*【ドローゴー】 [#w227c997]

  &ruby(ドロー){私は引きました};。~
  あなた&ruby(ゴー){のターン};です。

 「ドローゴー」とは、[[自分]]の[[ターン]]に何もしない戦術、およびその戦術を中軸に据えた[[デッキ]]のこと。~
 聞きなれない単語だが、由来は[[パーミッション]]と同じく「Magic: the Gathering」である。~
 あちらでは[[相手]][[ターン]]でも[[手札]]から使う事ができる[[カード]]が一つの種類として存在するため、それらを駆使するのである。~
 とは言っても遊戯王OCGで本当にドローゴーをしてしまうと殴られ放題のため、実際には「[[ドロー]]、[[セット]]、ゴー」となる。~

 なお、遊戯王OCGにおいて[[相手]][[ターン]]に[[手札]]から使える[[カード]]は、[[《冥府の使者ゴーズ》]][[《緑光の宣告者》]][[《オネスト》]]など、かなり限られている。~
 (他にどのようなカードがあるかは、[[手札誘発]]を参照)

 《神の宣告/Solemn Judgement》
 カウンター罠
 ライフポイントを半分払う。
 魔法・罠の発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
 どれか1つを無効にし、それを破壊する。

 《スキルドレイン/Skill Drain》
 永続罠
 1000ライフポイントを払う。このカードがフィールド上に存在する限り、
 フィールド上に表側表示で存在する効果モンスターの効果が無効化される。

 [[パーミッション]]系[[デッキ]]の一つであり、より[[カウンター]]に特化した[[デッキ]]を指す。~
 因みに現在の環境であれば先攻初手で[[《スキルドレイン》]]を[[発動]]するだけで、大半の[[デッキ]]は[[ロック]]を破る手段が数枚へと激減する。~

**[[デッキ]]の特徴 [#c2ff4030]
 通常の[[パーミッション]]系[[デッキ]]すら[[罠カード]]20枚程度が標準という偏った構築なのだが、これは[[モンスター]]0という輪をかけて狂った構築。~
 もはや一般的な[[デッキ]]のプレイングなどどこ吹く風、という[[デッキ]]である。~
 ただし[[モンスター]]がいないため、相手の[[《地砕き》]]や[[《サイバー・ドラゴン》]]を完全に[[腐らせる>腐る]]ことは可能。~
 また、[[《ディメンション・ウォール》]]が[[《魔法の筒》]]と化すのも特徴である。~

 だが御察しの様に、この系統はたいした成績を残せていないのが現実。~
 [[手札事故]]が起き易い構成であるのは勿論の事、[[カウンター罠]]に優秀な物が少なかったのも要因の一つである。~
 しかし、近年では[[《魔宮の賄賂》]]等の[[汎用性]]に優れた[[カウンター罠]]も登場し、地味ではあるが強化されてきている。~
 また、以前と比べると[[効果モンスター]]への依存度が高い[[デッキ]]も増えており、[[《スキルドレイン》]]が刺さりやすい[[環境]]になっているのも追い風だろう。~

**[[デッキ]]構築に際して [#f6fd2fd5]
 基本的には「[[パーミッション]]」に加えて「[[ロック]]」を併せたものになる。~

 採用する[[ロック]]カードで中心となるのは、定番の[[《レベル制限B地区》]][[《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》]][[《光の護封壁》]][[《平和の使者》]]。~
 上記の[[ロック]]をすり抜けてくる小粒な[[モンスター]]への対策に[[《くず鉄のかかし》]]を採用するのも良い。~
 即効性が無いのがネックだが、[[《幽獄の時計塔》]]も選択肢に入る。~
 [[発動]]から4[[ターン]]目以降は[[プレイヤー]]への[[戦闘ダメージ]]をほぼ完全に遮断する上に、[[魔法&罠カードゾーン]]も圧迫しない。~
 [[相手]]の[[モンスターカードゾーン]]を圧迫させる[[《おジャマトリオ》]]も面白い。~
 こちらは基本的に[[モンスター]]を展開しないので[[自爆特攻]]される事が無く、[[相手]]は[[シンクロ素材]]なり何らかの[[コスト]]にするなりしないと処理できないのだ。~
 [[ロック]]系[[永続カード]]と[[カウンター罠]]によって、完全に[[相手]][[モンスター]]を紙札にしてしまえば、[[ビートダウン]]に負けることはほとんど無いだろう。~

