているからだ。
 補強として【ロックバーン】のようにモンスターを用意するならば《魂を削る死霊》《アルカナフォース0−THE FOOL》等があげられる。
 効果が優秀なものであれば《マシュマロン》《サイバー・ヴァリー》等がオススメである。
 また、《連爆魔人》は、上手く活用すれば一気に大ダメージを与えることができる。《威嚇する咆哮》《和睦の使者》で守ってやれば、フィールドに維持する事ができる。
 だがこれらのを容易に突破できるモンスターも決して少なくない。
 安定性を重視し、それらのモンスターを想定するならば、《威嚇する咆哮》《和睦の使者》《ゼロ・ガードナー》《バトルフェーダー》等を用いるべきだろう。
 1ターン限りの防御ではあるが、1ターンの生存はそのまま1枚のドロー、すなわち火力につながる。
 単純にチェーン数を稼げるだけでなく、間接的にデッキ内の火力の質を高めることにもなる。
 ただしエンドサイク等の弱点も存在し、《ゼロ・ガードナー》の場合は温存が利きにくいという点は注意が必要である。

 このデッキ手札消費が激しく《積み上げる幸福》等の手札を補充する罠カードを引くことができなければハンドレス状態でターンをこなす状態になる。
 また、引いたとしても既に手札が減っている状態ならばそれらのチェーンカード発動することすらできない。
 手札補充の手段として《メタモルポット》《インフェルニティ・リローダー》を採用するのも考えられる。
 ただこのカードは相手にも手札交換のチャンスを与えてしまったり、ダメージを受けてしまいやすいので採用する場合には注意が必要である。

魔法・罠カードについて

 このデッキで最も重要なのは速攻魔法罠カードの選択。
 《連鎖爆撃》《積み上げる幸福》以外にどのようなカードを採用すべきなのか。
 ここではその一例を挙げてみる。

 《おジャマトリオ》を運用する際はシンクロ召喚に注意。
 チューナーが存在している状況や相手の場が空いている状態で発動すると次の相手ターンには何かしらのシンクロモンスターが存在している可能性が高い。
 その時は《月の書》等でシンクロ召喚を妨害しつつ、返しのターン《仕込みマシンガン》《自業自得》等で大ダメージを狙っていこう。

 《無の煉獄》《強欲で謙虚な壺》といったドローカードも採用候補。
 通常魔法という点でチェーンに貢献しがたいが、《連鎖爆撃》《おジャマトリオ》《自業自得》の組み合わせなどは、引けるか否かで火力に大きな差が生まれる。
 特に後者は選択の範囲が広いため、《無謀な欲張り》《ゴブリンのやりくり上手》《非常食》といった複数枚を必要とするカードを組み込む際には重要な存在となる。
 前者は手札誘発モンスターと共存しがたく、後者は採用率の高い《ライオウ》の存在や情報アドバンテージを失う欠点があるので、よく考えた上で採用したい。

 このようにさまざまなカードがそろっている。
 上記のあたりから自分の好みで選ぶといいだろう。

戦術

 発動タイミングを選ばないダメージ系罠・速攻魔法チェーンを積み上げ、最後に《連鎖爆撃》を叩き込むのが基本。
 バーンカードだけでは手札不足に陥るので、《八汰烏の骸》等のドローカードを積極的に絡め、《連鎖爆撃》ダメージ増加&デッキ圧縮へ繋げていく。

 《ゴブリンのやりくり上手》《非常食》が共にフリーチェーンカードなので、【やりくりターボ】ギミックを搭載しても良い。
 その場合はスロットに空きがあれば《光帝クライス》を投入しても良いだろう。
 こちらの戦術を封じるようなカードの対策にもなる。

 なるべく多くチェーンを積み上げたいため、相手の行動を利用する事も考慮する。
 手札魔法・罠カードを全て伏せ、相手《サイクロン》《砂塵の大竜巻》等を誘い、少しでもチェーンブロックの水増しを狙っていく。
 魔法・罠カードの大半がフリーチェーンカードで構成されているため、狙われたとしてもチェーン発動で逆に利用できるのだ。
 効果モンスターでも、《氷帝メビウス》《魔導戦士 ブレイカー》等のチェーンに乗る効果を持つカードは、むしろありがたい存在と言える。

 なお、《連鎖爆撃》は「同一チェーン上に複数回同名カード効果発動されている場合、このカードは発動できない」と書かれている。
 しかし、《連鎖爆撃》1枚目の段階ではまだ同一チェーン上に《連鎖爆撃》は1つしか存在しない。
 つまり、同一チェーン上に2つの《連鎖爆撃》を積むことができるのである。
 例えばチェーンを3つ積んだところで《連鎖爆撃》《連鎖爆撃》とした場合、2枚の《連鎖爆撃》だけで(1600+2000)=3600ダメージとなる。
 このテクニックは《積み上げる幸福》でも有効なので、ぜひ覚えておきたい。

