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「ドローゴー」とは、自分のターンに何もしない戦術、およびその戦術を中軸に据えたデッキのこと。
聞きなれない単語だが、由来はパーミッションと同じく「Magic: the Gathering」である。
とは言っても遊戯王OCGで本当にドローゴーしてしまうと殴られ放題のため、厳密には「ドロー、セット、ゴー」となる。
《神の宣告/Solemn Judgement》 カウンター罠 ライフポイントを半分払う。 魔法・罠の発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の どれか1つを無効にし、それを破壊する。
《スキルドレイン/Skill Drain》 永続罠 1000ライフポイントを払う。このカードがフィールド上に存在する限り、 フィールド上に表側表示で存在する効果モンスターの効果が無効化される。
パーミッションデッキの一つであり、よりカウンターに特化したデッキを指す。
構成上モンスターを入れないため、相手の《地砕き》や《強奪》などのモンスターを対象としたカードを無駄なカードにすることができる。
もともとがパーミッションである上、今大活躍している《サイバー・ドラゴン》も完全に手札で腐るため、現環境で猛威を振るうビートダウンに対する完全なまでのメタデッキと言ってよいだろう。
…あくまで上級者が使えば、の話だが。
通常のパーミッションデッキすら罠カード20枚程度が標準、という狂った構築なのだがこれはモンスター0という輪をかけて狂った構築。
もはや一般的なデッキのプレイングなどどこ吹く風、というデッキである。
元来、カウンターカードのコストは重い上に「マストカウンター」の見極めが難しいため、初心者はおろか中級者にすらまったく向かない。
最低でも、相手のデッキを見抜きそれがどう動くかの予測程度は基本技能として出来る人でないと、単なる紙束にしかならないだろう。
故にこそ、このデッキは勝利したとき最も格好の良いデッキのひとつなのである。
デッキタイプは「パーミッション」に加えて「ロック」か「除去」、もしくは両方を併せたものになる。
ただ補足しておくと、《マジック・ドレイン》は投入の余地はなく、代わりに《マジック・ジャマー》が優先される。
このデッキにおいては、「本当に通してはいけないカード=数種類の伏せ除去」以外の魔法カードをカウンターする意味は無いのだ。
マッチ2戦目からは《魔法効果の矢》等に対する対策として《封魔の呪印》に差し替えてもいいだろう。
「ロック」タイプの場合は《レベル制限B地区》《グラヴィティ・バインド−超重力の網−》《光の護封壁》を主体にすることになる。
ロック系永続カードとカウンター罠によって完全に相手モンスターを紙札にしてしまえば、ビートダウンに負けることはほぼないだろう。
このため、こちらのタイプの場合のデッキ構築難易度は存外に低い。
カウンターカードの取捨選択さえ間違えなければ、後はロックカードとエンドカードを組み込めば言い話であるからである。
また、《和睦の使者》《威嚇する咆哮》等、カード・アドバンテージこそ損なうが戦闘ダメージを防ぐカードを使いやすい点も魅力。
なお、デッキ構築が【ロックバーン】に近くなってしまうが、だからといってロックを掛けてはならないわけではない。
むしろ、キーカードを引くためにある程度のロックカードは必須といえるだろう。
もともと【キュアバーン】から分化したデッキだから、ある程度はどうしても似てしまうのである。
もう一つの「除去」タイプの場合は、カード・アドバンテージこそ損ない難いが、粗が多く脆さがある。
まず、《神の宣告》《キックバック》等の召喚カウンター罠だけではとても相手モンスターの数に追いつけない。
《聖なるバリア−ミラーフォース−》《激流葬》などの代表的な除去カード以外にも、多くのモンスター除去を投入しなければならない。
もちろん、直接攻撃を何度も受けるわけにもいかないので基本は速攻魔法や罠カードでモンスターを除去するのがよい。
しかも、それらに加えて《マジック・ジャマー》《神の宣告》等の伏せ除去対策カードがなければあっさり殴り倒される。
つまり、コストカードが多い上に、相手モンスターの攻撃を止める手段が1:1交換カードというだけでは厳しすぎるのである。
手札に余裕が生まれる「ロック」タイプとは異なりやはり扱い難さが目立つ。
どちらせよ、《氷帝メビウス》を始めとする伏せ除去モンスターは必要。
これらを押さえられる上天敵の《人造人間−サイコ・ショッカー》対策にもなる《スキルドレイン》の投入はほぼ必須と言えるだろう。
多くの効果モンスターをバニラ化して押さえ込むのは基本中の基本である。