 次に[[ロック]][[カード]]を守るため、[[《氷帝メビウス》]]を始めとする[[伏せ除去]][[モンスター]]対策が必要となる。~
 これらを抑えられる上に天敵の[[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]対策にもなる[[《スキルドレイン》]]の投入はほぼ必須。~
 多くの[[効果モンスター]]を[[バニラ]]化して封殺するのは基本中の基本である。~
 上でも述べたが、この[[カード]]を先攻初手で[[発動]]できれば[[ロック]]を破る手段は激減するので、ある意味[[1ターンキル]]と呼べるかもしれない。~

 [[モンスターカード]]を場に出す事が皆無な[[デッキ]]なので、[[カウンター罠]]も[[魔法・罠カード]]を守る事を念頭に置いて採用していく。~
 とりあえず、万能[[カウンター]]の[[《神の宣告》]]は3枚積み確定。~
 続いて[[相手]]のこれらの[[カウンター罠]]をノー[[コスト]]で[[無効]]化でき、かつ[[《サイクロン》]]や[[《サンダー・ブレイク》]]等に対応できる[[《王家の呪い》]]。~
 [[バーン]]での勝利を目指す構築なら、対応範囲は狭いもののリターンが大きい[[《アヌビスの裁き》]]も視野に入る。~
 対応範囲の広い[[《魔宮の賄賂》]]も採用圏内だが、[[相手]]に[[ドロー]]させる[[デメリット]]が大きいと感じるのであれば無理に入れる必要は無い。~
 [[ロック]][[デッキ]]の性質上[[手札]]が余りやすいので、[[《大嵐》]]などを止めるならば[[《マジック・ジャマー》]]でも十分役目を果たせる。~
 とはいえ、[[ドロー]]させるという事は[[相手]]の[[デッキ]]枚数が減るという事でもあるので、[[デッキ]]切れでの勝利を考えるならば入れておいて損は無いだろう。~
 [[モンスター効果]]対策が[[《スキルドレイン》]]だけでは不安ならば[[《天罰》]]も入れておくのもあり。~
 [[カウンター罠]]ではないが、[[罠カード]]が多くなりやすい[[デッキ]]なので、[[《偽物のわな》]]を採用するのも面白い。~
 ノー[[コスト]]な上に[[モンスター効果]]による[[伏せ除去]]も[[無効]]にできるので、上記[[カウンター罠]]よりも気軽に使えるのが強み。~

 また、万が一[[ロック]]が破られた際の保険として[[フリーチェーン]]の[[《和睦の使者》]]か[[《威嚇する咆哮》]]もぜひ採用しておきたい。~
 [[ロック]]によって何もできなくなった[[相手]]は、1[[ターン]]でケリをつけようとする為に[[手札]]と[[フィールド]]を整えてくる。~
 この[[デッキ]]は[[相手]]もドローゴー状態になりやすいため、こうなるのも仕方無し、むしろ必然とも言える。~
 そして[[相手]]は[[手札]]に[[《大嵐》]]や[[《ハリケーン》]]などを[[手札]]に溜め込み、場の[[モンスター]]が揃い次第これらの[[伏せ除去]]カードを一気に使用してくるだろう。~
 故に[[除去]]に簡単に対抗できるこの2枚は、この一斉[[攻撃]]に対抗する上では非常に大きなウェイトを占めているのである。~
 [[伏せ除去]]を絡めた一斉[[攻撃]]を凌いだ上で、再び[[ロック]][[カード]]を場に出す事ができれば理想的。~