このデッキの弱点

 弱点は効果ダメージを封じる《デス・ウォンバット》《マテリアルドラゴン》罠カードを封じる《王宮のお触れ》《人造人間−サイコ・ショッカー》
 《デス・ウォンバット》戦闘破壊でき、《王宮のお触れ》《魂吸収》効果破壊できる《結界術師 メイコウ》サイドデッキに採用しておきたい。
 《人造人間−サイコ・ショッカー》《マテリアルドラゴン》《神殿を守る者》に対しては《月の書》《禁じられた聖杯》等で対処したいところ。
 出された時点で身動きが取れなくなる事も多く、中でも《マテリアルドラゴン》《死者への供物》も効かない。
 また、採用率は低いが、ドローフェイズ以外のドローを封じる《神殿を守る者》も要注意。
 ただ、《神殿を守る者》ドローフェイズであれば《積み上げる幸福》等を発動することは可能。

 それらの対策としては、上記の二枚と相打ちが狙え、《神殿を守る者》戦闘破壊出来る《光神機−桜火》サイドデッキに複数枚用意するといいだろう。
 いざとなったらフィニッシャーとしても使用できる。
 《BF−疾風のゲイル》《人造人間−サイコ・ショッカー》《マテリアルドラゴン》等の上級モンスターも単体で対処可能。

 尚、魔法カード罠カードが多くなるこのデッキの特性上、カード墓地に行ってもアドバンテージにつながりにくいため、【デッキ破壊】も弱点となる。
 特に《魂吸収》を採用した【ネクロフェイス】は天敵と言ってもいい。
 デッキから火力カードが削られているにもかかわらず、それによって相手は膨大なライフ・アドバンテージが得られるからである。
 対策としては《砂塵の大竜巻》等で早めに《魂吸収》を破壊しておきたい。

 デッキを読みきられていた場合、チェーンの中にカウンター罠《レインボー・ライフ》を使われて打つ手が無くなるケースも多い。
 カウンター罠を使用されると、スペルスピードの関係から《連鎖爆撃》の連鎖が打ち切られてしまうのも難点。
 そのためカウンター罠を多用する【パーミッション】系のデッキに弱い。
 《レインボー・ライフ》は1つのチェーンブロックに対し使用されるだけで、後のカード消費が追い着かなくなる。

 1ターンに何枚も魔法・罠カードを使用するため発動回数を制限する《大将軍 紫炎》を出されると手も足も出なくなるので【六武衆】相手にする時は注意が必要。
 厄介な事に《大将軍 紫炎》は身代わり効果を持っているため《BF−疾風のゲイル》でも単体では戦闘破壊が難しい。
 ステータスは高くないが同様の効果を持つ《ナチュル・ローズウィップ》を使用する【植物族】も分が悪い。
 対策としては《トラゴエディア》などで戦闘破壊する、《月の書》《禁じられた聖杯》効果を遮断する、《死者への供物》破壊するなどがある。

 《天魔神 ノーレラス》《魔導雑貨商人》を利用して速攻召喚されると非常に厳しい。
 次のドロー《連鎖爆撃》《積み上げる幸福》1枚では本当にどうしようもなくなってしまう。
 召喚のためのかなりの下準備が必要であるため、召喚前に相手ライフを1000以下に追い込んでしまうか、効果発動チェーンしてバーンカードを連射し焼き切るといい。
 だが、《ファントム・オブ・カオス》の登場で序盤から効果を使用される可能性が出てきた。
 これは《禁じられた聖杯》等がない場合あきらめる他ないだろう。

 また、《闇のデッキ破壊ウイルス》を使われると、その比率上、壊滅に追い込まれる。

 《ダーク・シムルグ》もまたこのデッキにとっては天敵である。
 攻撃力が2700もあり戦闘破壊しにくいだけでなく、セットが封じられてしまう故にこのデッキの根本が潰されてしまうからである。
 《光神機−桜火》《BF−疾風のゲイル》では戦闘破壊出来ない以上、各種除去魔法カード除去したり、《D.D.クロウ》特殊召喚用のコストを潰していくしかないだろう。

 プレイングの面でもエンドサイクに弱い。
 これはカード一枚一枚が火力またはドローという役割に加え、チェーンを稼ぐという役割を持っているためである。
 特に複数枚を破壊できる《ゴッドバードアタック》《デルタ・クロウ−アンチ・リバース》有する【BF】には非常に苦戦を強いられる。

 総じて非常に弱点が多いデッキであり、それ故サイドから対策されやすい。
 これらの最大の対策は「やられる前にやる」。
 相手が行動を起こす前に倒してしまう事こそが勝機となるだろう。

サンプルレシピ

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