【ノーカオス】

説明

 【カオス】、極言すれば《混沌帝龍 −終焉の使者−》《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》が全盛だった頃のデッキ分類の一種。
 上記の二枚に頼らないビートダウンのことであり、形式としては「混沌を制す者」が出る前の【スタンダード】の流れを受け継いでいる。~ また、デッキ名称は「No Chaos」、すなわち「カオスモンスターに頼らず、それらに対抗する」という意味を込めて名付けられた。

 デッキ構築におけるメリットは「カオスモンスターを投入しないため、以外の属性の強力カードを多用することが可能だったこと。
 特にには《D.D.アサイラント》《異次元の戦士》と言った【次元斬】の主力がおり、【カオス】墓地利用を対策できた。

 デッキの安定性は【カオス】より確実に上だったが、ジリ貧になることもあり、デッキの爆発力では遅れをとることになる。
 特に、大流行した【変異カオス】に対して【ノーカオス】で勝ち進むには、特殊召喚を「対策」する他なかった。

 切り札《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》に加え、《スケープ・ゴート》《突然変異》を擁した【変異カオス】の長所かつ短所は特殊召喚を多用することであった。
 対策デッキとしては【メタビート】と類似した所も多く、《王虎ワンフー》《王宮の弾圧》を採用した【弾圧ワンフー】にはそれが顕著に表れている。

デッキの変遷

03/04/24〜03/07/01

 混沌を制す者発売により【スタンダード】は【ノーカオス】と【カオス】に派生した。
 しかし、《混沌帝龍 −終焉の使者−》《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》6枚体制の時はデッキに差がありすぎた。
 《苦渋の選択》でこれらを確実にサーチするなど、凶悪さに対抗するのは困難だった。

03/07/01〜03/10/15

 《混沌帝龍 −終焉の使者−》制限カードになり、《霊滅術師 カイクウ》等で対策していくことになる。

03/10/15〜04/03/01

 《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》制限カードになり、【ノーカオス】との差は小さくなる。
 《D.D.アサイラント》が登場したことにより、【次元斬】等が生まれることになる。

04/03/01〜04/09/01

 環境のパワー化に合わせて【ミーネ・ウイルス】が登場した。
 【カオス】【ウイルスカオス】となって対抗した。

04/09/01〜05/03/01

 《混沌帝龍 −終焉の使者−》禁止カードになる。
 《死のデッキ破壊ウイルス》制限カードになり、《霊滅術師 カイクウ》等の墓地封じが再び使いやすくなった。
 《ネフティスの鳳凰神》《ゴブリンのやりくり上手》等が流行する。

05/03/01〜05/09/01

 《異次元の女戦士》制限カードになり【次元斬】が消滅。
 《スケープ・ゴート》《突然変異》の台頭に【弾圧ワンフー】が出現。
 《王宮の弾圧》入りの【除去ガジェット】【アビス・コントロール】もある意味で【ノーカオス】の一種として扱われた。
 その後《月読命》を入れて完成した【変異カオス】が猛威を振るう。
 終盤には《サイバー・ツイン・ドラゴン》《サイバー・エンド・ドラゴン》が登場し、【ターボカオス】?が出現。
 永続罠である《王宮の弾圧》《ハリケーン》等で無力化されるために、採用されなくなる。
 後の【ノーカオス】は【変異カオス】から《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》を抜いたようなものであった。
 最後の砦として主流デッキとして残ったのは【除去ガジェット】だけであった。

デッキの派生

【弾圧ワンフー】

 特殊召喚を多用する【変異カオス】の特徴を逆手に取り、【変異カオス】対策として生み出されたメタデッキ
 《王虎ワンフー》《王宮の弾圧》で狙ったカードは《サウザンド・アイズ・サクリファイス》《スケープ・ゴート》であった。

《王虎ワンフー/King Tiger Wanghu》
効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻1700/守1000
このカードが表側表示でフィールド上に存在する限り、
召喚・特殊召喚した攻撃力1400以下のモンスターを破壊する。
《王宮の弾圧/Royal Oppression》
永続罠
800ライフポイントを払う。
モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む
効果を無効にし、そのカードを 破壊する。
この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。

 採用されるモンスター攻撃力が高く効果も優秀な地属性モンスターが中心となる。
 これは【変異カオス】で採用されるモンスター攻撃力がそれほど高くないため、モンスターの殴り合いにおいて有利に立つためである。

 また、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》対策として《地砕き》《炸裂装甲》を3枚積んで膠着状態を回避する。

 アタッカーとして、通常召喚扱いの半上級モンスター《疾風の暗黒騎士ガイア》が採用されることもあった。

 理論上は【変異カオス】だらけの環境にフィットしたよいデッキであったが使用者の数は少なかった。
 それは、同時期に台頭して来た【除去ガジェット】耐性がなかったことがその原因の一つだろう。
 また攻撃力1500以上のモンスターが多かったため《死のデッキ破壊ウイルス》を打たれると脆いと言う欠点もあった。

 現在では制限改訂によって【変異カオス】が消滅したことで、このデッキも共に存在意義を失うことになった。

【弾圧アビス】

 【弾圧ワンフー】とともに【変異カオス】封じるために生まれたメタデッキ
 【アビス・コントロール】《王宮の弾圧》を入れることにより相手の大量展開を徹底的に封じる。

《アビス・ソルジャー/Abyss Soldier》
効果モンスター
星4/水属性/水族/攻1800/守1300
水属性モンスター1体を手札から墓地に捨てる。
フィールド上のカード1枚を持ち主の手札に戻す。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用することが出来る。
《キラー・スネーク/Sinister Serpent》
効果モンスター(禁止カード)
星1/水属性/爬虫類族/攻 300/守 250
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在している場合、
このカードを手札に戻すことができる。
《王宮の弾圧/Royal Oppression》
永続罠
800ライフポイントを払う。
モンスターの特殊召喚及び、モンスターの特殊召喚を含む
効果を無効にし、そのカードを 破壊する。
この効果は相手プレイヤーも使用する事ができる。

 《キラー・スネーク》のおかげで《アビス・ソルジャー》バウンス能力を自在に使い、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》を対策した。
 《王宮の弾圧》自分手札に戻して、こちらだけ特殊召喚をするなんてことも一応できた。
 《キラー・スネーク》サーチするために《おろかな埋葬》もよく採用された。

代表的なカード

関連リンク

―「カオスモンスター
カオス」の名を冠し、闇属性光属性モンスター墓地から除外する事で特殊召喚できる効果モンスター

外部リンク