 この[[デッキ]]の勝利パターンは、ほぼ[[バーン]]・[[特殊勝利]]・[[デッキデス]]の3つに絞られる。~
 そのうち、大体の勝利手段は扱いやすい[[《波動キャノン》]]か[[《終焉のカウントダウン》]]の二つに頼る形になる。~
 死守が必要だが[[発動条件]]が無い[[《波動キャノン》]]か、[[発動]][[コスト]]はあるが生き延びれば良い[[《終焉のカウントダウン》]]かは好みで選ぼう。~
 [[バーン]]狙いなら、[[《仕込みマシンガン》]]等の使い捨て[[バーン]][[カード]]や[[ダメージ]]を反射する[[《ディメンション・ウォール》]]等を適宜投入しておくと良い。~
 [[《終焉のカウントダウン》]]型ならば[[ロック]][[カード]]や[[《威嚇する咆哮》]]等を多めに投入し、とにかく規定の[[ターン]]数を生き延びる事を考える。~
 [[デッキデス]]を狙う場合はやや強引だが、[[《終焉のカウントダウン》]]型以上に[[ロック]]や[[除去]][[カード]]を投入し、[[デッキ]]枚数を44〜45枚にすればよい。~
 このパターンはひたすら耐えるだけなので、[[デッキ]]構築の時点で悩むことは少ない。~
 なお、以上の勝ち筋は構築次第で共存させる事も十分可能である。~
 1つのパターンに固執すると[[メタ]]を張られた時にどうしようもなくなるので、余裕があれば2つ以上のパターンを組み合わせておくと戦いやすくなるだろう。~

 空いたスロットには[[ロック]][[カード]]や[[《スキルドレイン》]]を[[サーチ]]出来る[[《タイムカプセル》]]や[[《封印の黄金櫃》]]を入れておこう。~
 [[《成金ゴブリン》]]や[[《強欲な瓶》]]、[[《ガード・ブロック》]]等の[[ドロー]]加速[[カード]]を入れても良い。~
 不要な[[カード]]が溜まり易いこの[[デッキ]]では、[[《手札抹殺》]][[《手札断殺》]]も十分選択肢になる。~
 [[《スキルドレイン》]]を張る前に[[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]を出されると厄介なので、[[《地割れ》]][[《地砕き》]][[《ハンマーシュート》]]等を入れておくのも手。~
 [[手札]]が余りやすいので、[[《ライトニング・ボルテックス》]]や[[《ブラック・コア》]]等も十分活用できるだろう。~
 [[ドローロック]]を仕掛けられる[[《振り出し》]]や[[《鳳翼の爆風》]]を投入し、[[相手]]の状況打開をより困難にする手もある。~
 [[《スキルドレイン》]]や[[《神の宣告》]]等の[[ライフコスト]]を要求する[[カード]]が多いので、[[ライフゲイン]]系の[[カード]]を仕込んでも良い。~
 その場合は継続的に回復できる[[《神の恵み》]]や[[《魔法吸収》]]がオススメ。~
 [[モンスター]]0という[[デッキ]]コンセプトからは外れてしまうが、[[フィールド]]を圧迫しない[[《黄金の天道虫》]]を使うのも悪くない。~

**[[サイドデッキ]] [#z05c7bda]
 殆どの[[デッキ]]に大して[[メインデッキ]]から耐性を持つが、[[【フルバーン】]][[【チェーンバーン】]]だけは例外。~
 故に[[サイドデッキ]]には[[《デス・ウォンバット》]][[《レインボー・ライフ》]]等の対策[[カード]]を用意しておきたい。~

 また、[[マッチ]]2戦目以降は[[《ツイスター》]]等の[[伏せ除去]]が嵐のように飛んでくる。~
 これらを全て対処するのはかなり難しいので、[[《光の護封壁》]]からの[[《自爆スイッチ》]]で勝ち逃げしてしまうのもあり。~
 性質上1戦目の勝率はかなり良いが、対策をされると脆いこの[[デッキ]]で勝利を追及するならば、それなりに効率の良い方法である。~
 非常に有効かつ強力な手だが、引き分けなので2回連続で成功させる必要がある点には注意。~