なお、ほとんどの場合勝利手段は《波動キャノン》か《終焉のカウントダウン》の二つになる。
バーン・特殊勝利・デッキデスなら何でもよいのだが、この二つはカード1枚で勝利を得ることができるので扱いやすい。
死守が必要だが発動条件が無い《波動キャノン》か、発動コストはあるが生き延びれば良い《終焉のカウントダウン》かは好みで選ばれる。
ただ、《波動キャノン》の場合、相手が《マクロコスモス》を採用している場合や、2戦目からの《砂塵の大竜巻》等の大量投入を考え、サイドデッキに《終焉のカウントダウン》を投入しておき、相手によって差し替えた方が良いかも知れない。
また、《執念の剣》か《迷犬マロン》を投入しライブラリーアウトまで粘る戦術でもいい。
この場合は《おジャマトリオ》+《地盤沈下》等のロックの採用が必須である。
《神の宣告》等のせいでライフがそのうち足りなくなる場合に備えて《神の恵み》《ドレインシールド》などのライフ回復カードの投入。
バーンデッキ対策として、《デス・ウォンバット》のサイドデッキからの投入。
事故防止の《打ち出の小槌》、手札コストを稼ぐ《サンダー・ドラゴン》等も一考の価値がある。
なお、《オオアリクイクイアリ》が必須となるが《天変地異》を積むのも面白い。
この場合、《マインドクラッシュ》が投入できるため手札の対策カードを叩き落せるようになる。
→【天変地異コントロール】
また、《神炎皇ウリア》と《降雷皇ハモン》の二体を最も容易く搭載できるデッキである。
《クリボー》と《増殖》を入れれば《幻魔皇ラビエル》すらも搭載できるだろう。
影丸の真似をしたいならこのデッキを組むのも悪くは無い。
他にも、《宇宙の収縮》を入れるのも面白いかもしれない。
相手は、モンスター無しと分かった時点で、不要なモンスター除去カードを伏せ、相手に破壊させようという事を思いつくはずだ。
その上こちらは魔法、罠ゾーンしか使わないので無理なく投入できる。…といった感じでうまい具合に相性が合う。
『絶対に発動させてはいけないカード』すなわち、「マストカウンター」の見極めが最重要。
当然ながら《人造人間−サイコ・ショッカー》や《王宮のお触れ》等の『罠封じ』、《大嵐》や《氷帝メビウス》等の、多くの伏せカードを破壊もしくは無効化する効果を持つカードはその最たるものである。
それらに対応できるカードが無かった場合は、間違いなく致命傷を負う事になる。
特にマッチ2戦目以降は、山のような伏せ除去カードが飛んで来るため、対処が難しいと感じたら、《光の護封壁》からの《自爆スイッチ》で勝ち逃げしてしまうのもありだろう。
性質上1戦目の勝率はかなり良いが、対策をされると脆いこのデッキで勝利を追及するならば、最も効率の良い方法である。
《王宮のお触れ》や《砂塵の大竜巻》が大量投入されるのは目に見えているので非常に有効かつ強力な手だが、引き分けなので2回連続で成功させる必要があるので注意。
なお、手札使いが荒いのだが、ドロー系カードをほとんど入れることができないため次第に「息切れ」する危険性を秘めている。
手札がなければブラフさえかけられないのだから、このデッキにとって「手札確保」が如何に重要かは理解できよう。
そこで、《封印の黄金櫃》や《タイムカプセル》の投入も視野にいれておきたい。
速攻性に乏しいがいかなるカードでもサーチできる優秀なサーチカードである。
また、直接手札が増えないものの、カードが罠に偏りがちなこのデッキでは、《不幸を告げる黒猫》も優秀なサーチ手段であると言える。
しかし《抹殺の使徒》の餌食となる可能性があるので、そのまま投入しても思った以上の戦果は無い。
やはり罠カードの多さから、《人造人間−サイコ・ショッカー》や《王宮のお触れ》は天敵。
確実にカウンターしたい所だが、通してしまった後のことを考えて対抗カードは温存するべき。
対《王宮のお触れ》として、《砂塵の大竜巻》や《盗賊の七つ道具》、《サンダー・ブレイク》等を起用するのも選択肢の一つ。
いっそのこと《禁止令》や《ダブルトラップ》あたりで完全に狙い撃ちしたほうがいいかもしれない。
《光と闇の竜》に対してもかなり脆い。
出されたが最後、《死者への供物》等が入っていなければ最低でも5枚のカードを使用しないと除去できない。
これに関しては、出されないプレイングを心がけるしか無いだろう。
また、構築の時点でビートダウンデッキとの交戦しか想定していないためバーンデッキには苦戦を強いられる。
攻撃カードを絞り込んだ【ロックバーン】となら互角の戦いを演じる事が可能だが、【フルバーン】にはあっさり焼き殺される事だろう。
初手に《波動キャノン》があればギリギリ間に合う可能性がある程度と非常に厳しい戦いとなる。
環境に合わせて使うべきデッキである。