 そしてそれ以上の外法としてあげられるのが[[エキストラデュエル]]の利用。~
 [[サイドデッキ]]を[[回復]]カードで埋め尽くした上で時間を調整し、[[エキストラデュエル]]に突入させれば、執拗な[[伏せ除去]]に悩む必要も無く、かつそれは[[【チェーンバーン】]]への対策ともなる。
  
**[[デッキ]]運用に際して [#f0df1875]
 『絶対に[[発動]]させてはいけないカード』すなわち、「[[マストカウンター]]」へ対応できるかが勝敗を分ける。~
 [[《人造人間−サイコ・ショッカー》]]や[[《王宮のお触れ》]]等の『罠封じ』、[[《大嵐》]]や[[《氷帝メビウス》]]等の複数枚の[[伏せ除去]][[効果]]を持つカードはその最たるものである。~
 それらに対応できる[[カード]]が無かった場合は、間違いなく致命傷を負う事になる。~
 万全な状態の局面を作り出すためには[[《幽獄の時計塔》]]を採用するのが一番安全であろう。~
 [[《幽獄の時計塔》]]と[[《スキルドレイン》]]が並べばほぼ勝ったも同然である。~
 あとは[[《波動キャノン》]]か[[《終焉のカウントダウン》]]を引くのを待つだけである。~
 今の環境では[[剣闘獣]]・[[ライトロード]]・[[シンクロモンスター]]が主流なので[[《スキルドレイン》]]は必須である。~
 [[《スキルドレイン》]]を張ればいかなる[[シンクロモンスター]]も何の意味も成さない。

**備考 [#tc671d8f]
-原作・アニメにおいて―~
原作では、[[罠カード]]中心[[デッキ]]を扱うリシドが使用した。~
[[《聖獣セルケト》]]や[[《アポピスの化神》]]など、細部は上記に書いた【ドローゴー】の構成とは異なるが、基本は「[[ドロー]]、[[セット]]、ゴー」である。~
あるターンでは[[ドロー]]する描写さえなく「このターンは何もせずターン終了」と言っていたので、ドローさえも無い「ゴー」になってしまっていた。~
-またアニメGXに登場し、ヨハンと対決した「無表情の仮面」は、ある意味【ドローゴー】[[デッキ]]だった。~
--アニメGXのヨハンと対決した「無表情の仮面」は、ある意味【ドローゴー】[[デッキ]]だった。~
例え[[直接攻撃]]を受けても「[[モンスター]]を[[召喚]]する」「[[罠カード]]を伏せる」など[[手札]]を使う行為を一切しない対戦[[相手]]をヨハンは不審に思ったのだが・・・~
~
また、同じくGXでペアデュエルで行われた「十代&明日香vs剣山&レイ」戦におけるレイは[[モンスター]]を全く使用していない。~
タッグパートナーに[[モンスター]]を任せ、[[自分]]は[[魔法・罠カード]]によるサポートに徹していた。~
DMの光の仮面も似たような戦術を取っていたが、こちらは[[モンスター]]を使用している。

-コナミのゲーム作品において―~
「[[遊戯王デュエルモンスターズエキスパート2006>http://www.konami.jp/gs/game/yugioh_ex2006/index.html]]」では、制限[[デュエル]]で大活躍する。~
「[[遊戯王デュエルモンスターズエキスパート2006>http://www.konami.jp/gs/game/yugioh_ex2006/index.html]]」以降の作品ではでは、制限[[デュエル]](またはチャレンジ)で大活躍する。~
ほとんどが「[[地属性]]以外禁止」といった、「○○以外禁止」という形なので、[[モンスター]]を使わない【ドローゴー】で多くをクリアすることが出来るのだ。


**代表的なカード [#pd7bc33a]
-[[《神の宣告》]]
-[[《スキルドレイン》]]
-[[《波動キャノン》]]
-[[《終焉のカウントダウン》]]

**関連リンク [#kf31f694]
-[[【トランス】]]
-[[【パーミッション】]]

-[[カウンター罠]]

-[[デッキ集]]